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[プレイレポ]柴犬のひと鳴きで群衆を操り導く「HUMANITY」。中村勇吾氏と水口哲也氏のタッグで描く,美しく新しいパズルゲームの世界
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印刷2023/04/27 08:00

プレイレポート

[プレイレポ]柴犬のひと鳴きで群衆を操り導く「HUMANITY」。中村勇吾氏と水口哲也氏のタッグで描く,美しく新しいパズルゲームの世界

 エンハンスの最新作で,2023年5月16日に発売が予定されている「HUMANITY」PS5 / PS4 / PC)は,一匹の柴犬を操り,自我を失った人間を導いていくアクションパズルゲームだ。

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 本作のディレクター(※)は,「ユニクロ」のTVCMやデジタルサイネージなどデジタルメディアのディレクション,KDDIスマートフォン端末「INFOBAR」のUIデザイン,NHK教育番組「デザインあ」のディレクションなどを手がけ,多摩美術大学美術学部情報デザイン学科の教授としても活躍する中村勇吾氏。開発は,中村氏が率いるクリエイター集団「tha ltd.」が行っている。
 プロデューサーは水口哲也氏で,氏が代表を務めるエンハンスの初プロデュース・パブリッシング作品となる。

※クリエイティブディレクター,アートディレクター,デザイナー,ストーリー制作を担当

画像集 No.007のサムネイル画像 / [プレイレポ]柴犬のひと鳴きで群衆を操り導く「HUMANITY」。中村勇吾氏と水口哲也氏のタッグで描く,美しく新しいパズルゲームの世界

 「HUMANITY」のデモ映像を目にしたエンハンス代表の水口氏が,自らプロデュースを願い出てゲーム化が実現したということで,両氏がタッグを組んだことによってどんな作品が生み出されたのだろうか。
 本稿では,ベータ版をプレイしたインプレッションをお届けしていこう。

 なお4Gamerでは,中村勇吾氏と水口哲也両氏ヘのインタビューも行っているので,併せてご覧いただきたい。

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 柴犬を操り人類を導くアクションパズルゲーム「HUMANITY」。本作のディレクターで,NHK教育番組「デザインあ」やユニクロのTVCMなどを手掛ける中村勇吾氏と,発売元であるエンハンスの代表でもあるプロデューサーの水口哲也氏に,開発にまつわる話を聞いた。

[2023/04/27 08:00]

「HUMANITY」公式サイト



犬となり人を導く,アクションパズル……?


 全ての人類から自我が失われた世界。そこで目覚めた柴犬(=プレイヤー)は,この世界で唯一,知性と意思を保ち続けている存在だ。この柴犬を操作し,ゴールとなる「光の柱」へ人間たちを導く使命を果たすのが本作の目的となる。
 現実で一般的に考えられている人間と飼い犬の主従とは真逆の関係となるこの不思議な世界で,最初に説明されることは少ない。
 なぜ自分が選ばれたのか,なぜ人間を導く必要があるのかなど,疑問を挙げてみれば枚挙にいとまがないだろう。それらの謎を抱えたまま,柴犬となったプレイヤーは,前に進むしかない。

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 なお本作はVRに対応しているが,こちらのモードでのプレイを強くおすすめしたい。VRというと一人称視点でのプレイをイメージする人が多いかもしれないが,本作のVRモードでは犬の視点になるわけではなく,大きなジオラマを好きな視点から覗くような感じになる。
 俯瞰の視点自体は変わることがないが,実際にプレイしてオブジェクトを至近距離で眺めてみると,大量の小さい人間たちが目前で動く様子が面白く,飽きることがない。

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 テレビやディスプレイでプレイしていると,部屋のインテリアや生活音がノイズとなるが,VRではスクリーンに入り込んだような自分だけの世界となり,高い没入感を味わえる。
 これが,「HUMANITY」の世界観と相性ぴったりなのだ。というわけで,VRモードでのプレイは世界の解像度を上げ,さらにリッチな満足感をもたらしてくれることだろう。もちろん,本作のプレイは通常モードでも面白いので,VR機器を持っていない人は安心してほしい。

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VRモードの臨場感は,スクリーンショットでは伝わらないのがもどかしい。美しく動くジオラマが目の前に出現する楽しさを,多くの人に味わってほしい……

 プレイに必要な操作は,基本的に「移動」「ジャンプ」「群衆への指示」の3種類と非常にシンプル。ゲートから出現し群衆となって進む人間を,途中途中で“移動方向の変更”などの指示を与えながら目的地へと誘導していく。
 リアルタイムのパズルゲームということもあり,ぼうっとしていると人間たちがあらぬ方向に進んでしまう。時にステージから次々と落ちていくこともあるので,プレイ中はつねに頭をフル回転させる必要がある。

 序盤は,基本操作のチュートリアルも兼ねているので,大抵の操作はここで身につけられる。新たなアイテム(アクション)や仕掛け,ルールなどは,ステージが進んでいくと徐々に開放されていくので,プレイしているだけでゲームに慣れていく。

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 ステージのルールは複数ある。前に進み続ける群衆とともにスタートし,リアルタイムで判断を続けパズルを解いていくというのが,基本的なルールだ。ほかには,時間が停止した状態でステージが始まり,すべてのアクションをあらかじめ設定したあとで時間を進め,事の成り行きを見守るステージなども用意されている。
 どのステージも,目的は「群衆を目的地へ導く」と共通でありながら,ルールの違いによってプレイ感は大きく異なる。

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 中盤のステージからは,“OTHERS(アザーズ)”という,人間とは少し違う原理で動く集団が現れる。彼らは人間と相反する存在のようだが,何者なのかは分からない。
 彼らも人間と同じように集団でステージを歩きまわり,仕掛けの一部となる。ストーリーが進んでいくと,次第に人間とOTHERSは対立するようになり,ゲームの内容も,所謂パズルゲームから,バトル要素を含んだものへと徐々に変化していくのだ。

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 「ルールの決まったパズルゲームじゃないの? 途中でゲームのジャンルが変わるの?」と思うかもしれないが,正直言うと筆者もプレイ当初は戸惑った。しかしステージが進むことで展開するストーリーと,ステージのデザインやアクションといったゲームの内容が密接にリンクしており,その変化においても丁寧に導かれる。
 さらにプレイを進めていけば理解も進み,納得する気持ちで新たなルールに挑んでいけるのだ。またボス戦もあることにより,全ステージのクリアまでは単調にならず,緊張感を保ちながらプレイを進められる。


プレイヤー自身が生み出す,無限の遊び場


 本作には,「STAGE CREATOR(ステージ クリエイター)」が用意されている。プレイヤー自身がステージをエディットして遊ぶことができる機能だ。
 足場となるブロックを置いて,人間の出てくる“ゲート”と目的地である“ゴール”を設定すれば,最低限のステージが完成する。あとは,さまざまな仕掛けを作るなどして個性を出していけばいい。
 エディット画面で素材のパレットを開き,タブ分けされた素材を選んでポンポンと配置していくだけの操作は非常にわかりやすい。

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 絶妙なレベルデザインのステージを遊んだあとでは,自分の作ったステージがどうしても陳腐に見えてしまうこともある。しかし,アイデアを形にして深めていくこと自体を楽しむ,極めがいのあるコンテンツだとも言えるだろう。

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 そうして作ったステージは,「USER STAGES(ユーザーステージ)」にアップロードし,世界中のプレイヤーとシェアできる。他人の作ったステージを遊ぶ際は,「NEW ARRIVALS」「TODAY'S PICKUP」「MOST PLAYED」など,カテゴリ別にピックアップされているものもあるので,好きな傾向のステージを選びやすい。ステージにはタグ付けをすることもできるので,好みのタグからもステージを探せる。

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 ベータ版ということもありアップされていたステージは少なかったが,自分でステージを作ると,それらの作品の凄さ,面白さが何倍にも伝わってきた。自分からは生み出せなかった技巧を凝らした仕掛けに感嘆したり,一発ネタや,大胆でバカバカしいネタを仕込んだ仕掛けに思わず笑ってしまったりする。

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遊んだステージには,星の数で評価をつけることや,お気に入りのハートをつけることができる

 中村勇吾氏の作り出す印象的な群衆のイメージをもとに,tha ltd. と水口哲也氏をはじめとしたエンハンスが確かなノウハウで作り上げた「HUMANITY」。パズルゲームではあるのだが,とても一言では表現できない深みを持った作品となっている。
 どのタイミングで画面を切り取っても美しい構図と惹きこまれるストーリー,戦いの緊張感。さまざまな魅力が散りばめられた中からプレイヤーに投げかけられる「HUMANITY」という問い。そして……柴犬の可愛さ。美しい箱庭の世界で繰り広げられるドラマの世界に,ぜひ入ってみてほしい。

 なお本作は,発売日の5月16日から,PlayStation Plusゲームカタログにも掲載され,エクストラ及びプレミアム会員は追加料金なしでプレイ可能だ。

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