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2026年6月11日にPC版がリリースされたOdencatの「ねずみバスターズ!」は,アパートに潜む悪霊と戦うねずみたちの物語を描く,ドット絵アドベンチャーゲームだ。
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そんな本作のNintendo Switch版とXBOX Series X|S版が本日(2026年6月25日)リリースされた。
ゆるく遊べるかわいらしいドット絵の世界には,ちょっと不穏な怪異と,人間たちの生活の気配がぎっしり。そして,確かな手ごたえとやり込みもある! Switch版のプレイを通して,ゲームの特徴や魅力をお伝えしよう。
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ゆるく遊べて,でもなんだか不穏。どんなゲーム? ねずみバスターズ!
物語は,とある“いわくつき”のアパートに引っ越してきた主人公が,自分の部屋で一晩を過ごした翌朝,なぜかねずみの姿になってしまうところから始まる。
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困っているところに現れたのが,関西弁を話す一匹のねずみ・師匠だ。師匠によると,このアパートの各部屋には悪霊が出るらしく,それらを除霊すれば主人公も人間の姿に戻れるという。
こうして結成されるのが「ねずみバスターズ」なのだけど……名前だけ聞くと,ねずみがバスターされる側に見えない? ともあれ主人公ねずみは,人間に戻るためにも師匠ねずみとともに怪異に立ち向かうことになる。
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プレイヤーは師匠の指示を受けながら,アパートの住人たちの部屋に潜入し,悪霊を探して除霊していく。
とはいえ,ねずみのまま住人の目の前をうろうろしていれば,「きゃー! シッシッ!」となるのは当然のこと。視界に入らないように動きながら,住人の行動や部屋に置かれたものなどを利用して怪異の手がかりを探していく。
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悪霊はねずみたちにしか見えていないので,人間はそのすぐそばで平然と生活している。
「悪霊出てきた!」となっても,めちゃそばにいるというのに住人たちはその場から動かない。どうすれば住人に見つからないよう探索できるのか,そして除霊できるのかを考えながら進めていくのが本作の面白いところだ。
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自宅でも仕事に追われてエナジードリンクが手放せない男性や,ミュージシャンになる夢を持ちながらもどこか物憂げな様子の若者など,アパートの住人はそれぞれの事情を抱えている。
そして悪霊たちはただ部屋にいるだけではなく,どうやら住人たちにとって大切なものや日々の暮らしの“なにかしら”と結び付いているようだ。
なぜこのアパートに悪霊が? 師匠とは何者? そもそも,なぜ主人公はねずみになってしまったの? 部屋ごとの出来事を追いながら,少しずつ見えてくる謎が,ゲームを先へ先へと進めさせてくれる。
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人の生活の描写が面白い。そして,けっこうしっかりシューティング!
とても印象に残るのが,物語の舞台となるアパートと住人たちの暮らしの描写だ。かわいらしく温かみのあるドット絵で描かれたキャラクターの表情や仕草は細かく動き,ねずみたちや住人たちを生き生きと描く。
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ねずみの目線で眺める人間の部屋は,普段なら見慣れているはずの場所なのに,なにやら少し違って見える。机の上,流し台,冷蔵庫,棚に飾られた趣味のもの。どの部屋にも,そこに住む人の性格や暮らしぶりがにじんでいる。
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とくに「それ!」と思ったのが,ベッドの下の描写だ。ベッドの下といえば,国内外のホラーや都市伝説でも「何かが潜んでいそうな場所」としておなじみだが,同時に人の生活がかなり出る場所でもある……と個人的に思っている。
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空いたスペースをきっちり収納として活用する人もいれば,ほこりがたまっていたり,なぜか片方だけの靴下が転がっていたりする人もいる。
……というか最後の例は筆者そのものなのだけど,このベッドの下が住人たちの事情やその人が抱えているものを知る手がかりにもなっていて,怪異の不穏さと,人の暮らしのリアルさがいい具合に混ざり合っているなと感じたのだ。
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住人たちの日常をのぞき見る探索をより楽しいものにしてくれるのが,師匠とのインカム越しの会話だ。
こちらが手がかりを探している最中にも,師匠は住人たちの暮らしぶりについてあれこれ言ったり,思い付いたことをぽろっと話したり,こちらの行動にすかさずツッコミを入れたりする。あまり関係のない「知らんがな」と言いたくなるような雑談もわりとあって,それがフフッと笑えて楽しい。
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そして本作,いわゆる物語主導のアドベンチャーゲームではあるのだが,しっかり手ごたえのあるバトルがある。
物語の大きなポイントになる除霊は,師匠から借り受けた光線銃で悪霊と戦うシューティング形式だ。スティックまたは方向キーで狙いを定め,悪霊の弱点を狙って撃つ。
小さな敵を大量に出してきたり,攻撃の動きが異なっていたり,弱点を隠してきたりと,相手ごとに立ち回りも変わる。ボス戦のような緊張感もあり,物語の盛り上がりを自分の手で乗り越えていくような手ごたえがある。
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難度は「STANDARD」「STORY」の2段階あり,低い難度の「STORY」なら光線銃をばばばっと撃ち続けるだけでクリアできるので,シューティングはほどほどに物語をじっくり楽しみたい人も安心だ。ゲームとしてのアクセントがほしい人も,あまり手を止めず読み進めたいという人もニコニコな作りだ。
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さらにストーリーの展開でリズムゲームが始まったり,カップ麺への後乗せをあれこれ試したりといった,これまたフフッとしてしまう遊びも用意されている。除霊バトルとは別のシューティング系ミニゲームもあり,物語の合間にもいろいろな遊びが挟まる。
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やり込み要素としてグッズ収集があり,物語中で拾えるもののほか,除霊シューティングで特定の条件を満たすと手に入るものもある。クリア後に除霊バトルへの再挑戦が開放されるので,コンプリートを目指してみよう。
また,物語を進めると住人同士のエピソードが楽しめるようになるので,こちらは開放後すぐにチェックするのをオススメしたい。
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そして音楽も魅力的だ。愉快な場面では軽やかに,少し切ない場面では物悲しく鳴る楽曲が,アパートで起きる出来事を彩っている。クリア後にはミュージックプレイヤーとリズムゲームも開放されるので,お気に入りの曲をあらためてゆっくり聴いたり,ゲーム内の一部楽曲やOdencat作品の音楽で遊んだりも可能だ。
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小さなアパートで起きる,大きくて少し不思議な物語
短い時間ですっきり遊べて,でも終わったあとにちょっと何かが残る本作は,物語を大事にゲームを作り続けてきたOdencatらしさにあらためて触れられる作品だ。
「くまのレストラン」や「メグとばけもの」でOdencatの名前を知った人も多いはず。もしオリジナルのモバイル版を未プレイなら,このPC / コンシューマ向けの“完全版”でプレイしてみるといいだろう。
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ここから先はネタバレではないけど,遊ぶ前に読むと本作の受け取り方が少し変わってしまうかもしれない。ある程度遊んでから,またはクリア後に読んでもらえたらうれしい。
本作を遊んでいて,あらためて考えさせられたのが,「となりに人がいる」ということだ。
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隣の部屋にいる人のことを,案外何も知らない。けれど壁の向こうでは,誰かが働き,悩み,夢を追い,なんとなく元気が出ない日を過ごしている。
プレイヤーはねずみになって,そんなアパートの住人たちの暮らしを覗くことになるわけだが,そこで描かれているのは,アパートに限らない,人と人の距離や関わりについて考えさせられるものだったのだ。
かわいいドット絵で描かれる,ちょっと(けっこう?)変わった日常と,不穏な怪異。その物語は,遊び終えたあとも日常のふとした瞬間に,隣にいる誰かのことを少し考えたくなるような何かを残してくれる。
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