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  • 発売日:2024/冬
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Odencatブースで,不思議なテレビのチャンネルを回してみたら。「Dream Channel Zero」は,笑いとホラーがごちゃっと混ざったADV[BitSummit]
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印刷2026/05/30 10:00

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Odencatブースで,不思議なテレビのチャンネルを回してみたら。「Dream Channel Zero」は,笑いとホラーがごちゃっと混ざったADV[BitSummit]

 「くまのレストラン」「メグとばけもの」でおなじみのインディーゲームスタジオ・Odencat。「BitSummit PUNCH」の出展ブースでは,新作「Dream Channel Zero」をイメージした展示が存在感を放っていた。
 で,それがこちらです。

画像ギャラリー No.001のサムネイル画像 / Odencatブースで,不思議なテレビのチャンネルを回してみたら。「Dream Channel Zero」は,笑いとホラーがごちゃっと混ざったADV[BitSummit]

 いままでのOdencat作品を思い浮かべて「えっ、なんか不穏……?」と思った人もいるかもしれない。Odencat作品といえば,ほんのり切なく,あたたかく,そしてかわいい。シリアスな面,不穏な感じもあるけれど,見た目の印象は基本的にはやさしい雰囲気のゲームを思い浮かべる人も多いだろう。
 そんなOdencatだけど,今回のブースのメインとなっていた「Dream Channel Zero」は,見た目からなかなかに不穏で,シュールで,ちょっとヘン。でもなんか,妙に惹かれるものがある。

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 本作を手がけるのは,個人ゲームクリエイターのFuming氏。2019年にリリースされたオカルトアドベンチャー「Zelle」は,Steamで450件を超えるレビューを集め,現在も「非常に好評」の評価を得ているカルト的な人気作である。

 「Dream Channel Zero」は,そんなFuming氏とOdencatが組んだゲームだ。2024年の「BitSummit Drift」でOdencat代表のDaigo氏に話を聞いたときにも語られていたように(関連記事),Odencatはゲームエンジンやシステム,プログラムなどの面で技術協力している。単にパブリッシャとして販売面を担当するだけではなく,まさに“Fuming氏がOdencatとおくる”新作というわけだ。


 では,「Dream Channel Zero」とはどんなゲームなのか。
 本作は,ゲームの世界に引き込まれた青年・アキラが,フードをかぶった少女・ルミコと出会い,さまざまな困難を共に乗り越えながら,ゲームの世界からの脱出を目指すアドベンチャーゲームだ。

 公式サイトやSteamのページでは,「狂気とシュールギャグの嵐に感動をひとつまみ」「めちゃくちゃ笑えて、怖く、悲しい。とてもシュールかわいいアドベンチャー」と紹介されている。

 ……どういうこと?

 ということで,BitSummit PUNCHの会場で先行公開されていた最新デモを遊んでみた。

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 デモを始めると,まずテレビを通して1人の人物が話しかけてくる。どうやらプレイヤーを導いてくれる存在のようだけど,えっ? いわゆるナビゲートキャラみたいなポジション? というか,おでこに「死」と書かれているけれども。

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 そんな彼から「危機的状況にある!」と言われ,「ナヌッ!」と思いながら会話を進めていると,ドーンと扉が開き,パイナップル頭の男が首を絞めようとするようにぬっと近づいてくる。コワッ!

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 この世界には「死霊」と呼ばれる何者かがあふれており,こんなふうにアキラたちに襲いかかってくるようだ。そこでバトルになる。

 戦い方は,こぶし!

 死霊には弱点ポイントがあり,それを見つけ出してボタン長押しで殴り続ける。今回のBitSummitのタイトルが「PUNCH」なだけに,なんか呼ばれてる? 選ばれてる? 偶然にも? みたいな気持ち。

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 というわけで殴って死霊を倒すと,画面には“EXORCISM”の文字。除霊とか悪霊退散! みたいな意味でしょう。緊張感のあるバトルのあとに「チーン。ナームー」な感じで急に脱力。この温度差がすごい。

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 いきなりのバトルのあと,画面はステージマップへ移る。本作の世界は“チャンネル”に分かれており,テレビを介してさまざまな場所を行き来することになる。
 テレビはクラシックなデザインで,つまみをガチャガチャ回してチャンネルを変えるような雰囲気だ。

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 今回のデモでは,月面のような場所から砂漠へと移動した。各チャンネルには「調律者」と,そのチャンネルの支配者であるボスがいるらしく,アキラとルミコはそれを探して倒そうとしているようだ。

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 どこか懐かしいファミコン / スーファミ時代の名作を思わせるマップを進んでいく道中では,死霊との戦いがあり,探索があり,ちょっと変な出会いがある。道が岩でふさがれて通れない? そんなときには特別な力を持つ「おじさんカード」を使って,重機乗りのおじさんを召喚して岩をどかしてもらう。
 ……「おじさんカード」? おじさんを召喚?
 なんかいろいろな人が出てくるけど,重機乗りのおじさんとか,上からカマしてくるおじさんとか,サボテンのおじさんとか,おじさんっぽい人多め。

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 とにかく,本作では行く先々でいろいろなことが起きたり,起きなかったりする。
 体験版の時点では何もなさそうに見える場所でも,製品版では何かあるのかもしれない。人によっては何かを感じたり,感じなかったりしそうな要素もちらっと見える。
 この体験版の,「ありそう。いや,ないのかも。でも,なにかあるのかも」という空気がいい感じに製品版への興味を高めてくれる。

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 ゲーム進行自体はシンプルだ。マップを進み,話を聞き,気になるものを調べ,必要に応じてバトルをこなしていく。
 強敵に挑むため経験値を稼いで鍛えてから挑む……みたいなものはなく,敵の弱点を探し,ほどよく頭を使い,ほどよく反射神経を求められるパンチ攻撃で切り抜ける。基本的にはほどよくアクション感を楽しめるものであり,物語や世界観を楽しむための味付けやゲームのリズム感を生むものとしてバトルがある印象だ。何回「ほどよく」って言っただろうという感じだけど,今回のデモはそれぐらい絶妙な塩梅だった。

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 とはいえバトルはしっかり緊張感がある。限られた時間で相手の弱点を見極め,そこを狙ってパンチを繰り出す。時間制限が絶妙で,ちゃんと敵の動きを追って対応しなければならない場面もあり,しっかりやりごたえとアクション性があった。でも,難しさでプレイヤーを突き放すことはなさそうだ。

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 本作で楽しむべきところは,不条理な世界で出会う変な人たち(人じゃなさそうなものも含む)との会話や,そこで起きたり起きなかったりする何かしらだと思う。
 ゆるーくオフビート。でもバトルはちょっとシビア。でもでも勝ったと思ったら,EXORCISMでチーン,ナームー。でまた脱力。この感覚は,言葉で説明しすぎると少し野暮かもしれない。記事の画像や,公開されているムービーを見て,なんとなく「ああ,こういうの」という感じで受け取ってほしい。

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 音楽もかなり印象的だった。楽曲を手がけるのは,ミネアポリスを拠点とする音楽プロデューサー兼DJのXavier LeBlanc氏。場面によってガラッと雰囲気が変わる楽曲が用意されており,試遊中にマップで流れていたドリーミーでフロウ感のある曲(言葉の使いかたと意味があってるか分からないけど)は,プレイ後もしばらく脳内でリフレインしていた。

 うまく説明できないが,筆者はこういうゲームが好きだ。行き当たりばったりのようで,何か意味がありそう。いや,ないのかもしれない。でも,人によっていろいろな見え方がありそう。そんなロードムービーのような空気を持つゲームだ。完成版が楽しみである。

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 ということで,「楽しみです」と現地にいたFuming氏に話を聞いてみたので,ここからはその内容をお届けしよう。

 「Dream Channel Zero」の開発期間を聞くと,すでに4〜5年ほどになるという。Fuming氏は昼間に別の仕事をしながら制作を進めているため,時間はかかっているが,来年にはリリースしたいと考えているそうだ。

 Fuming氏にとって,本作は3作目にあたる。1作目はコメディ要素のあるRPGで,前作「Zelle」はホラー色の強い作品だった。Fuming氏自身,コメディもホラーも好きで,とくにホラー映画はかなり見ているそうだ。一方では,「ボボボーボ・ボーボボ」のようなギャグ作品も好き……というか「半分ボーボボで自分はできている」と話していた。

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 一方で,その笑いを海外に向けてどう伝えるかは難しい部分でもあるという。日本語のギャグや日本的な笑いは,文化によって伝わり方が変わってくる。そこは制作の中でも悩ましいところのようだ。

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 Fuming氏は,自分はその「コメディ」と「ホラー」の2つで成り立っているのだと話す。だからこそ「Dream Channel Zero」も,笑える場面と怖い場面が混ざり合った作品になっている。そういう意味では,今の自分がやりたいことが詰まった作品なのだとか。
 今回のデモでは明るくコミカルな場面が目立っていたが,本編にはもっとホラーに寄った場面もあるそうで,その温度差が本作の魅力になっているようだ。

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 バトルについても聞いてみた。本作はストーリーやキャラクターとの会話を楽しむことがメインではあるが,ゲームをプレイしている感覚を強めるため,バトルも少し多めに入れているという。ただし,体験版ほどぎっしり入っているわけではなく,お話をメインに楽しみたい人も遊びやすいバランスにしているそうだ。

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 会場での反応については,ビジネスデイの時点でゲームオーバーになる人も多かったそうだ。
 よく見ると画面の色づきや動きがヒントになっているのだが,初見では少し分かりにくい部分もあった。そこでFuming氏は,ビジネスデイの反応を見て,その日の夜に急きょ調整を入れたという。カーソルの動きなど,プレイヤーが気づきやすくなるように手を加えたそうで,会場での反応を見ながらブラッシュアップを進めていることがうかがえた。

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 現在の進捗については,物語の大筋やエンディングはすでに決まっており,あとはラスト周辺の制作や,全体のブラッシュアップを進めている段階とのこと。2027年リリース予定ということで,発売までにまだいろいろ面白い仕掛けが出てくるかもしれない。楽しみだ。

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 あー,Odencatのブース楽しかった。
 ……と,「Dream Channel Zero」を終えたところで,チュウ! 見落としてはいけないもう1つのゲームが,Odencatブースにはあった。

おや,なんかいるぞ!
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 それが「ねずみバスターズ!」だ。こちらは試遊があったわけではないが,なんとブースにネズミが隠れていたわけで,そういったところで(どういったところで?)あらためて紹介しておきたい。こちらはOdencatが制作する,まさにOdencatの新作である。

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 「ねずみバスターズ!」は,かつてモバイル向けにリリースされたゲームを徹底的に“テコ入れ”し,大幅にパワーアップさせた完全版だ。「ねずみ視点」での部屋探索や,手に汗握る「除霊シューティング」などの新要素が追加されている。

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 主人公は,アパートに潜む悪霊を退治するために戦う一匹のねずみ。プレイヤーは小さなねずみとなり,関西弁の頼れる相棒「師匠」とともに住人たちの部屋へ潜入する。探索,会話イベント,そして除霊銃によるバトルを通して物語を進めていく,探索×アクション型のストーリーアドベンチャーだ。

 発売は2026年内予定。Steamでは2月に最新デモ版が公開されている。プレイ時間は15〜20分程度で,無償・有償,個人・法人を問わずプレイ配信OKとのことなので,気になる人はチェックしてみてほしい。

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 「Dream Channel Zero」で不思議なチャンネルをのぞき,そんでブースの下を何気なくのぞき込んだら「ねずみバスターズ!」の小さなねずみたちとご対面。新作の展開も気になりつつ,「やっぱりOdencatのブースは,ちょっと変で,ちょっとあたたかくて,ちゃんと楽しいな」なんてことをあらためて感じるBitSummit PUNCHの出展だった。

最後にOdencatブースに敷かれたマット。これが敷かれていることで,すごく,そしてさりげなくOdencatの領域感 / 世界観が出ていたと思う
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