［CJ 2008＃15］ようやく今秋にも正式サービス開始か？　映画「LOVERS」を原作とするMMORPG「十面埋伏 Online」

T2CN クリエイティブ ディレクター 黄 帆氏

　中国のT2CNが開発中のオンラインゲーム「十面埋伏 Online」は，日本でも2004年に公開され，話題を呼んだ映画「LOVERS」を原作とするMMORPGである。昨年のChinaJoy 2007に出展されていた本作を取材してからはや1年が経過したが，いまだ私達の前に姿を現しておらず，開発の進捗が気になるところ。
　今回質問に答えてくれたのは，トークセッションに出席するためにT2CNブースを訪れていた，本作のクリエイティブ ディレクター 黄 帆氏。開発スタッフと直接話せることになったので，いろいろと突っ込んだ質問をぶつけてみた。


　まず進捗については，クローズドβテストを2008年1月に再開しており，なるべく早くオープンβテストをスタートしたいとのこと。順調に進めば，2008年秋頃に正式サービスを開始できる見込みだそうだ。
　完成度を尋ねたところ，黄氏は，プレイヤーにサービスする作品としてはほぼ100％の出来ではあるが，さらに開発を進め，ゲームとしての完成度をより高いものにしていきたいと述べていた。

　次に，この1年のあいだに追加された要素について聞いてみた。
　昨年の取材時には，「剣客」「英雄」「刺客」の3種類の基本職業が用意されていたが，現在は6種類に増えているという。また，やや単調だった戦闘システムを改善し，より多彩な戦い方ができるようにしているそうだ。

　グラフィックス面では，クオリティの向上はもちろんのこと，映画的な演出効果を高めるべく，カメラアングルに工夫を凝らしていると説明していた。開発にこれほど時間がかかっているのは，やはりビジュアルに対するこだわりゆえか。
　また，映画作品をゲーム化するにあたって困難な点を聞いたところ，映画には2時間といった「尺」が存在するのに対し，オンラインゲームにはそれがなく，常に時間が経過していくため，クエストやイベントといったコンテンツを提供し続けるのが大変だと答えていた。
　確かに，完成された映画作品の世界観を損なうことなく，その世界を広げていくというのは，容易なことではないだろう。

　なお海外展開については，開発ディレクターという立場なので分からないとの答えだったが，日本のプレイヤーにもぜひ遊んでほしいと語ってくれた。本作の日本進出が実現するかどうか，今後の動向に注目したい。

T2CNブース内でトークセッションが予定されていたのだが，ブース内のワイヤレスマイクがうまく声を拾えず，開始できない事態に。次の取材に向かう必要があり，確認できなかったが，結局スタートしたのだろうか。