Paradox Interactiveが新作スケジュール発表，「Victoria 2」や完全新作「For the Glory」がやってくる！

　「ハーツ オブ アイアンII」「ヨーロッパ・ユニバーサリスIII」など硬派な歴史ストラテジーで知られるParadox Interactiveが，Gamescomの会場で新作３本の発表を行った。

・Victoria 2
　「ヴィクトリア 太陽の沈まない帝国」および「ヴィクトリア レボリューション」の続編となる作品であり，「Hearts of Iron III」に続くビッグタイトルとなる。開発にあたっては，公式フォーラムに蓄積されてきたユーザーからの声を大いに参考にする予定とのこと。2010年リリース予定。
　「ヴィクトリア」は，「ハーツ・オブ・アイアンII」同様，日本にも根強いファンが多い。「Hearts of Iron III」が期待に背かない完成度だったことを鑑みるに，「Victoria 2」にも大いに楽しみだ。

・For the Glory
　無料で配布された「ヨーロッパ・ユニバーサリスII」のゲームエンジンを利用して作られた最初の作品で，1419年から1819年までを扱うストラテジーゲームだ。だいたい「ヨーロッパ・ユニバーサリスII」と「III」の良いところを掛け合わせたような作品であるとともに，完全なファン・ベースのゲームでもあるという。
　いってみれば，「カウンター・ストライク」などのように，ユーザーが作った巨大MODがオフィシャルから製品として発売されるというパターンの一つといえるだろう。2009年第4四半期にリリースされる予定。

・Europa Universalis III: Heir to the Throne
　「ヨーロッパ・ユニバーサリスIII」の拡張パックで，これも前二つと同様，公式フォーラムに寄せられた意見を基盤として制作されている。
　3番目の拡張パック「イン・ノミネ」の完成度が極めて高かったこともあって，「ヨーロッパ・ユニバーサリスIII」は，これで完成かなと思っていたものだが，どうやらさらに先へと進めるようだ。
　2009年の12月にリリース予定となっている。

　Paradox Interactive社は，これまでもユーザーの活動を幅広く認めてきており，ユーザーが制作したMODが高水準のものであれば公式パッチとして適用してしまうおおらかさを示してきた。
　また，最近では新製品をリリースする前にクローズドβとしてユーザーからテスターを募り，彼らの意見やリサーチを採用していくという姿勢を取っている。最新作にして超大作である「Hearts of Iron III」でもその手法が採用されており，発売された製品にしてもMODの書きやすさは，このクラスのゲームのなかでは群を抜いている。
　今回の発表は，Paradox Interactiveが今後もユーザーと親密な関係を保持しながらゲームを作っていくことを示すものともいえるだろう。