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[TGS 2021]「RPGタイム!〜ライトの伝説〜」開発者インタビュー。日本の小学生あるある,実は世界共通だった
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印刷2021/10/01 22:19

インタビュー

[TGS 2021]「RPGタイム!〜ライトの伝説〜」開発者インタビュー。日本の小学生あるある,実は世界共通だった

 構想に15年,開発に9年掛かったという「RPGタイム!〜ライトの伝説〜」PC / Xbox Series X / Xbox One / iOS / Android。以下,RPGタイム)が,2018年の発表から3年の年月を経て,ついに今冬,発売となる。

 東京ゲームショウ2021の幕張メッセ会場では,本作の世界観を再現した教室風のブースが用意され,そこで本作の開発者であるDeskWorksの藤井知晴氏南場元樹氏に話を聞くことができたので,その模様をお届けしよう。

DeskWorks代表取締役/ゲームデザイナー 藤井知晴氏(左)。DeskWorks取締役/ゲームデザイナー 南場元樹氏(右)
画像集#007のサムネイル/[TGS 2021]「RPGタイム!〜ライトの伝説〜」開発者インタビュー。日本の小学生あるある,実は世界共通だった

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 アニプレックスが2021年冬に発売を予定している「RPGタイム!〜ライトの伝説〜」。そのPC版プレイアブルデモが,東京ゲームショウ 2021の幕張メッセ会場に出展されていた。さっそくプレイしてみたので,そのレポートをお届けする。

[2021/10/01 14:34]

4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。2018年の東京ゲームショウでお披露目されて以降,RPGタイムは国の内外を含むさまざまなイベントに出展されてきたかと思いますが,遊んだ人たちの反応はいかがでしたか。

藤井知晴氏(以下,藤井氏):
 いろいろな人にRPGタイムを体験していただきましたが,ほとんどの人がプレイしているうちに,少しずつ目尻が下がっていくんです。そこがすごく嬉しかったですね。海外の人も,プレイ中に何度もこちらを振り向いてグッドサインを送ってくれたりと,反応はとても良かったと思います。

画像集#005のサムネイル/[TGS 2021]「RPGタイム!〜ライトの伝説〜」開発者インタビュー。日本の小学生あるある,実は世界共通だった

4Gamer:
 ノートでゲームを作るというのは,日本の小学生あるあるだと思うのですが,海外の人たちには伝わったのでしょうか。

藤井氏:
 私も初めは,日本の教室で日本の少年が作ったゲームなので,もしかしたら海外の人に伝わりづらいかもと思っていました。ところが,実際に体験していただくと,「日本でもこういうのあるんだ」「俺も小学生のころにやってたよ」といった反応が多くて驚きました。

4Gamer:
 こうした経験は世界共通なんですね。おふたりも小学生のころ,こうした遊びをされていたのですか。

藤井氏:
 僕は遊ばせてもらっていた側です。工作が得意で絵もうまい関くんという大親友がいまして,よくオリジナルのゲームを作っていました。逆に,南場は昔から絵がうまかったので遊ばせる側でしたよ。

画像集#002のサムネイル/[TGS 2021]「RPGタイム!〜ライトの伝説〜」開発者インタビュー。日本の小学生あるある,実は世界共通だった

南場元樹(以下,南場氏)氏:
 そうですね。自由に好きなことを描いていい紙が教室にあって,そこにRPGだったり漫画だったりを描いていました。

4Gamer:
 お2人の付き合いはそのころからなのですか。

藤井氏:
 小学校からではありませんが,専門学校時代から一緒にゲームを作ってきた仲です。RPGタイムも,専門学校の卒業制作で作った作品がもとになっています。その作品もRPGだったのですが,15分で終わってしまう程度のボリュームでした。それでも評判は良かったので,プロとして形にすればもっと喜んでもらえるんじゃないかと考えるようになりました。

4Gamer:
 卒業して,すぐに制作を始めたのでしょうか。

藤井氏:
 いえ。僕と南場は別々の会社に就職しました。まずはゲーム会社でお互いに技術を磨いて,再集結したのが9年前です。その時点で28歳でして,2年かけて30歳になったときの記念となる作品にしよう,くらいに考えていました。それが今や30代後半です(笑)。予定は狂ってしまいましたけど,思い描いていた以上のものが作れてとても嬉しいです。

4Gamer:
 これまでずっと,おふたりで作られてきたのでしょうか。

藤井氏:
 2019年にDeskWorksを立ち上げてからは6人体制になりましたが,それまではずっとふたりでやってきました。最初は法人化することは考えていなかったのですが,やはり個人として続けていくには,開発機材を借りるなどの部分でハードルが高く,必要に迫られて法人化した形です。

4Gamer:
 開発メンバーが4人増えたことで何か変化はありましたか。

藤井氏:
 開発作業を分担できるようになり,単純に効率が上がりました。きっとふたりだけだったら,完成まで10年以上掛かっていたと思います。また,プランナーとして優秀な人ばかりなので,よりゲームに磨きをかけられるようになり,そういった部分でも助かっています。

画像集#009のサムネイル/[TGS 2021]「RPGタイム!〜ライトの伝説〜」開発者インタビュー。日本の小学生あるある,実は世界共通だった

4Gamer:
 先日,アニプレックスから発売が発表されましたが,アニプレックスと手を組むことになった経緯を教えてもらえますか。

藤井氏:
 2018年にTGSで公開したとき,いろいろなパブリッシャさんからお話をいただけたのですが,自力でパブリッシュしようと決めて,昨年あたりにはすべてお断りさせていただいたんです。ところが,いざやろうと調べてみると,これがすごく大変でして……。開発だけで手一杯なのに,パブリッシュもとなるとこれは無理だと判断しました。
 そこで,もう一度あらためてお話をさせていただこうと考えていたところに,絶妙なタイミングと素晴らしい条件でアニプレックスさんからお声をかけていただいたんです。

4Gamer:
 海外向けにも展開されるのでしょうか。

藤井氏:
 はい。ちょうど英語のデータが上がってきたところなので,ゲーム内の文字をすべて英語に書き直してます。

4Gamer:
 えっ,あれってフォントではなく手書きだったんですか。

藤井氏:
 そうです。フォントを使ってしまうとデジタル感が出てしまうので。すべて手書きです。

4Gamer:
 そうなると多言語展開はなかなか難しそうですね。

藤井氏:
 そうですね。でもそこは手を動かしてがんばるところかなと。けんた君ならきっと丁寧にやるだろうと思ってやってます。

画像集#004のサムネイル/[TGS 2021]「RPGタイム!〜ライトの伝説〜」開発者インタビュー。日本の小学生あるある,実は世界共通だった

4Gamer:
 けんた君といえば,ゲームマスターとしての振る舞いがとても上手で驚きました。

藤井氏:
 アナログゲームがとくにそうなのですが,進行役によって面白さがだいぶ違ってくるんですよね。そうした部分をけんた君で表現しました。けんた君を通じて快適に楽しんでプレイしてもらうというのは,本作の開発で目標としていたところの1つです。

4Gamer:
 本作はビジュアル面も特徴的ですよね。小学生が描いたような雰囲気を出すのは,難しくありませんでしたか。

南場氏:
 私自身そこまで絵がうまいわけではないので,あまり苦労はしてないんです……(笑)。最大限に必死に描いた結果ですので,それが良い形で受け入れられているのは,良かったと思っています。

藤井氏:
 一方で本作はほとんどを2Dアニメーションにしているので,量を作るのに苦労しました。またページごとに違う遊びが詰まっているので,いろいろなバグが出るんです。それを修正していくのも大変でしたね。

4Gamer:
 ゲームのボリュームはどれくらいになるのでしょうか。

藤井氏:
 ノートのページ数でいうと200ページ以上で,時間で言うとだいたい10時間くらい遊べる内容です。RPGなので,冒険を積み重ねていく感覚を大切にして作っているので,クリアするころには冒険した満足感が得られるはずです。

画像集#003のサムネイル/[TGS 2021]「RPGタイム!〜ライトの伝説〜」開発者インタビュー。日本の小学生あるある,実は世界共通だった

4Gamer:
 いよいよ今冬発売となりますが,長い開発期間を振り返ってみていかがですか。

藤井氏:
 短いような長いような……私は途中で何年目と考えるのをやめました(笑)。好きなゲームを好きに作れる貴重な時間を過ごせたのは良かったと思っていますし,そうやって作った作品もいろいろな方に評価いただけました。ゲーム開発者としては挑戦してよかったと思ってます。

南場氏:
 私にとってRPGタイムの制作はライフワークになっていたので,いよいよ終わるのかと思うと変な気分ですね。きっと発売されてから実感が湧いてくるのかなと思います。

4Gamer:
 ここ数年で業界内での交流も多くなったと思いますが,印象的だった人はいましたか。

藤井氏:
 2018年のBitSummitでトビー・フォックスさんが遊びに来てくれたんです。そのときはタブレット端末で出展していたのですが,いざトビーさんの番になると電源が落ちてしまい,もう一台も触れた瞬間に切れてしまいました。そのとき「トビーさん持ってるなぁ」と(笑)。結局遊んでもらえなかったので,トビーさんにもぜひ遊んでほしいなと,「DELTARUNE」をプレイしながら思ってます。

4Gamer:
 そういえば,先日のアナウンスではiOSとAndroid版について触れられていませんでしたが,開発自体は続いているのでしょうか。

藤井氏:
 はい,並行して開発しています。一度にいろいろなプラットフォームに展開するほどの余裕がなかったので,まずはPC版とXbox版をリリースして,それ以外のプラットフォームについてはアニプレックスさんと相談しながら決めていきたいです。

4Gamer:
 それでは最後に,あらためて本作の見どころを教えてください。

南場氏:
 私が担当しているからというのもありますが,2Dの鉛筆画とアニメーションに注目してほしいです。2Dと3Dを融合した遊びもあります。けんた君がいろいろな場面でプレイを盛り上げてくれるので,そうした部分も楽しんでもらえればと思います。

藤井氏:
 最初から最後までギュウギュウにアイデアを詰め込んだ作品です。とくに最後に詰め込んだアイデアは特別なものになっているので,ぜひ最後までプレイして裏表紙まで見てもらえると嬉しいです。

4Gamer:
 ありがとうございました。

――2021年10月1日収録


「RPGタイム!〜ライトの伝説〜」公式サイト

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