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印刷2012/10/24 00:00

テストレポート

「ゲーム環境」としてのWindows 8完全理解(1)Windows 8の立ち位置とラインナップを整理する

 新世代OS「Windows 8」が,2012年10月26日にいよいよ発売となる。

Windows 8
画像集#002のサムネイル/「ゲーム環境」としてのWindows 8完全理解(1)Windows 8の立ち位置とラインナップを整理する

 Windowsにとって久々のメジャーアップデートということもあり,PC&IT系メディアはこの数か月,連日のように特集記事を掲載してきているので,「ああ,あちらでは盛り上がっているのだなあ」とぼんやり思っていた読者も多いのではないかと思われるが,そのWindows 8がついに今週,発売を迎えるわけである。
 現状,欧米のゲーム開発者などからは否定的なコメントが寄せられたりしているが(関連記事),ゲーマーにとってのWindows 8は,導入すべきOSなのか否か。ゲームプラットフォームとしてのWindows 8が持つ可能性を,何回かに分けて整理していきたいと思う。
 第1回となる今回は,基本中の基本,Windows 8の位置づけとラインナップ,入手方法を整理してみたい。


Windows 7の後継となるWindows 8は

タッチ操作に最適化されたUIを採用


 言うまでもないことだが,Windows 8は,現行のWindows 7に代わる,新しいバージョンのWindowsである。「過去のWindowsと互換性を保ちながら,新しい要素を盛り込んできた」という意味において,その立ち位置に従来からの変更はない。

Metro Styleと名付けられ,定着しかけたところで名称変更になったため,まだいろいろなところで混乱が見られるが,「タイル」と呼ばれるブロックが並んだ,このUIこそがWindows 8 Styleである
画像集#003のサムネイル/「ゲーム環境」としてのWindows 8完全理解(1)Windows 8の立ち位置とラインナップを整理する
 そんなWindows 8における最大の特徴は,新たに「Metro Style」(Metroスタイル)と呼ばれていたユーザーインタフェース(以下,UI)を採用するところにある。「呼ばれていた」というのは,商標権関連と見られる問題があって,Microsoftがあるときからそう呼ばなくなったためで,最近では「かつてMetroと呼ばれていたUI」とか,「モダンUI」とか,あるいは「Windows 8 Style UI」(Windows 8スタイルUI)といった呼び名が主流だ。MicrosoftはWindows 8 Sytle UIを好んで使うようになっているので,(断言はできないが)この呼び名が最終形ということになるのではなかろうか。

 さて,このUIについての詳細は稿をあらためたいと思うが,ポイントは,タッチ操作への最適化がなされていることだ。
 Microsoftはタブレット機器の市場で出遅れているが,その大きな原因の1つに,従来のWindowsがタッチ操作に向いたインタフェースではないというものがあった。そこで,スマートフォン「Windows Phone」のUIをベースに,タッチ操作できるWindows UIとして導入されたのが,このWindows 8 Style UIというわけである。


 「タッチ操作に最適化されたUIを,マウスとキーボードで使ったらどうなるの?」という疑問はもっともだが,そのあたりは次回以降説明するとして,ひとまずは,「タッチ操作を前提とするUIがWindows 8では採用され,それが最大の特徴」という点を押さえておいてほしい。
 なおWindows 8にはそのほかにも,システム全体の低消費電力化や,起動の高速化,「DirectX 11.1」の採用といったトピックもある。Windows 7からUIだけが変更になったわけではない。


ラインナップと製品構成は

Windows 7からけっこう変わった


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 従来のWindowsをどうやって入手したかは人それぞれだろう。最も多いのは「PCを購入したら,そのときの最新版Windowsがプリインストールされていた」というケースだろうが,DSP版と呼ばれる簡易ボックス版や,量販店の店頭などで購入できる製品ボックス版を購入し,自分でPCにインストールしたという人もいるはずだ。

 Windows 8でも,主流となるのはPCにプリインストールされる形だが,OSが登場するたびにPCを買い換えるようなサイクルの人はまれだと思われるので,ここでは,いまWindows 7以前のOSを使っている人がWindows 8へ移行すると想定し,話を進めていきたい。

■Windows 8のラインナップは2種類

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 企業向けを無視すると,Windows 8のラインナップは,“無印”のWindows 8と,その上位版に当たる「Windows 8 Pro」の2種類となる。Windows 7時代には「Starter」「Home Premium」「Professional」「Ultimate」の4種類だったので,その構成は相当にすっきりしたわけである。

 無印のWindows 8は,従来のWindows 7 Home Premiumに相当する製品だ。Microsoftとしては家庭用のPCに搭載されるのはこちらが主流という考えのようで,実際,Windows 8の発売に合わせて市場投入されるゲームPCのOSは,無印Windows 8がほとんどだ。

●参考:Windows 8搭載ゲームPCの予約受付ページ
(※2012年10月24日00:00現在,リリース到着順)

Windows 7ではUltimateにのみ用意されていたディスク暗号化機能「BitLocker」は,Windows 8だとProに用意される
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 一方,Windows 8 Proは,Windows 7ではProfessionalとUltimateの位置に相当するもので,無印Windows 8の機能に加え,リモートデスクトップのホスト機能,ドメイン参加機能,暗号化機能に,フルセットの「管理ツール」など,基本は企業向けの立ち位置に,ハイエンド個人ユーザー向けの機能を一部含んだものとなっている。
 Windows 7 ProfessionalやWindows 7 UltimateにあってWindows 7 Home Premiumになかった機能をWindow 8環境でも引き続き使いたいということであれば,Windows 8 Proを選ぶことになるわけである。

■購入できるWindows 8の選択肢は6つ

 以上,ラインナップ自体は2種類で,すっきりしたWindows 8だが,実のところ,PCユーザーが販売店で購入できる最終製品は6製品もある。しかも,これがなかなか複雑だ。

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 まず,クリーンインストールが可能な(=インストール時に以前のWindowsが必要にならない)ものとして,4種類のDSP版が用意される。
 冒頭でその名称だけ紹介したDSPというのは「Delivery Service Partner」の略で,本来はPCメーカーや販売店向けの簡易ボックス版という位置づけだ。PCメーカーや販売店が,自社で販売するPCにインストールするための製品なので,厳密にいえば一般ユーザー向けの最終製品ではないのだが,PCには「自作」という選択肢が用意されているので,自作派でも購入できるように,PCパーツショップなどで流通しているというわけである。

 Windows 8におけるDSP版では,Windows 7以前から大きく変わったことがある。従来は「あくまでも(PCメーカーや販売店が製造した)特定のPC向け」という建前があったため,何らかのPCパーツとセットでしか購入できなかったのが,Windows 8では単体購入できるようになったのだ。

64bit版Windows 8&Windows 8 Proなら,4GB超のメインメモリを扱える
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 さて,上でDSP版が4製品あると述べたが,これは要するに,Windows 8とWindows 8 Proのそれぞれに32bit版と64bit版が用意されるということである。このあたりはWindows 7時代と基本的に変わっていないと述べていいだろう。「32bit版が扱えるメインメモリ容量は4GB未満で,64bit版ならそれ以上が扱えるが,64bit版では古い世代のアプリケーションが動作しない可能性がある」というところは,Windows 7時代と同じである。

 続いて,ある意味で最も大きく仕様が変わったと言えるのが,製品ボックス版のWindows 8で,なんと,「Windows 8 Proへのアップグレード版」しか用意されない。いま使っているPCから,無印Windows 8へのアップグレードパスは用意されないのだ。

 ちなみにこのアップグレード版製品ボックスには32bit版と64bit版のインストーラが用意されているが,インストールして利用できるのはどちらか一方のみになる。当たり前だが,32bit版と64bit版のうち,利用できるライセンスは1本分というわけだ。ちなみにボックスのデザインは5種類あり,ランダムで提供されるという。

Windows 8 Proへのアップグレード版製品ボックス。32bitから32bit,64bitから64bitへのアップグレードでは大なり小なり環境を引き継げるが,32bitから64bit,64bitから32bitといった場合には,従前の環境が引き継がれない
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Windows 8 Pro Pack。正確を期すと,Windows 8では別売りの「Media Center」も含んだ「Windows 8 Pro with Media Center」へのアップグレードが可能だ。Media CenterはWindows上からオンラインで購入でき,導入するとDVD-Videoのデコードが可能になるが,別途再生プレイヤーを持っているなら,Media Centerを単体で購入する必要はない
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 以上で5種類だが,Microsoftはこれとは別に,「Windows 8からWindows 8 Proへのアップグレード版」も「Windows 8 Pro Pack」として用意している。Windows 7時代の「Anytime Upgrade」と似たようなものだという理解でいいだろう。
 Windows 8 Pro Packは,当然のことながらWindows 8無印単体,もしくはWindows 8無印インストール済みのPCを持っている人が対象だ。なお,Windows 8 Pro Packにも32bit版と64bit版が同梱され,現在使用しているOSに応じて,32bit版からは32bit版,64bit版から64bit版へのアップグレードが可能となっている。


■優待期間中はアップグレード版が格安で購入可能


 気になる価格もまとめておこう。6製品すべての注文を受け付けているAmazon.co.jpによれば,2012年10月24日現在の販売価格は以下のとおりだ(※リンクはすべてAmazonアソシエイト)。

●クリーンインストールが可能なもの

●Windows XP〜7からのアップグレード専用

●Windows 8からWindows 8 Proへのアップグレード

 Windows 8 Proのアップグレードが明らかに割安だと思ったかもしれないが,これは,2013年1月31日までの期間限定で優待価格になっているためだ。日本マイクロソフトの直販価格は6090円(税込)。Amazon.co.jp以外のショップでも,6000円前後に+10%ポイント還元など,おおむね5500〜6000円程度の価格で販売されるようである。

DSP版には,「DSP版Windows 8自作PC応援キャラクター」と位置づけられる「窓辺ゆう」「窓辺あい」を製品ボックスにプリントした「発売記念パック」も用意される。数量は1キャラあたり4000本。窓辺ゆう&あいをモチーフにしたオリジナルWindowsテーマやピクチャーパスワード用画像,イベントサウンドなどが付属するので,興味のある人はこちらを探してみるのもいいだろう
画像集#014のサムネイル/「ゲーム環境」としてのWindows 8完全理解(1)Windows 8の立ち位置とラインナップを整理する 画像集#015のサムネイル/「ゲーム環境」としてのWindows 8完全理解(1)Windows 8の立ち位置とラインナップを整理する

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 なお,以上のような販売店ルートのほかに,日本マイクロソフトは,あと2つ,割安な選択肢を用意している。1つはWindows 8 Proアップグレード版のダウンロード販売で,予定価格は3300円(※税込か税別かは未公開)だ。光学メディアが不要ならかなりの安価で入手できるので,気になる人はダウンロード販売が行われるページをチェックしておくといいだろう。

Windows 8 Proアップグレード ダウンロード版販売予定ページ


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 もう1つは,2012年6月2日から2013年1月31日の間にWindows 7搭載PCを購入した人のみを対象とした優待プログラムだ。優待プログラムの登録サイトから所定の情報を入力すると,Windows 8 Proアップグレード版を1200円(※税込か税別かは未公開)でダウンロード購入できる。いわゆる大手メーカー製PCだけではなく,システムビルダー各社のゲームPCも対象になっているので,最近ゲームPCを購入したという人は,ひとまず1200円で入手しておくというのもアリだと思われる。
 こちらも受付は1月31日までだ。

Windows 8優待購入プログラム登録ページ


 ちなみに,優待販売期間の終わった2013年2月1日以降の国内価格がどうなるかは公式発表されていない。米国では,優待版の販売が終わったあと,Windows 8アップグレードが新たに119.99ドルで登場し,Windows 8 Proアップグレードは199.99ドルになると報道されていたりするので,日本でも似たような感じになるのではないかと思われるが,いずれにせよ,アップグレード版の購入を考えているのであれば,優待期間のうちに動いておくべし,ということになる。


 近日公開予定の第2回では,Windows 8のインストールと,そのときに注意すべき点をまとめる予定だ。
  • 関連タイトル:

    Windows 8.x

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