RDNA 4世代のエントリーGPU「Radeon RX 9050」の実力は?
ASRock AMD Radeon RX 9050 Challenger 8GB
AMDのエントリー市場向けGPUである「Radeon RX 9050」(以下,RX 9050)は,Radeon RX 9000シリーズでは最も下位に位置付けられるものだ。
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当然ながら,性能はある程度抑えられていると思われるが,価格が高騰しているグラフィックスカード市場において,手が届きやすい製品としてRX 9050は気になる存在だろう。
RX 9050は,今どきのゲームをプレイできる十分な性能を備えているのだろうか。ASRock製のRX 9050搭載カードである「AMD Radeon RX 9050 Challenger 8GB」を用いて,その性能を確かめてみたい。
Navi 44コアを採用し,規模はRX 9060 XTのちょうど半分
まずはRX 9050がどのようなGPUなのか,その仕様を説明しておこう。
RX 9050は,GPUコアに「Radeon RX 9060」(以下,RX 9060)や,その上位モデルである「Radeon RX 9060 XT」(以下,RX 9060 XT)と同じ「Navi 44」を採用している。
Navi 44は,RDNA 4アーキテクチャに基づいたGPUであり,TSMCのN4Pプロセスで製造される。ダイサイズは199mm2で,約297億個のトランジスタを搭載している点もRX 9060 XT/9060と同じだ。
少しおさらいをしておくと,RDNA 4アーキテクチャでは,AMDが「Stream Processor」(以下,SP)と呼ぶシェーダプロセッサを16基束ねて1基の実行ユニットとしている。
その実行ユニットを4基と,AI処理ユニットの「AI Accelerator」を2基,レイトレーシングユニットの「Ray Accelerator」を1基,さらにレジスタファイル,スケジューラ,テクスチャユニットなどをまとめた単位を,AMDは「Compute Unit」(以下,CU)と呼んでいる。
そのCUを2つまとめて,AMDは「Dual Compute Unit」と呼んでいるわけだが,Dual Compute Unitを8基(CUでは16基)束ねて「Shader Engines」を構成する。
Navi 44は,Shader Enginesを2基備えているため,CUの総数は16×2で32基となり,SPの総数は16×4×32で2048基という計算だ。
Navi 44では,AI Acceleratorが第2世代へと進化し,FP8フォーマットの処理に対応。そのためRX 9050も,AMD独自の超解像技術「FidelityFX Super Resolution 4」(以下,FSR 4)を利用でき,その処理にAI Acceleratorを活用する仕組みになっている。
さて,RX 9050では,2基のShader Enginesのうち,1基が丸ごと省略されている。そのため,RX 9050のCU数は16×1の16基となり,SP数も16×4×16で1024基となる計算だ。つまり,Navi 44のフルスペックであるRX 9060 XTの,ちょうど半分の規模となる。
CU数がNavi 44のフルスペックの半分であるため,AI Acceleratorは32基,第3世代Ray Acceleratorが16基と,こちらもRX 9060 XTの半分だ。
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なお,テスト中の動作クロックを「GPU-Z」(Version 2.70.0)で追ってみたところ,RX 9050は,公称のブースト最大クロックを上回る2701MHzまで上昇していることを確認した。
GPUコアがRX 9060などと変わっていないため,RX 9050もAMD独自のキャッシュメモリ技術である第3世代の「AMD Infinity Cache」を内蔵している。当然,キャッシュメモリ容量は,RX 9060 XT/9060と同じ32MBだ。
グラフィックスメモリにGDDR6を採用し,メモリインタフェースが128bitである点も,RX 9060 XT/9060と同様だ。RX 9050のメモリクロックは18GHz相当とRX 9060と同じであるため,メモリ帯域幅も288GB/sとなる。
つまり,AMD Infinity Cacheを含めたメモリ周りは,RX 9050はRX 9060とまったく同じだ。
SP数や動作クロックが抑えられたRX 9050だが,その分,消費電力基準である「Total Board Power」(以下,TBP)も低く,公称値は92Wに留まる。
RX 9060 XTの160Wからは68W,RX 9060の132Wからは40W低いので,消費電力を抑えた扱いやすいGPUといえそうだ。
そんなRX 9050の主な仕様を,RX 9060 XTと,旧世代の同クラスのGPUである「Radeon RX 7600」(以下,RX 7600),それにGeForceシリーズの競合GPUである「GeForce RTX 5050」(以下,RTX 5050)とともにまとめたものが表1となる。
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RX 9050の接続インタフェースは,RX 9060 XTと同じPCI Express(以下,PCIe) 5.0 x16で,RTX 5050のPCIe 5.0 x8動作と異なる点は押さえておきたい。
比較的扱いやすいカード。電源部はかなりしっかりした作り
それでは,AMD Radeon RX 9050 Challenger 8GBのカードそのものについて見ていこう。
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本製品のカード長は,実測で約246mm(※突起部含まず)である。基板自体は175mmほどしかなく,GPUクーラーがカード後方に70mmほどはみ出た格好だ。
また,マザーボードに装着した場合,ブラケットよりも20mmほど背が高いカードになっている。
重量は実測で約647gだった。
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外観は黒を基調にしたデザインだが,上側面のブラケット寄りにライン状のLEDが搭載されており,そこがきらびやかに点灯する。
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なお,LEDの色は青と緑のグラデーションのみで変更はできない。ただ,PCIe補助電源コネクタのすぐ横にディップスイッチが用意されており,物理的にLEDをオフにすることも可能だ。
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GPUクーラーは2スロット占有タイプで,100mm径のファンを2基搭載する。
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ASRockによると,これらの構造によりエアフローを強めて,冷却性能を最適化できるという。
GPUコアに負荷がかからない,いわゆるアイドル時にファンの回転を停止する「0dB サイレントクーリング」という機能も備えている。
AMD Radeon RX 9050 Challenger 8GBは,最大50Aを制御可能なDrMOSデバイスを電源部に搭載するほか,90Aまで対応するパワーチョークも採用する。
RX 9050はエントリー向けのGPUではあるが,AMD Radeon RX 9050 Challenger 8GBの電源部は,かなりしっかりした作りといった印象だ。
先の写真のキャプションでも触れたが,PCIe補助電源コネクタは8ピンを1基装備する。基板の後端に取り付けられているが,基板自体がカードより短いので,カードの中央からやや後方に位置する格好だ。
映像出力インタフェースは,DisplayPort 2.1aを2系統とHDMI 2.1bを1系統備える。よく見かける4系統ではなく,3系統に絞っているあたりは,エントリー市場向け製品らしいコストダウンともいえよう。
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上位モデルや旧世代モデル,それに競合製品との比較を実施
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GeForce RTX 5050 WINDFORCE OC 8Gは,2連ファン搭載クーラーでカード長約199mmを実現したコンパクトなRTX 5050搭載カードだ。ブーストクロックは2587MHzで,リファレンス仕様の2572MHzよりも少し引き上げられている。
RX 9060 XTとRX 7600も,メーカーレベルで動作クロックを引き上げたクロックアップモデルだ。そのため,これらの3製品は,MSIのオーバークロックツールである「Afterburner」(Version 4.6.7)を使って,ブースト最大クロックもしくはブーストクロックをリファレンスまで下げてテストを行っている。
利用したグラフィックスドライバは,Radeonシリーズが「AMD Software Adrenalin Edition 26.7.1」だ。すでに26.8.1がリリースされているが,テスト時期の都合でひとつ前のものを用いている。
一方のRTX 5050は「GeForce 610.88 Driver」で,こちらはテスト時点で最新版だ。そのほかのテスト環境は表2のとおり。
| CPU | Core i9-14900K(P-core 定格クロック3.2GHz, |
|---|---|
| マザーボード | ASRock Z790 Steel Legend Wi-Fi |
| メインメモリ | Corsair VENGEANCE RGB DDR5 |
| グラフィックスカード | ASRock AMD Radeon RX 9050 Challenger 8GB |
| ASRock Radeon RX 9060 XT Steel Legend 8GB OC |
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| ASRock Radeon RX 7600 Challenger 8GB OC(Radeon RX 7600,グラフィックスメモリ容量8GB) | |
| GIGABYTE GeForce RTX 5050 WINDFORCE OC 8G(GeForce RTX 5050,グラフィックスメモリ容量8GB) | |
| ストレージ | CFD CSSD-M2M1TEG1VNE(PCIe 3.0 x4,1TB) |
| 電源ユニット | CoolerMaster V1200 Platinum(定格1200W) |
| OS | Windows 11 Pro 25H2 |
| チップセットドライバ | Intel チップセットINFユーティリティ |
| グラフィックスドライバ | Radeon:AMD Soft |
| GeForce:GeForce |
テスト内容は,4Gamerのベンチマークレギュレーション32に準拠している。
今回は,基本的にレギュレーションでローエンド環境向けとして策定しているプリセットを選択した。また,レギュレーションでは超解像技術を使用しているタイトルがいくつかあるが,今回のテストにおいては,RadeonシリーズはFSRを,GeForceシリーズはDLSSをそれぞれ指定している。
なお,いずれのテストでもフレーム生成は使用していない。
テスト解像度は,いつものように3840×2160ドット(以下,4K),2560×1440ドット(以下,1440p),1920×1080ドット(以下,フルHD)の3パターンを選択している。
RX 9050やRTX 5050に,4K解像度はあきらかに荷が重いだろうが,最新のエントリー市場向けGPUがどれくらいの性能を発揮できるかの目安にはなるだろう。
RX 9060 XTの6割前後の性能で,RTX 5050の後塵を拝す場面が多い
それでは3DMarkの結果から順に見ていこう。グラフ1は,「Fire Strike」の総合スコアをまとめたものだ。
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RX 9050のスコアは,RX 9060 XTの55〜66%程度だ。RX 9050のGPU規模が,RX 9060 XTの半分であることを考えれば,スペックよりもスコアが高いといったところ。
ただ,RX 7600には32〜38%程度,RTX 5050にも16〜27%程度離されている。
続いてグラフ2は,DirectX 12のテストとなる「Time Spy」の総合スコアを比較したものだ。
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ここでのRX 9050のスコアは,RX 9060 XTの59〜60%程度に留まり,あまり振るわない。ただ,RX 7600との差は約20%,RTX 5050との差は約10%と,Fire Strikeよりは差を縮めている。
Time Spyより新しいDirectX 12テストである「Steel Nomad」の結果が,グラフ3だ。
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RX 9050のスコアはRX 9060 XTの約53%で,GPUの規模の差がそのままスコアに表れた印象だ。一方,RX 7600やRTX 5050とは,約14%離されたままだ。
グラフ4は,DirectX 12 Ultimateに対応したテストの「Speed Way」の結果だ。
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RX 9050のスコアはRX 9060 XTの約65%と,若干盛り返した。さらに,RX 7600との差を約7%まで縮めており,世代の新しさを見せつけている。
ただ,RTX 5050との差が約41%もある点は見逃せない。
レイトレーシングに特化したテストである「Port Royal」の結果がグラフ5だ。
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ここでもRX 9050のスコアはRX 9060 XTの約54%に留まる。RX 7600にも約20%離され,RTX 5050には約33%の差を付けられた。いいところがまったくない。
実際のゲームではどうなのだろうか。グラフ6〜8は,「Call of Duty: Black Ops 7」(以下,CoD:BO7)の結果となる。
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RX 9050の平均フレームレートは,RX 9060 XTの48〜55%程度とあまり振るわない。RX 7600にも59〜107%程度の差を付けられている。
CoD:BO7は,Radeonシリーズが高いフレームレートを発揮する傾向にあるのだが,それでもRX 9050は,RTX 5050にも19〜41%程度届いていない。
また,RX 9050の1パーセンタイルフレームレートも同様で,RX 9060 XTの46〜47%程度に留まった。フルHDでRX 9050の1パーセンタイルフレームレートがRX 9060 XTの63%まで差を縮めているのは,CPUがボトルネックとなってRX 9060 XTが伸び切らなかったということなのだろう。
ただフルHD解像度であれば,ベーシックプリセットではあるが,RX 9050でもプレイアブルなフレームレートが出せる結果といえようか。
グラフ9〜11は「Battlefield 6」の結果となる。
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フルHDに限れば,RX 9050の平均フレームレートはRX 9060 XTの約67%。RX 7600やRTX 5050との差も13〜14%程度まで縮めている。
CPUがボトルネックとなり,上位モデルや競合製品が伸び切らなかったためだろうが,CPU性能がそれほど高くない環境であればRX 9050という選択肢もアリなのかもしれない。
4Kになると,RX 9050がRX 7600やRTX 5050を逆転している点は立派。ただ,そもそもRX 9050の性能で,本作を4K解像度でプレイするのは難しい。
1パーセンタイルフレームレートも同じ傾向で,4KではRX 9050がRX 7600やRTX 5050を上回ってみせた。
グラフ12〜14は,「モンスターハンターワイルズ」(以下,モンハンワイルズ)の結果だ。
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モンハンワイルズでも,フルHDであればRX 9050の平均フレームレートは,RX 9060 XTの約83%に達しており,RX 7600との差は約14%,RTX 5050との差は約6%まで縮めている。
解像度が高くなるにつれて,RX 9050の性能の低さが露呈しており,4Kになると平均フレームレートはRX 9060 XTの約50%ほどしかない。RX 7600にも約63%,RTX 5050に約24%引き離されている。
一方で,RX 9050の1パーセンタイルフレームレートは,1440p以下の解像度であればRTX 5050を上回っており,見どころもある。テストでは「低プリセット」を使っているが,この状況であればRX 9050でもフルHDで快適なプレイができそうだ。
「Fortnite」の結果を,グラフ15〜17に示す。
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今回のテストでは「中プリセット」を使用しているだけあって,RX 9050の平均フレームレートは4Kでも60fpsを超え,フルHDで250fpsほどとかなり好調だ。
それでもRX 9060 XTの61〜69%程度に留まり,RX 7600との差は12〜15%程度,RTX 5050との差も17〜24%程度と,善戦はしているものの差を縮めたわけではない。
RX 9050の1パーセンタイルフレームレートは,RX 9060 XTの63〜70%ほどで,1440pで120fpsを上回っている点は評価できよう。
「ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマーク」(以下,FFXIV黄金のレガシー ベンチ)の総合スコアをまとめたのがグラフ18だ。
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スクウェア・エニックスが示す指標では,スコアが1万5000以上で最高評価の「非常に快適」となる。「標準品質(デスクトップPC)」とはいえ,RX 9050はフルHDで1万5000を大きく上回った。
また4Kでは,RX 9050はRX 9060 XTとの差を約10%にまで縮めたほか,RX 7600との差は約6%,RTX 5050との差も約9%まで縮めている。
FFXIV黄金のレガシー ベンチにおける平均フレームレートと最小フレームレートをまとめたものが,グラフ19〜21だ。
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平均フレームレートは,おおむね総合スコアを踏襲したものとなっているが,RX 9050の最小フレームレートがフルHDで150fpsに迫る勢いを見せている点は,特筆すべきポイントだろう。
「F1 25」の結果(グラフ22〜24)では,RX 9050はかなり良好な傾向を見せた。
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F1 25でもRX 9050の平均フレームレートは,RX 9060 XTの62〜81%程度と,スペック差から想定されるよりも健闘している。RX 7600との差も4〜10%程度で,RTX 5050に対しては1440p以下の解像度で上回ってみせた。
RX 9050の最小フレームレートを見ていくと,RX 9060 XTの86〜94%程度と良好な結果を残しており,すべての解像度でRX 7600を上回っている。また,RTX 5050には若干届いていないものの,十分勝負できる結果を残した。
テストでは「中プリセット」を利用しているが,RX 9050は4Kで最小フレームレートが60fpsに迫っているので,十分快適にプレイできるといえよう。
「Cities: Skylines II」の結果が,グラフ25〜27だ。
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RX 9050の平均フレームレートは,RX 9060 XTの55〜79%程度で,解像度が高くなるにつれて差が開く傾向にある。
RX 7600との差は16〜54%程度,RTX 5050との差も24〜58%程度と,やはり4KでRX 9050の平均フレームレートが大きく落ち込んでいる印象だ。
RX 9050の1パーセンタイルフレームレートは,RX 9060 XTの59〜90%程度で,フルHDでは差がかなり縮まっているが,これはCPUがボトルネックとなってRX 9060 XTが伸びていないためだろう。
消費電力は100Wを切る低さ
さて,RX 9050のTBPは92Wとかなり抑えられていることは先述のとおりだが,実際の消費電力はどの程度なのだろうか。
NVIDIA製の消費電力計測ツール「PCAT」(Power Capture Analysis Tool)を用いて,グラフィックスカード自体の消費電力を計測してみよう。今回の計測も,3DMarkのTime Spyにおいて,消費電力が高くなる傾向が出たGraphics test 2の実行中に行っている。
消費電力の計測結果をグラフ28に示す。
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RX 9050の消費電力は,ほとんど100Wを切っており,100Wを超えた場面を数えてみると,727カウント中,19回しかなかった。対してRTX 5050は,100Wを切る場面は1回もなく,RX 9050の消費電力はかなり低いといっていい。
グラフ28の測定結果から,分かりやすくなるように中央値を求め,最大値と合わせてまとめたものがグラフ29だ。
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RX 9050の中央値は97Wで,TBPの92Wよりは若干大きいものの,RX 7600から約52.4W,RTX 5050から約31.6W低い値だ。とくに,RX 9060 XTと比べると約73.3Wも低い点は注目に値する。RX 9050の最大値も100W強に収まっており,電源ユニットに対するハードルはかなり低い。
さらに,ログの取得が可能なワットチェッカー「Watts up? PRO」を用いて,システム全体の最大消費電力を計測した結果から推測してみよう。
テストにあたっては,Windowsの電源プランを「バランス」に設定。さらに,ゲーム用途を想定し,無操作時にもディスプレイ出力が無効化されないよう指定したうえで,各アプリケーションベンチマークを実行したとき,最も高い消費電力値を記録した時点をタイトルごとの実行時,OSの起動後30分放置した時点を「アイドル時」としている。
その結果がグラフ30だ。
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ピークの値を結果として採用するため,差が開く傾向になるのだが,それを踏まえて見ていくと,RX 9050の消費電力は,各アプリケーション実行時で430〜520W程度といったところ。これは,RX 9060 XTから61〜136W程度も低い。
さらにRX 9050は,RX 7600比で55〜84W程度,RTX 5050比で45〜82W程度も低くなっており,エントリー市場向けGPUのなかでも,とりわけ消費電力が低いのは間違いなさそうだ。
最後に,GPU-Zを用いて計測したGPU温度も確認しておきたい。温度約24℃の室内で,テストシステムをPCケースに組み込まず,いわゆるバラックに置いた状態で,3DMarkの30分間連続実行時を「高負荷時」として,アイドル時ともども,GPU-Zから温度を取得することにした。
GPUによって,温度センサーの位置や取得方法が異なっているうえ,それぞれファンの制御方法が違うため,異なる製品を同列に並べての評価は,あくまでも参考程度と理解してほしい。それを踏まえた結果はグラフ31のとおり。
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RX 9050は高負荷時でも約70℃と,比較的温度が低めだ。RX 9050は,エントリー向けGPUで,消費電力から察するに発熱量も少なめではあるものの,AMD Radeon RX 9050 Challenger 8GBに装着されたGPUクーラーは,十分に冷却できているといっていいだろう。
最大のライバルはRX 7600。実売が5万円を切らないと難しい
テスト結果を踏まえると,RX 9050のゲーム性能はそれほど高いものではなく,旧世代や競合製品と比べても見劣りする場面が多い。
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一世代前とはいえ,RX 7600の実勢価格は4万〜5万円と,RX 9050より安価だ。FSR 4におけるAIを生かしたフレーム生成にこだわらないのであれば,RX 7600のほうが魅力的に見えてくる。
確かに消費電力が低くて扱いやすいGPUではあるのだが,現状,ゲームのプレイ目的では,選択肢として積極的に挙げる理由が見当たらないのも事実。性能面で上回るRTX 5050とも価格がかぶっていることを考えれば,RX 9050は少なくとも,5万円を切る価格でなければ勝負にならないのではないだろうか。






























































