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印刷2023/07/24 12:00

インタビュー

[インタビュー]「SAKAMOTO DAYS」が参戦。集英社×ジャンプチ ヒーローズの“記念対談”で,次代へのチャレンジを語ってもらう

 1968年7月11日に創刊された漫画雑誌「週刊少年ジャンプ」の55周年にちなんで,集英社の編集長らと,LINE GAMEのアプリ「ジャンプチ ヒーローズ」(以下,ジャンプチ)のプロデューサーによる記念対談を行った。今回はその“後編”である。

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 漫画雑誌「週刊少年ジャンプ」が,2023年7月に創刊55周年を迎えた。これを記念して,集英社の編集長らと,LINEの「ジャンプチ ヒーローズ」による記念対談を行った。記事前編では,各々とジャンプのこれまでを振り返る。

[2023/07/18 14:00]

 前編では「ジャンプ55周年のお話」を,集英社「週刊少年ジャンプ」編集部 メディアプロデュースチーム 編集長の大西恒平氏,「Vジャンプ・最強ジャンプ」編集部 副編集長の内田太樹氏,LINE株式会社「ジャンプチ ヒーローズ」プロデューサーの藤川 翔氏に語ってもらったが,後編では「ジャンプチのお話」を進めていく。

 まずはさっそく,ジャンプチに追加される新規作品の話から。


元・伝説の殺し屋たちが参戦


4Gamer:
 ジャンプチに,新たなジャンプ作品が参戦する。
 という話の続きからさっそくお願いします。

藤川 翔氏(以下,藤川氏):
 ジャンプチは,週刊少年ジャンプの創刊50周年の記念アプリという成り立ちもあり,これまでは“アプリ誕生以前の作品”がメインでした。
 しかし,今回はジャンプチ以降に生まれた作品も取り入れたいと思い,集英社さんと協議させていただいたんです。そして決まったのが。

4Gamer:
 決まったのが。

藤川氏:
 鈴木祐斗先生が描く「SAKAMOTO DAYS(サカモトデイズ)」です。

画像集 No.001のサムネイル画像 / [インタビュー]「SAKAMOTO DAYS」が参戦。集英社×ジャンプチ ヒーローズの“記念対談”で,次代へのチャレンジを語ってもらう

4Gamer:
 「SAKAMOTO DAYS」。引退して結婚して太った伝説の殺し屋・坂本太郎が一児のパパとして危険から家族と日常を守るネオアクションストーリーで話題の,あの「SAKAMOTO DAYS」ですか(公式紹介準拠)。

藤川氏:
 その「SAKAMOTO DAYS」が,2023年9月上旬に参戦します。

4Gamer:
 同作が選ばれた理由は。

藤川氏:
 理由はいくつかありますが,まず大前提として,僕やジャンプチチームの担当者がめちゃめちゃ好きだからです。原作ありきのゲームでは,好きの気持ちは重要です。むしろ好きじゃないとやれないですよね。好きじゃないと「この企画は私がやります!」と胸を張って手を挙げられる担当もいませんし,作り込みの面でもそうですね。
 あと,同作は週刊少年ジャンプで原作が盛り上がっている作品だからです。ジャンプチは週刊少年ジャンプの“原作”をゲーム化したものですので,アニメとかではなく“原作”という点が大事でした。
 それに,ユーザーさんからも「SAKAMOTO DAYSを入れてほしい」と,要望があったのも理由の1つですね。

「ジャンプチ ヒーローズ」プロデューサーの藤川 翔氏
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写真左から,「Vジャンプ・最強ジャンプ」編集部 副編集長の内田太樹氏,「週刊少年ジャンプ」編集部 メディアプロデュースチーム 編集長の大西恒平氏
画像集 No.003のサムネイル画像 / [インタビュー]「SAKAMOTO DAYS」が参戦。集英社×ジャンプチ ヒーローズの“記念対談”で,次代へのチャレンジを語ってもらう

内田太樹氏(以下,内田氏):
 僕も大好きな作品なので,LINEさんから提案をいただいたときはうれしかったですね。鈴木先生にもすぐにご快諾いただけました。

大西恒平氏(以下,大西氏):
 新作って話だと,つい先日「僕とロボコ」も参加しましたよね。

藤川氏:
 そうですね。ロボコに関しては,アニメ化を記念して大変うれしいことに,宮崎周平先生から実装のご要望をいただき,急きょ参戦が決定しましたが,ゲーム的にはまだスポット参戦にとどまってしまっています。
 今回の「SAKAMOTO DAYS」は登場人物らを中心にイベントを組む,いわゆる “大特集祭”形式での実装ですので,原作の魅力をふんだんに取り入れていきたいと思っています。
 昨日も開発陣と「坂本はこうじゃねえ!」といった激論を交わしていたくらい,僕もかなりの熱を入れています。

4Gamer:
 「SAKAMOTO DAYS」からは何人ほど参戦するのでしょう。
 とりあえず,3人までは簡単に思いつきますが。

藤川氏:
 今言える範囲としましては,まずは当然「坂本太郎」。そして相棒役の「シン」。それと。

4Gamer:
 シャオ――。

藤川氏:
 …………。
 それとORDER(殺し屋を抹殺する殺し屋集団)の「南雲」です。ほかには「眞霜平助」も登場予定で,だいたいコミックスの3〜4巻あたりまでの内容となっています。残りのキャラは今後の発表をぜひ楽しみにしていただき,予想してみてください。で,以上となりますが。
 ……すみません。今回は「ルー・シャオタン(陸少糖)」については,申し訳ないことにお見送りさせていただくこととなり。

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「坂本太郎」
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「シン」
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「南雲」
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「眞霜平助」
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4Gamer:
 ……なんとなく分かるとしつつ,あえての理由となると?

藤川氏:
 今回は原作序盤あたりをメインとするため,作中にはシャオタンも当然登場していますが,遊園地編やサバゲー大会など,今回フォーカスするストーリーではシャオタンの戦闘シーンがあまりないんですよね……。
 当たり前ですが,僕もこの作品が好きと公言している以上,「シャオタンを出せ!」と言いたくなるのは分かります。絶対に言われるのも分かっています。ただ,物語性を重視した大特集祭では,今じゃないかもしれないという感覚がありまして。今回はこうした判断となりました。
 また,ご存じの通りジャンプチには100を超える作品数が参戦していますので,「SAKAMOTO DAYS」の大特集祭を短期間に何度も行うわけにはいかず……。大特集祭って1回1回がすごく重要でして,その1回になるべく皆さんに望まれているキャラを出したいと思っているため,公式のキャラクター人気投票を参考にさせていただいたりもしてきました。
 シャオタンに関してはひとまず,きたるべきタイミングのときに,ファンの皆さんにとって,もっとも望ましい形で登場させることを検討したいと思っています。

4Gamer:
 分かりました。ちなみにゲーム化やアニメ化などのマルチメディア展開のときは,作家に必ず話をとおしているんですよね?

内田氏:
 もちろんです。ちゃんと筋をとおします。担当編集らも作家さんたちと毎週のように会っているわけですしね。
 作品単位でなくとも,「このキャラでいいですか」「このイラストはどうですか」なども,編集が逐一確認していきます。

藤川氏:
 だからこそ,ジャンプチを運営していて個人的にうれしいのは,先生からのお返事を直でいただくことですね。
 子供のころに読んでいた作品の先生からコメントをいただけるそのときばかりは,思わず公私混同で喜んじゃいます。
 先生方にも一つ一つ,ちゃんとしっかりと見ていただけていることが分かって,気も引き締まりますしね。

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4Gamer:
 集英社としては,こうして他社に原作IPの使用を許諾したとき,守ってもらうべきルールなどを設けているのでしょうか。

内田氏:
 第一に「原作や登場人物の魅力を損なわないようにしてください」と伝えています。ゲーム化やアニメ化では,やはり原作にはない台詞や展開が生じるものですが,そうした際に「そのキャラがしない言動」は絶対にさせないようにしてもらいます。どうしても必要なんですと言われようと,我々は作家さんと作品を守るために,絶対に許可しません。
 強い考えではありますが,これまでも原作をリスペクトしていただける会社さんとだけ,お仕事させていただくようにしてきました。

4Gamer:
 このキャラはそんなこと言わない。ネットミームでも古くから周知されている概念ですが,これを守るにあたり,精神なのか規定なのか作業なのか。「言わせないためのシステム」はあるのでしょうか。
 あるいは,担当編集の感性をそうした規範としているのか。

内田氏:
 例えば,「AがBを呼ぶときの呼称」といった設定表などを作ることはありますが,言わせないためのシステムとなるとおっしゃるとおり。作家さんと担当編集の感性に依拠しますね。
 だからこそ編集は,作家さんとの対話を大事にしています。日々の仕事をとおして,作中のキャラクター像をしっかりとつかみ,「こういうことは言わない」「こういうことはする」の線引きを養う。
 これはIP許諾のみならず,作品自体の理解にもつながりますので。

4Gamer:
 誰よりも研究している当人たちですもんね。
 対して,こうした監修下でジャンプチ側が意識していることは。

藤川氏:
 僕らもやはり,作品への理解は個々人の感性によっています。単純に,マンガを読み込めば対応できるという話でもないので。そのうえで僕はプロデューサーに就任後,わりとチーム体制を変更してきて,なかでも大きかった変更が「監修のやり方」でした。
 内田さんは当事者なので,本当にご苦労をおかけしたかと思いますが,昔は監修の連絡を,チームの各担当がバラバラに送っていたので,各々が内田さんと対話して得た“感性”をしっかりと蓄積できなかったんですよね。当時は内田さんが個別対応してくれていましたが,それは集英社さんにとっても労力でしたでしょうし,相互理解も担当者ごとに違ってしまっており,“感性”がぜんぜん身につかないでいたんです。
 そして内田さんが作家さんとの対話を大事にして得た“感性”を,我々も内田さんとの対話を大事にして身につけていかないといけないと思ったため,ジャンプチ側も監修担当を専任の1人にしました。
 それ以降は,監修担当と内田さんとで感性がすり合わせやすくなって,昔より進行もスムーズになったと思います。あらためて,肌感をちゃんと合わせることの大切さを知りました。

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4Gamer:
 加えて,ゲームやアニメだとどうしても行間の埋め合わせ,分かりやすく言えば「オリジナルな創作部分」が出てくるはずです。
 そうした部分を補完するときも,ルールを設けるにはケースバイケースすぎるでしょうし,クリエイターの感性に委ねるのでしょうか。

藤川氏:
 オリジナル要素は多いですね。いや,むしろ,めちゃめちゃあります。ジャンプチは作品と作品が絡むクロスオーバー要素が魅力の1つでもあるので,プランナーやシナリオライターが「このキャラなら,こう言う」をできる限り追求し,原作を尊重しつつ創作してきました。
 とはいえ,シナリオもキャラクターも細かな表現も,チームで確認したあと,集英社さんに確実にチェックしてもらっています。

4Gamer:
 ついでに気になることがもう一点。
 週刊少年ジャンプの長い歴史には,数えきれないほど作品があります。ゆえに古い作品となると,当時を知る人も少ないですよね? こうした「当時の担当編集がいない作品の監修」にはどう対応するのでしょう。

大西氏:
 簡潔にお答えすると,引き継いでいます。出版業界でよく聞く話だと思いますが,一つの作品をずっと同じ編集者が担当するケースはまれです。少年ジャンプもそう。編集が何代も代替わりしていきます。
 このとき,編集者は連載中の作品だけでなく「過去の担当作ごと引き継いでいる」ので,どんなに古い作品にも窓口が必ずいるんですよ。

4Gamer:
 あー。漫画雑誌の編集者の代替わりは,現在・未来を見据えたものだと思っていましたが。過去を代々と引き継ぐことも任務なんですね。
 担当する以上は,過去作への理解も深めるでしょうし。

大西氏:
 とくにジャンプ作品の場合,原作が完結してもゲームだったりアニメだったりと,今の時代までずっと生き続けている名作は多いです。
 その際,担当と窓口を引き継いで途絶えさせていないからこそ,どれだけ古い作品であっても,誰かしらが監修に対応できるわけです。

4Gamer:
 「DRAGON QUEST -ダイの大冒険-」とか「るろうに剣心」とか,名作が令和になって復活するパターンも増えていますし。この時勢だからこそ,担当が過去を引き継ぐシステムもより合理的になるような。

大西氏:
 そうですね。今は引き継ぎの意識が,逆にもっと強くなりました。
 といっても55年の歴史とあり,社内に窓口はいても,連絡がご無沙汰な作家さんはやはりいます。そこで50周年時,縁のある先生方にあらためてごあいさつに行くなどして,連絡網を再構築してきました。

4Gamer:
 となると,取り扱える作品数はフルなんでしょうね。
 ジャンプチ的に,作品のストック数はどうですか。

藤川氏:
 まだまだあります(笑)。まだ扱えていない作品のほか,作品自体は登場させられていても,すべてのキャラクターをカバーできていなかったり,さらには読切漫画もあったり,まだまだ膨大ですよ。
 幸いなことにジャンプチはサービス5周年をすぎてなお,いまだに作品の残数に困るどころか,毎回選ぶほうが難しいくらいです。

内田氏:
 読切を含めたら,選ぶのももっと大変ですよねえ。

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4Gamer:
 現状,各々の担当領域で,あえて言うならの課題ってありますか。

藤川氏:
 その話だと,集英社さんも少なからず似た意見だと思いますが,エンタメがあふれる世の中でどう生き残るかです。正直,ジャンプチを遊んでくださっている皆さんも,やはり一つのゲームに費やせる時間は少なくなっていると思うんです。いわゆる可処分時間ですね。
 エンタメの楽しみ方も,文字を読むのがおっくうだから映像を垂れ流すだったり,アニメは倍速視聴で観るだったりと変化があります。
 良しあしは別として,チーム内にも倍速視聴が当たり前だという若手スタッフがいて,初めて聞いたときはビックリしちゃいました。

4Gamer:
 倍速視聴。当たり前な人も増えましたねえ。

藤川氏:
 でも,それぐらいしないと楽しみたいものを楽しみきれない時代なんですよね。そこをどう踏まえるかは,ゲーム業界でも難題です。
 今どきは1人あたり,3〜4個のゲームアプリを遊ぶ人は多いです,むしろ1個しかやっていない人の割合のほうが少ないと言われています。そうなると必然的に,ジャンプチを遊ぶ時間も減ります。
 本来,ゲームの面白さは「強敵の倒し方を何時間も考える」といった攻略要素だったりすると思うのですが,アニメの倍速視聴や垂れ流しのように,ゲームも今は倍速オートプレイを望む方々も多いので……。時代の変化はほんと課題ですね。

4Gamer:
 マンガにしても,Webtoonが勢いづいたりもしました。

内田氏:
 Webtoonは我々もさっそく取り組みました。個人的にも,こうした形式の違いにとらわれすぎるといけませんし,マンガの入り口はどんなものでもいいと思っています。楽しまれるものでさえあれば,あとは届け方と喜ばれ方を考えて,手段を磨くだけの話なので。
 そのうえで僕なりの課題は,VJのあり方ですかね。VJは情報誌ですが,情報のために雑誌を読むという動向は業界的に右肩下がりですので。なんらかの方針転換は必要かもしれないと実感しています。
 幸い,長くお付き合いしている優秀なライターさんやデザイナーさんは数多いので,今後は雑誌でありつつも情報発信だけに頼らず,エンタメ性のある読み物などをもっと充実させていきたいところです。

4Gamer:
 雑誌としては大きな舵取りになりそうな。

内田氏:
 そうなります。できることはやっておきたいので。

大西氏:
 僕ら少年ジャンプも,昔は「敵はサンデーだ。マガジンだ」などと言われていましたが,その意識はもうないです。今は共存共栄していかなきゃいけない,出版業界のパートナーとすら思っています。
 僕らがあえて戦うとすれば,マンガじゃなくてほかのところ。藤川さんが言うような,興味や時間を引き合うエンタメ全般です。
 マンガを読まないYouTube好きの子供たちに,どう興味を持ってもらうかなど。それも日本だけじゃなく,世界中に対してです。

4Gamer:
 個々人の趣味嗜好が測りづらい時代ですもんね。

大西氏:
 その点,少年ジャンプは世界を相手に戦っていける媒体です。
 しかし,紙のマンガを連載していればいい,などと思考停止せず,さまざまな観点で戦略を考えていかなければなりません。
 少年ジャンプも,その名だけで平和に繁栄できる時代ではありません。今後もマンガを入り口とし,ゲームやアニメ,映画や舞台といったさまざまな出口をプロデュースしていくつもりです。

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4Gamer:
 課題と見通しがよく分かりました。
 そのうえで,さらに個人的な展望はありますか?

内田氏:
 展望かあ。

大西氏:
 やめないでね?

内田氏:
 やめないです(笑)。やめないことが展望です!

4Gamer:
 イイ言葉です。

大西氏:
 メディア統括の立場としては今言った出口の拡大が急務ですが,根本的には,少年ジャンプの連載作品がどれだけ毎週面白いことをやっていけるか。キャラクターをみんなに好きになってもらえるか。そこが僕らの生命線なので,今まで以上に研鑽していきたいです。
 作家さんたちに,今まで以上に面白いマンガ作りに集中してもらえるようにして,これからの60周年,70周年も生き延びていく。
 そうでなければ,誰もゲームやアニメにしようと思ってくれませんからね。編集長の1人として,そこを支えることが僕の展望です。

藤川氏:
 僕らジャンプチの役目は,そうして大西さんたちが生み出した作品のよさを再現し,より多くの方々に届けていくことです。
 原作の魅力を少しでも補完できるよう追求し,ファンの皆さんにもっと好きになってもらう。そうした補い方をジャンプチでしていきたいですし,このポリシーを今後も貫きたいと思っています。

4Gamer:
 ジャンプ55周年の節目に,いろいろとありがとうございました。
 次の5年もあっという間でしょうが,引き続き期待しております。

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