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[GDC 2011]Autodeskに聞くゲーム開発ミドルウェアの新展開,「Project Skyline」はゲーム開発に革命をもたらすか
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印刷2011/03/09 19:59

インタビュー

[GDC 2011]Autodeskに聞くゲーム開発ミドルウェアの新展開,「Project Skyline」はゲーム開発に革命をもたらすか

ミドルウェア/開発ツール
 3Dツール界の巨人Autodeskといえば,HumanIK,Kynapseなどでゲームミドルウェアに参入して以来,昨年はIlluminate Labsを買収しBeastというトップレベルのライティングミドルウェアを傘下に加え,先日は,ゲームUIミドルウェアのデファクトスタンダードともいえるScalformをラインナップに加えて業界を震撼させている。Scaleformの最新版はスマートフォンなどの携帯デバイスにも対応しており,ハイエンド3Dゲームから一気に守備範囲を広げた感じだ。
 非常にアグレッシブな展開をしている同社に対し,昨年に引き続いてGDCのタイミングでAutodesk Games Technology Group Media & EntertainmentのVice PresidentであるMarc Stevens氏に同社のゲームミドルウェアの最新展開情報について話を聞いてみた。

Autodesk Vice President,Games Technology Group Media & Entertainment Marc Stevens氏
4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。さっそくですが,御社のゲーム関係の新製品について教えてください。

Stevens氏:
 Kynapse,HumanIK,Beastといったミドルウェア製品はすべて2012という新しいバージョンになりました。いずれも今四半期に出荷を予定しています。共通するテーマとしては,「パフォーマンスの最適化」「統合の強化」,そして「プラットフォームの拡大」です。

4Gamer:
 少し具体的にお願いします。

Stevens氏:
 パフォーマンスの最適化では処理の高速化とメモリ使用量の削減,統合の強化ではUnreal Engineなどとの連携強化,プラットフォームの拡大はモバイル対応などとなります。

4Gamer:
高度なライティングを実現するBeast
ミドルウェア/開発ツール
ミドルウェア/開発ツール
 昨年インタビューした時点と比べると,新しくBeastがラインナップに加わっているわけですが,Illuminate Labsを買収したのはどういった理由からでしょうか。

Stevens氏:
 昨年から今年にかけては,ゲームの開発プロセスをより完全にサポートにできる環境を揃えようといろいろやってきました。Beastの獲得もその一つです。ツールとランタイムの環境を,ゲームの動いている環境を含めて効率よくインテグレートできるようにということで,アニメーション,AI,ライティングなどの分野にフォーカスし,もっとワークフローの効率化が図れる部分はないだろうかと考え,そういった部分に関心を持ってきました。ツールとランタイムの環境で効率化が図れる部分があれば,自社で作る場合もありますし,パートナーから取り入れる場合もあります。Autodesk製品とうまく適合するという製品であれば,買収するということも含めて,よりよいインテグレーションを追求しています。

4Gamer:
 では,Scaleformの買収も同じ理由と考えてよろしいでしょうか。

Stevens氏:
 そうでもあり,そうでもないともいえますね。Scaleformに関してはいくつかユニークな点があります。我々は,この買収によって,Autodesk製品に非常に重要なピースが追加されたと考えています。ScaleformはUIの分野ですでに800以上のタイトルで使用されており,非常に成功を収めたミドルウェアとして知られていますが,もう一つ,2Dのゲームに関して,非常に強力なランタイムエンジンであるという側面も持っています。現在,Webゲームであるとか,携帯電話用ゲームといった分野で非常に注目を集めています。
 
4Gamer:
 Scaleform自体をゲームエンジンとして使っているのですか?

Stevens氏:
 はい。すでにそういったタイトルがいくつか出ています。2Dから3Dへ向かう流れというのは確実にありますが,まだWebゲームや携帯電話では2Dゲームが主流です。そういった意味で,我々は非常に重要な製品を手に入れたと考えています。
 また,現時点では2Dが多くても,少しずつ3Dゲームも出てきています。2Dと3Dでは複雑さのレベルなどがまるで変わってきます。これまで2Dゲームを作っていた開発者が3Dゲームに移行するにあたって,Scaleformというのは非常に有効なものだと考えています。

4Gamer:
 御社が,3Dのビジネスを中心にしていくことには変わりないわけですね。

Stevens氏:
 もちろんです。ただ,携帯ゲームですとまだまだ2Dが主流ですが,これらの開発者の多くが将来は3Dへ移行することになるでしょう。我々はこれを大きなチャンスだと捉えています。3D化することで,これまでのゲームがもっと面白くなっていくと思いますので,そういった局面に我々もぜひ関わっていきたいと考えています。

4Gamer:
 ゲームを取り巻く環境では,ニンテンドー3DSやNGPのような新しいプラットフォームなども出てきますが,御社としてはどのように対応しますか。

Stevens氏:
 今回のミドルウェア製品の発表にも含まれていましたが,新しい製品はNGPにも対応していきいます。3DSが出て立体視による新しい表現が出てくることは非常にエキサイティングですね。任天堂,SCE,Microsoftとは常に緊密な連絡を取っており,新しいプラットフォームで高い生産性が上げられるような,ツール,ワークフロー,ミドルウェアなどを提供できるようにしています。

4Gamer:
 どんどん新しいプラットフォームなども出てくるわけですが,御社としてはなにか新しい製品開発などはやっていますか。

ミドルウェア/開発ツール
Project Skylineではゲーム内容をキャプチャして,Maya上で詳細に確認できる
ミドルウェア/開発ツール
ゲームを実行したまま新しいアニメーションを追加することもできる
ミドルウェア/開発ツール
アニメーションのキーフレームを変更すると,即座に実機のゲームエンジン側に反映される
Stevens氏:
 今回GDCでテクノロジープレビューという形で発表したものに「Project Skyline」というものがあります。まだ製品にはなっていないのですが,これはミドルウェアではなく,Mayaを使ってリアルタイムにゲーム開発のプレビューができるような環境です。
 Skylineの最初のバージョンは,とくにアニメーションにフォーカスしたものとなっています。まず,Maya上で作成したアニメーションを,弊社のミドルウェアでもよいのですが,ランタイムの環境で展開できるツールやワークフローの開発に取り組んでいます。
 これはMayaと環境をライブでつなぐだけではなく,実行中に状態を見たり,デバッグしたり,パフォーマンス分析をしたり,編集したりといったことができます。
 Project Skylineは,これまでのゲーム開発ワークフローをまったく変えてしまうものとなります。ソースのコンテンツに戻ってデバッグができるというのは,これまでには考えられなかったものですので,ぜひ注目してください。

4Gamer:
 このような流れは,MaxやXSIでも同様に行われるのでしょうか。

Stevens氏:
 現時点では,テクノロジープレビューですのでMaya上に実装したものだけです。これをもとにフィードバックを吸収して今後の製品に生かしていくといった段階です。ただ,今後の方向としましては,MaxやXSIでも同じようなことができるようにしていきます。ただし,Skylineのような仕組みをMaxやXSI自体に持たせるのか,別のやり方をとるのかなどは,今後のフィードバックを見て決めていきます。

4Gamer:
 Skylineというのは,実体としては,ツールを呼び出すインタフェースのようなものと考えてよいのでしょうか。

Stevens氏:
 ランタイムとMaya内の環境をつなぐようなAPI群ですね。

4Gamer:
 このようなオーサリングと実行デバックを同じ環境で行うという仕組みは,特定のゲームエンジンなどをターゲットにしたものですか。

Stevens氏:
 Skylineはオープンなプラットフォームにしていこうと考えています。我々の顧客には,携帯電話用に小さなプロジェクトを動かしているところから,超A級のゲームを作っている大手までさまざまな人達がいます。彼らは長年培ってきた技術を持っており,それを今後も使いたいと思っています。そういう意味でSkylineはオープンでなくてはなりません。もちろん,Autodeskが提供するAIやアニメーション,ライティングのミドルウェアを使っていただいてもよいのですが,それぞれ各社が持つ技術を生かせるようなオープンなものにすることも重要です。
 これはゲームエンジンについても同様です。現在,なんにでも対応できる唯一のエンジンというものは存在しませんし,だからこそ,これだけ多くのエンジンが出てきているのでしょう。ですので,お客様が作りたいゲームがあって,それに必要なエンジンや必要なミドルウェアコンポーネントがあるのなら,Skylineはそういったものとつなげられるオープンなものになるべきです。

4Gamer:
 なるほど。

Stevens氏:
 将来的には,いくつかのコンポーネントと組み合わせて,特定分野向けのソリューションのような形で提供するといった可能性はありますね。しかし基本的にはオープンなものとなります。Skylineについては,ブースでデモも行っていますので,ぜひ見てください。

4Gamer:
 分かりました。かなり期待できそうな技術ですね。本日はありがとうございました。

Project Skylineの概要
ミドルウェア/開発ツール ミドルウェア/開発ツール

 短時間のインタビューだったので,いま一つ突っ込みきれてない部分があることはお詫びしつつ,なんとか同社の動きをある程度追える内容にはなったはずだ。スマートフォンブームだからスマートフォン対応とかいうのではなく,それがさらに今後3Dに移行することなど,先までを見通したビジネス戦略のもとにAutodeskが行動していることが分かる。
 短時間の会話の中で「Project Skyline」について多くが語られたことは印象的だった。そのProject Skylineがどういうもので,なにを目指しているのかについては,実際のデモを見ていただくのがいちばんよいだろう。Autodeskが会場でデモンストレーションを行っていたのを直撮りしてきたので,ご覧いただきたい。


 こういったものはこれまでにもなかったわけではない。例えば,EmergentのLightSpeedなどは実行環境と深く結びついたもので,ゲームエンジンの新しい形を提示したものとして注目されていた。
 Autodeskはゲームエンジン自体を扱っているわけではないが,多くのゲームエンジンで使えるミドルウェアを提供している。そして,Project Skylineを使えば,多くのゲーム開発者が使い慣れたMaya上で,ゲームの動作を確認しながら操作,修正できるようになる。それもゲームエンジンを問わずに使用できるというのは画期的なことといってよいだろう。
 製品に組み込まれるのは少し先になりそうだが,ゲーム開発環境を進化させるこのような技術には今後も注目していきたい。
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    ミドルウェア/開発ツール

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    Autodesk

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