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[E3 2010]“サプライズ”はSteamworks対応のPS3版だった。E3会場で「Portal 2」のデモを見てきた&ティザームービーを掲載
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印刷2010/06/16 18:53

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[E3 2010]“サプライズ”はSteamworks対応のPS3版だった。E3会場で「Portal 2」のデモを見てきた&ティザームービーを掲載

Sony Computer EntertainmentのプレスカンファレンスでPS3版「Portal 2」を発表するGabe Newell氏
画像集#003のサムネイル/[E3 2010]“サプライズ”はSteamworks対応のPS3版だった。E3会場で「Portal 2」のデモを見てきた&ティザームービーを掲載
画像集#001のサムネイル/[E3 2010]“サプライズ”はSteamworks対応のPS3版だった。E3会場で「Portal 2」のデモを見てきた&ティザームービーを掲載
 2010年6月に出所不明(?)の情報が錯綜し,E3期間に合わせたイベントが直前にキャンセルされたり,発売時期が2011年に延期されたりなど,Valveの新作タイトル「Portal 2」PC/Macintosh)は,メディアやファンを振り回していた。

 結局のところこの騒動は,E3 2010におけるSony Computer Entertainmentのプレスカンファレンスにおいて,PlayStation 3向けに「Portal 2」がリリースされるとアナウンスされたほか,同作のデモが会場のValveブースで行われるというところに落ち着いた。

 2007年にPC版がリリースされた「Portal」は,二つの場所をつなげられる特殊デバイス“ASHPD”(Aperture Science Handheld Portal Device)を使い,壁や天井などフィールドのあちこちに穴を開けて,パズルを解いていくという,一人称視点のパズルゲームだ。

 先述のSCEプレスカンファレンスで壇上に上がったValveのGabe Newell氏は,「PlayStation 3がリリースされてから注目してきたが,コンシューマゲーム機の中では一番オープンなプラットフォームであると思う」と発言。同社初となるPS3参入タイトルを「Portal 2」に決めたと述べた。

デモを見せてくれたEric Johnson氏。Valveには役職名のない幹部が多く,Johnson氏も役職については,「プロダクト・ディレクターあたりにしておいてください」と話していた
画像集#002のサムネイル/[E3 2010]“サプライズ”はSteamworks対応のPS3版だった。E3会場で「Portal 2」のデモを見てきた&ティザームービーを掲載
 また,Valveの商用ブースでは,インゲームシネマティックスを撮影した解説ムービーのみではあるが,「Portal 2」のデモをしっかり確認できた。
 今回,「Portal 2」のデモを見せてくれたValveのプロダクト・ディレクターであるErik Johnson氏によると,「前作よりもさまざまな面でビッグになっている」らしい。2007年に「ハーフライフ2 オレンジボックス」の一部としてリリースされた(単体販売もされているが)“ミニゲーム”ではなく,ボリューム満点の単独プロダクトとなるそうだ。

 また「Portal 2」ではストーリーも重視されており,人工知能・GLaDOSの“個性”が強調されるとともに,プレイヤーのガイド役を果たすイギリス訛りの英語を話すWeedlyという球形のAIロボットなど,複数の新キャラクターが登場するとのこと。

 またJohnson氏は,「2011年中に発売される『Portal 2』が,Steamworksを使ったPS3ゲームのローンチタイトルになる」と話しており,PS3プラットフォームでもSteamのオンライン配信サービスが始まりそうな気配だ。
 ただし,PS3でSteamworksを使ってゲームをリリースする場合は,ロイヤリティなどの問題をクリアにせねばならず,Valveは,デベロッパ向けのプログラムなど,深いところまでは現時点でコメントしていない。
 これは筆者の推測だが,「Portal 2」以後,「Steam for Mac」と同じような流れで,複数のプロジェクトが移植されていくことになるかもしれない。


ストーリーを重視した,ボリュームたっぷりのゲームに進化


 ゲームの説明に入る前に,まずは「Portal 2」のティザームービーをご覧あれ。


Aperture Scienceの研究施設が再建されていく様子。崩れ落ちていた壁のパネルがパラパラと戻っていくようなイメージ
画像集#004のサムネイル/[E3 2010]“サプライズ”はSteamworks対応のPS3版だった。E3会場で「Portal 2」のデモを見てきた&ティザームービーを掲載
 Aperture Scienceの研究施設は破壊され,うっそうとしたジャングルに飲み込まれつつあった。しかし,GLaDOSが何らかの理由で蘇生し,施設を自動再建している途中……というのが「Portal 2」の導入部分。時代設定は,前作から長い時間を経ていると思われる。しかし主人公は,前作同様チェル(Chell)という名の女性だ。
 実は,「Portal 2」の制作発表に合わせ,前作「Portal」のエンディング部分のムービーを変えたパッチがリリースされている。この2作品がどのようにつながるのかを知りたいのなら,パッチ適用後の「Portal」をプレイしておくことをお勧めする。

 Johnson氏は,おそらくは「Portal 2」の導入部分と思われるシーンを紹介してくれた。
 Aperture Scienceの研究施設にチェルが帰って来るところから始まり,Weedlyが「僕を残したままいなくなるわけなんてないと思ってたよ」と,チェルの帰還を喜ぶ。Weedlyは建物と接合されていて,チェルにASHPDを使って彼を自由にするよう要請する。

画像集#005のサムネイル/[E3 2010]“サプライズ”はSteamworks対応のPS3版だった。E3会場で「Portal 2」のデモを見てきた&ティザームービーを掲載
第1作のオープニングでチェルが目覚めた部屋も,このとおりジャングルに埋もれている
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これがWeedly。コミカルなキャラクターで,序盤のガイド役となるようだ

画像集#007のサムネイル/[E3 2010]“サプライズ”はSteamworks対応のPS3版だった。E3会場で「Portal 2」のデモを見てきた&ティザームービーを掲載
 その後,Weedlyとチェルが連れ立って歩いていくと,GLaDOSそのものに出会う。GLaDOSが,あの機械的な声で「お元気? 私,ずっと忙しかったのよ。あなたに殺されてから……」などと話すのが不気味だ。結局「今までのことは水に流しましょう。科学の発展のためにね,このモンスターちゃん」と,Valve作品らしく一方的に会話を進めて,チェルは再び難関パズルの洗礼を受けることになるわけだ。

GLaDOSが新しいパズル要素の数々でプレイヤーに挑戦


 このあとは,本作最大の特徴といえる,パズル要素を紹介しよう。ASHPDを使って壁にポータルを開けるという基本的な部分は変わっていないものの,「Portal 2」では,さまざまな新アイテム/ロジックが加わっている。

Excursion Funnel
「液体アスベスト」という新素材を使って,ポータルからポータルへとらせん状チューブを空ける技術。このチューブ内ではオブジェクトが一方向にスローに流れていく。複数のExcursion Funnelを使って,遠くにあるキューブを自分の近くに移動させるといった使い方ができる。

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Aerial Faith Plate
前作にもあったようなトランポリン系のデバイスだが,ジャンプの方向が選択できるようになっている。

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Thermal Discouragement Beam
プレイヤーの障害にもなる高熱のビーム。このビームは,レンズが内蔵されたキューブを使って屈折させることができるので,工夫すればタレット型ロボットの破壊などにも利用できる。

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Pneumatic Diversity Vent
なんでもかんでも室外の処理場に吐き出してしまう巨大な排気口。デモの際にも,邪魔なタレット型ロボットを葬り去るのに使用されていた。

画像集#013のサムネイル/[E3 2010]“サプライズ”はSteamworks対応のPS3版だった。E3会場で「Portal 2」のデモを見てきた&ティザームービーを掲載

Repulsion Gel
青いジェル状物質で,撒かれた場所での跳躍力が向上する。高い場所への移動などに使う。

画像集#014のサムネイル/[E3 2010]“サプライズ”はSteamworks対応のPS3版だった。E3会場で「Portal 2」のデモを見てきた&ティザームービーを掲載

Propulsion Gel
オレンジ色のジェル状物質で,撒かれた場所では高速移動が可能になる。時間制限のあり,そのままでは通過できない場所で利用する。

画像集#015のサムネイル/[E3 2010]“サプライズ”はSteamworks対応のPS3版だった。E3会場で「Portal 2」のデモを見てきた&ティザームービーを掲載 画像集#016のサムネイル/[E3 2010]“サプライズ”はSteamworks対応のPS3版だった。E3会場で「Portal 2」のデモを見てきた&ティザームービーを掲載

 また,「Portal 2」にはCo-opモードがあり,二人のプレイヤーが協力してゲームを進めていく,Co-op専用マップも用意される見込みだ。この場合,4色のカラーのポータルが表示されるようで,一つのポータルを二人のプレイヤーがシェアするなど,シングルプレイヤーモードにはないパズルも考えられているようだ。
 Johnson氏も,「ライブチャットをしながら試行錯誤してパズルを解いていくのも面白いはず」と,この新モードの導入には前向きの姿勢を見せていた。


 Valveの“サプライズ”騒動で,E3での新作発表を期待していた筆者のようなファンも少なからずいただろう。とはいえ,“Steam for PS3”も視野に入れたPlayStation 3版「Portal 2」というのも,ある意味サプライズといえばサプライズである。今後はβテストなどを通して,その詳細が徐々に明らかにされていくことだろう。

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