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「フェルシール:アービターズマーク」を紹介。日本のシミュレーションRPGにインスパイアされたゲームシステム,自由度の高い育成要素が特徴
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印刷2021/01/27 18:00

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「フェルシール:アービターズマーク」を紹介。日本のシミュレーションRPGにインスパイアされたゲームシステム,自由度の高い育成要素が特徴

 EXNOAが2021年1月28日に日本語版の発売を予定している「フェルシール:アービターズマーク」PC* / PS4 / Switch)は,米国に拠点を置くデベロッパーの6 Eyes Studioが開発したターン制タクティカルRPGだ。2019年に1C EntertainmentからSteamや海外コンシューマ向けに正式リリースされており,タイトル名を聞いたことがある人は少なくないかもしれない。

 特徴となっているのが,「タクティクスオウガ」「ファイナルファンタジータクティクス」といった日本のシミュレーションRPG作品にインスパイアされたというゲームシステム。そんな「フェルシール:アービターズマーク」のPS4向け日本語版を発売前にプレイできたので,実際にプレイした感想とともにゲームの特徴や魅力を紹介しよう。

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 ※PC版はDMM GAMES PLAYER版

「フェルシール:アービターズマーク」公式サイト


人心の腐敗に直面する世界で正義を求める

シンプルで遊びやすいシミュレーションRPG


 まずは,本作の世界観とゲーム序盤のストーリーから。ゲームの舞台となるのは,異界の獣による大破壊に立ち向かった7人の不死なる英雄たち「イモータル」が支配する世界「テオラ」だ。イモータルは世界を統治するため,世界平和の守護となる騎士団「アービター」を作り上げる。

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 結成当初は世界に光をもたらす存在となることが期待されていたが,しかしイモータルの威光だけでは人心を完全に掌握することはできなかった。時代が進むにつれ社会機構が整備されていくなか,その目的を失っていくアービターは,ほかに比肩するものがない強大な力を維持したまま汚職と腐敗にまみれていく。

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 主人公のカイリーは,腐敗したアービターの中にありながら正義の心を保ち活動している部隊長の1人だ。本作の物語は,そんなカイリーの前で発生した,貴族による殺人事件から始まる。
 貴族の名はアルフォンス。権威ある人間が罪なき民を殺害したことに激怒したカイリーはアルフォンスを裁判所に突き出すが,アルフォンスは権力を使ってこれを回避。それどころか,イモータルの後継候補である「烙印者」としての特権まで手に入れてしまう。

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 悪徳貴族であるアルフォンスが烙印者に選ばれるということは,イモータルが腐敗に飲まれていくことを意味している。しかし,アービターであるカイリーとその仲間たちは,イモータルの後継候補となったアルフォンスに干渉することができない。
 無力感に苛まれるカイリーたちだったが,そこにイモータルのクインタスが出現。イモータルやアービターの現状を憂いていたクインタスは,カイリーを新たな烙印者として指名し,その腐敗を正すように命令を下す。戸惑いながらも命令を受け入れたカイリーは,アルフォンスを追い,その裏で糸を引く黒幕へと迫っていく。

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 以上がゲーム序盤に語られる物語だ。世界観は非常に深く練り込まれており,ストーリーが進むごとに世界に引き込まれていく感覚を楽しめる。
 メインストーリーは,ワールドマップ上で目的地に到達することで進行する。多くの場合はストーリーの進行に必要な場所では戦闘が発生し,それに勝利して物語が進むと新しい目的地が設定されるという流れだ。

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赤は強制戦闘,緑は「パトロール」のコマンドでフリーバトルが可能,青はアイテム購入や新兵雇用と,マップ上の各地点で何が起こる,何ができるかはアイコンの色で判別できる
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「!」マークが出ている場所では,ユニークユニットに関するイベントが発生する。物語が進むと見られなくなるものもあるので,マークを見つけたら早めに確認しよう
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街のギルドに立ち寄れば,冒険を共にする仲間を新たに雇うことも可能だ。髪型や肌,目の色,ポートレートなど,キャラクターメイクの幅も広い。自分だけのユニットを作成すれば,より思い入れを持ってゲームを楽しめるはず

 ターン制のシミュレーションバトルでは,場所や物語に関連した目標が設定され,それを達成すれば勝利となる。敵味方問わず,素早さ(SPD)のステータスが高いユニット順でターンが回るので,敵に先手を打たれないよう画面上部に表示される行動順をしっかり確認してどう立ち回るかを考えよう。

ユニットが選択できる行動は,大きく分けて「移動」と「アクション」の2つ。アクションは攻撃やアビリティの使用,宝箱を開けるといった行動がある。アクション後も移動できることを忘れないよう注意
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 より効率的に敵を撃破するには“ユニットの向き”も重要だ。真っ向からの攻撃よりも,側面や背後からの攻撃のほうが大きなダメージを与えられるので,敵のスキを突けるような配置を心掛けてユニットを動かそう。
 もちろんこちら側も,側面や背後を狙われると手痛いダメージを受けることになる。こちらが不利になる位置に回り込まれないよう,敵の行動をしっかり確認することも重要だ。ユニットの行動終了時に向きを変更できることも忘れずに。

背後からの攻撃に対処方法は,建物や岩などのオブジェクトに背中を預けること。味方と背中合わせになるよう移動するのも悪くない選択だ
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 攻撃アクション時には「威力計算のために参照するステータス」と「ステータスがどの程度ダメージに反映されるか」といった数値が明記され,実行直前にダメージ量やクリティカル率,デバフの成功率なども表示される。これらの情報を活かせば,さらに有利にバトルを進められるはず。
 戦闘システム自体はとてもシンプルで,日本のシミュレーションRPGで遊んだことがある人ならおなじみな仕組みとなっているため,戸惑うことなくすんなりと遊び方を掴めるだろう。

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アイテムはその種類ごとに,戦闘内で使用できる上限が決まっている。上限は味方全体で共有しており,戦闘が終了すれば自動で補充されるので使い渋る必要はない。戦闘中に素材を集めれば,新たなアイテムが使えるようになる
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クラスの育成とアビリティのカスタマイズで

さまざまな局面に対応できるユニットを育成


 本作の戦闘に大きな深みを与えているのが,さまざまな種類にチェンジが可能なユニットのクラス(職業)と,クラスによって異なるものを覚える「アビリティ」を活かしたカスタマイズ要素だ。

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傭兵や騎士,魔法使い,解剖学者,悪魔騎士など,汎用クラスから固有のものまで,敵味方共にその種類はさまざま。烙印者のカイリーは専用のクラスを持っている
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 アビリティはユニットにセットすることで初めて効果を発揮するが,習得したすべてのアビリティをセットできるわけではない。パッシブスキルは最大2つで,異なるクラスのアビリティを覚えていれば,「特定クラスのアクティブ能力」「過去に習得したパッシブ能力」「反撃能力」からいくつか選択できる。
 クラスは30種類以上,アビリティも300を超える種類があるということで,カスタマイズの自由度はかなり高い。物理戦闘職にバフ系魔法のアビリティを,弓を装備可能なクラスにデバフ付きの攻撃アビリティを……というように,オーソドックスなものから個性的なものまでさまざまな組み合わせが可能だ。
 “限られた枠の中で何をセットしてユニットの個性を出すか”を考えるだけでもけっこう楽しい。現在のクラスと相性の良いものや使い勝手のいいものを選んでセットしよう。

アビリティを習得するには,バトル終了時に入手できるAPが必要になる。わずかだが現在のクラス以外にもAPが振り分けられるので,クラスチェンジを見越してそちらもチェックしておこう
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クラス別にあるスキルツリーを開放していくと,クラスレベルの上昇によって新たなクラスにチェンジが可能になる。新クラス開放に必要なクラスレベルは先に確認できるので,目指すクラスを先に決めて育成するといい
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 ベースとなるシステムがシンプルなだけあって,アビリティが揃っていない序盤はやや難しめに感じたが,さまざまなクラスを経由してカスタムできるアビリティが増えていくと戦略の幅が爆発的に広がり,一気に戦いやすくなっていく。
 シミュレーションバトルで重要な要素である情報が見やすく,戦闘アニメーションの高速化といったオプションも充実しているので,ゲーム全体の遊びやすさやテンポも良好だ。難度も自由に変更できるので,シミュレーションRPGへの入門としてオススメできる作品となっていた。

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 一方で日本のシミュレーションRPG好きには見慣れたものが多いため,「もう少し新しい要素が欲しい」と感じる部分があるかもしれないが,ぜひ懐かしさの中に本作ならではの個性を感じさせる世界観やゲームシステムを体験してほしい。キャラクターの負傷(デバフ)を永続的なものに変更したり,乱数を意図的に偏らせたりといったマニアックな調整も可能なので,“シミュレーションRPGを遊び倒した”という人は自分だけの高難度設定で手強いバトルにチャレンジしてみるのもいいだろう。

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