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「三國志 覇道」配信後インタビュー。直球で応える運営スタイル,12月の武将技能や武具,その先の話題も?
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印刷2020/11/28 12:00

インタビュー

「三國志 覇道」配信後インタビュー。直球で応える運営スタイル,12月の武将技能や武具,その先の話題も?

 コーエーテクモゲームスのスマホ向けMMO戦略シミュレーションゲーム「三國志 覇道」iOS / Android)のサービス開始から約2か月,プロデューサーの伊藤幸紀氏へのインタビューをあらためて設けた。

 前回のインタビューから数えると約4か月ぶりとなるが,やはり配信後とあって,いろいろと実感することもあったようで。
 今回は,十人十色の乱世が渦巻くゲーム内の近況や,新武将など今後のアップデート方針を中心に話をうかがってきた。

「三國志 覇道」プロデューサーの伊藤幸紀氏
画像集#001のサムネイル/「三國志 覇道」配信後インタビュー。直球で応える運営スタイル,12月の武将技能や武具,その先の話題も?

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[2020/08/12 14:14]
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[2020/10/31 12:00]
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[2020/10/10 00:00]

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プレイヤーには直球の姿勢で応える


4Gamer:
 お久しぶりです。夏のインタビューから約4か月,ゲームのリリースから約2か月となりますが,近々のところはいかがでしょう。

伊藤幸紀氏:(以下,伊藤氏)
 いやあ,落ち着いてはいないです。

4Gamer:
 配信以降もバタバタだったと?

伊藤氏:
 うれしい悲鳴ですが,おかげさまで「三國志 覇道」は好調なスタートとなりまして,開発・運営のスタッフも「もっと多くの方々に楽しんでいただける作品にしなくちゃ……!」という気持ちになっています。
 プレイヤーの皆さんの期待に応えるべく,この2か月間は仕事の速度と正確さを重視してきたので,とても忙しい毎日でした。

4Gamer:
 ぶっちゃけ,ホッとするような反響ですか。

伊藤氏:
 いろいろありましたし,やるべきこともまだまだ山積みですが,今日ここで取材していただけるだけの結果にはなりました!

4Gamer:
 なによりで(笑)。さて,アプリの配信は東京ゲームショウ2020 オンラインの直前でしたが,このあたりの判断はどうでしたか。

伊藤氏:
 配信時期をあのタイミングにした理由は,TGSの大型情報が過ぎ去るのを待って,サービスを1か月ほど遅らせるよりは先に出してしまうほうがいいだろう,と考えてのことでした。

4Gamer:
 PS5も控えていましたしね。では,サービスの近況はどうでしょう。

伊藤氏:
 基本的に“熱中して遊んでくださっている方々ほど,ご意見も多い”という,運営型ゲームとしてはうれしい状況にあります。
 もちろん「こうしてほしい」「これはダメ」といった厳しい声もいただいているので,その対応を考えると一概に喜んではいられませんが。

4Gamer:
 活発に意見を出しそうな人たちが,よく似合うゲームですもんね。

伊藤氏:
 そうですね。遊んでくださっている皆さんには大変感謝しています。
 ゲーム全体をうまく回すために,どんな要望でも考えなしに適用することはありませんが,それほどまでに熱中していただけている方々からのご意見ですので。できるかぎり尊重し,ひとつずつ検討しています。

画像集#002のサムネイル/「三國志 覇道」配信後インタビュー。直球で応える運営スタイル,12月の武将技能や武具,その先の話題も?

4Gamer:
 そういった上位層の動向はいかがでしょう。

伊藤氏:
 若い番号のサーバーでは上位軍団により,勢力図がだいぶ固まってきました。また最初は名前をよく見ていた軍団も,分裂があったのか。あまりランキングで見なくなるといった波乱もそれなりに起きています。
 もしかしたら当事者なのかもしれませんが,そういう軍団内のハプニングがSNSなどでボソッと呟かれていると,「この人たちはどこで情報を仕入れているんだろう?」とゲーム内の裏側の広がりを感じますよね。

4Gamer:
 乱世を生きる間諜みたいな人たちだ。なかには「もはや仕事」みたいな遊び方をしている人もいると聞きましたが。

伊藤氏:
 精力的に活動されている軍団の方々はそうかもしれません。話を聞くところ,マネジメント術も長けていて「今日はあの軍団と外交して,次の戦争のために同盟を組みます」と,やり手のビジネスマンみたいな連絡が飛び交っているようです。おそらく仕事で慣れているかたなのでしょう。
 私が加入している軍団の軍団長も,そんな印象です(笑)。

4Gamer:
 さすが盤外戦が本番と言われる,村ゲームのつわものたち。

伊藤氏:
 ぜひ今後とも,その手腕を発揮していただきたいですね。
 それと,なかには「三国志は知らないけど誘われて遊んでいる」という人もそれなりの数がいらっしゃるようですので,リアルタイムシミュレーション自体に興味がある方々にも,よろしければ遊んでほしいです。

4Gamer:
 一方で,多数派の雰囲気はいかがでしょう。

伊藤氏:
 軍団・個人単位のコミュニケーションも和気あいあいとやられているようです。城を飛ばして飛ばされての戦争も,一見すると殺伐としていますが,それらのアクションの結果を恨むでもなく「城が飛んでも飛ばされても楽しんでいる雰囲気」がよく伝わってきます。
 私も朝から軍団員の戦争に助太刀し,そのあと気づけば自城が飛ばされていたので,反撃して飛ばし返して,ここにくる直前に「城が襲われています」とスマホに通知がきて,慌てて休戦符を貼ってきました(笑)。

4Gamer:
 お忙しい乱世ですね(笑)。

伊藤氏:
 全体チャットに関しても,無作為に使ってもらっている印象です。全時間帯にあまりに活発的に使われているので「この方々は,ちゃんと眠れているのかな?」とちょっと心配になってきています。
 というのも,プレイヤー層の問題で“夜間ほど戦争が活発”になる傾向が強いのです。ここは今後のアップデート課題でもあります。

画像集#003のサムネイル/「三國志 覇道」配信後インタビュー。直球で応える運営スタイル,12月の武将技能や武具,その先の話題も?

4Gamer:
 軍団は強制加入・作成ですが,「1人軍団」が多いとかの課題は?

伊藤氏:
 それがですね。1人軍団がほぼいないんです。近々でやめてしまった人,初期段階で放置してしまった人はいても,鋭意プレイ中で孤独にがんばっている人は多くないです。それにひとりでもある程度まで育つと,周囲の軍団が「一緒に軍団どうですか?」とスカウトするんですよね。

4Gamer:
 登用だ。三国志っぽい。

伊藤氏:
 そういった,プレイヤーの皆さんのゲームを楽しもうとする姿勢や善意に助けられています。一応,もっとお誘いしやすそうな「軍団入りませんかボタン」なども考えてはいますが,状況次第ですかね。

4Gamer:
 それらの反響を受け,開発陣のモチベーションはいかがですか。

伊藤氏:
 みんな高い意欲で取り組んでくれています。ただ先ほど触れましたが,どうしても戦争やトラブルが夜間に集中しがちな状況のため,そこで起きる問題の監視に,夜間のお仕事がちょくちょく発生しており……。
 日々の業務で疲れているなか,さらに夜間もゲームを見渡してもらっていて,申し訳ないと同時にチームにはいつも感謝しています。それに私が言うのもなんですが,嫌々ではなく率先してやってくれています。開発陣はみんなプライベートで「三國志 覇道」を遊んでいるくらいなので。

4Gamer:
 それは「ハドウ開発軍団」ではなく,完全に個々人で?

伊藤氏:
 もちろんです。私含め,どこかの軍団にひとりのプレイヤーとして入って,ほかの皆さんと同じく素性は関係なしに,毎日楽しんでいます。
 そのおかげで「ここはこうしたほうがいいかも」「軍団員の方々がこう言っていた」などのフィードバックも集まりやすくて。誰の発言かは関係なく,開発内投票で改善を検討したりもしています。

4Gamer:
 これを読んだ人は急に仲間を看破したくなるのかも。ならば,先日の生放送で発表された「武将使用率」など,比率面はどうでしょう。

伊藤氏:
 SSR武将はまだしも,SR武将の駆使されっぷりは思っていた以上です。あまりお金をかけずの「耐久重視のSR編成」「回復戦術のSR編成」などは,バリエーションがものすごく豊かになってきました。
 もちろん,ある程度は開発中に想定していましたが,やはり膨大な数のプレイヤーさんたちの検証はその上を行ったという印象です。

4Gamer:
 正直,生放送の内容もかなり攻めたというか,こう,質問ひとつ取っても平穏無事に流すPR的なスタンスではなかったですよね。

伊藤氏:
 そうかもしれなかったです。しかしゲームのプレイヤーが本当に気になる部分って,ああいうところじゃないですか。
 タイルキル(※)ありなしの話にしても,プレイヤー的な暗黙のルールを,開発側がなあなあに流していてはいいことないので。私から言えるのは「タイルキルは,なしだったらそもそもできない仕様にしています」。それがやれる以上,ゲーム側としてはなしじゃないです。このゲーム,戦争ですからね。もちろん,特定のプレイヤー間でなしと決めていただくのもゲームの楽しみ方のひとつだと思いますが。

※資源採取を行っている他プレイヤーのユニットを攻撃し,資源などを横取りする行為のこと

4Gamer:
 つまり,なるべく直球の姿勢で応えると。

伊藤氏:
 はい。そうでなければ皆さんからの信用は得られないと思っています。仕様の不備で意図せぬ挙動があればしっかり向き合いますし,お行儀だけで運営して期待されないのも嫌ですし。最初が肝心かなと。
 ですから,私が生放送で当たり障りのない返答をしはじめたら「あいつもう長くないな」って思っていただければ(笑)。

4Gamer:
 引き続きの攻めに期待ですね(笑)。

伊藤氏:
 ちなみに生放送は今後,大きなアップデートの前後に実施できればと考えていますので,皆さんも期待していただければありがたいです。

画像集#004のサムネイル/「三國志 覇道」配信後インタビュー。直球で応える運営スタイル,12月の武将技能や武具,その先の話題も?

4Gamer:
 そんなゲーム状況に伴う攻略速度は,想定内ですか,想定外ですか。

伊藤氏:
 ゲーム初動のレベルデザインは想定内,しかし大変ありがたいけれども「ガチャを回しまくって武将がほぼカンストした人の数」は想定外でした。その方々の今後のモチベーションもそうですが,ほかの方々とのゲームプレイの相対的な差は,徐々に課題になってきています。
 一応,本作は“お金をかけたからって万能じゃない”ので,ゲーム内通貨の「銅銭」や「軍令書」がインフレをせき止めていますが。

4Gamer:
 銅銭をネックにするのは,当初の目論見だったのでしょうか。

伊藤氏:
 ええ,アイテム課金制のゲームとして「どこをネックにしてレベルデザインするか」を考えた際,本作では銅銭を選びました。
 ネックとその解消が有料要素に寄りすぎると,想像どおりのゲーム状況になりますし,かといって制限するリソースであれば通貨が分かりやすいですしと。その結果,本作では「武将の強さの変動」を有償通貨ではなく,無償通貨でそれなりに制限することにしたんです。いくら武将をそろえても強くするには膨大な銅銭が必要,という足かせですね。

4Gamer:
 となると,銅銭の有料販売は本末転倒だと。

伊藤氏:
 パック販売などのオマケとして,ある程度つけることはしていますが,お金を使った人が使ったぶんだけ交換できてしまうと,無限に強くなるのは明白でしたので。制限を設ける方向で調整しました。
 このあたりは現状,それなりにうまくいった感触があります。

4Gamer:
 話を進めますが,頂上決戦の進行具合はいかがでしょう。

伊藤氏:
 先日,マップ目標のSSランク都市「洛陽」の攻略に先駆けて,「Sランク都市攻略戦」をプレ開催し,各軍団に試していただきました。
 基本的にSランク以上の攻城戦は期間限定イベントで提供しますので,今後は細かなルールを見極めつつ“S+SSランク都市攻略戦”など,各サーバーの頂上決戦に向けた準備を進めていきます。

4Gamer:
 あらためてですが,本作にゲーム終了はないんですよね?

伊藤氏:
 原則,ゲームクリアやサーバーリセットはありません。洛陽を落とすと「ゲーム内で一定の権力を示せる」ようになり,なんらかの恩恵を受け取れるようにしますが,それも期間限定のものです。次の都市攻略戦の時期になると洛陽の所有権がリセットされ,また栄光のために頂上決戦に挑んでいただく,といったゲームサイクルとなります。
 キモは,洛陽を落とす恩恵が大きすぎたり,落とせなかったからやめたりといったことがないよう,絶妙な塩梅にするところですね。

4Gamer:
 そうして洛陽を目指して,落として,落とされて,次の頂上決戦に臨む。中長期型のエンドレスなプレイを繰り返すわけですね。

伊藤氏:
 そのうえで「別のサーバーで最強を豪語している軍団と戦いたい」「友だちと一緒のサーバーで遊びたい」といった事情も増えるはずですので,プレイヤー資産ごとのサーバー移動権の導入も検討中です。
 それとサーバー周りについては「サーバー対抗戦」「三国志勢力を選択して軍団化するサーバー」など,アイデアだけは大量にあるので,多方面から見ての活用法を考慮していきたいところです。

4Gamer:
 洛陽占拠経験ありの軍団だけの蟲毒サーバー,とか。

伊藤氏:
 そういうのもあったら面白いですよね。まだ私個人のアイデアですが,昇格・降格がある「ランク戦サーバー」とか。ワクワクします。

画像集#005のサムネイル/「三國志 覇道」配信後インタビュー。直球で応える運営スタイル,12月の武将技能や武具,その先の話題も?

4Gamer:
 このゲームは行きつくところ,新武将の追加などはあるにせよ,コンテンツ攻略や成長要素を追求するゲームではなく,プレイヤー同士のコミュニケーションと戦略を追求するゲーム,となるんでしょうか。

伊藤氏:
 ええ,対戦ゲームのサイクルに近いかと思います。倒されたら悔しい,倒したら気持ちいい,さらに不特定多数の人たちと関わることから「今日で裏切ってやる」とか「あなたとは袂を分かちます」とか,三国志っぽい“ドラマチックな人間関係”が生まれる。
 腹の探り合いが日常茶飯事とまではいかずとも,そういうことが起きてもいいじゃないかなと。こういうゲームのだいごみですから。

4Gamer:
 生放送で言っていた「同盟機能がない理由」と同じく,プレイヤー任せになるものの,そういう人間関係の機微が機能ではなく口約束で行われるからこそ,三国志っぽいゲーム体験に近づけるんでしょうしね。

伊藤氏:
 考えなしに同盟を機能化しても「同盟軍団の同盟軍団,その同盟軍団」といった混乱もありえますし,同盟数で制限しても現況の「口約束の同盟相手の価値」が上下して,混乱をきたす恐れもあります。
 コンシューマ版とは違って,本作でそれらを無理にシステム化しても,三国志的な体験に近づけるわけではありませんしね。

4Gamer:
 入れるとしても要検討だと。

伊藤氏:
 絶対に搭載しないとは言いませんが,仮に同盟機能を入れるとするならば,本作の場合は「主従や従属の同盟関係」もフォローしないと,ゲームプレイにいろいろと弊害があるかもしれません。

4Gamer:
 「同盟中は人質に貂蝉求む」とか?

伊藤氏:
 初代「三國志」の貢ぎ物みたいですね。
 近い話「裏切り」を機能化するとしても,裏切るとリソースが増えるとか,ご褒美を用意しないと誰もやってくれない気がするんですよ。

4Gamer:
 「裏切りが早ければ早いほど銅銭増量」。囚人のジレンマ的な。

伊藤氏:
 そういう機能ですね。アイデアと実情がしっかりとかみ合うようであれば,開発陣なりに検討していきますので,プレイヤーの皆さんも意見・感想はどんどんお寄せいただけるとありがたいです。



現状の武将環境はガラッと変わる


4Gamer:
 ここまで数回行われた調整,その意図を教えてもらえますか。

伊藤氏:
 基本方針は「足りない便利機能」「ゲーム的な新機能」の追加,そして「限定イベント」の3つの柱で,運営のバランスを保ちつつ,初期段階で噴出した,プレイヤーの皆さんの不満の解消を最優先としてきました。

4Gamer:
 プレイヤーの意見はなるべく取り入れる,とのことですが。

伊藤氏:
 まだリリース2か月めとあり,当面の意見の採択は「大多数の要望」を優先します。やはり現段階で多くのプレイヤーが望んでいない機能を採用しても,見当外れになる可能性も大きいですので。
 また採択するうえで,さらに“意見を超える内容”にできないと「こんなの当たり前じゃん」で終わってしまうので,制作も気を抜きません。

4Gamer:
 公式Twitterでも,アンケート実施をアナウンスしていましたね。

伊藤氏:
 ちょうど昨日からユーザーアンケートを実施していて(インタビュー収録日は2020年11月17日),皆さんの意見はさっそく参考にさせていただいています。今回はフリーコメントを書く場所を用意できませんでしたが,ゲーム内の問い合わせ,公式Twitterへのコメントはできるかぎり目をとおしていますので,これらも活用してみてください。

画像集#006のサムネイル/「三國志 覇道」配信後インタビュー。直球で応える運営スタイル,12月の武将技能や武具,その先の話題も?

4Gamer:
 うちの記事では恐縮なことに,ここまで推すかってくらい「泥棒」について言及しましたが,略奪行為の制限はやはり必要でしたか。

伊藤氏:
 泥棒と呼ばれる,非アクティブなプレイヤーの城を攻める行為自体は,ひとつのプレイスタイルとして,ぜひともやってくださいという思いなのですが……問題は「初心者への泥棒」でしたね。
 初心者にはスムーズに成長してもらえるよう,資源を多めに配布しているのもあって,上級者には美味しそうな城に見えてしまっていたんです。このまま高レベル者に狩られていたら,やっぱり辞めちゃうよね,という雰囲気が見て取れたので,低レベル君主への略奪に制限を課しました。

4Gamer:
 うちの記事が,問題の加速と警鐘になっていたのなら幸いです……。

伊藤氏:
 いえいえ(笑)。しかしこの話でいくと,プレイヤーの皆さんに一番ご迷惑をおかけしたのは「サーバー面の不具合」でした。ログインできない,ゲーム画面が重い,賊が湧かないなど,プレイ以外の面で不便をおかけしてしまいました。今はそれも落ち着いて,新たな仕様が関わらないかぎりは起きないはず……といったステータスになっています。
 それ以外にも「大軍団で攻城戦すると部隊がわちゃわちゃしすぎで操作のしようがない」という点も,なんとか分かりやすくしたいです。

4Gamer:
 そのほか「あちゃあ……」となった,予想外の手落ちは?

伊藤氏:
 「呂布」が強すぎるのは意図半分といったところですが,予想外で言うなら「華雄」です。兵力値10%以下のダメージ無効は強すぎました。兵力8000などになると,基本的に通常攻撃がとおらないんですよ。
 それでも下方修正する気は現状ないです。ゲームバランスはあとでお話しする追加仕様などで調えていこうと考えています。

4Gamer:
 下方修正ではなく,相対的な調整が基本方針ですか。

伊藤氏:
 メタを張れる新武将の追加も含めてですね。三國志作品の系譜なので新武将の数自体はすでにそろっていて,能力が決まっている決まっていないも含めて選出を進めています。あとは,どう提供していくかです。
 上位の方々は,SSR武将をほとんどカンストさせていてガチャを回しづらい。少額で遊んでいる方々は,同じSSR武将を複数体入手しづらいのに数だけ増えてしまう。そういった課題に対し,ガチャにするか,イベントにするか。出し方ひとつ取っても手段を考えなければなりません。

4Gamer:
 ゲームプレイについても,夜中に制限を設けるとかで。

伊藤氏:
 はい。夜間に攻城戦が集中するとはいえ,真夜中に活発すぎるとプレイヤーさんの負担が大きくなるだけですので,これまでのプレイ傾向を参考に「夜中〜早朝に攻城戦ができない時間帯」を設けました。
 ただ,その時間帯は拠点の攻城戦はできずとも「プレイヤーの城」を攻めることはできるので,休戦符の価値は変わらず重要です。

4Gamer:
 その仕様でいくとなると,もっと長時間の休戦符を追加するでもなく,「日常生活の隙間は引き続き狙え」というわけですか。

伊藤氏:
 プレイヤー間の強弱を覆せる戦術ですからね。どんな強い部隊も,戦法などの効果を除けば“一部隊は一部隊しか相手取れない”ので,初心者でも囲んで叩けばどうにかできる。これもひとつの戦術です。
 ただ,それとは別に「張りつきプレイ」を助長させないことも大切です。多くの方々に毎日熱中して長時間遊んでいただいている,それ自体はうれしいものの,リアルのことを考えるとご負担もあるでしょうし,我々もプライベートを崩してまで遊んでいただくのは本意ではありません。

画像集#007のサムネイル/「三國志 覇道」配信後インタビュー。直球で応える運営スタイル,12月の武将技能や武具,その先の話題も?

4Gamer:
 安易で簡単な選択に飛びつかない,そういう運営方針が見えてきます。またこれまでの話をまとめて,プレイヤーの動向,プレイ時間の長短,アプリ内課金の有無も含め,現状の環境をどのように見ていますか。

伊藤氏:
 最初に申し上げたとおり,ゲームの初動は想定どおり。
 ですが,上位プレイヤーの動向は予想を上回っていましたので,アイテム課金を煽るでもなく,上位同士が全力でぶつかり合えるイベントやサーバーなど,コンテンツ面の拡充で住み分けを用意していきたいです。

4Gamer:
 勢力差がありすぎるのも三国志そのままですが,あの時代を生きた偉人たちと同様,当事者にはたまったもんじゃないでしょうしね。

伊藤氏:
 ただ先ほどお伝えしたように,近々で新武将の追加をはじめ,レア武将を対象にした追加仕様,内政面の新要素などを適用します。
 予定では,現状の武将環境もガラッと変わります。

4Gamer:
 おっ,具体的には。

伊藤氏:
 まず,12月中を目標にSSRおよびSR武将に“技能を1種追加”します。今のSSRは技能2種,SRは技能1種で,それぞれ戦闘用や内政用などに用途が分かれていますが,結果的に「この武将はこの用途」と運用法が固定されてしまっていて,しかも両種類を備えるSSR武将は役割を食われやすく,いわば死に技能も出てきているんです。
 そこでSSRに“3つめの技能”を,SRに“戦闘&内政の技能”を追加することで,安定の人気武将は変わらずとも「戦法はいいのに技能が戦闘向きじゃなかった武将」「戦法も戦闘用技能もイマイチだった武将」などに活路を与えて,レア武将の運用法を広げていこうと思います。

4Gamer:
 話を聞く限り,バランス調整が絶賛大変そうですね。

伊藤氏:
 まさに。だから配信からずっとバタバタしているんです。
 それと新たな内政施設を導入し,「装備」の概念を追加します。こちらは武器や防具などを武将に装備させ,強み弱みを補うアイテムです。さらに先のアップデートでは,「研究」に新たな研究シートを追加し,プレイヤーごとに方向性の異なる研究を進めてもらおうと思っています。

4Gamer:
 追加の研究シートというのは,取捨選択式ですか?

伊藤氏:
 現段階ではそのつもりです。今とは別のシートの研究を進めていただき,完成・未完成を問わず複数枚あるシートのなかから“どの研究シートの効果を適用するか”を選んでもらうイメージです。
 ある研究項目はマスターすると,どのシートを選んでいるときでも効果を発揮する,といった恒常的なメリットも検討しています。

4Gamer:
 追加技能で運用法が増え,武具で武将の能力を変え,研究でプレイヤーごとの特性を生む。特化から万能まで人それぞれになりそうですね。それと同時に,これらの情報を得る「偵察」の価値も高まりそう。

伊藤氏:
 同じ部隊に見えても,内実がまったく違ったりしますからね。

4Gamer:
 アップデートに関しては,もしもゲームプレイが大幅に変化するケースがあったとしても,全サーバーで一斉適用となるのでしょうか。

伊藤氏:
 全サーバーで一斉適用が原則です。我々としても「今後はこれが新しいルールですよ」というスタンスでいるほうが公平ですから。
 新ルールの適用が生む不利益より,旧ルールのままであることの不利益のほうが,運営型のゲームとしては誠実ではありませんしね。そうなるくらいなら一斉にスタートしてもらうほうがいいです。



夏の水着は,さすがに美女?


4Gamer:
 11月18日から,結構な規模でTVCMを放送しているようで。

伊藤氏:
 映像のテーマは,歴代シリーズ作品のドット絵や音楽をお借りして「三國志を遊んでいた人たちに“こういう三國志もあるよ”」と伝えつつ,三國志がんばってるよ! の気持ちを表現しました。
 気になった方々にはぜひとも遊んでいただきたいです。コンシューマの三國志の体験をイメージすると違う部分もあると思いますが,多くの人たちと一緒に遊ぶ本作ならではの楽しさを感じていただき,さらに柱としてある三國志ならではの要素も味わっていただければと考えています。

4Gamer:
 三國志シリーズは年齢を問わず,経験者も多そうですものね。

伊藤氏:
 長く続いているシリーズですからね。家族や友人の影響で遊んだことがあるという方々も多いでしょうし。
 またTVCM放送を記念して,ゲーム内ではSSR「諸葛亮」「曹操」「貂蝉」のいずれかを選べるTVCM記念宝箱の配布,求賢札のログインボーナス,新規向けの特別ミッションも実施しています。

4Gamer:
 大盤振る舞い。記念宝箱は全プレイヤーに配布なんですよね。

伊藤氏:
 新規のみならず,現役プレイヤー全員にお配りしています。

4Gamer:
 SSRはどれがオススメですか?

伊藤氏:
 人によるかもしれませんねえ(笑)。私が狙っているのは★5 諸葛亮の上乗せ,これから活きる気がする曹操ですが,貂蝉も治癒効果の戦法を駆使すればゾンビ編成の一角になるので,好み次第です。

4Gamer:
 いいですね,貂蝉ゾンビデッキ。

伊藤氏:
 今のTVCM施策のタイミングは,新規の方々がはじめるのに打ってつけの期間となりますので,興味を持った方々はぜひともプレイしてみてください。もちろん,これからも初心者向けイベントはやっていきますし,そもそもいつでもはじめやすいゲームでもあります。
 ジャンル的には「新サーバー公開時」がとくにオススメです。

4Gamer:
 サーバーの開設は,今後も随時行われますか。

伊藤氏:
 サーバーを増やしすぎて,特定のサーバーが過疎になっても意味がないので,皆さんの動向と全サーバーの稼働状況を見つつですね。


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 コーエーテクモゲームスは本日(2020年11月18日),スマホアプリ「三國志 覇道」初となるテレビCMの放映を開始した。これを記念して,3つのキャンペーンが本日から12月6日23:59まで実施される。SSR武将「諸葛亮」「曹操」「貂蝉」からいずれかを獲得できるチャンスだ。

[2020/11/18 13:00]

4Gamer:
 では残り少ない2020年,そろそろの2021年の抱負はどうでしょう。

伊藤氏:
 先ほどの武将技能,装備は12月中の実装を目指しつつ,さらに年末年始キャンペーンなども実施していきたいです。
 まだ言えることは少ないですが,少しだけ触れました追加の研究シートを含め,年明け以降も意気込んでいきます。

4Gamer:
 先日のハロウィンのように,シーズンイベントも行うんですか。

伊藤氏:
 ハロウィンに関しては,実施期間が長すぎて「もうつかれた……」という声も多かったので,今後はもうすこし短めにする予定です。
 シーズンイベントは今後もクリスマスをはじめ,中国が題材ということで春節などの時期をフィーチャーし,取り入れていく予定です。

4Gamer:
……夏の水着武将は,マッシブなおじさんなんですか?

伊藤氏:
……現状はナビキャラクターの「盧蓮香」,商店の「王小鈴」ですね。クリスマスも彼女たちが変装しますので,お楽しみに!

4Gamer:
 攻めるところは攻め,守るところは守ると(笑)。なんだかんだ,まだサービス2か月ですもんね。覇道の道もこれからなんて。
 それでは最後に,プレイヤーへの一言をいただけますか。

伊藤氏:
 まずは,遊んでいただきありがとうございます。現時点でもゲームの仕様やバランスなどに賛否両論をいただいておりますが,プレイヤーの皆さんの声を大切にし,それでいて想像を超えられるような内容をご提供して,ひとつひとつ積み上げていければと思っています。
 末永く……などというと先の長い話ですが,新情報の発表,皆さんからのご意見の募集,その反映は今後もレスポンスよく行っていきます。来年も皆さんに楽しんでいただけるよう,引き続きがんばってまいります。

画像集#008のサムネイル/「三國志 覇道」配信後インタビュー。直球で応える運営スタイル,12月の武将技能や武具,その先の話題も?

4Gamer:
 あっ,すみません。追加でもうひとつ。

伊藤氏:
 なんでしょう。

4Gamer:
 前回も聞き忘れたんですが,タイトルの「三國志 覇道」。ハドウの略称はまあ慣れたものの,なんかこう「どうせなら三國無双みたく三國覇道でもよかったのでは」的な意見と申しますか,そもそも発表時って「三國志 新作(仮)」でしたよね? ですから由縁が知りたく。

伊藤氏:
 それについては紆余曲折ありまして。発表直前に名称が白紙になったので「三國志 新作(仮)」とお伝えすることになったんです。
 というのも,当社のシブサワ・コウ(襟川陽一氏)から「この名前はちょっと違うんじゃないか」と一声あり,それから「三國志の覇道というのはどうか」と助言を受け,ゲーム性としてもそのとおりだと得心いったので,正式に「三國志 覇道」とあらためさせていただいたんです。

4Gamer:
 すみません。御社の天の声だったようなので,さっきのは取り急ぎなかったことにしてもらう方向で。

伊藤氏:
 まあまあ(笑)。“三國志”はコーエーテクモゲームスの看板タイトルですし,当社主導で本格的なスマホゲームにするのも初の試みでした。さらに,「三國志だから遊んでみる」というシリーズファンの方々からの期待感も大きかったので,それに応えるべき作品であることを踏まえると,当社としてはベストな選択だったと思っています。
 それぐらい力を入れていますので,今遊んでくださっている方々も,これから遊ぶという方々も,今後ともどうぞよろしくお願いします!

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