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  • 発表日:2008/03/03
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Intel,Silvermontベースのサーバー向け低消費電力SoC「Atom C2000」を発表。14nm世代の次期主力CPU「Broadwell」にも言及
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印刷2013/07/23 15:03

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Intel,Silvermontベースのサーバー向け低消費電力SoC「Atom C2000」を発表。14nm世代の次期主力CPU「Broadwell」にも言及

 2013年7月22日(北米時間),Intelは米サンフランシスコ市でデータセンター関連イベント「Reimagine the Datacenter」を開催し,その場で,「Silvermont」(シルヴァーモント,開発コードネーム)アーキテクチャを採用し,22nmプロセス技術を用いて製造されるサーバー向けCPU「Atom C2000」シリーズを発表した。
 また,2014年以降に登場する予定の14nmプロセス技術を用いて性能される次世代CPUマイクロアーキテクチャ「Broadwell」(ブロードウェル,開発コードネーム)をベースとするXeonプロセッサについての情報も公開している。

画像集#002のサムネイル/Intel,Silvermontベースのサーバー向け低消費電力SoC「Atom C2000」を発表。14nm世代の次期主力CPU「Broadwell」にも言及 画像集#005のサムネイル/Intel,Silvermontベースのサーバー向け低消費電力SoC「Atom C2000」を発表。14nm世代の次期主力CPU「Broadwell」にも言及
Atom C2000について説明する,Jason Waxman氏(左,Vice president,General manager of the Cloud Platforms Group,Intel)と,披露されたAtom C2000ベースのSoC(右)

 Atom C2000シリーズは,Silvermontアーキテクチャを採用したサーバー向けSystem-on-a-Chip(以下,SoC)の「Avoton」(アヴォトン,開発コードネーム)と,ネットワーク機器向けSoCの「Rangeley」(ラングレイ,開発コードネーム)と呼ばれていた製品に当たる。
 Silvermontアーキテクチャの概要は5月7日に掲載した記事を参照してほしいが,簡単にまとめると,既存のAtomプロセッサで採用されていたマイクロアーキテクチャと比べて大幅な高速化を実現したうえ,2基のCPUコアと容量1MBの共有L2キャッシュメモリをセットにした「モジュール」を複数組み合わせることで,用途に合わせて2コアから8コアまでの柔軟な構成が可能な点を特徴だ。

 今回Intelが発表したスライドによれば,Atom C2000は4モジュールで8基のCPUコアと合計容量4MBのL2キャッシュを搭載。さらに,DDR3/DDR3L対応メモリコントローラやPCI Expressインタフェース,Serial ATAコントローラや4ポートの1000BASE-T対応有線LANコントローラなどを内蔵するSoCとなっている。

Atom C2000の構成を示したスライド。4つのモジュールで8コア分のCPUを搭載するほか,さまざまな周辺回路も集積されている
画像集#004のサムネイル/Intel,Silvermontベースのサーバー向け低消費電力SoC「Atom C2000」を発表。14nm世代の次期主力CPU「Broadwell」にも言及

 同じSilvermontアーキテクチャを採用するタブレット向けAtomプロセッサ「Bay Trail」(ベイトレイル,開発コードネーム)では,CPUコアが4基と発表されているので,Bay Trailの場合は,Atom C2000比でモジュールの数を半分に減らし,周辺回路に内蔵グラフィックス機能といったPCやタブレット向けの機能を集積したものになるのではないだろうか。

 なおIntelによると,Atom C2000シリーズは,2013年4月から機器メーカーに対するサンプル出荷を開始済みとのこと。同じマイクロアーキテクチャと製造プロセス技術を使う製品がこの調子で出荷されているのであれば,2013年の年末商戦に間に合うタイミングで,Bay Trail搭載タブレットが登場するというスケジュールも予定どおりに進むと見てよさそうだ。

 さて,もう1つのトピックであるBroadwellマイクロアーキテクチャだが,これは,現行の「Haswell」マイクロアーキテクチャの後継となり,製品出荷は2014年以降とされている。マイクロアーキテクチャの詳細などは語られておらず,言及されたのは,14nmプロセスで製造されるXeon E3シリーズがBroadwellを採用することと,SoC版のBroadwellも投入されるということくらいである。
 また低消費電力向けサーバー製品のロードマップでは,14nmプロセスを採用するAtomプロセッサ「Denverton」の名前も公表されている。これはSilvermontの後継となる「Airmont」マイクロアーキテクチャを採用した,サーバー向けAtomプロセッサと思われる。

低消費電力サーバー向けCPUのロードマップ。2014年以降,XeonにはBroadwellマイクロアーキテクチャが投入される。一方のAtomには,DenvertonというCPUが登場するようだ
画像集#003のサムネイル/Intel,Silvermontベースのサーバー向け低消費電力SoC「Atom C2000」を発表。14nm世代の次期主力CPU「Broadwell」にも言及


インテルによるプレスリリース


#### 以下,リリースより ####

インテル コーポレーション,
新しいサービス需要に対応するデータセンターの「再設計」を提案
〜サービス指向のデータセンターの時代が,新たな事業拡大の機会を創出〜

*2013年7月22日に米国で発表されたプレスリリースの抄訳です。

ニュース・ハイライト
  • まもなく登場予定の22nm(ナノメートル)プロセス技術を採用したインテルAtomプロセッサー製品ファミリーの新情報を公開。データセンター市場での事業拡大を目指す
  • より広範囲なワークロードに対応するため,インテルの次世代Broadwellアーキテクチャーを採用したシステム・オン・チップ(SoC)など,14nmプロセス技術を採用したデータセンター向け製品群のロードマップを公開
  • Rackspace Hosting社はハイブリッド・クラウド・ソリューションの一環として,インテルのラックスケール・アーキテクチャー(RSA)ビジョンに基づいた新世代のラックデザインの導入を発表

 インテルコーポレーション(本社:米国カリフォルニア州サンタクララ)は本日,ITサービスが急激に成長し,データセンターへの需要が高まるなか,それらを支えるインフラの再設計に向けた戦略を紹介しました。この戦略により,企業とエンドユーザーはよりサービス指向型で,よりモバイル環境に適したサービスを享受できます。

 またインテルは,次世代インテルAtomプロセッサーC2000製品ファミリー(開発コード名:AvotonおよびRangeley)の新情報を公開したほか,2014年以降に登場予定の次世代14nmプロセス技術を採用した製品のロードマップについて説明しました。これらの現行製品や将来の製品,それを実現する技術の堅牢なパイプラインは,従来の独自仕様な設計から,よりオープンで標準化されたコンピュートモデルへの移行を目指すデータセンターの新たなセグメントへ向けたインテルの事業拡大を可能にします。

 インテルコーポレーション上席副社長兼データセンター&コネクテッド・システム事業本部長のダイアン・ブライアントは「データセンターは迅速なサービス提供が必要とされる新たな時代へと突入しました。ネットワーク/ストレージ/サーバー全体を通じて,インテルは引き続き成長に向けた大きな事業機会を見込んでおり,そしてそれら多くのケースでは,拡張性と効率性の需要に応じることができる新たなアプローチが求められています。本日,インテルはこの変革を実現するための短期的ならびに長期的な戦略を紹介しました」と述べています。

 多くのモバイル端末がインターネットに接続され,そしてそれを利用する数十億の人々と機器からの情報を学習することでクラウドベースのソフトウェア/アプリケーションはよりいっそうの進化を続けており,情報の文脈から体験やサービスを実現する新たな時代へと移行しています。また,そのような状況下では膨大な数の機器がネットワークに接続され,リアルタイム・ストリーミングや非構造データの配信などが継続的に行われています。増大するデータの転送/収集/統合/分析がデータセンター内で行われる中で,ネットワーク,コンピューティング,ストレージの新たな課題が浮上しています。データセンターには,これまで以上により高速でかつサービス主導型であり,また運用管理がより容易であることが求められています。

 ITの役割は,これまでのコスト削減と企業の生産性向上の目的から,ビジネスや消費者に向けて新しいサービスの提供を目的としたものへと変化しています。例えば,ディズニーは来場者に無線接続できるリストバンドの提供を開始し,リアルタイムのデータ分析を通じて来園時の顧客体験を向上させています。また,中国のBocom社のスマート・トラフィック・セーフティー・プログラムでは,1000万人の人口を抱える都市の交通パターンを特定し,路上を通行する車両向けにより利便性の高い交通ルートの選択肢をインテリジェントに提供する取り組みを行っています。

ネットワーク/ストレージ/サーバーを再設計
 インテルは,企業の次世代データセンターに向けた準備をサポートするため,ネットワークの仮想化,スマート・ストレージ・ソリューションの利用,そして革新的なラック最適化アーキテクチャーへの投資をする計画を明らかにしました。

 ブライアントは,新しいサービスを提供するためにデータセンターの活用性と柔軟性を大幅に向上する,先進デザインを備えたインテルのラックスケール・アーキテクチャーについて紹介しました。オープンクラウド企業であるRackspace Hosting社は本日,インテルのRSAビジョンの実現に向けた第一歩となる,新たなサーバー・ラックの導入を発表しました。このサーバー・ラックは,インテルXeonプロセッサーならびにインテル Solid-State Drive(インテル SSD)で高速化されたストレージを備えるインテル イーサネット・コントローラーを搭載しています。このデザインは初の商用ラック型ソリューションの導入事例となるものです。

 ネットワーク業界は,サーバー業界が以前に経験したような移行期を迎えています。オープンかつ汎用的な機能を備えたネットワークを実装することで,ネットワーク帯域の最大化とコストの大幅な削減を実現するとともに,新たなサービスを提供するための柔軟性を提供します。例えば,仮想化されたソフトウェア・デファインド・ネットワーク(SDN)により,従来のネットワークでは2〜3週間かかった新しいサービスの提供準備作業(プロビジョニング)を数分間で行うことができます。インテルは,パートナーによる新世代ネットワークの構築,導入をサポートするオープン・ネットワーク・プラットフォーム(ONP)のリファレンス・デザインを紹介しました。

 データ量の増大はすべてのデータセンターにとっての課題であり,それらの大容量データを従来の柔軟性の低いストレージ・アーキテクチャー内で処理するには,コストや時間がかかっていました。インテリジェントなストレージ技術やツールを導入することで,インテルは保存が必要なデータ量の削減や,新しいサービス向けのデータの利用方法を改善をサポートします。

 従来のサーバーも進化を続けています。データセンター事業者は,コンピューティング能力を必要とするデータベース・アプリケーションから,より少ないコンピューティング能力と高エネルギー効率の処理によるメリットを享受できる消費者向けのWebサービスまで,あらゆる機能を提供しています。インテルはこれらデータセンター事業者のさまざまなニーズに応えるため,カスタマイズされたCPUやSoCの設定などワークロードを最適化するための計画を紹介しました。

 インテルは,低消費電力で高密度のマイクロサーバーやストレージ向けのプロセッサー製品(開発コード名:Avoton)や,ネットワーク機器向けのプロセッサー製品(開発コード名:Rangeley)を含む,今後登場予定のインテルAtomプロセッサー C2000製品ファミリーに関する新情報を公開しました。このインテルの第2世代64ビットSoCは今年後半に提供開始予定で,インテルの22nmプロセス技術と革新的なSilvermontマイクロアーキテクチャーをベースに開発されています。この製品は最大8コアで,イーサネットが統合され,最大64GBのメモリーをサポートしています。

 この新製品は,昨年12月に発表した第1世代インテルAtomプロセッサーをベースにしたサーバー向けSoCと比較して,エネルギー効率を最大4倍向上*1,3したほか,パフォーマンスを最大7倍向上*1,2しています。インテルは4月から顧客向けにサーバー向けの新しいインテルAtomプロセッサー製品ファミリーのサンプル出荷を開始しており,すでに第1世代製品と比較して2倍を超える数のシステム・デザインの計画が進んでいます。

事業拡大に向けたロードマップ
 サービス指向のデータセンターへの移行は,インテルに新セグメントでの事業拡大の機会をもたらします。次世代データセンターを稼働させる基盤技術を強化するため,インテルは2014年以降に登場予定の14nmプロセス技術を採用した次世代製品群に関するロードマップを紹介しました。それらの製品群はマイクロサーバー,ストレージ,ネットワーク機器向けに開発され,webアプリケーション/サービス向けに低消費電力で高密度なソリューションを幅広く提供します。

 将来の製品には,オンラインゲームやメディアのトランスコーディングなどのプロセッサー/グラフィック主導型のワークロード向けに開発される次世代インテルXeonプロセッサー E3ファミリー(開発コード名:Broadwell)や,データセンター事業者のより高密度なシステム導入を可能にする次世代インテルAtomプロセッサーSoC(開発コード名:Denverton)が含まれています。インテルはまた,業界をリードするHaswellマイクロアーキテクチャーに続く,次世代のBroadwellマイクロアーキテクチャーをベースにした,データセンター向けに一から設計された新しいSoCなど,将来のロードマップへの追加情報を公開しました。この新しいSoCは,データセンター事業者がよりサービス指向でモバイル環境での利用を見込んでいる,高密度でエネルギー効率が高いシステム向けにより優れたパフォーマンスを実現します。

注1 2013年7月,インテル社内でインテル Atom プロセッサー S2100 と比較. インテル Atom プロセッサー C2000 の量産前サンプルで計測

注2 Dynamic Web Benchmark: Atom S1260 (8GB,SSD,1GbE), Score=1522. Atom C2xxx (32GB, SSD,10GbE), Score=11109. Atom S1260: DBC SDP w/Intel Atom S1260 (2.0GHz, 2C), Hyper-Threading Enabled, 1x8GB DDR3-1333 MHz UDIMM ECC, BIOS version D134.4, Fedora* 17, Linux Kernel 3.3.4-5fc.x86_64, Apache 2.2.22, PHP 5.4.7, Boot Drive 1x 150GB SSD, Addl Drive 2x 150GB SSD, 2xGbE, Score: 1522. Atom C2xxx: MPK SDP w/Intel Atom C2xxx (8C), Turbo Disabled, 4x8GB DDR3-1600 MHz UDIMM ECC, BIOS version 18D05, Fedora* 17, Linux Kernel 3.3.4-5fc.x86_64, Apache 2.2.22, PHP 5.4.7, Boot Drive 1x150GB SSD, Addl Drive 1x 800GB SSD, 1x10GbE, Score: 11109

注3 SPECint*_rate2006 for Atom S1260(8GB, HDD) 18.7, est pwr=20W, Atom C2xxx(16GB, HDD), 69, est node pwr=19. Atom S1260: FOR.INTEL.cpu2006.1.2.ic13.1.linux64.01june2013

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