プレイレポート
「あんさんぶるトレーニング!!」をリリースから3か月続けていたら……ボディメイクの喜びとアイドルの気高さを見た
イケメンインストラクターたちが身体と心の健康を保つお手伝い。それが「あんさんぶるトレーニング!!」
2023年初頭,私は運動継続のマンネリによる中だるみという,大きな壁にぶつかっていた。「あんスタ!!」のことではない。ここ数年続けている,筋トレのことだ。
筋トレをコツコツと続けていく生活が身体のために良さそうなことは,多くの人が知るところだろう。動くと身体がスッキリするし,なんだか心も上向きになる。しかし,ときにその道のりは面倒くさく,苦しい。生きていれば,一歩たりとも動きたくない日だってあるものだ。しかもトレーニングの結果はすぐ身体に現れるわけではなく,効果を実感するにはそれなりに長く地道な努力が必要だ。そこを頑張って成果を手に入れると,俄然やる気が出てきたりもする。
こんなふうに,楽しさと辛さのあいだを行ったり来たりしながら泥臭い努力を地味に積み重ねる行為,それが筋トレなのだ(※個人の感想です)。
私は以前,4Gamerの企画記事で6つのフィットネスゲームを並行プレイし,痩身と体力づくりに励んだ。
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- キーワード:
- Nintendo Switch:リングフィット アドベンチャー
- スポーツ
- CERO A:全年齢対象
- プレイ人数:1人
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- Nintendo Switch:Zumba de 脂肪燃焼!
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- プレイ人数:1〜4人
- 欧州
- Nintendo Switch:ジャストダンス2021
- Nintendo Switch
- ユービーアイソフト
- 企画記事
- ライター:内藤ハサミ
筋トレ&有酸素運動でひとまず目標の数値まで10kg体重を落とし,そこそこ筋肉をつけることには成功したものの,そのあとは長い停滞期に突入している。プレイしたフィットネスゲームが指定する運動に私の身体が慣れたからか,同じことをしても効果が上がりにくくなった気がする。はっきりとした成果を実感できない筋トレは,シンプルにしんどい。楽しさがないと続ける意思も弱くなってくる。
刺激を求めてスポーツジムに入会し,プロのトレーナーに筋トレメニューを指導してもらうことは,この状況を打破するための近道だろう。だが私のような人間はまず,ジムに行くために化粧や身だしなみを整えること,移動の時間が発生することが大変だと感じる。鍛えようと思い立った瞬間,できれば誰にも見られずトレーニングに突入したいのだ。
筋トレは身体に負荷をかける行為だから,できるだけそこに特別な楽しさや充実感を見出し,テンションを保って続けられることも重視したい。つまり,“苦しいことを続けるのは非常に難しいが,そこに新鮮さや楽しさを見つけ,その割合を増やすことが継続につながるだろう”,ということなのである。筋トレを数年続けてきた身であっても,これが素直な気持ちだ。
でも,その状況をどう実現すればいいのだろう……。
そこに彗星のごとく出現したアプリが,この「あんさんぶるトレーニング!!」(以下,「あんトレ!!」)だ。本アプリは2023年4月1日に「あんスタ!!」内で行われたエイプリルフール企画が元となっている。企画が終わった翌4月2日,単独の無料アプリとしてのリリースが発表になった。
「あんさんぶるトレーニング!!」公式サイト
「あんさんぶるトレーニング!!」ダウンロードページ
「あんさんぶるトレーニング!!」ダウンロードページ
このアプリならどこにも行くことなく,ひとりで,思い立ったときに気軽に筋トレ&有酸素運動ができる。以前プレイしていた6つのフィットネスゲームもそれぞれに素晴らしく高い効果を得られるものだが,停滞期の今は大好きな「あんスタ!!」の力を借りてこの状況を打ち破っていきたい。運動習慣をつけるきっかけを探している人であれば,「あんスタ!!」を知らなくても入っていけそうだし,家族や友人とのコミュニケーションとして勧めても話題になりそうだ。お正月休みで鈍った身体の健康を保つためにもうってつけのアプリだろう。
筆者は,この「あんトレ!!」を2023年9月19日の配信日当日にダウンロードし,現在までの約3か月間,どうしても時間のとれない日や体調の悪い日以外はできるだけ毎日実施している。
本稿は開始から今までのトレーニングを振り返りつつ,公式の謳い文句であるあんスタ,健康にいい。の実践を推奨するものだ。また,「あんトレ!!」という運動アプリから見た「あんスタ!!」の世界についても語っていく。
「あんスタ!!」は「あんトレ!!」によって,心だけでなく身体をもサポートするようになったのか……
たくさんのイケメンインストラクターと一緒に,アイドルソングに合わせてレッツトレーニング!!(公式より)
ということで,9月19日のリリース日にアプリをダウンロードした私は,さっそくこのアプリを使って筋トレを始めることにした。“たくさんのイケメンインストラクター”とは,「あんスタ!!」に登場するアイドル49人と,夢ノ咲学院のOBである教師の2人,計51人のことだ。トレーニングは10日間がワンクールとなっていて,担当してくれる専属トレーナーを乙狩アドニス,七種茨,天満光,瀬名泉の4人から決める。実際のトレーニングには,彼らを含めた51人がインストラクターとしてレクチャーしてくれる。
初回は,トレーニングの前に専属トレーナーによるカウンセリングがある。鍛えたい部位や目的など,筋トレに求めているものは人によって違うだろう。「体力に自信はあるか」,「引き締めたい部分は?」などといったいくつかの質問に答えていくと,各々の目的に合ったトレーニングカルテが出来上がるのだ。
トレーニングメニューには寝転がって実施するものもあるが,そこまでの広い運動スペースが取れない場合もあるだろう。そんなときは「狭い部屋モード」をオンにしておけば,立って行うメニューだけが選ばれるようになる。任意の時刻に,トレーニングのお誘い通知がスマホに来るように設定でき,習慣化へ導く細やかな気配りが嬉しい。これらの設定はいつでも変更可能なので,最初は気楽にカルテを作成し,トレーニングをしていくなかで気になったところを調整していくのがスムーズだと感じた。自分の体力・体調を基準にしてメニューを決められるのが良いところだ。
トレーニングは,1日1回のみ実施可能となっている(毎日午前4時にゲーム内の日付が切り替わる)。絶対にその回数しかできない。任意のメニューを繰り返し実施できるようなフリーモードなども一切ない。2〜3分の運動×プログラム数なので、運動時間は最大20分くらいになり、それなりにしっかり疲れる。トレーニングカルテの内容によって運動時間と負荷はかなり変わり、プレイヤーによって運動の重さに対する印象は変わる。
「あんトレ!!」内のアイドルたちは,「あんスタ!!」内での関係性とは異なり,あくまで「アンサンブルトレーニングジム」のインストラクターとして接してくる。これは,アイドルたちが登場する番組の企画という設定なのか,それともES内の事務所が新たに始めたビジネスなのか。細かい説明は一切ない。いや,必要ない。
イケメンインストラクターとしての彼らと,筋トレをする私。ここでは,このシンプルな関係性こそがすべてだ。
3か月続けたトレーニングで得たものは……
トレーニングを始める。
アプリを起動し,スタートボタンをタップすれば,すぐにカルテの内容に即したメニューが自動で組まれる。メニューは最大8つのプログラムで構成されていて,各プログラムにBGMと担当インストラクターがランダムで割り当てられる。別の構成が良ければ,メニューを再設定のタップで変更できるほか,インストラクターとBGMを一括設定のプログラムからの個別変更も可能だ。
BGMとインストラクターは初期状態で数曲,数人のみ開放されているが,エクササイズを終えるともらえる筋肉コイン(すごい名前だ)でどんどん収集できる。あらかじめ設定を済ませておけばアプリ起動から数タップで運動に入れる展開の早さ,いくつかの収集要素といった点も習慣化のハードルを下げ,モチベーションを保つ要素となっている。
ひとつのプログラムにつき1曲,そのなかで3つの動きを行う。個々の動きの前に流れるデモで予習できるが,インストラクターたちもエクササイズ中に力の入れどころや動きのコツなどを教えてくれる。自分で運動をしているだけでは気づきにくい点を絶妙なタイミングで,しかもインストラクター自身の言葉で伝えてくれるのだ。「その調子!」「がんばれっ」「もう一息,ラスト!」など,応援の掛け声にも多くのパターンがある。
「脚を抱え込むイメージで腹筋を意識する」。運動効果のためだけでなく,身体を痛めないためにも重要なこと |
運動中は声をかけてくれるだけでなくカウントも取ってくれるので,最後まで自分の動きを意識しながら運動できる |
ひとつのプログラムのトレーニング時間は,BGMの長さにもよるが2,3分だ。運動時間をより長く,または短くしたければ,BGMの変更で適した曲を選べばいい。
トレーニング初日,実は「意外とボリュームが少ない」と感じた。なんなら,少し物足りなかったくらいだ。トレーニングカルテの診断ではプロ級となっていたし,私にはすでに運動習慣がある。そんな自負もあり「マッスルな私には,ちょっと軽すぎるのかな……」と思いつつ眠りについた。しかし……。
翌日,しっかり筋肉痛になったのだ。今まで行ってきた筋トレメニューでは使われなかった筋肉をしっかりと動かしたからだろう。おそらく,長く同じメニューをこなすうちに慣れが生じ,動きが小さくなっていたり,フォームの乱れに気づいていなかった部分があったと思う。初日からさっそく今まで不足していたことに気づかされるとは,「あんトレ!!」侮りがたし。
少々うぬぼれた態度だったことを反省した私は,翌日から心を入れ替えた。改めて考えてみると,2分ほどの曲に合わせて3つの動きを行い,ひと区切りしつつ進めていくというテンポは絶妙である。苦しくて我慢できないの,ほんの少し手前で終わる動きを断続的に続けていくと,運動の効果は得られつつ,さらに気持ちには余裕が残る。これもおそらく,その人のペースに合った運動を継続させるための絶妙なバランスなのではないだろうか。
改めてすごいアプリなのでは……という予感がしてきた。とにかくシンプルに「楽しく運動を続けてみよう」というメッセージをイケメンインストラクターが伝えてくる。
どうしても運動が出来ない日は休むこともあったが,ひと月,ふた月と続けていると,だんだん身体に変化が出てきた。体重はさほど変わらないものの,ワンサイズ小さいパンツが入るようになったのだ。また,背中のぜい肉が筋肉に変わってきたようで,家族にも「以前より後ろ姿が引き締まっている」と言われた。自分以外の人間に変化が気づかれるくらいには効果が出たのだ。さらに嬉しいのは,電車の中,イベントの取材中など立ちっぱなしでもほとんど疲れを感じなくなったことだ。体力の底上げは生活に余裕と活力を生む。
ちなみに今,「あんトレ!!」のなかで最もきついと感じるメニューはリバースプランクだ。
ほかにも試してほしいトレーニングをいくつか紹介しよう。有酸素運動の“ウォーキング”は,簡単な動きで誰でもしっかりと効果を得やすい点がおすすめ |
腕を鍛える筋トレ,“リバースプッシュアップ”。日常生活ではほとんどしない動作なので引き締め効果は抜群 |
足と背中に効く“リズムバックエクステンション”。エクササイズとして効くだけでなく,動き自体が楽しい |
9月の時点では,姿勢をキープしている十数秒が永遠に感じるほどの辛さだと感じたが,3か月後の今はそこまで辛いものではない。また,脚の筋肉が強化されたからか,大きく足を踏み出して行うランジ系の動きもぐらつかなくなった。確実に以前よりもパワーアップしている! よくやった,自分。ありがとう,インストラクターの皆さん!
次回につなげるための工夫も手厚い
その日のプログラムが終わると,MUSCLE ENJOY CARDというゴキゲンな名前のスタンプカードに専属トレーナーがスタンプを捺してくれる。これも収集要素のひとつ。カードをこちらに手渡してくるモーションは4人ともまったく異なり,各々の性格がよく出ている。毎回スタンプを捺してもらう時間が楽しみなのは,私だけではないはずだ。
10日間トレーニングをし,スタンプがカードいっぱいになると目標達成でひと区切りとなる。次からは2枚目のカードで,またスタンプを集めていく。
現在までにスタンプが捺されたカードをすべて並べてみた。集めたカードは純粋に運動の成果が形になったものだ。継続日数,回数などのアチーブメントシステムもあるが,それも何かに使えるものではない。しかし,溜まったスタンプを眺めていると実に気持ちがいい。しかもいっぱいになったスタンプカードの裏には,専属トレーナーの直筆風メッセージが書いてある。そのメッセージも複数あるので,全部見てみたい。この気持ちもアプリを毎日立ち上げる原動力になっている。
運動中の声掛けだけではなく,前後の会話もインストラクターによってさまざまだ。自らの輝きをファンに伝えるアイドルとは違う本作の役割は,一線引いた感じではあるがアイドルたちの個性そのまま。その元気さ,優しさ,頼もしさに運動中はたくさん癒されたし,救われた。
推しのアイドルに応援されれば辛いときも頑張れそうと最初はなんとなく思っていたが,決してそれだけではなかった。プロのアイドルである彼らが,インストラクター役にも真剣に取り組んでいる姿を毎日見ていると,彼ら自身と,アイドルという仕事への取り組みに対するリスペクトの気持ちも改めて湧いてくる。きっと,彼らもレッスンではこれ以上の運動量をこなしているだろう。辛くて苦しい日も夢や目標に向かって頑張っているだろう。彼らほどではないにしても,私も同じく日々鍛錬を積むことで彼らの生き様の一端をより深く読み取れるようになるのではないだろうか……と想像すると,妄想かもしれないが「あんスタ!!」プロデューサーとしての精神も鍛えられているような気がする。
アプリ側で組んでくれるメニュー,「あんスタ!!」のアイドルがインストラクターだからこその個性豊かで細やかな声掛け,さらにスモールステップで達成感を味わえるスタンプカード,アチーブメント,筋肉ランクのシステムは,動画を流して行うフィットネスよりも私たちに歩み寄ったものとなっている。SNSに運動結果をシェアできることもモチベーションアップ要素のひとつだ。
運動は,当然ながら自分が動かないと始まらない。誰かに代わってもらうことはできないものだ。だからこそインストラクターたちは,私たちが自主的にアプリを立ち上げたことを褒め,運動を始めれば優しく励まし,スタンプを捺してくれる。そんなインストラクターたちは基本的にトレーニング以外のことを語らないが,ときおり垣間見える個性にハッとさせられる。彼らの努力やプライドは語られることがなくても,眩しい輝きとして表れているのだ。自分も「かくありたい」と思わせてくれる,最高の目標だ。
最後に……運動が続かないのは,あなたのせいではない
やはり,筋トレや有酸素運動などのエクササイズは,基本的に続けにくいものなのだと思う。その根拠を,ゲームに例えて説明してみる。
ゲームに楽しさや達成感を感じるのはなぜだろう。いろいろな理由はあるだろうが,大きな要素のひとつには確約されている報酬があることが挙げられるのではないだろうか。クリア報酬の目安がまったく設定されていないと,頑張る原動力にはなりにくい。ランダムドロップのアイテムにしたって,それが一定確率で得られると分かっているから頑張れるのだ。そこには,はっきりとした約束がある。
一方,運動において得られる報酬は常に不安定だ。なぜかと言うと同じメニューをこなしても効果には個人差があるうえ,体重や筋肉量というものはコンディションにより増減する。頑張りと結果の数値が短いスパンでは厳密に連動しているわけではないのだ。それでもまっすぐ前を見て頑張れるのは,運動をすること自体が目的という人だけだろう。
少しであってもトレーニングをすればマイナスの結果にはならないが,報酬がぼんやりとしたもので確約されていないとしたら,それがゲームだった場合はつまらないのだ。だが,運動によって成果を得た人は,それを手にする喜びをすでに知っているため,「なぜ,あんなに良い効果が得られるのに運動をしないのか」という発想になる。話をまとめると,本作はしばらくの我慢で褒美が手に入る。そして手にした喜びを私は知っている。だから本稿を書いたのだ。
運動が続かないあなたや私は,怠惰なのではない。そもそもそういう理屈なのだ。では,運動を続けるにはどうするか。それは,システムを変え,工夫するしかない。それを可能とするのがこの「あんトレ!!」だ。あなたをサポートするため,51人の素敵なインストラクターが待っている。
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