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男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第647回「自由度が低いけど自由度が高い『戦場のフーガ』」
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印刷2021/08/26 15:00

連載

男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第647回「自由度が低いけど自由度が高い『戦場のフーガ』」

画像集#001のサムネイル/男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第647回「自由度が低いけど自由度が高い『戦場のフーガ』」

著者近影
画像集#002のサムネイル/男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第647回「自由度が低いけど自由度が高い『戦場のフーガ』」
 自由とはなんだろう
 これ,おそらくほとんどの人が学生の間に一度は考えたことのある命題だと思うわ。でも,恐ろしいことに“自由”って,時代によって変わるんですよね。“自由”って,解釈でいくらでも形を変えることができるから。それこそ自由に。
 権限のある人から「自由にやっていいよ」と言われても,結局自由じゃないことなんていくらでもあるし,実際,本当に自由を与えられたところで,自分の中での自由ってものが何なのか分からなかったりもするからね。
 今のところの私の”自由”に対する見解は,「他人があっての自由なんだろうなあ」という感じ。「他人がどう思うか」という先回りありきの自由。まあ,ここら辺のとらえ方も,また私が歳を取ったり時代が変わったりしていくうちに,変化はするんだろうけどね。

 で,本題なんですけども。ゲイムにおいても“自由”の解釈が時代によって変わっている気がするって話です。というのも,ゲイムにおける“自由度”が語られることが少なくなった気がするのよね。一時期は確かにありました。自由度がどうこうっていう議論が。
 というのも,ゲイムソフトに詰め込めるデータ容量が少なかった時代は,作り手としても「何を犠牲にしてプレイヤーに何を体験させるべきなのか」と葛藤しながら,ゲイムを作ってたのだろうと私は勝手に思ってるのね。私はゲイムを作ったことがないからただの想像なんだけど。
 主にストーリーを見せたい場合は,グラフィックスを頑張ってストーリーに感情移入できるような作りに寄せていくのは当然のことで。逆に「こういう遊びを提供したい」って思った場合はその部分にリソースを割いて,ほかの部分を削ったり。だから「自由度がないゲイム」というものも存在した。
 もっと言ってしまえば,グラフィックスの表現が飛躍的に向上していった時代は,グラフィックスを楽しむためにゲイムをプレイさせられていたケースもある。それが悪いって言っているわけじゃないの。ただ,何かを犠牲にするにあたって,「自由度がないな」と感じるゲイムが多かった時代(あくまで私の脳内比)があったって話。
 で,今はどうかというと,オープンワールドで成り立つゲイムが当たり前になったわけで,もはや自由度というのは犠牲にするものではなく,デザインして調整するものへと変わっている気がするのよね。「こっちのほうが面白いだろうから,自由度は低めに設定しよう」というように。

画像集#003のサムネイル/男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第647回「自由度が低いけど自由度が高い『戦場のフーガ』」
 という話を踏まえたうえで,今週紹介するのは「戦場のフーガ」PC / PlayStation 5 / Xbox Series X / Nintendo Switch / PlayStation 4 / Xbox One)なのです。
 このゲイム,一見すると自由度は低いです。決められたルートを進むだけだから。もちろん,選択の余地はあります。ただ,その選択は戦闘が簡単な道か普通の道か難しい道かの選択。で,その選んだ道によって報酬が変わったりするんだけど,まあ進路としてはそこまで自由に選べるわけではない。
 では,このゲイムは面白くないのか? と聞かれたとしたら,私は自信をもって答える。「めっちゃ面白い」と。なぜか。自由度が高いからです。細かいところの。道は決まっている。でも,その道中でできることの選択肢が幅広い。
 このゲイムは,村を襲われ,連れ去られてしまった大人達を解放するために,子供達が大きな戦車に乗って進んでいくっていうストーリー。で,車内で好きに過ごしてもいいパートがあって,ここの過ごし方でいろいろな変化が生まれてくるっていう作りなのね。
 まだ1周めの途中の私が言うことでもないんだけど,おそらく周回プレイ必須。それくらい,行動の選択肢がある。戦車の装備をレベルアップするもよし,アイテムを捜索するもよし,仲間との親交を深めるもよし。それでいて,どの選択をしても自軍がパワーアップしている実感ができるのが憎い。
 そう考えると人生にも似ているのかなぁ。きっとここまで自分が選んできた道は間違いではないし,もう一度戻って同じ人生をヤり直したとしても,同じような今になってる気がする。それでも。この選んだ道の中であのときああしておけばなあ,こうしておけばなあっていう後悔? ではないにせよ小さい選択違いの可能性は考えちゃうよね。たとえ運命が決まっているとしても。そこに至る選択は私の人生だけのものだし,その選択と結果を楽しまなきゃ損だ。今作はそういうゲイム。

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 そして,このゲイムのもう一つの特徴を挙げるとすれば。子供の命を犠牲にして放てる必殺技の存在。武器は持っているんです。でも,決して戻ってくることのない何かを犠牲にしてまでそれを使うかどうか。まあ,大部分のプレイヤーはこのアンモラルな必殺技を使わない気がするんです。ヤり込みプレイヤー以外は。
 ただ,ゲイムシステムとして,それは用意されている。それを使わないための強さをどう手に入れるか。大切な何かを失わないために,どう努力を重ねるか。ゲイム側から問われているのですよ。現実の世界では,時間を巻き戻すことなどできない。未来人の國分 玲さんを除いては。
 だから,何かを失わなければならない苦渋の選択をする前に,日々細かく最悪を避けるための選択を重ねなければならない。とても深いゲイムです。自由度が低いけど自由度が高いRPGとして,かなり面白いし。

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 そんなこんなで今週は,戦場のフーガを通して自由について考えてみたっていう一週間でした。戦争について考えさせられるタイトルという視点でも,ぜひプレイしてみてほしいわね。その意味では非常に夏休みっぽい作品と言えなくもないわ。では,残りの夏休みも楽しんでね! また来週!

今週のハマりゲイム
PlayStation 5:「eFootball ウイニングイレブン 2021 SEASON UPDATE」※PlayStation 4版
Nintendo Switch:「戦場のフーガ
iOS:「龍が如く ONLINE
iOS:「今三国志
iOS:「ウイニングイレブン カードコレクション

■■男色ディーノ(プロレスラー)■■
男色“ダンディ”ディーノ選手が所属するDDTプロレスは,今週末の8月29日に宮城・仙台PIT大会「Who's Gonna TOP? 2021 TOUR in SENDAI」を開催します。ディーノ選手は飯野“セクシー”雄貴選手&平田一喜選手とのタッグで,高尾蒼馬選手&火野裕士選手&大和ヒロシ選手と対戦予定。ディーノ選手によると「うちのセクシーで秒殺で悩殺する」とのことでした。
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