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「Winning Post 9 2021」プロデューサーインタビュー。前作の要望を積極的に取り入れ,よりドラマチックな展開が楽しめるように
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印刷2021/04/06 17:41

インタビュー

「Winning Post 9 2021」プロデューサーインタビュー。前作の要望を積極的に取り入れ,よりドラマチックな展開が楽しめるように

 コーエーテクモゲームスは,競馬シミュレーションゲーム「Winning Post 9 2021」PC/PS4/Switch)を2021年4月15日に発売する。

画像集#001のサムネイル/「Winning Post 9 2021」プロデューサーインタビュー。前作の要望を積極的に取り入れ,よりドラマチックな展開が楽しめるように

 本作は,1993年から続く競馬シミュレーションのシリーズ最新作だ。プレイヤーは牧場を経営して競走馬を生産,レースへ出走させて賞金を稼いでいく。さまざまな特徴を持つ血統をかけ合わせて最強を目指すロマン,実在する馬たちがぶつかり合う中に介入してIFの競馬史を作り出す面白さ,大金を動かして牧場運営を軌道に乗せる経営シミュレーションとしての側面など,多角的な楽しみ方が評価されてきたシリーズだ。

 前作「Winning Post 9 2020」PC/PS4/Switch)では,「Winning Post 8」シリーズで人気だった「子孫継承システム」が復活。プレイヤーが条件を満たすとキャラクターと結婚でき,その子孫は騎手や調教師になって,牧場経営を助けてくれる。
 ここからさらなる進化を遂げる「Winning Post 9 2021」ではどのような新システムが追加されるのか,プロデューサーの山口英久氏に話を聞いた。

画像集#002のサムネイル/「Winning Post 9 2021」プロデューサーインタビュー。前作の要望を積極的に取り入れ,よりドラマチックな展開が楽しめるように

4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。まずは本作のベースとなる「Winning Post 9 2020」の反響から聞かせてください。

山口英久氏(以下,山口氏):
 もともと「Winning Post 9」は,“馬同士のライバル対決”をコンセプトに作っていたのですが,その過程で「Winning Post 8」からコンセプトとは合わない一部の要素をカットしました。しかし,賛否両論のご意見をいただき,とくに子孫継承システムは「なんでないんだ」というご批判も多くいただいたんです。そこで,改めて全面的にゲーム内容を見直しました。好評点はしっかりと復活・進化させ、不評点は解消させるべく,アンケートやネット上の声を細かにチェックして反映させたものが「Winning Post 9 2020」になります。

4Gamer:
 結果はいかがでしたか?

山口氏:
 たくさんの方にプレイしていただき,私がシリーズに携わるようになった「Winning Post 7 2010」以降,もっとも高い評価をいただきました。コアなプレイヤーの方々が「これを待っていたんだよ!」と,周囲の方に勧めて,広めてくださったことも一因だと思います。

4Gamer:
 プレイヤー目線の姿勢が評価されたわけですね。「Winning Post 9 2021」でもそうした姿勢は継続されたのでしょうか?

山口氏:
 はい。望まれている新要素や修正を取り入れています。例えば,前作ではシナリオが始まる年代について多くのお声をいただいたので,今回は複数の開始年をご用意しました。

4Gamer:
 どういった声があったのでしょう?

山口氏:
 日本の競馬はサンデーサイレンスが種牡馬になる前と後で大きく変化しているため,「Winning Post 9」では種牡馬となった後の1991年をスタートとしましたが,もっと昔の血統を見てみたい,最近の時代が見たいなど,さまざまな要望が寄せられました。実際に複数の開始年を用意するのはとてもやりがいのあることだったのですが,今回は1984年,1991年,1998年,2005年,2022年の開始年をご用意しています。

画像集#003のサムネイル/「Winning Post 9 2021」プロデューサーインタビュー。前作の要望を積極的に取り入れ,よりドラマチックな展開が楽しめるように

4Gamer:
 昔の年代だと近年のファンがついてこられないし,現代に近すぎると昔からのベテランのニーズに応えられない。スポーツゲームが共通して抱える問題ですね。ベテランプレイヤーは,当時の競馬を再び見たいと考えているのでしょうか? それとも,自分の手でIFの競馬を作りたいものなんですか?

山口氏:
 後者の方が多いようですね。1990年代を例に挙げると,サンデーサイレンスの血を引いている馬がほとんどな中,その前に繁栄していたシンボリルドルフなどの血統を広げたい……といったニーズがあるようです。
 プレイヤーの皆さんそれぞれに想いがあり,競馬を始めた年代も違っていますので,本作では好きな開始年で自由に遊んでいただきたいと考えています。

4Gamer:
 ほかにも前作の反響から取り入れた要素はありますか?

山口氏:
 新要素「世界最強馬決定戦」は,まさにプレイヤーの皆さんが,ウイニングポストの中で望むことにつながるものだと思います。箱庭競馬の中で世界のトップホースたちが集結し,真の世界チャンピオンを決めるというまさに夢の対決であり,大きな目標になると思います。
 コアなプレイヤーの方は「自分の血統を世界に広げたい」と考えておられますが,「世界最強馬決定戦」に勝つと,これまでになかった海外からの種付けオファーが殺到するので,夢が叶うわけです。

4Gamer:
 世界最強,となると男の子にはたまらない目標ですね。

山口氏:
 強い史実馬を手に入れれば勝てるとは思いますが,ぜひ自家生産馬での制覇に挑戦してほしいです。これがなかなか難しくて,私なんかは15年牧場を経営してもまだ勝てる馬を生産できません。スタッフに「これ,本当に勝てるの?」と聞いても,あっさり「勝てますよ」って,にべもないんです(笑)。
 ほかにも要望のあった細かな点に手を加えて,年末のみだった殿堂馬の整理がいつでもできるようになっていたり,「クラブ法人」経営についても,所有馬に主戦騎手を設定できたりと,より遊びやすくなっています。

画像集#004のサムネイル/「Winning Post 9 2021」プロデューサーインタビュー。前作の要望を積極的に取り入れ,よりドラマチックな展開が楽しめるように


配合理論や因子のシステムも改良


4Gamer:
 近年の「Winning Post」シリーズの特徴でもある,人と馬の絆を表現するシステムには何か改良が加えられていますか?

山口氏:
 今回はさらに深掘りをし,新たに「絆レベル」を導入しました。騎手と競走馬の関係性や相性を表現するシステムで,騎手を主戦騎手にしたうえで同じ馬に乗り続けると,絆レベルがアップして強くなります。また,子孫騎手が海外でデビューできたり,海外遠征中に「絆コマンド」が使えたりといった改良も加えています。

4Gamer:
 同じ馬に乗り続けると強くなるのなら,子孫騎手や自家生産馬への思い入れがより深まりそうですね。

山口氏:
 現実の競馬でも,騎手と馬の呼吸が合うというか,「この騎手とこの馬がコンビを組んだときに,普段以上の実力を発揮する」シーンが見られますよね。私の世代ですと,若かりし頃の和田竜二騎手とテイエムオペラオーの活躍が印象に残っていますが,こうした現象を表現したくて取り入れたのが絆レベルです。

4Gamer:
 では,絆レベル自体は騎手と馬の組み合わせごとに存在するのでしょうか。特定の馬との絆レベルがいくら高くても,別の馬に乗ると普段通りの実力になってしまう?

山口氏:
 そういうことです。騎手も若い頃は能力が低いですが,各馬との絆レベルを上げてやると,だいぶ勝ちやすくなります。特に子孫騎手で効果を実感しやすいのではないでしょうか。子孫騎手については,誰もが能力にかかわらず重用する“親バカ”になると思いますが,そうしたプレイをしていると絆レベルが上がっていき,結果が伴うわけです。

4Gamer:
 子孫騎手を使いたいけれど能力が低い。一流騎手を乗せて勝利を優先するか,思い入れのある子孫騎手にするか……といったジレンマがある程度解消されるわけですね。競走馬の生産については変更があるのでしょうか?

山口氏:
 配合理論を見直しています。たとえばインブリード(近親交配)は,これまではデメリットのほうが大きかったため,ユーザーさんは危険を避けたアウトブリード(インブリードの逆。ウイニングポストでは4代前までに同一の祖先を持たない配合)を心がけていたことと思います。しかし今回はインブリードの効果やデメリットを見直しました。

4Gamer:
 インブリードは警告が出るので,これまではなかなか選びにくかったですからね。

山口氏:
 さらに,父と母が同じ「全きょうだい」の場合も新配合理論「全きょうだいインブリード」が成立するようになります。コアな配合マニアの方であれば,これまでと違う手法で最強馬の生産を目指せるので,試行錯誤を楽しんでいただければと思います。

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山口氏:
 もう1つ配合で注目していただきたいのが,子孫に特徴を伝える「因子」システムの改良です。これは簡単に言うと,競走馬を活躍させると,それだけ多くの因子を獲得でき,子孫も強くなる可能性が高まるというものです。
 現実の競馬界には,現役時代は活躍しても,繁殖入りしてからの実績が振るわない(子孫があまり活躍していない)競走馬がいます。「Winning Post」シリーズにおいては,因子を獲得するか否かによって,繁殖入りした後の活躍を表現しているのはご存じの通りですが,現実の競馬で子孫が活躍していない史実馬は因子を獲得できず,ゲームの中でも子孫が強くなりづらいということがありました。
 しかし,今回はどんな史実馬でもプレイヤーの方々が一定以上の活躍をさせれば,因子を獲得できます。プレイヤーの中には,特定の史実馬の熱烈なファンで,その血統を広げることだけを目的にプレイされるような方がいらっしゃるんです。そうした方から「なんとかプレイに応じて因子を獲得できるようにならないか」というお声をいただき,競馬界を箱庭として遊ぶ「Winning Post」のコンセプトとゲームバランスをすり合わせた結果,「競走馬として活躍すれば因子を獲得できる」という形に落ち着きました。

4Gamer:
 競走馬への思い入れによって,IFの可能性が広がっていくわけですね。

山口氏:
 馬や競馬場のデータも最新のものになっていて,ダノンザキッドやグラティアス,ソダシやファインルージュといった2021年クラシック世代のデータも追加していますので,思い入れのある年代で初めて,思い入れのある馬を見つけていただきたいです。
 また,JRAだけではなく海外競馬や地方競馬も充実しています。レースについては,世界最高の賞金額を誇る「サウジカップ」,そして「香港トリプルクラウン」シリーズ,「コーフィールドC」といった海外レースが追加されます。特に「サウジカップ」が行われた「キングアブドゥルアジーズ競馬場」は前作の時点で実装したかったものの,日本馬の遠征が可能なのか,また,レースの開催自体間に合うのかが危ぶまれていたため,泣く泣く断念したという経緯があり,無事に実装することができて一安心しています。

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競馬全体を盛りあげていきたい


4Gamer:
 ところで,「Winning Post」プレイヤーの競馬歴は,どれくらいの方が多いのでしょう?

山口氏:
 10〜20年以上という方が多いようですが,競馬を見始めて数十年という方も多いです。競馬は馬券を買わなくても楽しめますから,未成年から観戦し続けているという方もいらっしゃいます。私も中学生の時に,ミスターシービーの活躍を見たのがきっかけで競馬が好きになりましたから。
 競馬にハマると昔のことを調べたくなります。好きな馬の両親はどんな馬だったのか,どんな活躍をしたのか……と,遡っていくわけです。こうした性質もあり,観戦を始めた時代より昔の知識をお持ちの方が多いようですね。
 最近は,とある競馬ゲームがブームになっていて,そこから競馬知識を身に付けておられる方も多いと聞きます。「Winning Post」シリーズには「名馬列伝」という各馬の歴史や活躍を読める機能もありますから,役立てていただいているようです。

4Gamer:
 これは偶然だと思いますけど,ここ数か月で競馬ゲームが複数リリースされる状態になっていて驚いています。今ブームのタイトルを見ていると,ゲームが競馬への入口になっているのを実感しますね。

山口氏:
 私は,このブームに乗って「Winning Post」の売り上げを伸ばさなければならない立場なのですが,いち競馬ファンとしては,今の盛り上がっている状態が嬉しいので,プレイヤーの皆さんにはどの競馬ゲームでもいいから遊んでいただきたいですね。それが現実の競馬の盛り上がりにつながってくれますから。もちろん,その中でも「Winning Post 9 2021」をプレイしていただけるのが一番嬉しいです。

4Gamer:
 「Winning Post」は,初心者が経営を軌道に乗せるまでにクセがあるゲームですから,競馬ゲームに興味を持ってこれから始める人にアドバイスをお願いします。

山口氏:
 まずは史実馬を買ってきて活躍させて,お金を貯めていき,次に自家生産馬に挑戦する……という流れがよいと思います。史実馬を庭先取引で購入するには,「お守り」というアイテムが必要なので,それがないうちはセリを使います。セリは購入額が高騰するので,所持金と相談しながら,無理のない額の馬を購入するのが良いと思います。
 私は最強馬にこだわらず,流れに任せる“馬なり”のプレイが好きですが,それでも史実馬で稼いで牧場経営を安定させるようにはしていますね。
 1頭目,2頭目に譲り受ける馬にも史実馬はいますが,ゲームスタート時トップレベルにいるライバル馬達はとにかく強いので、それらと直接対決ばかりせずに,まずは違う路線で資金稼ぎをするというのも良い方法です。
 逆に危険なのは,馬を買いすぎてしまうことでしょうか。配信でご一緒したタレントの方が,たった3年で破産寸前になっていたので驚いてデータを見たところ,ものすごい頭数の馬を買っていたということがありました。

4Gamer:
 確かに,所持金が何十億円という額なので,つい馬を買いたくなってしまいますね。

山口氏:
 最初は馬の数を絞り,牧場のアップグレードに資金を投入しすぎるのも控えた方がいいですね。牧場建設しないと自家生産馬の育成度合いに影響が出るので,もちろん徐々に施設を増やしていく必要はあるのですが,常に所持金と相談しながら進めるのが良いです。
 私の場合ですと,常に10億円弱くらいを手元に残した状態でプレイを進めていきます。そうすれば,5年もすると経営が安定してくるはずです。大金使って,「絶対に走る!」という史実馬をセリ落として,その馬にかけるという方法を取る方もいるみたいですよ。
 それと本作では最初に牝馬をもらえるようになっているので,これを育成していくのもオススメです。牝馬しか出られないレースもありますし,繁殖入りさせて次代に血をつないでいくこともできますから。

4Gamer:
 先ほど史実馬と自家生産馬の話が出ましたが,初心者ほど自家生産馬にこだわってしまい,勝てずに悶々とすることが多いと思います。そんな時はどうすればいいんでしょうか?

山口氏:
 初心者のうちは「総合評価」と「爆発力」「危険度(!マーク)」の項目だけを気にしていれば大丈夫です。評価が高く,爆発力も高い配合で,危険度が高すぎない配合(血が濃すぎない配合)ですね。あとは良い騎手と知り合い,友好度も上げながら,自分の馬に乗ってもらうことでしょうか。これらを心がけていれば,そうそう負けないはずです。
 序盤におすすめの繁殖牝馬や史実馬などの情報を,SNSで発信してくれるベテランプレイヤーの方もいますから,それらを参考に馬を購入してみるのも良いと思います。
 見た目から「難しそう」と思われることも多いシリーズですが,実はそんなことはありません。このゲームをきっかけに競馬を知った方も多いですし,競馬知識を深める意味でもぜひ「Winning Post」をプレイしてみて下さい。最強馬を目指したり,子孫騎手を強くしたりといろいろな目的がありますので,ご自分の競馬を楽しんでいただければと思います。

4Gamer:
 ありがとうございました。

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