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インテリジェントシステムズの新作,「Code Name: S.T.E.A.M. リンカーンVSエイリアン」は,なぜシューターの顔をしたシミュレーションゲームなのか? 開発陣に聞いた
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印刷2015/04/28 23:59

インタビュー

インテリジェントシステムズの新作,「Code Name: S.T.E.A.M. リンカーンVSエイリアン」は,なぜシューターの顔をしたシミュレーションゲームなのか? 開発陣に聞いた

画像集 No.001のサムネイル画像 / インテリジェントシステムズの新作,「Code Name: S.T.E.A.M. リンカーンVSエイリアン」は,なぜシューターの顔をしたシミュレーションゲームなのか? 開発陣に聞いた
 2015年5月14日,任天堂よりニンテンドー3DS向けに「Code Name: S.T.E.A.M. リンカーンVSエイリアン」(以下,S.T.E.A.M.)が発売される。
 本作は,リンカーン大統領率いる極秘部隊が,エイリアンと戦うというブッ飛んだ世界観と,アメリカンコミックを彷彿とさせるビジュアル,そしてシューターのようにも見えるゲーム画面が特徴的なシミュレーションゲームだ。
 本日(4月28日)より,体験版の配信がスタートするが(※本記事最下部参照),そもそもこのタイトルはどのような経緯で生まれたのだろうか。本作のプロデューサー,任天堂の企画開発本部 企画開発部 ソフト制作第1グループ グループマネージャーである山上仁志氏,そしてディレクターを務めるインテリジェントシステムズ 企画開発部 企画開発一課のパウロ・パトラシュク氏に,話を聞いた。

任天堂 企画開発本部 企画開発部 ソフト制作第1グループ グループマネージャー 山上仁志氏(左),インテリジェントシステムズ 企画開発部 企画開発一課 パウロ・パトラシュク氏(右)
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「Code Name: S.T.E.A.M. リンカーンVSエイリアン」公式サイト

関連記事:「ファイアーエムブレム」のこれまでとこれから。ファミコン時代の開発秘話から最新作「ファイアーエムブレムif」までを制作陣に聞く



シミュレーションを作るために,

ルーマニアからインテリジェントシステムズへ


4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。

山上仁志氏(以下,山上氏):
 よろしくお願いします。S.T.E.A.M.プロデューサーの任天堂の山上です。

パウロ・パトラシュク氏(以下,パウロ氏):
 インテリジェントシステムズのパトラシュクといいます。S.T.E.A.M.のディレクターです。よろしくお願いします。

4Gamer:
 この作品が発表されたのは2014年のことですが,初めて見た時は“かなり尖った作品が出てきたな”という印象を受けました。どちらかというと日本国内というよりは,北米市場などを意識しているのかな? と感じたのですが……。

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山上氏:
 そうですね。僕達は常に,世界中のお客様に喜んでいただこうと考えていて,海外に向けた作品についても普段から議論はしています。インテリジェントシステムズさんにも“アメリカで受けるようなネタはないだろうか”という話をしていたところ,パウロさんが面白い企画を出してくださいました。

パウロ氏:
 (微笑)。

山上氏:
 一目見た瞬間,「なんじゃこりゃ!?」と思いました(笑)。で,企画者がルーマニアから来られたパウロさんだということを聞いて,「ああ,日本人の発想じゃないのか!」と。

4Gamer:
 なるほど。せっかくなので,このユニークな作品を発案されたパウロさんの経歴を教えていただけますか?

パウロ氏:
 もともと,黒澤 明監督の映画など,日本文化に興味があったんです。日本語を勉強するうちに日本がゲーム大国であることを知りました。ルーマニアではPCのシミュレーションやFPS,RTSをたくさん遊んできましたが,コンシューマゲーム機というものがほとんど入ってきていなかったので,任天堂などゲームメーカーのことも知らなかったぐらいです。日本のゲームは西洋のゲームと違うので驚きましたね。
 簡単に言うと,ゲームが好きだからルーマニアから日本に来て,シミュレーションが好きだからインテリジェントシステムズに入ったんです(笑)。

4Gamer:
 S.T.E.A.M.以前に関わられた作品は……?

パウロ氏:
 このS.T.E.A.M.が実質的にデビュー作のようなものですね。インテリジェントシステムズに入ってからは,「高速カードバトル カードヒーロー」や「おどる メイド イン ワリオ」に少し関わりましたけど。

山上氏:
 パウロさんは,しっかりとしたシステムを持つ,緻密なゲームを考えるのを得意とされています。最初にS.T.E.A.M.の企画を見たときに,完成度が高いので驚いたんですが,インテリジェントシステムズさんに入社する前から構想があったと聞いて納得しました。

4Gamer:
 そうだったんですね。しかし,どうしてリンカーンVSエイリアンというお話になったんでしょうか。

パウロ氏:
 面白いからですね(笑)。もともとのコンセプトは“スチームパンク南北戦争”でした。南北戦争の時代は,アメリカにおける英雄時代であり,なおかつ転換期であったことで,今でも多くの人が憧れを感じているからなんです。
 その時代を選びつつ,ゲームやアートワークを通じて,アメリカの人にノスタルジアを感じてほしいと考えて,一時代前のアメリカンコミックのテイストにしました。リンカーンが出てくるのも同じ理由です。

4Gamer:
 日本で例えると,浮世絵的なアートワークで戦国武将が活躍するゲームという感じなのかもしれませんね。確かに,現在のアメリカンコミックではもっと絵柄がシャープだったり,日本の影響が入っていたりもしますし。

山上氏:
 スチームパンク的な要素を取り入れて時代感を出し,リンカーンをはじめとする当時の有名人を出演させることで,親しみやすさを出そうという狙いがあったんですよね。最初のプレゼンの時点でここまでコンセプトが固まっていたので,「この人は何者なんだ!?」と興奮したのを覚えています。

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シューターの見た目で間口を広く

中身はガッツリ系のターン制シミュレーションゲームに


4Gamer:
 では,どういった狙いがあって,このような企画を考えたのか,もう少し詳しく教えてください。

パウロ氏:
 S.T.E.A.M.の一番の目的は,シミュレーションゲームという遊びを,できるだけ多くの人にできるだけ気楽に遊んでもらい,その魅力を分かってもらうことにあります。

山上氏:
 パウロさんは「みんなが親しみやすいものを作るなら,それは現在親しまれているものに似ていなければならない。だから,シミュレーションゲームの間口を広くするために,FPSやTPSといったシューターのようにするんだ」と言うんです。
 シミュレーションゲームといえばヘックスやスクエアといったマス目に区切られたマップが一般的ですが,これを見た人は「ちょっと難しそうだな」と身構えてしまう。だから,移動時以外はマス目もなくして,アメリカの人が慣れ親しんだシューター風にすれば安心してもらえるんだと。

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4Gamer:
 確かに,最初にスクリーンショットを見たときはTPSなのかと思いました。

山上氏:
 でも実際に遊んでみると,ターン制シミュレーションゲームであることがすぐに分かると思います。ただし,移動こそターン制ですが,攻撃についてはシューターのルールなので,自分で狙いを付けて撃つという操作を採用しているんですね。もちろん,異なったジャンルを無理やりくっつけたようなものではなく,両者のルールが噛み合ったものになっています。

4Gamer:
 具体的には,どういった形でしょう?

山上氏:
 本作では移動と攻撃にそれぞれ「スチーム」というエネルギーを使うんですが,長い距離を移動するとスチームをたくさん消費するので,攻撃回数が少なくなるんです。逆に,移動しなければその分多くのスチームが残るので,攻撃回数が多くなるというわけです。

4Gamer:
 なるほど。そして全員を行動させ終えたら,相手にターンを渡すという流れは,シミュレーションゲーム経験者なら,すぐに理解できそうですね。

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パウロ氏:
 ええ。見た目や基本ルールで間口は広くしていますが,中身に関して妥協はしていません。インテリジェントシステムズの伝統である,“ガッツリ遊べるシミュレーションゲーム”という部分は守っています。

4Gamer:
 そこだけは絶対に譲れない,と。

パウロ氏:
 そうです。FPSやTPSといったシューターでは,一瞬でいろいろな判断をしなければいけません。限られた時間の中でどこまで進むか,どれだけ撃つか……いわば時間をマネージメントしている訳ですが,これは多くの人にとってたいへんな作業です。

4Gamer:
 少なからず反射神経と慣れが要求されますからね。

パウロ氏:
 その点S.T.E.A.M.では,時間ではなくスチーム(SP=スチームポイント)というエネルギーをマネージメントしています。スチームの分量だけ移動や攻撃ができる。シューターにおける時間の概念をバラしたものがスチーム,と表現してもいいかも知れません。もちろん,ターン制シミュレーションゲームですので,いくらでも時間を掛けて考えることができます。

山上氏:
 言い換えれば“自分が考えている間は,時間が止まってくれるシューター”ですね(笑)。

4Gamer:
 では,リアルタイム的な要素は存在しないんですか?

パウロ氏:
 いえ,少しだけあります。攻撃するときはシューターのように自分で狙いを付けますし,スチームを残してターンを終えれば,敵のターン中に攻撃ができる「オーバーウォッチ」というシステムも搭載しています。

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山上氏:
 敵のターン中に待ち時間が発生してしまうのは,ターン制シミュレーションゲームにとって一つの課題でした。

4Gamer:
 待ち時間が長すぎると,緊張感も薄れてきてしまうんですよね。

山上氏:
 これを解決し,敵のターンにも緊張感が続くような仕組みとして,オーバーウォッチがあるんです。
 開発スタッフがS.T.E.A.M.を遊ぶ時,ターンを終えるときには必ずスチームを少しだけ残しておきます。こうすれば,敵ターンで近付いてきた相手を撃てるからです。いわば待ち伏せなんですが,決まった時の快感は最高ですね。自分が予想したのとは違った方向から相手が来ることもありますけれど(笑)。


機能を作るのではなく,遊びを作ることで,

ゲームをより良いものにしていく


4Gamer:
 S.T.E.A.M.では,マップ全体を俯瞰できません。キャラクターそれぞれの視点から見えるものを頭の中で組み合わせて,全体像をイメージしていくような形になっていますが,これもシューター的な考え方によるものなんですか?

山上氏:
 そうです。全体を見渡せるマップがあれば,それだけを使って遊びますよね。そうすると普通の見下ろしタイプのシミュレーションゲームになってしまう。

パウロ氏:
 開発途中の段階では全体マップがありましたが,山上さんから“マップがあるせいで,せっかくのコンセプトが台無しになっているじゃないか”というご指摘をいただいたんです。

山上氏:
 シューター的なシミュレーションゲームというテーマの面白さをスポイルしてしまっていたので,最終的に全体マップをなくすことにしました。

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4Gamer:
 視点が限られていると,逆に間口を狭めてしまうこともありませんか?

山上氏:
 いくらでも時間を掛けて考えられるターン制シミュレーションゲームなので,そこは大丈夫です。メンバー4人の視点を切り替えることもできますし,高台に偵察役を置いてもいい。マップを俯瞰できる機能を作るのではなく,視点を切り替えることや偵察役を置くといった遊びを作るほうが面白いはずですから。

4Gamer:
 なるほど。一見不便に見える部分もシステム側で解決するのではなく,プレイヤーがゲームの特性を理解すれば解決できるような幅を用意しているということですね。となると気になるのは,どの程度の難度なのか……というあたりなんですが。

パウロ氏:
 難度自体はゲーム中にプレイヤーさんに選んでいただけますが,いわゆる「イージー」「ノーマル」「ハード」といった切り換え式ではありません。マップの途中にセーブポイントがあり,これを利用するか否かという形で難度を調整することになります。

4Gamer:
 セーブポイントでは何ができるんでしょうか。

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パウロ氏:
 データのセーブに加え,ゲーム内で入手できる「名誉なメダル」というアイテムを使うと,回復や復活といったサービスを受けられます。初心者の方はセーブポイントでしっかり回復すればいいですし,腕に自信のある方は名誉なメダルを貯め込んでおけば良い武器を早い時期で手に入れることができます。
 もちろん,クリアしたマップをやり直すこともできますので,難しく感じられたときは,以前のマップに戻って名誉なメダルを獲得し,武器を手に入れる……といったこともできます。

山上氏:
 買ってきたゲームを始めた瞬間に「イージー,ノーマル,ハードのどれにする?」って聞かれても分からないじゃないですか。
 僕としては「ファイアーエムブレム」シリーズのように,ゲームの途中で難度を変更できる形式がいいんじゃないかと思ったんですが,“こうした選択肢は,ないならそれに越したことはない”という意見が出たんです。

4Gamer:
 それは興味深いです。

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山上氏:
 そのときに,選択肢なしに難度を変えるにはどうしたらいいのかということで,初心者と熟練者の違いは何だろうと考えました。“HPが尽きずにゴールにたどり着けるのが熟練者”であり,“そうでないのが初心者”というわけです。初心者の方には,セーブポイントでHPを回復してもらえばいい。ただ,無条件で回復できたのでは,熟練者の腕前が評価されません。
 そこで,回復は名誉なメダルを使用するという現在の形式にしました。難度を下げるのであれば敵の思考を弱くするというやり方もあるんですが,そうした手段をとることなく難度を調整できます。難度調整の機能を作るのではなく,名誉なメダルをマネージメントするという,新しい遊びが生まれたわけです。

4Gamer:
 なるほど。
 マネージメントする遊びということでは,先ほど出たスチームだけでなく,名誉なメダルも対象であると。
 では,キャラクターのマネージメントという側面についても教えてください。途中で倒されたキャラクターは,どうなってしまうんでしょう?

山上氏:
 基本的には次のエリアで再び合流します。

パウロ氏:
 いろいろなキャラクターをチームに入れて,いろいろな編成を試してほしいので,倒されたキャラクターがロストすることはありません。
 このゲームは,チームを組んで協力し合うことがテーマになっています。キャラクターのそれぞれが異なる武器や極秘攻撃,そしてアビリティを持っていますので,チーム編成によって攻撃方法やチームの特性が変わるんです。

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4Gamer:
 例えばどんな武器やアビリティがあるんでしょうか?

パウロ氏:
 武器として面白いのは,ペンギン型の爆弾ですね。爆弾はマップ上に設置すると直線状に歩いて行き,障害物に当たると爆発します。アビリティはチームの耐久力を上げたり,敵の弱点を撃ったときに与えられるダメージが通常よりアップしたりと,いろいろですね。
 それぞれのキャラクターが違う能力を持っているので,新しいキャラクターが一人加入するだけで,やれることがいろいろと増えるんです。

4Gamer:
 チームは基本的に4人編成なんですね。

パウロ氏:
 そうです。軍隊における最小の火力単位であるファイアーチームが4人編成であることに由来しています。最初はファイアーチームを二つ,合計8人を操作するゲームでしたが,最終的に4人に落ち着きました。

山上氏:
 8人だと人数が多すぎて互いの位置関係を把握するのが難しくなってしまうので,ちょうどいい数になるよう調整しました。

4Gamer:
 1章あたりのプレイ時間はどれ位でしょうか?

パウロ氏:
 プレイスタイルによって変わってきますね。

山上氏:
 一つの章は複数のエリアから構成されていますので,エリアの区切りで小休止するような遊び方をして頂けます。シミュレーションゲームとしては小刻みに遊んで頂けますね。慣れたエリアをかなり素早く遊んで20分くらい,慎重に遊ぶと40分〜1時間くらいでしょうか。

4Gamer:
 緊張感のあるプレイを楽しめつつ,間口は広いわけですね。
 ちなみに,amiiboへの対応は最初からのコンセプトに含まれていたんでしょうか?

山上氏:
 途中からですね。作り始めた時期にはamiiboはありませんでしたから。インテリジェントシステムズさんつながりということで,「ファイアーエムブレム」のamiiboを読み込めたら楽しいだろうと。すごく凝った作りになってますので,ぜひ見てみてください。もちろん,amiiboは使わなくても遊べますし,本編の攻略には関係ありません。

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無難なものより,

遊んだ人の心に刺さるゲームを


4Gamer:
 海外では既に発売済みですが,反応はいかがですか?

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パウロ氏:
 賛否両論ですね(笑)。ただ,多くはポジティブなご意見で,オリジナリティ,舞台設定,美術,音楽といった部分や,シミュレーションゲームというジャンルで新しい試みをしたことが高く評価されています。それと,「手応えがある」という感想をいただいています。挑戦のしがいがある,フェアな意味で難しいという感想です。
 個人的にやりたいことをやれましたし,それは正解だったと思っていますね。

4Gamer:
 反対の意見というものは……?

パウロ氏:
 インテリジェントシステムズの,正統派のターン制シミュレーションゲームを期待されていた方もいらっしゃったようです。ただ,「普通のゲームだね」と流されてしまうものより,議論を巻き起こすようなものを作りたかったので,ある意味狙いどおりでした。遊んでいる人の心にパッションというか,何かしら刺さったということですから。
 ちなみに私が一番好きなレビューは「このゲームのアイデアは,最悪すぎて最高!」というものです(笑)。

4Gamer:
 作り手の意図をきっちり受け止めたうえで大好きになってくれたということなんでしょうね。
 さて,日本では間もなくの発売となりますが,どんな風に遊んでもらいたいですか?

パウロ氏:
 少し変わったシステムのゲームですが,とにかくたくさんの人に遊んでもらいたいという熱意を込めて作ったゲームなので,安心して遊んでみてください。
 そして,このゲームを通じて,アメリカ文学から来ているキャラクターやアメリカンコミックのスタイルなどにも興味を持っていただけたら,とても嬉しいです。

山上氏:
 ほかの作品と同様,インテリジェントシステムズさんは今回も妥協のないゲーム作りをしてくれています。
 いろいろなゲームが出ている中だと,どうしてもビッグネームの続編を買いたくなるとは思うんですが,このゲームは「シミュレーションゲームにこんな遊び方があるんだ」という驚きのある作品になっていますので,ぜひ手に取ってみてください。必ずや,新しい体験をしていただけると思っています。

4Gamer:
 ありがとうございました。

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 ターン制シミュレーションゲームの良さにこだわりつつ,シューター的な要素を入れることで間口を広げ,新たなゲーム体験を生み出す。インテリジェントシステムズと任天堂の日本的な職人芸と,ルーマニアからやってきたというパトラシュク氏の発想が組み合わさったことにより,見た人の心に残るS.T.E.A.M.が生まれたというわけだ。
 コテコテにアメリカ風の本作が,日本でどういった反響を呼ぶのか。5月14日の発売日を楽しみに待ちたいところだ。

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 なお,冒頭でもお伝えしたとおり,本日より本作の体験版がニンテンドーeショップで配信されている。体験版では「STORY」モードの一部をプレイ可能で,本作の基本的なゲームシステムや世界観を一通り楽しむことができる。
 体験版で獲得した「名誉なメダル」を,製品版に引き継げるほか,体験版のセーブデータがあれば,製品版プレイ時に特別な武器がもらえる特典も用意されているので,本作が少しでも気になった人は,体験版を遊んでみてほしい。ちなみに,よりゲームを快適にプレイするための更新データも,発売日から配信される予定とのこと。

「Code Name: S.T.E.A.M. リンカーンVSエイリアン」公式サイト

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  • 関連タイトル:

    Code Name: S.T.E.A.M. リンカーンVSエイリアン

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