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“ビジュアリゼーション”とは日本語では「映像化」といった意味で,ここではゲームのオープニングシーンやカットシーン,あるいはプロモーション用のトレイラーのことを指している。どちらにもファンの心をがっちりと掴み,潜在的な購買者を魅了することが求められるわけだが,ゲームのディレクターやアーティストは必ずしも映像学(cinematography)の専門家ではないし,そのために十分な人や時間が割けるとは限らない。
そこで氏が提唱するのが,The Third Floorが得意とするハリウッド式のノウハウを活用した映像制作手法で,セッションはその一部を紹介したものとなっていた。
The Third Floorは,元々VFXアーティストとしてハリウッドで活動していたメンバーが2004年に起業した,アーティストによるアーティストのための映像制作会社だ。現在では上海やロンドンにも支部を持つ,この分野では最大の企業に成長しているという。
Gonzales氏は大学でグラフィックスデザインを学び,卒業後に10年ほどフリーランスで活動した後,The Third Floorに所属。以後は「Gears 5」や「Apex Legends」に参加。日本メーカーの作品では,カプコンの「バイオハザード6」(2012年)やバンダイナムコゲームス(現バンダイナムコエンターテインメント)の「鉄拳タッグトーナメント2」(同)などにも協力しているという。また映画では「バッドボーイズ フォー・ライフ」(2020年)や「ゴジラ vsコング」(2021年)といった作品に,外部のスーパーバイザーとして関わったとのこと。
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そんなGonzales氏は,「この10年ほどの間に,ゲームのシネマティックスのクオリティは,ハリウッド映画に近付いてきている」としつつ,The Third Floorが映画で用いるサンドボックス型のアプローチを紹介した。
彼らが提供しているのは,いわゆる「プレビズ(Previs)」と呼ばれる制作手法だ。これは実際の撮影に先駆けて,Unreal Engineなどで3Dグラフィックスによるプレビュー版を用意して,よりインパクトのある映像を作り上げるというもの。それに映像学や映像言語への深い理解,それに基づくハリウッドでの経験が合わさって,The Third Floorの強みともなっているという。
ゲームの映像においては,このプレビズの結果を元に,実際のゲームエンジンやアセットを使った映像を制作することで,限られた時間で最適なムービーシーンが生み出せるとしている。
なおThe Third Floorでは,最近はゲームのアイデアを具体化(プレゼン)するための初期コンセプト映像である「ピッチビズ(Pitchvis)」や,モーションキャプチャによるスタントアクションのための「スタントビズ(Stuntvis)」などにも守備範囲を広げているとのことだった。
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今回のセッションは,The Third Floorの宣伝的な意味合いが大きい内容だったのは否めないが,ゲームと映画の映像表現が近付いているのは確かで,今後は業界の垣根を超えた連携も増えることが予想される。いちゲーマーとしても,制作の裏側でこうした試みが進んでいることは,心に留めておいてもいいのではないだろうか。
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