そこでは,壊れたドラムのペダルをトランクの上に置いて音を鳴らすといった奇想天外な工夫による音作りから,実在する名所を忠実に再現するためのロケーション取材まで,作品を形作る2つの異なるアプローチを体験できた。
※一部写真は特別な許可を得て撮影を行っています
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「鬼武者 Way of the Sword」最新ビルドを体験。何度でも挑みたくなる羅掌願戦や,実在の京都を再現したワイドリニアなフィールドが魅力
「鬼武者 Way of the Sword」のメディア向けプレビューイベントが開催された。今回はPS5版でのボス戦と,Switch2版のモーションコントロール対応トレーニングモード「鍛錬の間」を体験。中でもボス「羅掌願」は,多彩な攻撃と明確な攻略法によって,プレイヤー自身の上達を実感できる,何度でも挑みたくなる強敵となっていた。
[インタビュー]「鬼武者 Way of the Sword」では,京都の実在する名所と伝承をゲームに取り入れ,重みのある物語を描く
2026年9月4日に発売を控える「鬼武者 Way of the Sword」。舞台となる京都の名所をゲームへ落とし込むための工夫や,宮本武蔵と佐々木巌流のキャラクター作り,シリーズの新たな軸となる「受け流し」の誕生秘話などについて,プロデューサーの門脇章人氏とディレクターの二瓶 賢氏に話を聞いた。
「音」で作り込まれる鬼武者の世界。立体音響からフォーリー制作まで,臨場感を生むサウンド表現の裏側
カプコン本社内には,7.1.4chの音響制作に対応したサウンドスタジオが存在する。「鬼武者 Way of the Sword」の戦闘シーンでも,さまざまな方向から音が聞こえてくる演出が取り入れられており,この日は「上方定位(上から音が聞こえると感じられる表現)」への取り組みが紹介された。
本作における上方定位は,単純に「上から音を出す」ことが目的ではない。舞台となるフィールドの広がりや,異質な存在を表現するための演出手法として活用されているという。
例えば清水寺のフィールドでは,頭上から風の音やカラスの鳴き声が響くほか,「幻魔が門を叩く」「背後から巌流が突然声を掛けてくる」といった場面でも,出来事が起こった方向から音を届けることで,プレイヤーの意識を自然に誘導している。これは臨場感を高めるだけでなく,状況把握を助けるなど,プレイアビリティの向上にもつながっている。
戦闘においても,音響の役割は大きい。ダイナミックな上方定位によって演出面での迫力を高めるだけでなく,巌流が高く飛び上がって攻撃する場面など,重要なタイミングで音の方向性を利用し,攻撃の予兆を伝えるといった工夫も施されている。
こうした音響表現は,カプコン社内では「ゲームデザインの一部として使う立体音響/上方定位」と呼ばれているという。単なる臨場感の演出にとどまらず,プレイヤー体験そのものに組み込む考え方は,アクションゲームを数多く手掛けてきたカプコンらしい取り組みといえるだろう。
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「鬼武者 Way of the Sword」の楽曲制作についても紹介された。本作の舞台は日本だが,「音楽そのもので日本らしさを表現する」という考えのもと,オーケストラに加えて和楽器とシンセサイザーという異なる方向性を持つ音を組み合わせている。オーケストラでは朴訥とした日本的な情緒を,シンセサイザーでは地獄や幻魔といった異質な存在を表現するという。
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また,演奏には日本人演者ならではのグルーヴ感を取り入れたいという意図から,日本国内での収録も行われた。楽器編成から演奏に至るまで,細部にわたって和の要素を取り入れた楽曲制作が進められているというわけだ。
この日は,初公開となる「鬼武者 Way of the Sword」のメインテーマに加え,巌流や羅掌願といったボス級の敵の楽曲も披露された。
メインテーマは,武蔵の成長や仲間への敬意をテーマとしており,水琴窟(すいきんくつ。逆さにした瓶などを地中に埋め,水滴が落ちる音を反響させる仕組み)によって鬼の世界とのつながりを表現。さらに歌によって,鬼の心の叫びが描かれているという。祈りや願いを込めているようにも感じられる歌声は美しく,強い印象を残した。なお,歌詞には造語が使われているが,しっかりと意味を持たせたものになっているそうだ。
一方,巌流の楽曲では二胡の響きによって彼の激しい感情の起伏を,羅掌願の楽曲では尺八によって戦いの舞台となる空間の幽玄さを表現している。どちらもキャラクター性や物語と密接に結びついた楽曲になっていると感じられた。
ここまでゲーム内容と楽曲が密接に結びついていると,作曲はどの段階で行われるのかも気になるところだ。実際には,資料をもとに制作する場合もあれば,開発中の映像を確認しながら作る場合もあり,状況に応じて進め方は異なるという。ゲーム音楽ならではの柔軟な制作プロセスが垣間見える内容だった。
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続いてメディアが案内されたのは,効果音を制作する「フォーリーステージ」だ。ここでは,求められる音をそのまま録音するのではなく,さまざまな素材や道具を組み合わせ,試行錯誤しながらイメージに近い音を作り出していく。
「モンスターハンターワイルズ」では,モンスター「レ・ダウ」の鳴き声を表現するために塩ビパイプを組み合わせた笛を制作したほか,「ププロポル」ではペダルを踏むことでゴム手袋に空気を送り込む仕掛けを用いるなど,ユニークな効果音制作が話題となった。今回の「鬼武者 Way of the Sword」における工夫も,非常に興味深いものだった。
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刀の音を制作する際には,「音響効果刀」のオーダーメイドモデルと,武蔵の荒々しさを表現する“とある品”が用いられている。
音響効果刀は,一見すると本物の刀のようだが,根元部分が音叉のような構造になっており,映画やゲームで耳にするような澄んだ刀の音を響かせることができる。通常の収録であれば,この音響効果刀だけでも十分に成立する。しかし,本作の主人公は宮本武蔵だ。圧倒的な強さを持つ一方で,勝利のためなら手段を選ばない粗暴な一面も持つ彼の剣戟を表現するには,音響効果刀の音だけでは上品すぎる。
そこで「もっとダーティーな音にしたい」という方向性で試行錯誤が重ねられ,最終的にたどり着いたのが,「鉄筋のデコボコとした表面に音響効果刀を滑らせる」という手法だった。
ゲームをプレイする際は,澄んだ刀の音との違いに注目しつつ,その裏側で鉄筋が使われていることを思い出すと,また違った味わいで楽しめるだろう。
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武蔵は刀のほかにも,特殊な武具「鬼ノ武具」を扱うことができる。今回紹介されたのは,その一つである「大鎚【地鳴】」の効果音制作だ。
大鎚【地鳴】は,武蔵が両手に一本ずつ持つ二刀流の槌で,振るうことで敵の鎧や盾だけでなく,空間そのものを砕くほどの力を持つ。刀のように現実に存在する武器ではないため,効果音には特殊感や未来的な印象が求められたという。
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前述のとおり,効果音制作では一見すると楽器とは思えないような素材も活用するのがカプコン流だ。大鎚【地鳴】の音作りでは,スーツケースの上にドアノブと壊れたドラムのキックペダルを乗せて音を鳴らし,さらにその横で配管を固定するクランプを床にぶつけるなど,さまざまな音を組み合わせていったという。特にキックペダルは,壊れていることで生まれる「ガタガタ感」が重要だったそうで,効果音制作の奥深さを感じさせるエピソードだ。
効果音を作るうえでは,とにかく多くの素材を試すことが重要であり,音の土台となるものも木箱をはじめ,さまざまな素材を使って試行錯誤されたという。
「鬼武者 Way of the Sword」の制作では,特に刀の音作りに苦労したそうだ。過去作に存在した刀を振るった際のインパクトは残しつつ,そこに「斬り込み続ける気持ちよさ」を加えることが追求されたという。
また,本作では幻魔が皆しゃべることも特徴の一つだが,収録した声に加えて,「ゴムを伸ばしたときに発生するミチミチとした音を加工したもの」をテクスチャーとして使用しているという。こうした一見すると意外な素材を見つけ出す発想やノウハウは,後輩たちにも受け継がれているそうだ。
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実在する京都の名所を巡る。伝承と歴史を取り込んだ「鬼武者 Way of the Sword」の舞台作り
京都ツアーでは,ゲームに登場する清水寺,六道珍皇寺,安井金比羅宮,建仁寺を巡った。清水寺は配信中の体験版にも登場しており,実際の境内を歩くことで,ゲーム内で再現された建築や景観の細かな作り込みを改めて実感できた。美しい木造建築が並ぶ荘厳な雰囲気と,そこに現れる幻魔の禍々しさの対比は,本作ならではの魅力といえるだろう。
現地には海外からの観光客も多く訪れており,国籍を問わず多くの人々が静かに参詣する姿が印象的だった。長い歴史を持つ実在の場所が,ゲームの舞台として新たな表情を見せていることの面白さを感じられる場所でもある。
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■清水寺
ゲーム内の清水寺では,“幻魔に脅された父親が許しを請いながら,簀巻きにした息子を突き落とす”という衝撃的な場面が描かれる。これは,現実の清水寺で江戸時代に「清水の舞台から飛び降りる」という願掛けが行われていた歴史に着想を得たものだという。
当時は,願掛けのために多くの人が舞台から飛び降りたと伝えられており,その中には生還した例も少なくなかったという。さらに,母親が誤って子どもを落としてしまったり,追い詰められた人物が飛び降りたりするなど,さまざまな逸話が残されているそうだ。
実際に清水寺の舞台から下を見下ろしてみると,「高い」という言葉しか出てこないほどの迫力がある。「清水の舞台から飛び降りる」という慣用句が生まれた背景も,実際にその場に立つことで納得できるものだった。
なお,ゲーム内で簀巻きにされた息子のフェイシャルモデルは,プロデューサーの柴田浩一氏自身が担当している。現地の清水寺でも,シーンを再現した表情演技をしていただき,写真を撮影したので,下に掲載したものを見て欲しい(神聖な場所であるため,叫ぶことはしていない。あくまで表情のみの再現だ)。実在の場所を舞台にするだけでなく,表情表現に至るまでこだわり抜くカプコンのフェイシャル技術の高さを感じさせる一幕だった。
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そして,清水寺の舞台は巌流との対決の場としても登場する。ゲーム内のフィールドは一見すると平坦に見えるが,これは現実の舞台に存在する段差を,バトルの操作性を損なわないよう調整したものだという。
清水寺の舞台を象徴する,それを支える柱の組み方や骨組みの構造もゲーム内で再現されている。単に外観を似せるだけではなく,建築物としての特徴まで取り込むことで,実際にその場に立っているかのような説得力を生み出しているのだ。
なお,現実の清水寺に存在する「音羽の滝」もゲーム内に登場する予定とのこと。どのような形で描かれるのか,製品版で確かめたいところだ。
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■六道珍皇寺
六道珍皇寺は,「冥土通いの井戸」「黄泉がえりの井戸」を持つことから,“冥界に最も近い寺”ともいわれる場所だ。毎年8月には,宗派を問わず約5万人もの人々が訪れるという。開発スタッフは,京都に残るさまざまな伝承を調べる中でこの寺の存在を知り,ゲームに登場させることを決めたそうだ。
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ゲーム内の六道珍皇寺は,小野篁や出雲阿国が暮らす武蔵の拠点として登場する。境内にある「迎鐘」は,綱を引いて鳴らすことで現世と冥界を行き来するための仕掛けとなっており,「鍛錬の間」へ移動する際にも使われる。
この迎鐘は現実の六道珍皇寺に実在するもので,ゲーム内では実際の鐘を鳴らした音や,綱を引く音を収録して使用しているという。なお,鐘が設置されている位置はゲームと現実で異なるが,ゲーム内では江戸時代当時の姿を再現するため,古い絵図を参考に配置されているそうだ。
現在の姿をそのまま再現するだけではなく,舞台となる時代背景まで踏まえて構築されている点に,本作の京都表現へのこだわりが感じられる。
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六道珍皇寺は,小野 篁(おののたかむら)ゆかりの寺としても知られている。篁は平安時代の人物で,身長六尺二寸(約188cm)とも伝わる大柄な体格に加え,政務能力や詩才に優れた才人だった。一方で,遣唐副使への任命を拒否したり,朝廷を批判する歌を詠んで隠岐国へ流されたりするなど,強い反骨精神を持つ人物でもあったという。
そんな篁には,竹から生まれた,死者を蘇らせたなど,数多くの伝説が残されている。中でも特に有名なのが,「閻魔大王の補佐をしていた」という逸話だ。昼は朝廷で政務を行い,夜になると「冥土通いの井戸」を使って冥界へ赴き,閻魔大王の裁きを手伝っていたと伝えられている。
現世と冥界を行き来する小野篁という存在は,「鬼武者 Way of the Sword」の世界観とも親和性が高い。ゲーム内で六道珍皇寺が武蔵たちの拠点として描かれているのも,こうした伝承が背景にあるためだろう。
なお,「冥土通いの井戸」は現在も境内に残されている。完全に開放された状態ではないものの,現在でも水が湧いているという。
坂井田良宏住職によると,近年では漫画「鬼灯の冷徹」をはじめとした創作作品への登場をきっかけに,若い世代の参拝者も増えているそうだ。境内に飾られた篁の肖像画には現代に描かれたものもあり,長い歴史を持つ人物が現代の作品を通じて新たな形で親しまれていることがうかがえる。
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■安井金比羅宮
安井金比羅宮は,藤原鎌足が建立した藤寺を起源とする,長い歴史を持つ神社だ。悪縁を切り,良縁を結ぶ「縁切り縁結び」の神社として広く知られている。
時には,人々の願いが想像を超える形でかなえられることもあるという。その逸話から,「こうした恐ろしい縁の切り方も幻魔の仕業として描けるのではないか」という発想につながり,ゲーム内での使用許可を求めることになったそうだ。
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有名な「縁切り縁結び碑(いし)」は1980年に建立されたものであるため,ゲーム内には直接登場しない。その代わりに,びっしりと形代が貼られた様子をモチーフにした藤の花が咲くというアレンジが施されている。
ゲーム内では,幻魔「羅掌願」が安井金比羅宮に棲みつき,人々の願いを曲解しては手足を切り落とすなどの悪事を働いている。安井金比羅宮側には,こうしたカットシーンをすべて確認してもらったうえで許可を得ており,「ゲーム内の表現であれば」と非常に協力的だったという。
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境内にある「八大力尊社」に祀られている八大力尊は,もともと江戸時代にこの地へ移築された蓮華光院の柱を支えるため,地中に埋められていた力石だったという。現在では,スキルアップや地盤固めといったご利益があるとして,多くの参拝者が訪れている。
ゲーム内でも八大力尊は,現実と同じ姿で登場する。兄弟のうち3体が幻魔にさらわれてしまい,武蔵が取り戻すことで,腕を強化する「腕覚醒」の力を授かるという展開だ。八大力尊を兄弟として描く設定については,安井金比羅宮の許可を得たうえで加えられたアレンジだという。
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本作を海外向けにローカライズする際,基本的に固有名詞は日本語の読みをそのまま使用している。しかし,八大力尊にまつわるイベントでは,翻訳担当者を悩ませる問題が発生した。
というのも,幻魔に3体をさらわれ,残り5体になった八大力尊を見た武蔵が,「これじゃあ八大力尊でなくて五大力尊じゃねえか!」と叫ぶシーンが存在するためだ。ストーリー上の面白さを損なわないことを優先し,この場面では例外的に名称を翻訳する対応が取られたという。
もちろん,こうしたイベント内容や「五大力尊」という呼び方を用いることについても,安井金比羅宮側からすべて許可を得たうえで制作が進められている。安井金比羅宮側からは,ここまで細かな確認や許諾を取りながらゲーム制作が行われるケースは見たことがない,という感想も寄せられたそうだ。
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■建仁寺
名所巡りの最後に訪れたのは建仁寺だ。13世紀に創建された歴史ある寺院で,国宝「風神雷神図」や重要文化財「勅使門」を目当てに,多くの人々が訪れている。安井金比羅宮からもほど近く,その距離感はゲーム内でも現実に近い形で再現されているという。また,境内にある枯山水庭園は,ゲーム内のUIデザインのモチーフにもなっているそうだ。
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発売前ということで詳細については語られなかったが,建仁寺は「何度か訪れることになる重要なロケーション」であり,「ここで幻魔と戦うこともある」と明かされた。
ツアーの最後に案内された「双龍図」は,建仁寺創建800年を記念して制作され,2002年に開眼法要が行われたものだ。天井いっぱいに描かれた巨大な龍が舞う姿は迫力に満ちているだけでなく,寺院ならではの荘厳さも感じさせる。
どうやら武蔵は,この双龍図がある法堂で幻魔との戦いに挑むことになるようだ。ゲーム内ではアクションを快適に楽しめるよう,実際よりも柱の位置を外側へ配置するなど,バトルフィールドとしての調整も加えられているという。
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音響からロケーション再現まで。進化するゲーム制作の現在地
ビデオゲームの制作技術が進歩したことで,実写と見紛うような風景表現が可能となり,実在の土地を舞台やモデルとして採用する作品も増えている。その一方で,歴史や文化を持つ場所を扱うからこそ,作り手にはより大きな責任が求められるようになったともいえる。
架空の場所を制作する際の参考にする場合とは異なり,実際に存在する場所の名称や歴史的背景を取り入れるには,適切な許諾や手続きを踏む必要がある。単に外観を再現するだけではなく,その場所が持つ意味や,長い年月の中で育まれてきた文化を理解したうえで表現することが求められるためだ。
今回取り上げられた名所についても,すべて正式な許可を得たうえで制作が進められており,その過程には多くの時間と労力が費やされていることがうかがえた。ゲームというフィクションの中であっても,実在する場所を扱う以上,そこに関わる人々や歴史への配慮が欠かせない。そうした積み重ねがあるからこそ,プレイヤーは単なる背景ではなく,実際に存在する場所としての説得力を感じられるのだろう。
今回のメディアツアーでは,音響表現から映像表現,さらに現実の文化との向き合い方に至るまで,「鬼武者 Way of the Sword」が目指す世界作りの一端を垣間見ることができた。技術の進歩によって表現の幅が広がる一方で,作品を形作るために必要となる向き合い方も変化している。そのことを改めて実感させられる機会となった。
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