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【ミートたけし】格ゲーマーから学んだこと
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印刷2024/02/29 11:00

連載

【ミートたけし】格ゲーマーから学んだこと

ミートたけし /  川村 竜  / ベーシスト,作編曲家 ,ストリーマー

画像集 No.001のサムネイル画像 / 【ミートたけし】格ゲーマーから学んだこと

ミートたけしの「世界の平和が俺を守る!」

ミートたけしYouTubeチャンネル:https://www.youtube.com/@meatalk


第5回:格ゲーマーから学んだこと


 この原稿を書いているのは,「CAPCOM CUP X」開催真っ只中。連日連夜,寝不足になっていた読者の方もいらっしゃるのではないでしょうか?
 誰が優勝するのか分からないまま書いていますが,これが掲載される時点では結果が出ているというのが,なんだかとてもワクワクする。
 さて,連載開始以来,音楽家「川村 竜」の視点から見た考え方やモノの捉え方を,格ゲーに絡めてコラムを書いてきたけど,たまには「格ゲーマー」から影響を受けた考え方などをつづってみようと思う。


死ななきゃやすい! の精神


 格ゲーでは相手が「投げ」の選択をしてきたときに,こちらも「投げ」の選択をすると相手の「投げ」を回避できる。「投げ抜け」や「グラップ」などと呼ばれる防御手段だ。
 これを覚えたての頃は得意気に相手の「投げ」を回避して,「はい〜! 読めてる〜!」などと調子に乗っていたが,ある日それを見ていたプロゲーマーのマゴさんが,「今のは投げられたほうが良い。死ななきゃやすいんで」と言ってきた。

格ゲー始めたての頃のメンター,マゴ氏
画像集 No.002のサムネイル画像 / 【ミートたけし】格ゲーマーから学んだこと

 どういうことか簡単に説明すると,「投げ抜け」というものは「投げ」こそ回避できるものの,逆に相手にそれを読まれると,手痛いコンボ攻撃を喰らうきっかけにもなってしまう。そのコンボ攻撃は投げよりもこちらが喰らうダメージ量がはるかに大きい。つまり,あえて投げられたほうがマシという,「損切り」の概念なのである。
 で,投げを喰らったときに周りの人間が放つ言葉が「あぁ別にいい,別にいい。死ななきゃやすい!」なのだ。つまり最終的に勝つことさえできれば瑣末なダメージなど取るに足らない。死んでしまっては逆転のチャンスはないが,死にさえしなければ可能性はゼロではない……ということだ。

 凄くない? 真理じゃない? コレ。
 今回は音楽の話はしない,みたいな空気感を出しておきながら,いきなり音楽で例え話をすることをどうか許してほしいのだけど。
 よく,ステージで一度ミスをしてしまったあとに,メンタルをやられてその後の演奏がズタボロになる人がいる。なぜ一度のミスでそんなにペースを崩してしまうのか? 俺はそうなったことが一度もないので想像でしかないのだけど,恐らく,こう考えてしまうのだろう。

「失敗した。もうおしまいだ……」

 んなこたぁない。絶対にない。

 実際にその一度のミスで現場をクビになるとかはまぁあり得る。あり得るがそこでミュージシャン人生が絶たれることはない! ほかの仕事が必ず来るはずだ(毎回ミスってるヤツは知らん! んなヤツはプロ辞めちまえ)。
 だけどそう思えないからズタボロの演奏になるんだよね? 手が震えるんだよね? 頭真っ白になるんだよね? 
 分かる。分かるよ。なったことないから本当は分からないけど。

 でもそんな君にこの言葉を送ろう。

「死ななきゃやすい」

 この言葉さえ胸に刻んでおけば,仮に一度や二度,演奏でミスをしたところで,その後,メンタルを崩すことなどなくいつもどおりの最高の演奏を続けることができるはず!
 まぁ俺なら一度もミスらないけどね


ふ〜どが教えてくれたこと


 冒頭にも書いたCAPCOM CUPで,日本を代表して戦っているふ〜ど。公私共に付き合いのある彼からも学びとなる言葉をもらった。

ラスベガスEVOで,ふ〜どと
画像集 No.003のサムネイル画像 / 【ミートたけし】格ゲーマーから学んだこと

 それは,コンボの練習やセットプレイ(強い行動)の練習は,楽しいから何も考えないでもやってればうまくなる。でも防御手段やその考え方は攻めに比べて地味だし,楽しくない部分も多いから,時間を割くならこっちのほうがいい。というものだった。
 凄くない? プロゲーマーやばくない?

 ここで再び音楽家目線でお話するので,申し訳ないがお付き合いください。
 ベーシストの中には,ソロの練習ばかりするタイプがいる。普段「縁の下の力持ち」的なポジションのベーシストにスポットライトが当たる貴重な機会がソロである。気持ちは分かる。ボーカルばかりが目立ち,ギタリストばかりがモテる。羨ましいよね,悔しいよね,俺だって! ってなるよね。んなヤツは辞めちまえ。ベース売れ。冗談半分,本気半分だが。
 ベースの本分は名前の通り,音楽の基盤を作り,支えることにある。大体ソロの練習ばっかりしているヤツはその辺がフニャフニャだ。だがそんな人にこそ,先ほどのふ〜どの言葉を贈りたい。
 この場合の攻めの練習がソロであり,守りの練習がベーシストとしての本分にあたる。リズムのトレーニングだったり,音色や音量を安定させる,といったことは非常に地味だ。楽しいと思って取り組むのは難しいだろう(実は俺はこの地味な練習がとても好きなのだが,脱線してしまうのでこの話はまたの機会に)。
 しかしStrong point(長所)よりもWeak point(短所)に目を向け,考え,取り組むことが成長につながり,ミュージシャンとして確固たる地位を築いていくことになる。ちなみにいきなり英語を使った理由は,カッコつけるのと文字数を稼ぐという二つの理由からだ。
 ありがたいことにプロスポーツ選手やプロ格闘家,イラストレーターさんやマンガ家さん声優さんなど,その道のトップを走り続けている他ジャンルの皆さんとの交流が多い中,いつも驚かされるのはその共通項の多さだ。
 今回のふ〜どの言葉もまさにそうだった。何か新しい思考やアイデアをもらう,というよりは,「あ,プロゲーマーも同じなんだ!」という、ある種の確認に近いものを得られた。その確認こそが自分自身を肯定する力,自信となって,さらに人として強く大きくなれる。まさか趣味の格ゲーからも人生の学びを,収穫を得ることができるなんて。


モノにあたらない


 最後,急に話のレベルが落ちて申し訳ないんだけどこれは外せない。とにかくモノにあたっちゃだめ。当たり前だ。そんなことは幼稚園や保育園で教わることだ。だけどこんな当たり前のことが,怒りと悔しさに支配されるとできなくなってしまう。
 5年前に格ゲーを始めてからモノに八つ当たりをして,壊してしまったものをまとめてみた。

・ゲームパッド 7台
・液晶ディスプレイ 2枚
・ウクレレ 1本


 誓って言おう。配信中にウケを狙ってモノを破壊したことなんて一度もない。気が付いたら壊れていたのだ。きっと高いものならば深層心理の部分でブレーキを踏むだろう,と思いゲームパッドも途中から高額なモノに変えていったし、液晶ディスプレイも2枚目は割と良いものにした。……が無駄だった。
 とくにミュージシャンの魂とも言える楽器を破壊したとき,「あぁ……この衝動はコントロールできる類のものではないのか……」と絶望したのを覚えている。
 ちなみにこの時の配信が出回り,プロの某ウクレレ奏者から「ミュージシャンたるものうんたらかんたら」というお叱りのDMをいただいたが,そのDMには「黙れ三流。二度と話しかけるな」と返したが後悔はしていない。私は悪として生きていく覚悟ができている。
 結局,この怒りと悔しさは慣れるしかない。負けるから怒りが湧くし,負けるから悔しいのだから,うまくなる,強くなるしか解決策はないのだな,と考えている。
 あとはなんで負けたのか分からない,というのも,怒りや悔しさにつながる理由の一つだと思う。その証拠にゲーム自体に慣れるにつれて,今のはこうだったから負けた,ああだったから負けたという風に考えられるようになり,それが結局「自分のせい」だということを認識できるようになってくる。

 怒りは愚かである。ファンも減る。リスナーも減る。友人も減る。アンチは増える。ストレスも増える。それによる過食で体重も増える。人生は輝きを失い,空の青さにも気付かず,呼吸さえも忘れ,誰からも相手にされず,その手からはすべてがこぼれ落ち孤独に死を迎える。

 ヤダヤダヤダ。ちょーヤダ。絶対ヤダ!

 「死ななきゃやすい」とか「ふ〜どの教えてくれたこと」とか,なんかそれっぽく書いたけどやっぱ最後のが一番デケェわ! 怒っちゃダメ! モノに当たっちゃダメ! 絶対ダメ! もうこれに尽きるわ,ほんと。みんな気をつけな? っていうかおじさんが気をつけるわ。ごめんな。
 とはいえ,40を過ぎてもまだ学びが多い人生を送れていることは,幸せ以外の何物でもないと思う。もし格ゲーに出会っていなければ私は怒りに支配され続け,すべてを失っていたのかもしれない(出会っていなければ怒ることもなかったのではないか? という説も)。

死ななきゃやすいの精神で,本番前でも適度な緊張感を維持する筆者
画像集 No.004のサムネイル画像 / 【ミートたけし】格ゲーマーから学んだこと

 そんな格ゲーには感謝しかないし,やはりこう言わざるを得ない。「世界の平和が俺を守る」……と。
 そんな感じでいつも通り最後は茶化して終わりを迎えるわけだが,せっかく今回ふ〜どのことを書かせてもらったので,このコラムが掲載される頃には決まっているCAPCOM CUP王者の栄冠を,ふ〜どが獲れますように。ガンバレ!

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■■ミートたけし / 川村 竜(ベーシスト,作編曲家 ,ストリーマー)■■
ベーシストとして国内外各所でライブやコンサートで演奏活動をしつつ,配信活動も活発に行っているミートたけしこと川村 竜さん。現在は主にYouTubeチャンネル「ミートたけし-MEAT TAKESHI-」とTwitchチャンネル「ミートたけしの『太くてニューゲーム』」で,雑談配信をしたりゲーム配信をしたりと大忙しの様子です。
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