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印刷2015/10/10 00:00

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TGS 2015メディアアワード「4Gamer大賞&優秀賞」を発表。大賞は「The Tomorrow Children」と「Mushroom 11」

 先日,盛況のうちに終了した東京ゲームショウ2015では,2014年に引き続いて,4Gamer,ファミ通,電撃の3媒体が「メディアアワード」という連動企画を実施した。

 このメディアアワードは,「新しいスターを発掘する」という趣旨のもと,「ルーキー部門」「インディー部門」の2部門で,それぞれのメディアが優秀作品を選ぶもの。
 東京ゲームショウではCESAによるゲームアワード「日本ゲーム大賞」が毎年実施されているが,日本ゲーム大賞がシリーズものを含めた全出展タイトルを対象としているのに対して,このメディアアワードは,新規タイトル,新人クリエイター(および新会社)の応援を企図したものとなっているのが特徴だ。

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 本稿では,先日発表したノミネート作品から選んだ大賞や優秀賞などを発表していくが,その前に,本年度の審査を振り返ってみたい。

 今年の東京ゲームショウで特徴的だったのは,コンシューマゲーム機向けの完全新規タイトルが少なかったことだろう。「シリーズタイトルおよびシリーズ派生タイトルではない,完全新規の未発売作品」という,メディアアワードルーキー部門のレギュレーションに該当するタイトルが1つも無い大手パブリッシャのブースがあったほどだ。
 「最近のゲームは続編やシリーズものばかり」という最近の風評を図らずも証明する形になってしまっていて,少なくとも数の面では“ルーキータイトル豊作の年”などとは呼べなかった。

 そういった状況で行われた今回のメディアアワード。審査側からすると,対象作品は多ければ多いほどありがたいので,“シリーズの名は冠しているが,システム的には完全新作”という作品も審査対象としたくなるところなのだが,4Gamerは「新しいスターを発掘する」というアワードの趣旨に則り,“ルーキー”の定義(レギュレーション)をいたずらに拡大解釈することなく,ノミネート作品を選出した。いずれも例外なし,注釈なし,掛け値なしのルーキータイトルである。

 数こそ少なかったものの,ルーキータイトルに厳しい昨今の状況の中でも開発にGOサインが出るだけあって,ノミネート作品のクオリティーは非常に高かったと思う。大賞や優秀作品賞に選ばれなかった作品にも注目していただければ幸いだ。

画像集 No.005のサムネイル画像 / TGS 2015メディアアワード「4Gamer大賞&優秀賞」を発表。大賞は「The Tomorrow Children」と「Mushroom 11」 画像集 No.006のサムネイル画像 / TGS 2015メディアアワード「4Gamer大賞&優秀賞」を発表。大賞は「The Tomorrow Children」と「Mushroom 11」

 一方のインディー部門は,ノミネート候補を絞るのが大変なくらいの,これこそ豊作だった。すでにSteamやPlayStation Storeなどで配信されているものも多く,大手パブリッシャのタイトルと言われても疑問に思わないような作り込みのものも目立っていたのが印象的だ。
 もちろん,インディーズならではのユニークな世界設定やシステムが特徴のタイトルも健在で,その発想に驚かされることも多かった。

 そんなインディーズの“勢い”は,一般来場者にも伝わっていたようだ。今年のインディーズゲームコーナーは,メイン会場から遠く離れた9〜11ホールにあったにも関わらず,一般公開日には長蛇の列ができるタイトルもあったほど。来年はさらに存在感を増すような予感がする。

 前置きが長くなってしまったが,以下で受賞作品を紹介するので,じっくり読んでほしい。アワードの告知記事にも書いたように,メディアのスタンスやポリシーの違いが出ているかもしれないので,それも含めて楽しんでもらえれば幸いだ。

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[TGS 2015]4Gamer,ファミ通,電撃による連動企画「メディアアワード」のノミネート作品を発表。4Gamerはこのタイトルに注目しました!


ルーキー部門


大賞:The Tomorrow Children
優秀賞:サマーレッスン
リターン賞:人喰いの大鷲トリコ
リターン賞:仁王


大賞:The Tomorrow Children

画像集 No.007のサムネイル画像 / TGS 2015メディアアワード「4Gamer大賞&優秀賞」を発表。大賞は「The Tomorrow Children」と「Mushroom 11」

 PixelJunkシリーズなどで知られるキュー・ゲームスが開発を担当するオンラインアクションゲーム。冷戦時代のソビエト連邦が行った研究により,あらゆる存在が“溶けて”しまった世界が舞台で,プレイヤーたちは,町の外で資材を採掘する「労働」,町の拡充を行う「繁栄」,町を襲う外敵と戦う「闘争」といった活動を協力して行い,世界を発展させていく。

 基本的なシステムは,自由度の高い物作りが可能な,いわゆる“サンドボックス型”だが,特徴的なのは,意思疎通の手段が制限されているところだろう。ほかのプレイヤーの姿が見えるのは,そのキャラクターが特定のアクションを取っているときのみで,プレイヤー間のチャット機能なども(おそらく意図的に)用意されていない。そんな状況のなかで,いかに協力するかがカギになるのだ。

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 そして,本作のプレイ感を独特なものにしているのが,社会主義国を思わせる味付けだ。プレイヤーが作った物は基本的にプレイヤーたちの共有財産になり,何かを購入する際には,労働をはじめとしたアクションに応じて与えられる「配給クーポン」が必要……と言った具合である。木彫りの人形のようなキャラクターや,どこかくすんだような色合いで画面周辺の光量が落ちるグラフィックスも,なんとなく冷戦時代の「西側から見た東側」を意識しているように感じられる。ここまでの紹介で気づいた人もいるかと思うが,ゲーム中で使われる用語も実に社会主義国風だ。世界観への落とし込みは実によく出来ていると感じさせられた。

 プレイが単調なゲームを揶揄して「作業ゲーム」などと言ったりするが,作業ゲームならぬ“労働ゲーム”が,果たしてどんな仕上がりになるのか,非常に楽しみだ。

優秀賞:サマーレッスン


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 2014年の東京ゲームショウ前に一度出展が発表されたものの,諸事情により中止されたサマーレッスンが,待望の出展を果たした。2014年公開の「女子高生バージョン」と,E3 2015で公開された「金髪の女の子バージョン」から,好きなほうを選んでプレイできるようになっており,多くの来場者がコミュニケーションを楽しんでいたようだ。

 “体験しないと分からない”と表現されることが多いVRコンテンツだが,本作のすごさは,女の子を“人間”として意識してしまうところにある。コンピュータグラフィックスで描かれたキャラクターだと分かっていても,じっとこちらを見て話しかけられると,「目をそらすのはちょっと失礼かな」といった思いが湧いてきてしまうのだ。

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 これまでのゲームにおける“臨場感”とは方向性が違うというか,まったく異質のリアルさで,VRというゲームの新しい可能性を分かりやすく表現してくれたのではないかと思う。

リターン賞:人喰いの大鷲トリコ

リターン賞:仁王


「人喰いの大鷲トリコ」
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「仁王」
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 発表後,しばらく情報の発表がない時期があったものの,再びTGSに帰ってきてくれた両作。待っていたプレイヤーに応えてくれたことに敬意を表して,「リターン賞」を贈らせていただきたい。
 「人喰いの大鷲トリコ」は,“原寸大のトリコとたわむれる”というアトラクションで,来場者を楽しませてくれた。プレイアブルという形ではなかったものの,ゲーム本編に実装予定のAIで動いているというトリコは,まるで本当にいる生き物のようで,ますます期待が高まった人も多いのではないだろうか。

 「仁王」もプレイアブル出展ではなかったものの,プレイムービーが初公開された。コーエーテクモゲームスお得意の戦国ものだが,ダークな雰囲気が漂っているのが印象的で,ほかのプレイヤーが力尽きた場所に立つ「血刀塚」に触れると,そのキャラクターが「屍狂い」として襲いかかってくるという要素も確認できた。こちらも仕上がりが楽しみなタイトルだ。


インディー部門


大賞:Mushroom 11
優秀賞:Back in 1995


大賞:Mushroom 11

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 アメリカのデベロッパ,Untameが手がけるPC向けパズルアクション。緑色をした謎の生物を操って,ステージの奥までたどり着くというゲームだが,この生物は「削られた分だけ,別の部分が細胞分裂して増える」という性質を持っており,プレイヤーはこれを利用して,生物をマウス操作で削りながら動かしていくのだ。

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 このような独特の操作感が特徴となっているゲームだが,プレイレポートで紹介したように,本作の面白さは,「削ると別の部分が増える」という性質をうまく使ったステージ構成にある。とにかく解き方が多彩なのだ。インディーズゲームをプレイしていると,面白いタイトルであっても「このあたりはあまり手が入っていないな」などと思う瞬間があったりするのだが,本作の“密度”は群を抜いていた。10月15日に配信予定なので,興味がある人はぜひ触ってほしい。

優秀賞:Back in 1995


画像集 No.016のサムネイル画像 / TGS 2015メディアアワード「4Gamer大賞&優秀賞」を発表。大賞は「The Tomorrow Children」と「Mushroom 11」

 Throw the warped code outが開発するアクションアドベンチャーだが,画面写真を見てお分かりの通り,特徴は初代PlayStation時代を思わせる低解像度,ローポリゴンのグラフィックスと,クラシックなユーザーインタフェースだ。
 タイトル通り,1995年当時にリリースされた3Dゲームのプレイ感覚を現代に取り戻すというコンセプトで,こちらの記事で紹介している通り,当時のゲームを作っていた開発者へのインタビューも行っているという。

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 ただし,開発手法まで当時というわけではなく,Unityを使用しているとのことなので,“最新技術を使って昔のゲームを再現”ということになるだろう。“昔のゲームを最新技術で今風に”という最近コンシューマゲームで流行のリマスター作品と正反対の方向を向いた本作は,実にインディーズゲームらしい作品だ。

4Gamer「東京ゲームショウ2015」特設サイト

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