インタビュー
[TGS 2015]Wargaming.netの重鎮達に徳岡正肇氏が聞く,あまりTanksでもWarshipsでもない,いろいろなお話
事実,東京ゲームショウ2015のWargaming.netブースは,巨大なオイ車(※旧日本軍の試作超重戦車・実物大)が壁をぶちやぶり,あるいはアルペジオコラボMODが入ったWorld of Warshipsの試遊スペースがあったりと,この2作品で染まっている。しかし,Wargaming.netが作っているゲームは,それだけではないのだ。
東京ゲームショウ2015(以下,TGS 2015)の初日である2015年9月17日,Wargaming.netブースで,Victor Kislyi(ビクター・キスリー)CEOと,World of Tanksのプロダクトマネージャーを務めるMaxim Chuvalov(マキシム・チュワロフ)氏,そして北米市場におけるコミュニケーションディレクターであるChris Cook(クリス・クック)氏という,Wargaming.netの「偉い人達」に短時間ながらインタビューをする機会を得た。そこで今回は,World of TanksやWorld of Warshipsだけでなく,ちょっと角度(およびゲーム)を変えた質問を多めに混ぜてみた次第である。
思わぬ話題で盛り上がったインタビューの模様を,お届けしたい。
本題からコスチューム,肉,シイタケと逸れていき,Master of Orionへ着陸するまで
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。まず,TGS 2015で発表されたPlayStation 4版のWorld of Tanksについて聞かせてください。PlayStation 4(以下,PS4)版の特徴は何でしょうか。
PS4版は,日本のプレイヤーにとって特別な作品と言えるかと思います。日本では高性能なゲームPCやXbox Oneよりも,PS4を持っているユーザーのほうが多いですし,そもそもPS4は日本の製品ですしね。
もちろん世界的に見ても,PS4ユーザーは非常にたくさんいます。そういう意味で,今回のPS4版発表によって,より多くの人にWorld of Tanksをプレイしてもらえる機会ができたと考えています。
4Gamer:
World of Tanksのマルチプラットフォーム展開を担当しているのはシカゴの開発チームだったと記憶していますが,PS4版の開発担当もシカゴですか。
ええ。シカゴスタジオのメンバーは非常にスキルが高く,素晴らしいものを作ってくれました。DUALSHOCK 4や,[シェア]ボタンを使ってのワンタッチ実況,PlayStation Vitaを用いてのリモートプレイなど,PS4の標準機能はすべて活用できますよ。
PlayStation Network(以下,PSN)のアカウントがあれば,無料でプレイできるようにもなっています。
4Gamer:
PS4はキーボードとマウスが使えますが,PS4版のWorld of Tanksはキーボードとマウスでもコントロールできるのでしょうか?
Victor Kislyi氏:
今日はその質問をたくさん受けるんですよね(笑)。ただ,現状では,ゲームパッドでのプレイのみをサポートしています。そして,今後どうなるかはまだお答えできません。
ただ,これだけ皆さんから同じ質問が出てくるということは,そこに興味があるということだと思います。この点は必ず,開発チームと協議しようと思います。そのうえで,実装するのか,それとも何らかの事情で不可能なのか,近々にご返答しましょう。
4Gamer:
ありがとうございます。楽しみにしています。
ちなみにゲームサーバーは,独立したものになるということですよね。PSNアカウントを使う以上は。
そうなります。これはもう,仕方ないところですね。
プラットフォームをまたいでのプレイは,さまざまな理由で――しかも納得せざるを得ない,十分な理由で――非常に難しいというのが現状です。
4Gamer:
日本では,PS3もたくさん普及しています。World of TanksがPS3でもプレイできるようになったりはするのでしょうか?
Victor Kislyi氏:
今のところ予定はありません。
現状,まずはPS4版を完璧な作品に仕上げるのが最優先課題となっています。「次」を考えるのは,それが終わってからですね。
4Gamer:
同じ回答になってしまうかもしれませんが,PS4版World of Warshipsの可能性はいかがでしょうか。
Victor Kislyi氏:
World of WarshipsのPS4版は,完全に未定です。なにしろ1つ1つが巨大なプロジェクトですから,順番に片付けていくしかありません。
私達としては,まず直近の目標として,PC版のWorld of Warshipsを正式ローンチし,それから年内の目標でPS4版World of Tanksをリリースする。ここまでが,現状で申し上げられる範囲です。
4Gamer:
「World of〜」のシリーズだと,ニッチなところに「World of Tanks Generals」(Browser / Android / iOS)もあります。こちらの開発状況はどんな感じでしょうか。
現在,欧州を中心に準備を進めていて,スカンジナビアではソフトローンチ(※一部のユーザーを対象にサービスを開始すること)を行っています。
これで問題がないようなら,各国で順次リリースしていく予定です。
4Gamer:
World of Tanks Generalsは当初,ブラウザゲームとして計画されていましたが,最近ではモバイルOS版が優先されているように見えます。正式リリースされるのはモバイルOS版だけになるといった可能性はあるのでしょうか。
Maxim Chuvalov氏:
優先しているのはiOSとAndroidです。ブラウザ版は,国によってはそもそもブラウザゲームがまったくプレイされていないところもありますので,地域ごとに異なる対応を取ることになります。
いずれにしても,クロスプラットフォームでプレイできるように,鋭意努力しているというのが,現状でお答えできる範囲です。
4Gamer:
TGSの状況をご覧になっても明らかなように,日本では今,ブラウザゲームが一定のプレセンスを有しています。ブラウザ版のリリースには,期待したいですね。
実は個人的に,そのことについて,とても興味深いと思っています。
私は今年で,東京ゲームショウに参加するのは11回めになります。その経験から言いますと,かつての東京ゲームショウは,ほぼすべてが家庭用ゲーム機で埋め尽くされていました。
しかし,時代が進むに連れて,モバイルデバイス,そして今やPC,そしてブラウザも大きなポジションを占めるようになっています。この変化のダイナミックさには,驚きを感じますね。
4Gamer:
ちなみにVictorさんは,TGS 2015の会場を見て回って,どのような感想を抱かれましたか?
Victor Kislyi氏:
そうですね。絶対に言わねばならないことが,1つあります。
日本における,女性のコスチュームに関するクリエイティビティは,本当にものすごいですね!
(笑)。
4Gamer:
ええと,Chrisさんの回答を受けての質問だったつもりだったんですが(笑)。コスチューム以外に,印象的だったこととか。
Victor Kislyi氏:
コスチューム以上のものなんて,なかったね!(笑)
……と,冗談はこれくらいにして,真面目にお答えすると,初めて東京ゲームショウへ参加させてもらった2013年は,私達の知名度も低く,日本のゲーマーの皆さんにもあまり認知されていなかったように思います。
ですが3年目の今年は,ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンアジアさんのプレスカンファレンスにお招きいただいたり,弊社ステージでの発表では非常に多くの報道関係者の方々にお集まりいただけたりと,状況は大きく変化しました。
日本の皆さんに我々のゲームが受け入れていただけたこと,ここまで大きく成長できたことに,強い印象を受けています。
Wargaming Japanスタッフ:
いや,でもそれだけじゃないですよね。
ああ,そうですね。日本に来たときは,神戸牛が外せません。
この3年,毎年同じお店で,神戸牛を頂いています。
それから,シイタケも素晴らしい。
Chris Cook氏:
シイタケ?
Wargaming Japanスタッフ:
日本のマッシュルームです。Victorは山盛り食べますよね。
Victor Kislyi氏:
あれは素晴らしいものです。肉も,シイタケも,実に素晴らしい。
4Gamer:
話がゲームから盛大にズレました。
もうひとつ,ぜひ聞かねばならないと思っていたことなのですが,「Master of Orion」の開発状況は,どんな案配でしょうか。
順調に進行中です。ただし,とにかく慎重に進めています。
なにしろMaster of Orionは,ストラテジーゲームの傑作中の傑作です。いまでも世界中で愛されていますし,私も大好きなゲームです。だから,できるだけ素晴らしいものにできるよう,丁寧に丁寧に作っています。
ただ,心配する必要はないと思いますよ。何しろ開発チームは全員,Master of Orionを心の底から愛しているメンバーですから。日々,どうしたらさらに良いゲームにできるかを,真剣に考えながら,制作を進めています。
4Gamer:
期待して,リリースを待つことにします。今日はどうもありがとうございました。
インタビュールームにいた全員がMaster of Orionで大いに盛り上がったところで,残念ながら時間切れとなってしまった。だがMaster of Orionの開発に,深い愛情が注がれているのは,疑う余地もない。
World of TanksとWorld of Warshipsで国内における知名度がうなぎ登りのWargaming.netだが,まずはモバイルがターゲットとなるカードゲームとしてのWorld of Tanks Generals,そしてターン制ストラテジーの傑作であるMaster of Orionにも注目しておきたいところだ。
Wargaming.netのアジアサーバー公式Webサイト
4GamerのTGS 2015特設ページ
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