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Apple M1搭載Macはどこまでゲームが遊べる? iPhoneやiPadアプリも動く新世代のMacがどれほどの可能性を秘めているのか確かめてみた
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印刷2020/12/29 00:35

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Apple M1搭載Macはどこまでゲームが遊べる? iPhoneやiPadアプリも動く新世代のMacがどれほどの可能性を秘めているのか確かめてみた

画像集#002のサムネイル/Apple M1搭載Macはどこまでゲームが遊べる? iPhoneやiPadアプリも動く新世代のMacがどれほどの可能性を秘めているのか確かめてみた
 Appleから2020年11月に発売されたノートPC「MacBook Air」「13インチMacBook Pro」と,小型デスクトップPC「Mac mini」は,Apple独自設計のプロセッサ「Apple M1」(以下,M1)を搭載した新世代のMacだ。

 こちらの記事にあるとおり,M1とはApple独自のCPUと,同じく独自のGPUやAI処理用演算ユニット「Neural Engine」を搭載する新しいSoC(System-on-a-Chip)のこと。このM1を搭載したMacは,その性能はもちろん消費電力にも優れており,高いパフォーマンスを発揮しつつバッテリーも長持ちするマシンとなっている。

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 北米時間2020年11月10日,Appleは,独自プロセッサ「Apple M1」を搭載するノートPC「MacBook Air」「13インチMacBook Pro」と,小型デスクトップPC「Mac mini」を発表した。新プロセッサの採用により,処理性能とバッテリー駆動時間の両方で大幅な性能向上を実現したのが特徴であるという。

[2020/11/11 12:41]

 そんなM1搭載Macで何より惹かれるのが,“iOS / iPadOS向けのアプリが動かせる”という点だ。ゲーム好きにとって,新たなPCやデバイスが発売されて気になるのが,どれくらいゲームが遊べるか――Intel CPU搭載Mac向けのアプリを自動的に変換しM1搭載Macでも実行可能にする「Rosetta 2」によってMac用のゲームが引き続きプレイできることはもちろん,さらにiPhoneやiPadのゲームが遊べるというのなら,気にならないわけがない。
 ということで,M1搭載の13インチMacBook Pro(8コアCPU,8コアGPU,メインメモリ容量8GB,SSD 512GB,13.3インチディスプレイ 2560×1600ドット)で「M1 Macでどれくらいゲームが遊べるか」「どれほどの可能性を秘めたマシンか」を確かめてみた。

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Apple公式サイトの「Mac」シリーズページ



IntelベースMac向けのゲームの起動をチェック


 まずは,“IntelベースのMac向けゲームは,Rosetta 2によってM1搭載Macでどこまで動くのか”を,2020年10月にアーリーアクセス版がリリースされた「Baldur's Gate 3」で試してみた。

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 Steamのストアページからダウンロードし,無事に起動を確認。オプションの「グラフィックス設定(VIDEO)」でデフォルト設定を確認すると,解像度が1440×900ドット,「Overall Quality」と「Model Quality」が「Medium」となっていた。ディスプレイ設定が「Apple M1(Virtual Monitor)」と表示されている点にはニヤリとする。
 30fpsのフレームレートキャップがかかっていたのでこれを解除してゲームをプレイすると,30fps付近で動作した。基本はターンベースのRPGなので,このフレームレートでも問題なく遊べる。

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画像集#007のサムネイル/Apple M1搭載Macはどこまでゲームが遊べる? iPhoneやiPadアプリも動く新世代のMacがどれほどの可能性を秘めているのか確かめてみた

 解像度を2560x1600ドット,「Overall Quality」を「Ultra」,「Quality」を「High」に,そのほかライティングやシャドウも「High」にするなどして最高画質にしてみたところ,平均17fps前後まで低下。キャラクターの動きやアニメーションのカクつきが気になるようになり,最高画質で快適にゲームを遊ぶのはさすがに難しく感じた。
 とはいえ,解像度を最大にしなくても十分に綺麗なグラフィックスでゲームが楽しめるので,調整次第で高画質設定でも普通に遊べそうだ。

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 驚いたのが,長い時間ゲームに使っていても本体の発熱が気にならなかったこと。1時間ほどプレイした時点ではほんのりと人肌程度で,最高画質にあげてさらに1時間ほどプレイしたときでも,膝の上に置いても平気なくらいで,ファンの作動音も静かだった。室温が22度くらいと低かった影響はあるかもしれないが,これはなかなか感動ものだ。

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 そのほか,いくつかのタイトルをプレイしていたところ,「Middle-earth: Shadow of Mordor」のようなアクション性の高いオープンワールドゲームは画質を調整しないと遊べないが,アクション性はあるが激しい動きが少ない「The Long Dark」,「Cities: Skylines」「シドマイヤーズ シヴィライゼーション VI」といったシミュレーションやストラテジーなどは高画質設定でも“普通”に遊べた。
 一本一本を長く遊んだわけではないので,数時間プレイし続けるようなケースを判断することはできないが,起動についてはとくに気になることはない。ハードとOSの両面で,ゲームを遊ぶための条件はこれまでになく整っている印象だ。

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Shadow of Mordorは,最高解像度の2880×1800ドットだと,フレームレートは最高20fps,最低12fpsで平均16fpsに届かないくらいで,さすがにこれで遊ぶのは難しい。1920×1200ドットだと最高30fps超えの平均24fpsでギリギリ遊べる程度,1440×900ドットで最高40fps手前の平均30fps近くで安定して遊べた
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The Long Darkは,解像度を2560×1600ドット,グラフィックスオプションをすべて「究極」でも問題なく遊べるが,「高」でも綺麗な映像でゲームが楽しめるので,少し重たいと感じたら調整しよう
画像集#031のサムネイル/Apple M1搭載Macはどこまでゲームが遊べる? iPhoneやiPadアプリも動く新世代のMacがどれほどの可能性を秘めているのか確かめてみた
高感度のトラックパッドによって,本体のみで気軽にプレイできるのは,SLG / ストラテジー好きには嬉しいポイント。Cities: Skylinesは解像度を2560×1600ドットでも問題なく遊べる
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Civ6は,設定可能だった最大解像度の1440×900ドットでベンチマークを数回行ったところ,フレームレートは60fps以上を,平均ターン時間は10.50〜10.75秒をキープしていた

 PCゲームで何より気になるのが,ネイティブアプリとして動作するゲームが今後どのように展開していくか。すでに対応済みのゲームとして「World of Warcraft」が,対応予定のあるゲームとして「EVE Online」(関連記事)などがある。これらに続いてネイティブ対応作品が増えると面白くなりそうだ。

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「EVE Online」,macOS Big SurとMetalに対応するネイティブクライアントの開発をアナウンス

「EVE Online」,macOS Big SurとMetalに対応するネイティブクライアントの開発をアナウンス

 CCP Gamesは本日,SF MMORPG「EVE Online」で,「macOS Big Sur」とグラフィックスAPI「Metal」に対応するネイティブクライアントの開発を発表した。パブリックβ版が2021年第1四半期にリリースされる予定だ。

[2020/12/07 12:49]


iPhone / iPadアプリを起動! 課題も多いが楽しみな部分もたくさん


 本企画のメインとも言えるであろう,iOS / iPadOS用のゲームアプリを試してみよう。
 ダウンロード方法は基本的にほかのMac用やiOS / iPadのアプリと同じで,App storeでタイトル名や関連ワードで検索すると検索結果に「Mac App」「iPhone及びiPad App」というタグが出てくるので,後者を選択すればダウンロードしたいアプリにたどり着く。

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 しかし,App storeで検索してもタイトルページが表示されないアプリや,タイトルページがあってもダウンロードを選べないアプリがあった。
 iOSとiPad OS用のアプリは,同じARMアーキテクチャのチップで動いているため互換性があり,基本的にM1搭載Macで動かせるが,iPhoneやiPad特有の機能を使ったアプリはノートPCでは動かせない。それらのアプリは,デベロッパ側が非対応と設定して表示していない,もしくはダウンロードできない場合があるようだ。
 ダウンロード可能なアプリでも,iPhoneやiPadと変らず動かせるというものではない。インストールまでできたけど実際には動作しない,起動はするもののゲームの途中で画面がブラックアウトして戻ってこなくなる……といったゲームがいくつかあった。

「Among Us」は,固定された画面サイズとUIのズレが発生している箇所があった
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 そういったアプリには,App Storeページに「macOSでは検証されていません」というバッジが表示されている。M1搭載Macがリリースされてまだ1か月。さすがにまだ対応は進んでいないようで,今回ダウンロードしたゲームは,このバッジが表示されているものが多かった。
 バッジは,デベロッパによるチェックが進んで完全な互換性が確認され次第,取り払われるとのことで,このあたりは時間によって解決されていく問題だろう。

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 では,現在“動く”アプリの操作感はどうか。13インチMacBook ProはノートPCであり,スマートデバイスではない(当たり前だが)ため,基本的にトラックパッドで操作することになるが,画面タッチでの操作を前提としたUIとなっているiPhoneやiPadのアプリを動かすにはやはりもどかしさがある。
 一本指でタッチするだけで進むゲームならまだ問題ないが,困ったのが「左手でキャラクターを操作し,右手で攻撃を選択する」といったアクション性のあるゲーム。トラックパッドでポインターをせわしなく動かして,画面左側の仮想ゲームパッドと右側の攻撃発動ボタンを操作していたが,まともに戦えるわけがない。
 「こういったゲームはダウンロードできても遊べないのか……」と思いきや,そんなことはなかった。メニューバーにある「タッチ代替」機能を利用すれば,トラックパッドを仮想タッチスクリーンにして,マルチタッチ操作ができたのだ。

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 マルチタッチは,タッチ代替機能をオンにした状態で,Optionキーを押しっぱなしにすることで使える。これに気付いて「アズールレーン」や「ファイナルギア-重装戦姫-」などをプレイしたところ,ポインターのみの操作に比べてスマホのゲームっぽい操作感に近づいた。
 とはいえ,Optionキー押しっぱなしをキープしなければならないため思ったように指を動かせず,指がつりそうにもなるため,安定した操作や長時間のプレイは難しい。Optionキー押しっぱなしだけではなく,押すごとにON / OFFの切り替えができるようになれば,トラックパッドでの操作の可能性も広がりそうだ。

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 「どうぶつタワーバトル」「Parking Jam 3D」といった,単純な操作で遊べるゲームはほぼ支障なくトラックパッドでのポインター操作で遊べた。カジュアルなゲームを仕事の合間の息抜きに遊ぶ……みたいな人にはけっこうオススメできそうだ。
 とても便利なのが,複数のアプリを同時に起動して,個別のウインドウに表示した状態で並行して遊べる点だ。普段遊ぶiOS / iPadのサブ機としてアカウントを結びつけることができれば,複数のゲームの期間限定イベントやレベリング,素材集めなどを並行していっぺんに進められるな……と,夢が広がる。

画像集#018のサムネイル/Apple M1搭載Macはどこまでゲームが遊べる? iPhoneやiPadアプリも動く新世代のMacがどれほどの可能性を秘めているのか確かめてみた

 複数のデバイスを1つのデバイスのようにシームレスに使えるのがApple製品の魅力の1つ。MacでiPhoneやiPadのアプリが使えるようになったというのは,真の意味でのモバイルとデスクトップの融合が実行されようとしているということだ。
 とはいえそれはまだ始まったばかり。現時点では,アプリ自体の対応が進んでいなかったり,アプリをPCで動かすうえでの不具合が目立ったりはしている。しかし前述したとおり,ハードとOSの両面でゲームを遊ぶための条件自体は,想像していた以上に整っていたので,いろいろ試しているうち「今後どのように発展してくか」が想像でき,それを考えながらいろいろなゲームを試しているだけでも楽しかったのだ。

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 Appleは今後2年ほどをかけて,MacのラインナップをM1搭載のものに切り替えていく予定だという。デベロッパの対応次第なところもあるが,M1搭載Macの能力をフルに活かした環境が整い,それに対応したゲームが増えれば,“Macでゲームを遊ぶ”はもっと一般化してくるだろう。
 実際にM1搭載Macに触れてみて感じたのは,「今現在どれだけゲームが遊べるか」以上に「さまざまな可能性を秘めたM1搭載Macの今後の成長を見届けたい」という思いの高まりだ。PCゲームのネイティブ対応が進み,iPhone / iPad用ゲームのプレイ環境が整い,真の“ゲームPCとしてのMac”へと進化を果たすことを期待して待ちたい。

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