［GC 2006＃16］Ubisoft，潜水艦シム最新作「Silent Hunter 4」ほかを公開

　フランスの雄Ubisoft Entertainmentが，GC 2006においてプレスカンファレンスを開催し，シリーズ最新作となる「Silent Hunter 4: Wolves of the Pacific」の制作を発表した。

　前作「Silent Hunter 3」は，2005年5月にリリースされ，日本でも今年5月にフロンティアグルーヴから販売されたばかり。ただSilent Hunter 4は，ドイツ海軍のUボートを想定した前作とは異なり，プレイヤーがアメリカ軍の潜水艦を操って，太平洋戦争さなかの日本軍と戦うという，日本のウォーゲームファンにはたまらない設定になっている。もともと，シリーズ第1作で扱われたのが太平洋戦線だったことを考えると，一種の原点回帰といえるかもしれない。
　開発は，前作同様Ubisoftの開発部隊の一つ，ルーマニア支部が担当し，2007年春を目指して制作が進められている。




　Silent Hunter 4の特徴は，潜水艦シムにありがちな地味な印象を払拭するために，ハリウッド映画ばりのスクリプティングや派手なエフェクトを満載し，グラフィックスに一層の磨きがかけられていることにある。前作から潜水艦の内部を歩き回れるようになったが，今回は乗組員管理の要素もより強調されており，勝利を収めることによって彼ら一人一人の経験値やスキルのアップグレードが行われる。マルチプレイヤーモードでは，数人の仲間で各部門を担当して，チーム戦を戦ったりもできるのだそうだ。



　さて，Ubisoftのプレスカンファレンスでは，このほか「Brothers in Arms: Hell's Highway」と，「Dark Messiah of Might & Magic」の進捗状況も報告された。Hell's Highwayは，ご存じGearbox Softwareが開発する一人称視点型のタクティカルシューティングゲームの第3弾。会場で披露されたのはE3のときと同じデモではあったが，GearboxディレクターのRandy Pitchford（ランディ・ピッチフォード）氏によると，主人公キャラクターのアニメーションなどいくつかの変更点が加えられて，一層洗練された模様だ。

　一方Dark Messiah of Might & Magicは，すでにデモもリリースされて多くのファンから期待されているが，GC 2006ではマルチプレイヤーデモや新たなシングルミッションも紹介されている。開発に携わるArkane Studiosのデザイナー，Raphael Colantonio（ラファエル・コラントニオ）氏は，会場でデモンストレーションを行いながら，ゲームエンジンに利用されているValveのSourceエンジンのパワーを解説し，特別ゲストとして会場にやってきたValve社長のGabe Newell（ゲイブ・ニューウェル）氏との綿密な連携を強調した。

　今回のカンファレンスでは，Ubisoftの，継続的なPCやコアゲーマーへのサポートを確認できた。カンファレンスルームの賑わいからも，他社に先駆けてドイツ市場を開拓してきたUbisoftに対する期待がうかがえる。
　なおUbisoftは，このほかにも複数のPCゲーム新作をエキスポ会場のブースで公開している。その模様は，また日を追って紹介することになるだろう。（ライター：奥谷海人）



■UbisoftのGC 2006出展ラインナップ

• Assassin's Creed
• Storm of War: Battle of Britain
• Call of Juarez
• Faces of War
• Tom Clancy's Splinter Cell: Double Agent
• Tome Clancy's Rainbow Six: Vegas
• Rayman Raving Rabbids
• Red Steel
• Die Siedler（Nintendo DS）