紹介記事
「白き鋼鉄のX THE OUT OF GUNVOLT」は様々なシステムを使い,希望の歌姫と共に戦う,厨二感満載の横スクロールアクションだ
「白き鋼鉄のX」は,2014年から展開する「蒼き雷霆 ガンヴォルト」のスピンオフ(公式サイトによると「番外続編」)だ。「蒼き雷霆 ガンヴォルト 爪」でプレイアブルとなった「アキュラ」を主人公に,新たな戦いが展開する。
人類の大半が異能の力「セプティマ」を操るように進化した時代。世界は「人類進化推進機構スメラギ」に支配され,セプティマを持たない旧人類「マイナーズ」は見つかり次第,殺される運命にあった。そんな中,謎の少年・アキュラは希望の歌姫・RoRoを連れ,マイナーズを守るために戦い続ける。
彼らが追う「バタフライエフェクト」とは果たして何か。そしてスラムに暮らす少女「コハク」をはじめとするマイナーズの子供たちを守りきることができるのだろうか。
「ブリッツダッシュ」「カゲロウ」「モード・ディーヴァ」……様々なシステムを使いこなし,ハイスピードのバトルを楽しめ
本作のジャンルは横スクロールアクションだ。アキュラは水平方向に飛ぶショット「フォトンレーザー」で敵を撃ち,ジャンプで攻撃を回避する。「ダッシュ」と「ロックオン」,特殊装備「ブリッツ」による「ブリッツダッシュ」「ホバリング」「カゲロウ」,そしてRoRoの「モード・ディーヴァ」といったシステムを使いこなすと,空中を舞うような戦いを楽しめるのだ。
ダッシュは,その名前どおりアキュラが横方向へ高速移動するというもの。ダッシュで敵に体当たりすると,その敵をロックオンした状態となり,フォトンレーザーが誘導して必ず敵に当たるようになる。敵との位置関係や距離は関係ないため,敵の攻撃を避けることに集中しつつの攻撃が可能だ。
敵の攻撃もロックオンを前提とした激しいものだが,横スクロールアクションの極意である“避けながらの攻撃”を簡単に体験できるのが嬉しいところ。さらに,左右に加えてナナメ上下方向にもダッシュで飛べるブリッツダッシュを使えば,普通のアクションゲームなら落下間違いなしの地形でも平気で突破できる。
ブリッツダッシュで体当たりしてもロックオンが可能なのに加え,ブリッツダッシュの後は自動でホバリングが発動して落下速度が緩やかになる。そのため,空中にいる相手をブリッツダッシュからのロックオンで倒す→ホバリングの最中に再度空中ダッシュして,別の敵をロックオンして倒す→さらに別の敵を……というように,空中を飛び回って戦うことができ,うまく決まるとかなり気持ちがいい。
もちろん無制限ではなく,弾丸の形をしたブリッツゲージを消費していくため,これが尽きるまでに着地しなければならない。しかし,ブリッツダッシュ中に壁に触れればブリッツゲージが回復するため,これを理解すれば空中での自由度がさらにアップ。とくにボス戦では相手の攻撃をブリッツダッシュとホバリングで回避しつつ,ロックオンでダメージを与えていくといった攻防一体の立ち回りが可能となり,自分の華麗な動きに酔えるのだ。
こう書くと初心者お断りのマニアックなゲームに思えるかもしれないが,それをフォローしてくれるのがカゲロウだ。
カゲロウはブリッツゲージを消費して,敵の攻撃を無効化するというもので,とくに操作をする必要もない。ブリッツゲージ自体はいつでも「リロード」で全回復できるため,こまめなリロードを繰り返していけばダメージを食らうことなく戦い続けられる。
加えて,敵を倒すと入手できる「クレジット」を貯めれば,ブリッツゲージの上限を増やすことも可能。たとえ初めて出会うボスであっても,リロードしながら守勢に徹すれば,一方的にやられることなく戦えるというわけだ。
とはいえ,なかにはカゲロウを無効化する敵もいるため,アクションゲームとしてのスリルはスポイルされていない。
ブリッツゲージはカゲロウだけでなく,前述したブリッツダッシュにも使うのがポイントだ。つまりは攻撃と防御のリソースが同じというわけで,ボスと戦いながら「一気にブリッツダッシュからのロックオンでカタをつけるか,リロードするか」という判断を迫られるのが面白い。
カゲロウを活用し,攻撃を受けながらでもクリアはできるが,「クードス」を意識するとゲームが一気に奥深いものになる。クードスはダメージを受けずに敵を倒していくと蓄積される,「ガンヴォルト」シリーズお馴染みのコンボポイントだ。一定値を越えるとRoRoのモード・ディーヴァが発動して「オーバードライブ」状態になり,自動回復や攻撃力アップといった「ODアビリティ」が発動する。
もちろん,シリーズのウリであるボーカル曲も健在だ。普段はボールのようなRoRoが美少女に変身し,7種の曲を歌ってくれるのだから盛り上がる。とりあえず曲を聴いてみたいという人は,前作「ガンヴォルト 爪」にも存在していた「APATHY」モードを選んでみよう。このモードでは,例え被弾してもクードスが減らなくなるので,アクションが苦手でもモード・ディーヴァを発動できる。歌詞もアキュラとRoRoの関係を描いたものになっているので,一度ゲームをクリアしてから聴き直してみるのもいいだろう。
設定をいじることに抵抗がある人もいるかもしれないが,まずはAPATHYでゲームに慣れつつ,敵の配置やボスを観察するというのも1つの手だ。
腕に自信のある人は「RECKLESS」モードがオススメだ。攻撃を受ければ即座にクードスが0になってしまうが,スコアは多く稼げる。これに加え,カゲロウを封じるかわりにクードスが早く溜まるアビリティも存在している。ハイスコアの極みを目指そう。
画面を覆い尽くす大技!絶体絶命の危機に歌姫の声が響き,逆襲が始まる
本作のバトルでとくに魅力的なのが,ボス戦とRoRoの「モード・アウェイクニング」だ。ボスは「翼戦士(よくせんし)」と呼ばれる強力な能力者で,スメラギから強制的に徴兵された人々である。家族のため,仲間のため,そして愛する者のために戦わなければならないなど,それぞれが背負うドラマと境遇が戦闘前のデモで語られるため,キャラクターとしても魅力的だ。
その一方で,セプティマを駆使した攻撃はいずれもパワフルかつ派手で,カゲロウでのゴリ押しをせずに戦うとなると,なかなかに手ごわい。攻撃ひとつとっても,ブリッツダッシュとホバリングで滞空時間を稼がなければ回避できないものがあるなど,システムのフル活用を求められるのだ。
敵のHPが減ると,カットイン付きの大技が発動。画面すべてを覆い尽くさんばかりの攻撃はなかなかに派手だ。重力,糸,爆発,布,分身など翼戦士ごとに攻撃のモチーフが決められているため,見ているだけでも面白い。それだけに,攻撃パターンを学習して上手く避けられるようになった時の達成感は抜群で,このあたりは横スクロールアクションの醍醐味と言えるだろう。
ボスを倒せれば,その武器を「EXウェポン」として奪える。特定のボスに高い効果を持つものもあるので,いろいろ試してみよう。
例えやられてしまっても心配はご無用だ。一定確率でRoRoのモード・アウェイクニングが発動,HPがフルになってその場で復活できる上,クードスに関係なくODアビリティが発動し,さらにブリッツダッシュが無制限になる。
倒されたと思ったアキュラが復活し,専用のボーカル曲をバックに空中をビュンビュンと飛び回り,敵を圧倒する様はまるでアニメ番組のようで,気分がアガるものがある。
モード・アウェイクニングが発動するか否かはあくまで運だが,拠点で仲間と話すと確率がアップする。普段クールなアキュラが謎のうんちくを披露したり,RoRoがコハクをアイドルデビューさせようと企むなど,面白い話も多いので,欠かさずチェックしておこう。
誤解を恐れずに表現するなら,本作は横スクロールアクションに深夜アニメや特撮番組のテイストを積極的に取り入れたゲームだ。クールな主人公にボーカロイドを思わせる電子の歌姫,特殊能力を使う翼戦士たちなど,深夜アニメにありそうなイマっぽい設定がてんこ盛りになっている。
翼戦士たちが「コントラクト!」と叫んで戦闘モードに変身するあたりなどは特撮番組(敵味方にワケありのキャラが入り乱れる平成以降の仮面ライダー)っぽい厨二感が溢れており,もはやどちらが主役なのか分からない位の格好良さがある。
前述のモード・アウェイクニングも,特定の歌が流れると同時に勝利が確定するというわけで,深夜アニメや特撮において”主人公らが必殺技を使う際に特定のBGMや歌が流れて盛り上がる現象”をゲーム的に再現した感があって面白い。
横スクロールアクションというと少しクラシカルな印象を持つ人も多いと思うが,逆に言えば完成された面白さのあるジャンルでもある。そこにイマ風の深夜アニメ,特撮番組のテイストと,厨二感をマシマシで詰め込んだ作品が「白き鋼鉄のX」だ。初心者からマニアまで幅広く楽しめるゲームと言えるだろう。
なお,2019年11月29日に配信されるインティ・クリエイツの新作ダウンロードゲーム「ブラスターマスターゼロ2」にアキュラがプレイアブルで登場。そして,2020年2月20日にはRoRoのライブイベント「ロロロケ AMERIKAMURA」が大阪の心斎橋・アメリカ村で開催されたりと展開が続くようなので,これを機会に本作の世界に浸ってみるのもいいだろう。
「白き鋼鉄のX THE OUT OF GUNVOLT」公式サイト
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