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プライドに懸けて死んでもらいます。「DARK SOULS」には「Demon\'s Souls」の魂が引き継がれているのかを宮崎ディレクターに聞いてきた
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印刷2011/02/08 17:33

インタビュー

プライドに懸けて死んでもらいます。「DARK SOULS」には「Demon's Souls」の魂が引き継がれているのかを宮崎ディレクターに聞いてきた

画像集#002のサムネイル/プライドに懸けて死んでもらいます。「DARK SOULS」には「Demon's Souls」の魂が引き継がれているのかを宮崎ディレクターに聞いてきた
 2009年2月5日にソニー・コンピュータエンタテインメント(以下,SCE)から発売されたPS3用アクションRPG「Demon's Souls」。難度の高いゲームでありながら,繰り返し挑戦したくなる中毒性や,斬新なオンラインシステムがコアゲーマーから絶賛されたタイトルである。
 以前「こちら」に掲載したDemon's Soulsの開発者インタビューで,その中毒性は考え抜かれたゲームデザインから生まれたものということが明らかにされ,プレイヤーだけでなくゲーム業界人も,Demon's Soulsの凄みをあらためて実感させられたのではないだろうか。

 さて,そんなDemon's Soulsの開発元であるフロム・ソフトウェアがバンダイナムコゲームスと手を組み,新作アクションRPG「DARK SOULS」を開発中であるということは,東京ゲームショウ2010でのSCEによるプレスイベントの記事でお知らせしたとおり。開発チームがDemon's Soulsと同じということで,期待しているゲーマーも多いことだろう。

画像集#001のサムネイル/プライドに懸けて死んでもらいます。「DARK SOULS」には「Demon's Souls」の魂が引き継がれているのかを宮崎ディレクターに聞いてきた

DARK SOULSディレクター宮崎英高氏
画像集#052のサムネイル/プライドに懸けて死んでもらいます。「DARK SOULS」には「Demon's Souls」の魂が引き継がれているのかを宮崎ディレクターに聞いてきた
 DARK SOULSがどのようなゲームになっているかは,2011年2月4日の発表や,トレイラームービーなどでほんの少しイメージが沸いてきたところだが,まだまだ気になる点は多い。ならば,いっそフロムに直接聞いてしまおうということで,Demon's Soulsではディレクターを務め,DARK SOULSでもディレクターとして開発に関わっている宮崎英高氏にインタビューを行ってみた。

 2時間半にもおよぶインタビューだったため,かなり長くなってしまったが,DARK SOULSのゲーム概要だけでなく,宮崎氏の驚きの経歴,DARK SOULSの裏話など,興味深い話題がいくつも飛び出した。その内容を余すところなくお届けしよう。

「Demon's Souls」開発者インタビュー

「DARK SOULS」公式サイト



DARK SOULSの根っこにあるのはやはりDemon's Souls


4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。
 新作のタイトルは「Demon's Souls 2」ではなく,DARK SOULSということで,中身が別物になっているのではないかと気になっているゲーマーも多いと思います。いきなりですけれど,Demon's Soulsで感じたおもしろさを今作でも期待していいのか,ということからお聞かせください。

画像集#004のサムネイル/プライドに懸けて死んでもらいます。「DARK SOULS」には「Demon's Souls」の魂が引き継がれているのかを宮崎ディレクターに聞いてきた

宮崎氏:
 うーん,詳しい情報は実際にプレイして驚いてもらいたいのでまだ秘密なんですけど,少なくとも,Demon's Soulsでプレイヤーが面白いと感じてくれた,とフロム・ソフトウェアが信じている部分は大丈夫ですよ。

4Gamer:
 信じている部分,というのはどのあたりでしょう。

宮崎氏:
 例えば難度や戦闘の触り心地,操作感,あるいは操作方法そのものなどですね。他人のリプレイが見えるとか,メッセージが書けるとかっていうオンライン要素も,DARK SOULSに採用しています。もちろんまったく同じ表現にはしていませんし,グラフィックスのエンジンも別物ですが,中身が変わっておかしなものになっているということはありません。

4Gamer:
 ゲームの根っことして,Demon's Soulsがベースにあるのは間違いないと。では,なぜDemon's Souls 2にしなかったのでしょうか。おそらく,2を作ろうという話はあったんですよね?

画像集#020のサムネイル/プライドに懸けて死んでもらいます。「DARK SOULS」には「Demon's Souls」の魂が引き継がれているのかを宮崎ディレクターに聞いてきた
宮崎氏:
 うーん,正直答えにくい質問ですね。当初私がDemon'sSouls 2を作りたくなかったと言えば,嘘になります。でも,色々とあってそうはならなかった,ということです。
 とはいえ,今となってはDARK SOULSに変わってよかったかなぁとも思っています。続編でないからこそ,変な縛りがなく新しいアイデアを採用できているので,クリエイティブな面で見ればアリだったかなと。

4Gamer:
 確かに,続編となる場合は,良くも悪くも縛りのようなものが出てきてしまいますからね。
 ところで,DARK SOULSはバンダイナムコゲームスとのタッグで手掛けられていますが,どういった役割分担になっているんですか?

宮崎氏:
 プロモーションに関しては,日本国内はフロム・ソフトウェア,海外はバンダイナムコゲームスさんが担当するという形です。コラボレーションしながら,ワールドワイド戦略を仕掛けていきましょう,みたいな話ですね。

4Gamer:
 コラボレーションというと,DARK SOULSにバンダイナムコゲームスさんのタイトルのキャラクターが登場するとか?

画像集#051のサムネイル/プライドに懸けて死んでもらいます。「DARK SOULS」には「Demon's Souls」の魂が引き継がれているのかを宮崎ディレクターに聞いてきた
宮崎氏:
 ああ,そういう話ではないです。どちらかというと,どういう風に情報を出していく……という部分ですね。DARK SOULSは,そもそも,そういうコラボレーションが合う世界観ではありませんし,バンダイナムコゲームスさんのキャラクターに,あまり酷いこともできないじゃないですか。

4Gamer:
 ですよね。内心では,「ソウルキャリバー」などからキャラクターが出てくる可能性はあるかも……とは思っていたのですが。
 コラボというと,アイテムのDLCが登場するケースもよく見られますけど,どうなんでしょう? Demon's SoulsではDLCはなかったですよね。

宮崎氏:
 DLCも今のところ考えてないですね。絶対にやらないという話でもありませんが。
 アイテムなどのDLCについていえば,DARK SOULSでは努力の報酬や発見の対象としてアイテムなどを位置づけているので,それを課金などの別の方法で提供する形を採用するつもりはありません。ただ,もしDARK SOULSのエンジンで,オンラインに特化した面白いことができそうなら,DLCにして配信することはあるかもしれません。

4Gamer:
 強力なアイテムは,ゲーム中で頑張って入手してくれということですね。
 ゲーム開発そのものについては,どういった分担なんですか?

宮崎氏:
 ゲーム開発については,バンダイナムコゲームスさんに開発体制を整えてもらってはいますが,内容の作成は我々にお任せいただいています。

4Gamer:
 つまり,ゲームデザインでおかしなところがあれば,文句はフロムさんに言えと(笑)。


フルシームレスマップでの探索感を追加


4Gamer:
 逆にDemon's Soulsとは異なっている要素についても教えてください。ゲーム名はDARK SOULSになりましたが,世界観やストーリーなどは,Demon's Soulsとはまったく関わりのないものになるのでしょうか。

宮崎氏:
 Demon's Soulsを含め,過去のフロム・ソフトウェア作品とのつながりはないですね。あるとしても,「ムーンライト」(※注)のようなお遊び要素になります。

※注:「キングスフィールド」シリーズに登場する聖剣。同シリーズのみならず,「ARMORED CORE」シリーズなどにも登場。Demon's Soulsにも「月明かりの大剣」というアイテムが存在するなど,フロム・ソフトウェア作品におけるお約束的要素である

4Gamer:
 なるほど。
 では,DARK SOULSからの新たなコンセプトなどはありますか?

画像集#005のサムネイル/プライドに懸けて死んでもらいます。「DARK SOULS」には「Demon's Souls」の魂が引き継がれているのかを宮崎ディレクターに聞いてきた
宮崎氏:
 Demon's Soulsには,アクションRPGの探索感や冒険感という面で,物足りなかった部分があると思っています。そこで,DARK SOULSではマップをフルシームレスにして,探索感を重視しました。

4Gamer:
 フルシームレスというと,オブリビオン(「The Elder Scrolls IV: Oblivion」)のようなオープンフィールドですか?

宮崎氏:
 あのように,草原があってポイントがあってというスタイルではないですね。単純にいうと,フル迷宮という感じです。Demon's Soulsでは,マップ自体は作りこんでいても,1-1,1-2,2-1……というようなステージに分かれていましたが,これがシームレスで複雑に繋がっているといいますか。

4Gamer:
 ああ,なんとなくイメージが沸きました。しかし,フルシームレスにするというのも大変なチャレンジですよね。どういった経緯で採用を決断したのでしょう。

画像集#031のサムネイル/プライドに懸けて死んでもらいます。「DARK SOULS」には「Demon's Souls」の魂が引き継がれているのかを宮崎ディレクターに聞いてきた
宮崎氏:
 経緯というか,本当はDemon's Soulsを作っていたときからやりたかったんです。

4Gamer:
 Demon's Soulsの時点でそういう話があったんですか?


宮崎氏:
 Demon's Soulsは,オンラインのシステムが新しいものだったので,販売したあとのリスクを考慮した結果,かっちりしたステージを作るしかなかったんですよ。でも本当なら,限界に挑戦するというか,ステージ制のアクションゲームではなくアクションRPGが作りたいという欲求もあって。
 そんなこんなで,社内で今作を作ろうという話が出たとき,満場一致で「今回はシームレスだよね」「当然やるよね」ということになりました。

4Gamer:
 やりたくてもできないから,欲求不満だったわけですね。

宮崎氏:
 いやあ,僕らとしてもけっこうストレスだったんですよ。分かっちゃいるけど,もうちょっとやりたいみたいな。
 でも今回は実現できるという確信がありました。かなり難しいチャレンジではあったんですが,何とか作ってみました。現在,マップの出来としてはα版とβ版の間ぐらいなんですけど,全マップを繋げて歩いてみるとすごく楽しいですよ。かなり大きくなっちゃいましたけど。

4Gamer:
 確かに,だだっ広いダンジョンを探索できると想像しただけで,楽しくなってきますね。

宮崎氏:
 ただ広いだけでなく,マップのシチュエーションもいろいろと用意していますよ。ダークファンタジーっぽいのだけじゃなく,ハイファンタジー的な場所もあったり。地獄とか,死の国みたいな雰囲気のマップも存在します。

4Gamer:
 Demon's Soulsだと,要石ごとにマップの雰囲気が決まっていましたもんね。いろいろな場所に行ってみるというのも,シームレスならではの楽しみかもしれません。

宮崎氏:
 いろんなシチュエーションを詰め込みすぎて,グラフィッカーからは怒られました。1つのマップに何種類も違うシチュエーションが入っているので,「これを1マップと呼んで作るのは無理があるだろ」と。でも彼らも好きなので,「じゃあ減らそうか」というと「なんとかやりますよ!」って。

画像集#021のサムネイル/プライドに懸けて死んでもらいます。「DARK SOULS」には「Demon's Souls」の魂が引き継がれているのかを宮崎ディレクターに聞いてきた
4Gamer:
 結局無茶を聞いてくれるグラフィッカーさん,素敵ですね(笑)。

宮崎氏:
 まだヒィヒィいいながら作っている最中なんですけどね。
 DARK SOULSはゲームデザイン命のタイトルなので,一度マップを作っても「つまらん!」と思ったところは,どんどん壊して作り直したりしますし。一回作ったものを壊すのももったいないのですが。

4Gamer:
 わざわざマップを壊してしまうというのは,具体的にどういったケースなんですか?

宮崎氏:
 本当にいろいろあるのですが,例えばバトル中窮屈に感じそうだったり,視点の誘導に失敗していたりすれば,作り直しますね。逆にポジティブな話としては,マップを歩いていて「あそこに行きたい!」という場所があれば,行けるようにしたりもします。たとえやばそうでも,行きたいところには行きたいじゃないですか(笑)。

4Gamer:
 Demon's Soulsのプレイ中に,高いところからとりあえず飛び降りたくなったりはしましたけど,そんな感覚ですよね。

宮崎氏:
 ええ,今回マップがシームレスなので,ここから飛び降りたらほかのマップに到着するでしょ? という場所がけっこうあるんです。そこで降りると死ぬようなら,じゃあ途中に足場作ってよってゴネるんですけど,なかなかそうもいかなかったりして。

4Gamer:
 ということは,マップはかなり立体的な構造になっているわけですね。

宮崎氏:
 縦方向に積みあがったマップになっていますよ。というより,Demon's Soulsのときに気付いたんですけど,どうやら僕は,普通に作れば横に広がるはずのマップを,ギュギュっと縦に積むという癖を持っているみたいなんです。だったら特徴にしてしまえということで,今回も縦に積んで飛び降りたくなるようにしてしまおうと。

画像集#007のサムネイル/プライドに懸けて死んでもらいます。「DARK SOULS」には「Demon's Souls」の魂が引き継がれているのかを宮崎ディレクターに聞いてきた

4Gamer:
 それは,うっかり飛び降りたプレイヤーの血痕が絶えなくなりそうですね。

宮崎氏:
 死ぬところは死にますけど,死なないところも作っていますよ。Demon's Soulsでいえば,「腐れ谷」マップは足を踏み外したら死にましたけど,今回は下の沼にも行けてしまうような。

4Gamer:
 あ,それ助かります。腐れ谷で散々踏み外してソウルを失ったので。

宮崎氏:
 落ちた結果,どうやって帰るのか困っても知りませんけどね。
 DARK SOULSでは,落ちたと思ったら全然違う場所についてしまった,これからどうしよう! というようなトラブルも味わってもらいたいんです。行けそうなところはだいたい行けるようにしてあるので,楽しんで探索してください。

4Gamer:
 なんだかあっという間に迷子になってしまいそうですね。

宮崎氏:
 探索重視ということで,分かりにくくなるんじゃないかという懸念があるかもしれないですけど,基本的にはDemon's Soulsと同じレベルでしか迷わないように作っています。歩いていれば覚えられる,という構造は強く意識していますね。でも,一歩探索空間を広げると,そこには未知の場所がひろがっているんです。

4Gamer:
 マップを作る上で,迷わないようにする配慮みたいなものがあるんですか?

宮崎氏:
 プレイヤーの視点移動の順番や,一般的な行動パターンなどを考慮した上で,把握しやすいマップ構造というものを作っています。プレイヤーの頭の中で,どういう風に記憶上の地図が描かれているのかを意識して,その処理能力を超えないように注意する感じです。

4Gamer:
 プレイヤーに与えられる情報があまりにも多すぎると,構造が把握しにくくなるという認識でいいでしょうか。

画像集#049のサムネイル/プライドに懸けて死んでもらいます。「DARK SOULS」には「Demon's Souls」の魂が引き継がれているのかを宮崎ディレクターに聞いてきた
宮崎氏:
 例えばですけど,いきなり入り口がボボボンって3つ置かれていたら,記憶しにくいと思うんですよ。そうではなく,まず入り口が1つ見つかって,行ってみたらここはきっとやばいぞと。でも戻ってみたらほかの入り口が見つかって,ああこっちから行けばいいのか……という流れのほうが,記憶はしやすいんですよね。

4Gamer:
 なるほど。確かに,すべての道を総当りでウロウロと歩く必要のある構造って,探索していて面倒に感じますしね。

画像集#041のサムネイル/プライドに懸けて死んでもらいます。「DARK SOULS」には「Demon's Souls」の魂が引き継がれているのかを宮崎ディレクターに聞いてきた
宮崎氏:
 探索とは,意味のある空間を目的を持って歩くことだと考えています。常に混乱したまま迷ってもおもしろくない。もちろん,限定的に負荷を与えて,混乱を演出することはありますけどね。
 ほかには,マップにシーンを記憶できる要素を配置したりしています。目的地を先に見せておいて,そこへ行きたくなるように仕向けるわけです。

4Gamer:
 「ドラゴンクエスト」の竜王の城のような?

宮崎氏:
 そうそう,あんな感じ。まあこういうマップの作り方は理想論なので,なかなか徹底はできないんですけど,極力意識して開発を進めています。

 ※レーティングは未定。ただし海外ではPEGE15+(15歳以上のみ対象)

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