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[TGS 2015]βで議論の的となった「あの仕様」はどうなる? 正式サービス開始の「World of Warships」担当者インタビュー
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印刷2015/09/19 16:55

インタビュー

[TGS 2015]βで議論の的となった「あの仕様」はどうなる? 正式サービス開始の「World of Warships」担当者インタビュー

画像集 No.002のサムネイル画像 / [TGS 2015]βで議論の的となった「あの仕様」はどうなる? 正式サービス開始の「World of Warships」担当者インタビュー
 東京ゲームショウ2015の開幕に合わせる形でWargaming.netが正式サービスを開始した「World of Warships」(PC)」は,日本海軍の艦艇が多数登場することもあり,大日本帝国海軍好きや「艦隊これくしょん -艦これ-」の提督達から,熱い注目を集めているタイトルだ。たいへん日本向きと言ってもいいだろう。

 そんな東京ゲームショウ2015の会場で,本作の日本におけるプロデューサーを務める柳沼恒史氏と,グローバルオペレーションディレクターであるIvan Moroz(イヴァン・モロズ)氏に,今後の展望について短時間ながら話を聞く機会が得られたので,今回はその内容をまとめてみたい。


βテストを通じた手応えと,これから


4Gamer:
 正式サービス開始おめでとうございます。まずはβテストを通じた,日本市場における手応えを聞かせてください。

柳沼恒史氏
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柳沼恒史氏:
 7月初旬からオープンβが始まっておりますが,大変に好感触を得ています。正式サービスの開始にあたっては,新たなゲーム要素としてランク戦機能を追加しましたが,こちらも大変にご好評をいただきました。

4Gamer:
 日本でのユーザー数について,公表できる数字があったりはしますか。

柳沼恒史氏:
 ユーザー数に関する数字はお答えできないのですが,オープンβ時期において全世界最大13万人が同時接続したという実績はありますね。なかでも,アジアサーバーのシェアはとても大きくなっています。

4Gamer:
 正式リリースされたばかりですが,今後の機能拡張や要素追加について,予定など教えて下さい。

柳沼恒史氏:
 まず来月から,ドイツ艦とソビエト艦の本格実装が始まります。こちらはプレミアムシップではなく,技術ツリーでの実装となりますね。

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4Gamer:
 マップなど,ほかの要素はいかがでしょう。

柳沼恒史氏:
 マップの追加に関して,はっきりとしたことまだお話できないのですが,現状にはない面白さを持ったマップをご提供できる予定です。同様に,より早いゲーム展開となるランク戦に向けて,それ専用のマップも準備中です。

4Gamer:
 ランク戦専用マップというのは楽しみですね。

柳沼恒史氏:
 機能面では,日本語IMEへの対応が完了しました。日本語でチャットしていただけるようになります。
 加えて,ゲーム内音声の日本語化作業も進んでおります。といいますか,もうレコーディングは完了していますね。現状だとアナウンスがすべて英語で,一部には海軍用語も交じっている関係上,「何を言っているのか分からない」という部分もあると思うのですが,そういう問題は解決する見込みです。

4Gamer:
 レコーディング済みということですが,具体的にどなたが声をあてているのでしょうか。

柳沼恒史氏:
 ええと,まだちょっと名前は出せないので,すみません。

4Gamer:
 何かヒントだけでも!

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柳沼恒史氏:
 そうですね……ヒント……か……。
 まず,レコーディングは複数の方にお願いしています。いずれも有名なベテラン声優さんで,威厳のある,渋めの声です。30代〜40代の方が聞けば,「おおっ!」と思うような,そんな方々です。
 あと,レコーディングは非常に盛り上がって,とても熱いものとなった,ともお伝えしておきます。こんな感じでいいですかね?(笑)

4Gamer:
 ありがとうございます。機能面のお話を遮ってしまいましたが,ほかの機能追加はいかがでしょう。

柳沼恒史氏:
 チーム内のコミュニケーションをより簡単に行える機能を追加予定です。具体的には,チャットのショートカットや,ボイスチャット周りですね。
 全体に,他のプレイヤーに対する要望や指示,自分の意見の表明などを分かりやすくできるよう,UIを整備中です。

4Gamer:
 ああ,戦闘中のコミュニケーション周りが整備されるのはいいですね。

柳沼恒史氏:
 それから,これはゲームプレイとは直接関係ないのですが,港湾画面のグラフィックスにも要素追加を行う予定です。たとえば,日本なら旧海軍の基地を再現するような,そういった拡張ですね。カスタマイズも可能になります。
 ちなみにアルペジオコラボMODでは,アルペジオ世界における横須賀港を再現しております。ちゃんと沖には壁もあります!


マッチング・壁ズリ・甲板抜きなど


4Gamer:
 直近の予定を伺ったところで,少し突っ込んだ話に入らせてください。
 まず,マッチングに関してです。現状,ランダム戦において空母の数はチームごとになるべく揃えられるようになっていますが,それでも空母1隻のチーム対2隻のチームといったことは発生します。

 そしてこのような状況においては,空母の数の少ないほうが不利になっているような印象も受けます。少なくとも,空母が相手チームより多いか少ないかによって,戦い方が変わるというのは,間違いないという認識なのですが,この点に関する見解や,もし対策案があれば,聞かせてください。

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柳沼恒史氏:
 マッチングに関連では改善の努力を鋭意継続中です。現状,だいぶよくなってきていまして,少なくとも,以前にあった「マッチングが決まった瞬間にゲームの結果が見える」ような,ひどい状況は起こらないようになってきています。
 それを踏まえてご質問にお答えすると,空母関連では,現在,さまざまな試みをテストしています。特徴的なお話だと,天候の導入がありますね。天候の変化によって船の隠蔽率が変化すると,空母の攻撃能力や生存力に大きな違いが生まれますので。こういった,いわば「不測の要素」的なものをゲーム内のギミックとして導入する可能性のテストが継続中です。

4Gamer:
 もう1つ,ゲームバランスに関係する問題としては,いわゆる「壁ズリ」技術というか,ほとんど仕様の悪用と呼ぶべきものもあります。戦闘海域の外れに存在する赤線に接する状態を維持しながら移動することで,被弾率が極端に下がるというアレですね。
 この壁ズリを嫌って,ゲームを一時的に離れているプレイヤーもいると聞きます。パッチレベルでの対策は行われているようですが,具体的にどんな対策が行われていて,どのように改善しているのかを,あらためて教えていただけませんか。

柳沼恒史氏:
 壁ズリについては,ご指摘のとおり,弊社の側で把握し,対策も進めています。現状では「赤線に接触すると,やや動きづらくなり,被弾率も上がる」という設定です。
 ただ,現状における対策でも不完全だというご意見は頂戴していますので,今後も調整を進めるべくテスト中ですね。

4Gamer:
 抜本的な対策への道筋は見えているのでしょうか。

柳沼恒史氏:
 現状でお答えできるのは「難しい問題だと把握している」ということですね。たとえば,「赤線にぶつかったら完全に停止してしまう」という仕様もテストはしているのですが,この仕様で実際にプレイしてみると,非常に大きな違和感があったりしまして。

4Gamer:
 期待しています。次は,ゲーム内チャットでもしばしば激論が交わされる,HE弾とAP弾の使い分けに関してです。
 「World of Tanks」(PC / PS4 / Xbox One / Xbox 360)だと,砲弾の貫通やダメージモデルなどは,数式レベルで公表されています。World of Warshipsで,そういった情報が公開される予定はあるのでしょうか。

柳沼恒史氏:
 現状,HEとAPについては,動画で紹介しているだけですね。確かに,そこまで詳しい話はしていません。


Ivan Moroz氏
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Ivan Moroz氏:
 いま,艦艇の装甲に関するデータを公開できるよう,リストを作っています。またUIを改善し,AP弾やHE弾に関する情報をゲーム内でも素早く閲覧できるようにする計画もあります。
 ただ,数式そのほかのパラメータに関する情報公開は,現状,まだ予定にありません。これについては,今も細かく調整が続いていますからね。

4Gamer:
 貫通という点ではもう1つ,「甲板に砲弾が命中して貫通する条件」も,とくに初心者の間で議論の的になっているように感じます。この点,できる限りはっきりしたところを聞かせていただけますか。

Ivan Moroz氏:
 まず,当たり前の話として,甲板への直撃と貫通は発生します。そのうえで,ゲーム的なメカニズムを説明しますね。
 World of Warshipsにおいて,砲弾と目標の距離は,大きく分けて3種類に分類されています。1つは近距離,もう1つは遠距離,そして最後にその中間です。この距離が実際に何kmなのかは,艦や砲の口径によって異なります。

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 さて,近距離において砲弾はほぼ横に直進し,艦艇の側面に着弾します。
 遠距離においては,砲弾は大きな山なりの軌道を描き,艦艇の上面に着弾しますよね。
 問題は,近距離と遠距離の間にある場合です。この場合は砲弾が斜めに入っていきますので,一概にどちらがいいとも言えません。
 ですので,それぞれの艦艇ごとに,どういう距離で敵と戦うべきかというのは,プレイヤーにとって重要なノウハウとなります。プレイするときは,こういうところも意識してプレイすると,より楽しめると思いますよ。

4Gamer:
 最後に,将来的な機能拡張についてです。
 東京ゲームショウに限らず,世界中のゲームショウにおいて,仮想現実対応ヘッドマウントディスプレイ(以下,VR HMD)への注目度は非常に高くなっています。手元が見えなくなる以上,VR HMDを装着してWorld of Warshipsをプレイするのは,あまりにも非現実的だと思いますが,何らかの形で対応するという可能性はあるのでしょうか。

Ivan Moroz氏:
 今はまだ,なんとも言えませんね。ただ,これからWorld of Warshipsがユーザーを増やしていくなかで,チャンスがあれば,そういった新しい技術にも積極的にチャレンジしていきたいとは思っています。
 追加でお話すると,VR HMDの市場がどれくらい大きなものになるかというのも,大きな指標になるでしょう。

4Gamer:
 ありがとうございました。


World of Warshipsの現在はあくまでも「今の仕様」


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 ということで,World of Warshipsのゲームメカニズムについて,時間の許す限り聞いてみた。まだまだ聞き足りないところがあるが,ゲームチャットでしばしば話題になる論点はカバーしたつもりでいる。
 もっとも,今回聞けた仕様は,あくまでも「正式サービス開始直後の仕様」である。オンラインゲームにおいて,仕様は刻々と変化するものであるので,World of Warshipsのガチ勢は,引き続き,最新パッチのニュースリリースをしっかりとチェックするようにしたいところだ。

 一方,カジュアルにWorld of Warshipsを楽しむのであれば,正直,「そこまで知らなくてもいいんじゃない?」というのが,筆者の個人的な本音だ。最低限把握しておいたほうがよい情報は,ゲームUIの改善で表示されるようになっていくとのことなので,その点では安心して楽しめるだろう。

World of Warshipsアジアサーバー公式Webサイト


4GamerのTGS 2015特設ページ

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