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[gamescom]コピーが溢れるゲーム業界で,自分の存在を際立たせる方法とは。Paradox InteractiveのCEOが語る
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印刷2014/08/12 15:08

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[gamescom]コピーが溢れるゲーム業界で,自分の存在を際立たせる方法とは。Paradox InteractiveのCEOが語る

Paradox Interactive CEO フレドリック・ウェスター氏
画像集#001のサムネイル/[gamescom]コピーが溢れるゲーム業界で,自分の存在を際立たせる方法とは。Paradox InteractiveのCEOが語る
 Paradox Interactiveで11年の長きにわたりCEOを務めているFredrik Wester(フレドリック・ウェスター)氏が,gamescom 2014に合わせる形でドイツのケルンにて開催中のゲーム開発者会議,GDC Europe 2014において,「Clash of Clones: The Importance of Standing Out」(クラッシュ・オブ・クローン: 自分を際立たせる重要性)と題されたセッションに登壇。現在のゲーム業界における,パブリッシャとしての心構えを語った。

 「Europa Universalis」「Hearts of Iron」「Crusader Kings」など,歴史をテーマにしたPC向けストラテジーシリーズを送り出し,根強いファンを持つParadox Interactiveが設立されたのは1998年のこと。2003年にウェスター氏が同社のCEOとなってからは知名度も上がり,近年では「Mount & Blade」(2008年),「Magicka」(2011年),「War of the Roses」(2012年),「Pillars of Eternity」(2015年発売予定)など,歴史ストラテジー以外のジャンルにも積極的に進出している。

 プラットフォームホルダーや銀行の融資に頼らない経営方針から,自分達を「インディーパブリッシャ」と呼んでいるが,今では150人もの雇用者と,Paradox Development Studiosを含む4つの開発スタジオ部門を抱えるうえ,10社の開発チームと契約を結ぶまでに成長。ウェスター氏の監督下ではすでに150作を超える作品がリリースされており,スウェーデンきっての名門と言っていいだろう。

 ウェスター氏は,アイザック・ニュートンの有名な言葉「私が遠くまで見渡せたのは,巨人の肩に乗っていたからです」(すべての発見は先人の知恵の積み重ねであるという喩え)を用い,まだ40年ほどの歴史しかないゲーム業界が,すでにある作品を真似るのは必ずしも悪いことではないと話す。

 1972年に売り出された「Pong」も,Magnavox向けの技術デモとしてリリースされていたものを真似たものであった。続々とリリースされる「キャンディークラッシュ」や「Clash of Clans」の類似品も,世界で何千万というダウンロード数を記録するタイトルを後追いしているのに過ぎないというわけだ。

 ウェスター氏はコードを盗み出してまで類似ソフトを作るような,昨今のモバイルゲーム市場にある風潮を肯定しているのではないと釘を刺したうえで,「自分ならもっと面白くできる」という思いが,1つのジャンルへと成長させていくことになるのだと力説した。
 例えば,「スーパーマリオブラザーズ」のクローンが「サイドスクロールアクション」というジャンルを作り,近年においても「Defense of the Ancients」から生まれたクローンによって「MOBA」ジャンルが形成されていったということだ。

 ただ,モバイルゲームに質の悪いコピー商品が氾濫し,より審査基準が厳しいであろうPlayStation NetworkやXbox Live,そしてSteamなどであってもインディーズゲームが盛んにリリースされている現在,「どうやってプレイヤーに自分のソフトを知ってもらうか」というのが,多くのパブリッシャや開発チームにとって大きな課題となる。「Minecraft」や「Flappy Bird」のように,ほとんどマーケティング活動をしないまま大ヒットになったケースは,あくまで例外なのだ。

 そこでウェスター氏は,新しいソーシャルメディアを使ったファンへのアピールや対話が非常に大切になってくると話す。氏はその失敗例として2009年にParadox Interactiveがリリースした「Majesty 2: The Fantasy Kingdom Sim」を挙げた。「自分達はゲームデザインについてすべて知っている」とばかりにファンの声に耳を貸さなかったため,結果的にタイトルのアピールができなかったという。

 逆に,2013年リリースの海戦ストラテジー「Leviathan: Warships」は,あまり期待されておらず,マーケティング予算が付かなかった作品だが,わずか500ドルで制作した,セクシーな声を持つ船長がゲームをプレイしているという設定のムービーが,YouTube上で100万ビュー近くを獲得するなどして,大きな話題を集めたとのこと。ウェスター氏は「少ない費用で素晴らしい効果を上げられる手法はまだまだある」と会場にいる開発者へ呼びかけてセッションをまとめた。

「Leviathan: Warships」
画像集#002のサムネイル/[gamescom]コピーが溢れるゲーム業界で,自分の存在を際立たせる方法とは。Paradox InteractiveのCEOが語る

 とくに歴史ストラテジーゲームにおいては,信頼感のあるブランドとしてPCゲーマーに認知されているParadox Interactive。2015年には「Hearts of Iron IV」や「Pillar of Eternity」,そして「Magicka: Wizard Wars」といった作品をリリースする予定になっている。コンシューマゲーム市場への参入も表明しており,今後の動向に注目しておきたいパブリッシャである。
  • 関連タイトル:

    Hearts of Iron IV

  • 関連タイトル:

    Magicka: Wizard Wars

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    Pillars of Eternity

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