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「GV-N1060G1 GAMING-6GD REV.2.0」レビュー。基板デザイン一新のゲーマー向けGTX 1060 6GBカードを試す
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印刷2017/01/31 00:00

レビュー

基板デザイン一新のゲーマー向けGTX 1060 6GBカードを試す

GIGABYTE GV-N1060G1 GAMING-6GD REV.2.0

Text by 宮崎真一


GV-N1060G1 GAMING-6GD REV.2.0
メーカー:GIGA-BYTE TECHNOLOGY
問い合わせ先:CFD販売 050-3786-9585(平日10:00〜12:00,13:00〜18:00)
実勢価格:3万3500〜3万7000円程度(※2017年1月31日現在)
G1 Gaming,Xtreme Gaming
 「GeForce GTX 1060 6GB」は,前世代のハイエンド市場向けモデル「GeForce GTX 980」とほぼ同じ3D性能を持つGPUだ。2万円台後半から3万円台後半という搭載グラフィックスカードの実勢価格(※2017年1月31日現在)は,ミドルクラス市場向けと考えるとやや高いものの,現時点でユーザーの関心が高いGPUの1つであることは間違いない。
 それゆえ,グラフィックスカードメーカーも搭載カードの開発に力を入れている。たとえば,GIGA-BYTE TECHNOLOGY(以下,GIGABYTE)はGTX 1060 6GB採用モデル「GV-N1060G1 GAMING-6GD」のリビジョンを,最近「REV.1.0」から「REV.2.0」へとアップデートした。

 製品名にも入る「G1 Gaming」は,GIGABYTEがゲーマー向け製品に与えているブランド名の1つだが,果たして新しいゲーマー向けGTX 1060 6GBカードにはどういう特徴があるのか。GIGABYTEから入手した製品版のテストを行い,詳しく見ていこう。


いつものように3段階の動作クロック設定あり。メーカー保証付きでGPUコアクロックは2GHzへ到達


G1 Gaming,Xtreme Gaming
 GIGABYTE製のゲーマー向けグラフィックスカードは,メーカー保証の範囲内で動作クロックを3段階から選べるようになっているものが多いが,GV-N1060G1 GAMING-6GD REV.2.0も御多分に漏れず,「OC MODE」「GAMING MODE」「ECO MODE」と3つの動作モードを備えている。

 動作モードは,製品に付属するオーバークロックユーティリティ「XTREME GAMING ENGINE」から切り換える仕様だ。XTREME GAMING ENGINEについては,「GeForce GTX 1080」搭載カード「GV-N1080G1 GAMING-8GD」のレビュー記事でも紹介しているが,GV-N1060G1 GAMING-6GD REV.2.0ではいくつか変更が入っている。
 具体的には,従来の「HOME」タブが「OC」タブ,従来の「OC」タブが「ADVANCED OC」タブに変わった。動作モードは,新しいADVANCED OCタブ以下にある「EASY SETTING」以下のアイコンをクリックすることで切り換えられるようになった。

ADVANCED OCタグを開いたところ。EASY SETTINGから動作モードを変更できる
G1 Gaming,Xtreme Gaming
 GV-N1060G1 GAMING-6GD REV.2.0における各動作モードのクロック設定は以下のとおりだ。カードの工場出荷時設定はGAMING MODEである。

  • OC MODE:コア1620MHz,ブースト1847MHz
  • GAMING MODE:コア1594MHz,ブースト1809MHz
  • ECO MODE:コア1506MHz,ブースト1721MHz

OC MODE
G1 Gaming,Xtreme Gaming
 GAMING MODEは,GTX 1060 6GBのリファレンスクロックであるベース1506MHz,ブースト1708MHzに対して順に88MHz,101MHz高い。さらにOC MODEだとそんなGAMING MODEからさらにベースクロックで26MHz,ブーストクロックで38MHz高くなる。リファレンス比のパーセンテージで言うと,GAMING MODEは約6%,OC MODEは約8%高い計算だ。

ECO MODE
G1 Gaming,Xtreme Gaming
 一方のECO MODEは,コアクロックこそリファレンスと同じ1506MHzながら,ブーストクロックはリファレンスより13MHz高い1721MHzとなっている。定評あるオリジナルクーラー「WINDFORCE 2X」の搭載によってGPU温度面でのヘッドルームが向上し,NVIDIAのリファレンスカード(≒Founders Edition)よりも高いブーストクロックを確保できるようになったということなのだろう。

 気になるメモリクロックは3つの動作モードすべてで8008MHz相当と,リファレンスから変わりはない。ここはGAMING MODEとOC MODEでボトルネックとなる可能性がありそうだ。

 さて,後述するテスト環境において,最大ブーストクロックをバージョン1.21のXTREME GAMING ENGINEから確認したところ,OC MODEで2000MHz,GAMING MODEで1962MHz,ECO MODEで1873MHzとなった。OC MODEを選択することにより,メーカー動作保証の範囲内で動作クロック2GHzに到達できるのは,なかなかインパクトがある。
 GV-N1060G1 GAMING-6GDでGIGABYTEは,高クロックで動作可能なGPUを選別する「GPU Gauntlet Sorting」を行っているとのことだが,その効果はあると言っていいのではなかろうか。

G1 Gaming,Xtreme Gaming
GAMING MODEで動作クロックは1962MHzまで上昇
G1 Gaming,Xtreme Gaming
OC MODEでは動作クロックはさらに上昇し,2000MHzに達した
G1 Gaming,Xtreme Gaming
ECO MODEでは1873MHzまでしか上がらなかった

 ところで,XTREME GAMING ENGINEからは,自己責任を覚悟すれば,メーカー保証の範囲を超えたオーバークロック設定も可能だ。このあたりは従来と変わっていない。
 具体的なオーバークロック方法は以下のとおりだ。

  1. OCタブのスライダーを使って,GPUクロックとGPUコア電圧,メモリクロック,消費電力ターゲット(Power Target),温度ターゲット(Temperature Target)を手動設定する(※設定範囲はGPUコアクロックが−200〜+911MHz,メモリクロックが−2000〜+2000MHz相当(実クロックで−1000〜+1000MHz),GPUコア電圧が+0〜100%,消費電力ターゲットが−50〜+11%,温度ターゲットが−23〜+9℃)
  2. ADVANCED OCタブの「ADVANCED SETTING」から「BASIC SETTING」を選び,GPUコアクロックのオフセット値を入力して,コア電圧設定はGPU Boost側の処理に任せる(※設定できる範囲は−200〜+911MHz)
  3. ADVANCED OCタブの「ADVANCED SETTING」から「LINEAR SETTING」を選び,GPUコア電圧0.45Vと1.24Vの2点におけるGPUコアクロックをグラフで指定して,そのほかの設定はアプリケーションに任せる(※最小クロックは135MHz,最大クロックは2455MHzで,1MHz単位)
  4. ADVANCED OCタブの「ADVANCED SETTING」から「MANUAL SETTING」を選び,グラフ上で好きなクロックとコア電圧の設定を行い,そのほかの設定はアプリケーションに任せる(※最小クロックは135MHz,最大クロックは2455MHzで,1MHz単位)

G1 Gaming,Xtreme Gaming
最も標準的なオーバークロック関連メニューとなるOCタブ。メモリクロック設定はADVANCED SETTINGの内容と組み合わせることも可能だ
G1 Gaming,Xtreme Gaming
BASIC SETTINGから+911MHzに設定してみたところ。右のグラフでは,GPUの各電圧に対して,動作クロックが一律に911MHz上昇するのが分かる
G1 Gaming,Xtreme Gaming
LINEAR SETTINGで0.45Vと1.24Vにおける動作クロックを,それぞれ最小となる135MHz,最大となる2455MHzに設定したところ
G1 Gaming,Xtreme Gaming
MANUAL SETTING。初期設定における電圧とコアクロックの関係は,リファレンスに比べて大きく弧を描くような設定になっている

 また,XTREME GAMING ENGINEでは,「FAN」タブからファンの回転数を制御することもできる。
 画面右上の「3D ACTIVE FAN」は,描画負荷が低いアイドル時にはファンの回転を停止する機能の有効/無効を切り替える項目で,PCケース内のエアフローを考慮し,アイドル時でもファンを回転させ続けたい場合には,[OFF]を選択すればよい。なお,初期設定は[ON]だ。

G1 Gaming,Xtreme Gaming
FANタブを開いたところ。一定の温度以下ではファン回転数が止まる設定なのが分かる
G1 Gaming,Xtreme Gaming
3D ACTIVE FANをOFFに設定すると,グラフ上で低負荷時のファン回転数設定が20%になる

 FANタブには「EASY SETTING」と「ADVANCED SETTING」という2つの設定方法があり,前者の場合は,工場出荷時設定の「AUTO」と,ファン回転数を高めに制御する「TURBO」,逆に低めで抑える「SILENT」から選択できる。
 グラフを見る限り,AUTOだと50℃のところにある「3D ACTIVE FAN有効時にファン回転を止めるか否かの閾値」がTURBOでは43℃付近,SILENTでは52℃付近に移動するような格好になっていた。

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EASY SETTINGからファンの制御をTURBOに変更したところ。TURBOではファンが回転し始めるGPUの温度が低くなり,50℃における回転数も,AUTOが30%程度なのに対して,TURBOでは50%ほどに上がっている
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こちらはSILENTに設定したところ。SILENTでは,ファンが回転し始めるGPU温度52℃から始まり,85℃付近に達するまで,回転数は50%以下に抑えられる

 ADVANCED SETTINGからは,回転数を1%刻みで0〜100%のどこかに固定する「BASIC SETTING」と,ユーザーが温度ごとの回転数を自由に設定できる「MANUAL SETTING」を選択できる。

BASIC SETTINGから,ファンの回転数を80%に指定したところ(左)。右はMANUAL SETTINGで設定を変更した一例だ。GPUクロックのMANUAL SETTINGと同様に,グラフをマウスでドラッグすることで,どのGPU温度でもユーザーが自由に回転数を指定できる
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 「LED」タブからは,カードに埋め込まれたLEDイルミネーションの色や光り方を指定可能だ。
 なお,ここでLEDタブの右ペインを見ると,さもSLIを構成する2枚のカードで色を統一したり個別に設定したりできそうなイラストが描かれているが,GTX 1060 6GBはSLIに対応しないので,その点はご注意を。

LEDタブ。常時点灯/消灯のほか,ゆっくり明滅する「BREATHING」や,速いテンポで明滅する「FLASHING」,2回の明滅を繰り返す「DUAL FLASHING」,さらにGPU温度や使用率,コアクロックや電圧,ファンの回転数に合わせて明るさを変化させる「VARIABLE BRIGHTNESS」,PCから出力される音に合わせて明滅する「AUDIO FLASHING」を選択できる。色は任意の値,もしくは虹色の順繰りを選択可能だ
G1 Gaming,Xtreme Gaming
LEDイルミネーションの色を赤,黄,青と変えてみた例
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2基のファンが異なる方向へ回転するWINDFORCE 2Xを搭載。REV.2.0ではメモリチップの冷却も重視


カードの背面側。放熱板兼補強板が取り付けてある
G1 Gaming,Xtreme Gaming
 基本仕様を押さえたところで,カードを概観していこう。
 カード長は実測で約279mm(※突起部除く)。GTX 1060 6GBのFounders Editionが同249mmだったので,30mmほど長い計算になる。ただし,GV-N1060G1 GAMING-6GD REV.2.0の場合,基板長自体は同239mmと,むしろFounders Editionより短い。カードを長くしているのは,2スロット仕様のWINDFORCE 2Xクーラーである。

基板より長いWINDFORCE 2Xクーラーが全体を覆うシルエットだ。補助電源コネクタは8ピン×1で,リファレンスの6ピン×1と比べて強化が入っている
G1 Gaming,Xtreme Gaming G1 Gaming,Xtreme Gaming
カードを側面から見たところ(左)。大きな突起のない2スロット構成だ。右は外部出力インタフェースで,DisplayPort 1.4×3,HDMI 2.0b(Type A)×1,Dual-link DVI-D×1という構成は,Founders Editionと同じ
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G1 Gaming,Xtreme Gaming
Alternate Spinning Fan Designでファンの回転方向が異なっている
G1 Gaming,Xtreme Gaming
ファンの羽に寄ったところ。Blade Fanは今回も採用してきた
 GIGABYTE――に限らず,グラフィックスカードメーカーは全体的にそうだが――は,同じブランド名のクーラーを採用しつつ,製品ごとに仕様を微妙に変えていたりする。なので,同じ名前でも異なる仕様というのは当たり前に存在するのだが,それを踏まえてGV-N1060G1 GAMING-6GD REV.2.0が搭載するWINDFORCE 2Xクーラーの特徴を紹介するなら,2基ある92mm角相当のファンが,カードに正対したときの左側が反時計回り,右側が時計回りに回転する「Alternate Spinning Fan Design」になっていることが挙げられよう。GIGABYTEは,これによってエアフローの乱れが減少し,冷却効率が上がるとしている。

 同時に,最近のGIGABYTEが好んで採用している,5本の線状突起を加えることにより,エアフローを23%向上させたという羽形状「Blade Fan」は,本製品でも変わらずの採用だ。

 さて,GPUの取り外しはメーカー保証外の行為であり,外した時点でメーカー保証は失効する。このことを断ったうえで,ここからはレビューのために特別に取り外して,GPUクーラーや基板を見ていきたい。

WINDFORCE 2Xクーラーを取り外したところ
G1 Gaming,Xtreme Gaming
 まず,クーラーを取り外して気付くのは,6mm径のヒートパイプ2本がGPUのダイに直接触れて,GPUの上にあるヒートシンクとは別に,残る2か所にある放熱フィン部へも熱を送る仕様となっていることだ。REV.1.0だとパッシブクーラー部は2ピース構造だったのが,3ピース構造になっているのである。

GIGABYTEの資料より,GPUクーラーのデザインにおけるREV.2.0(左)とREV.1.0(右)の違い
G1 Gaming,Xtreme Gaming

GIGABYTEの資料より,基板デザインにおけるREV.2.0(左)とREV.1.0(右)の違い
G1 Gaming,Xtreme Gaming
 なぜREV.2.0でクーラーの構造が変わったのか,その理由は,基板を見ると分かる。
 というのも,出力インタフェース側を「前」としたとき,REV.1.0ではGPUの後方側に電源部が並ぶデザインだったのが,REV.2.0では電源部が前方へ移動したのだ。誤解を恐れずに言えば,REV.1.0だと,「GeForce GTX 1070」(以下,GTX 1070)のFounders Editionに近いカードデザインだったのが,REV.2.0ではGTX 1060 6GB Founders Editionをベースにデザインし直したような印象がある。

GV-N1060G1 GAMING-6GD REV.2.0の基板(左)と基板背面(右)。背面側には,LEDとファンの制御用として,台湾Holtek Semiconductor製32bitマイコン「HT32F52241」を搭載している。「Cortex-M0」ベースだ
G1 Gaming,Xtreme Gaming G1 Gaming,Xtreme Gaming
参考として,左がGTX 1070,右がGTX 1060それぞれFounders Editionの基板
G1 Gaming,Xtreme Gaming G1 Gaming,Xtreme Gaming

 GIGABYTEによると,REV.1.0のリリース後,同社はメモリチップ冷却の重要性を踏まえ,電源部をメモリから引き離すデザインに変更することにしたのだそうだ。それに合わせて基板とクーラーのデザインを変え,最終的に,メモリチップの温度をREV.1.0比で約9℃抑えることができたという。

クーラー全体からパッシブクーラー部を取り出してみた。GPUの熱を受けるヒートシンク部中央は,ヒートパイプが走る部分を直方体のブロックが覆うようなデザインになっているのが分かる。ハイエンドカード用のWINDFORCEだと,この部分が「Triangle Cool」という仕様になっているが,コストダウンだろうか
G1 Gaming,Xtreme Gaming G1 Gaming,Xtreme Gaming

電源部は6+1フェーズのようだ
G1 Gaming,Xtreme Gaming
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 その電源部は,カード前方寄りに6フェーズ,メモリの近くに1フェーズという6+1構成のように見える。GTX 1060 6GB Founders Editionだと3+1フェーズ仕様なので,電源周りはかなり強化されていると言ってよいだろう。
 採用する部材は,GIGABYTE独自の品質規格「Ultra Durable VGA」に準拠したもので,機能性高分子アルミ固体電解コンデンサや金属製チョークコイル,それに低オン抵抗のMOSFETなどが並んでいる。とくに,MOSFETはGPU用とメモリ用ともに,フェーズごとにON SemiconductorのN-Channel MOSFET「NTMFS4C06N」を2個,同じくN-Channel MOSFET「NTMFS4C10N」を1個配置するという,豪勢なものだ。
 PWM制御用チップは定番のUPI Semiconductor製「uP1983A」だった。

 なお,メモリチップはSamsung Electronics製「K4G80325FB-HC25」(8Gbps品)。これは,GTX 1060 6GB Founders Editionと同じ。メモリチップ用の空きランドが2個分ある点もFounders Editionから変わっていない。

MOSFET周辺(左)とメモリチップ(右)
G1 Gaming,Xtreme Gaming G1 Gaming,Xtreme Gaming


3つの動作モードでテストを実施。Founders Editionとの性能差を見る


G1 Gaming,Xtreme Gaming
 テストに入ろう。今回,比較対象にはGTX 1060 6GB Founders Editionを用意。これをリファレンスとして,以降,文中,グラフ中ともにGTX 1060 6GBと表記する。また,GV-N1060G1 GAMING-6GD REV.2.0は3つの動作モードすべてでテストを行い,グラフ中に限り,「G1 GAMING(OC)」「G1 GAMING(GAMING)」「G1 GAMING(ECO)」と表記して区別する。
 使用したグラフィックスドライバは,テスト開始時点の公式最新版となる「GeForce 376.33 Driver」だ。より新しい「GeForce 378.49 Driver」を利用できるとよかったのだが,こればかりはスケジュールの都合なので,やむを得まい。

 そのほかのテスト環境はのとおりだ。


 テスト内容は,4Gamerのベンチマークレギュレーション19.0に準拠。テスト解像度は,GTX 1060 6GBのレビュー記事に揃え,2560×1440ドットと1920×1080ドットの2つを選択した。
 また,これは筆者のレビューにおける「いつものこと」だが,テスト状況によってCPUの自動クロックアップ機能「Intel Turbo Boost Technology」の効果に違いが生じる可能性を排除するため,同機能をマザーボードのUEFIから無効に設定している。


タイトルによってクロックアップの効果はまちまち,という結果に


 グラフ1は,「3DMark」(Version 2.2.3509)におけるDirectX 11テスト「Fire Strike」の総合スコアをまとめたものだ。GV-N1060G1 GAMING-6GD REV.2.0の工場出荷時設定であるGAMING MODEのスコアはGTX 1060 6GB比で5〜7%程度高い。先述のとおり,スペック上のクロック差は約6%なので,おおむねスペックどおりの性能差が得られていることになる。
 OC MODEだとこれが5〜8%程度なので,こちらもほぼスペックどおり。ECO MODEだと2〜3%程度だが,ここではクーラーの冷却能力などが効いていると言えそうである。


 3DMarkにおけるDirectX 12ベースのテストである「Time Spy」だと,GAMING MODEはGTX 1060 6GBに対して約9%,つまり,動作クロック差以上のスコア差を付けた(グラフ2)。クーラーの冷却能力や電源供給能力のおかげで,高いブーストクロックを長い時間維持できているということだろう。OC MODEはそんなGAMING MODE比でプラス1%(※厳密には0.5%)なので,まずまずクロックどおりといったところか。


 グラフ3,4は「Far Cry Primal」の結果となる。ここでGV-N1060G1 GAMING-6GD REV.2.0はGTX 1060 6GBに対して2〜5%程度高いスコアを示しているが,実際のフレームレートで言えば1〜2fps程度しかないので,その違いを体感するのはまず無理だろう。
 OC MODEでもスコアは伸びているが,やはり実フレームレート上の違いは3〜4fps程度に留まる。


 「ARK: Survival Evolved」(以下,ARK)の結果がグラフ5,6になるが,ここだと対GTX 1060 6GB比でGV-N1060G1 GAMING-6GD REV.2.0はOC MODEが105〜108%程度,GAMING MODEが102〜105%程度,ECO MODEが102〜105%程度と,これまでのテスト結果をほぼ踏襲する結果となった。実フレームレートだとそれほどインパクトがないというのも,とくに「High」プリセットで顕著な傾向だ。


 一方,動作モードの違いが顕著に出たのが,グラフ7,8にスコアをまとめた「DOOM」だ。
 GV-N1060G1 GAMING-6GD REV.2.0は,ECO MODEですらGTX 1060 6GBに対して3〜7%程度高いスコアを示し,GAMING MODEでは6〜12%,OC MODEでは9〜13%程度高いスコアを示した。
 GAMING MODEとOC MODEで,解像度2560×1440ドットにおいて,レギュレーションがハイクラスGPU搭載環境における合格ラインとする平均80fpsを超えてきている点にも注目しておきたい。


 DirectX 11世代のゲームタイトルでも,とくにスコア差が出なかったのが,グラフ9,10にテスト結果をまとめた「Fallout 4」である。「中」プリセットの2560×1440ドットでのみ,OC MODEとGAMING MODEは対GTX 1060 6GBで約6%高いスコア差を見せるものの,それ以外では約4%かそれ以下に留まる。


 グラフ11,12は「ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド ベンチマーク」(以下,FFXIV蒼天のイシュガルド ベンチ)の結果だ。
 ここでのスコア傾向は3DMarkのFire StrikeもしくはFar Cry Primalと似たものになっており,GTX 1060 6GBに対してGV-N1060G1 GAMING-6GD REV.2.0は,OC MODEで4〜8%程度,GAMING MODEで4〜7%程度,ECO MODEで2〜4%程度高いスコアを示している。

※グラフ画像をクリックすると,平均フレームレートベースのグラフを表示します
G1 Gaming,Xtreme Gaming
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 DirectX 12世代のタイトルである「Forza Horizon 3」は,Time SpyやDOOMと同じく,ローレベルなAPIを採用したゲームタイトルにおける動作クロック引き上げの効果が大きいと感じられるものになった……と書きたかったが,実態はそうならなかった(グラフ13,14)。どちらかと言えばFire StrikeやFar Cry Primalなどに近いスコアだ。



消費電力はFounders Editionからざっくり20〜30W程度増大。クーラーの実力は申し分なし


 Pascal世代のGPUを搭載し,メーカーレベルのクロックアップ設定がなされたカードは,消費電力の増大が大きいというのが,4Gamerのテストで明らかになってきた傾向だが,GV-N1060G1 GAMING-6GD REV.2.0はどうだろうか。
 いつものように,ログの取得が可能なワットチェッカー「Watts up? PRO」を用いてシステム全体での消費電力を比較し,どの程度増えたのかを確認してみたい。
 テストにあたっては,OSの起動後30分放置した時点を「アイドル時」,各アプリケーションベンチマークを実行して,最も高い消費電力値が記録された時点を,タイトルごとの実行時としている。

 その結果がグラフ15だが,ご覧のとおり,アイドル時,アプリケーション実行時とも,GV-N1060G1 GAMING-6GD REV.2.0の消費電力はGTX 1060 6GB Founders Editionより大きい。とくにアプリケーション実行時にはGAMING MODEで21〜28W程度増大している。OC MODEは,そこからさらに1〜8W増大といった形だ。
 また,GIGABYTE製グラフィックスカードを評価するたび指摘している気もするが,ECO MODEはまったく「エコ」ではない。


 GPUの温度も確認しておこう。ここでは,温度24℃の室内において,テストシステムをPCケースに組み込まず,いわゆるバラックに置いた状態から,3DMarkの30分間連続実行時を「高負荷時」として,アイドル時ともども,「GPU-Z」(Version 1.16.0)から温度を取得することにした。

 その結果はグラフ16のとおりで,前述のとおり,ユーザー側で設定を無効化しない限り,アイドル時にはファンの回転が停止するため,GPU温度はどうしても高めになる。とはいえ40℃台前半なので,十分に立派なスコアだと言っていい。
 高負荷時のGPU温度も60℃台前半で,温度面に関する心配はほぼ無用だ。今回もWINDFORCE 2Xクーラーは評判に違わぬ冷却能力を示した。


 気になる動作音も確認しておきたい。今回は,カードに正対する形で30cm離した場所へカメラを置き,アイドル状態で1分間放置した後,FFXIV蒼天のイシュガルド ベンチを4分間実行したときの様子を録画した動画ファイル用意した。テスト時の動作モードは工場出荷時のGAMING MODEだ。

 開始1分間は,ファンが停止しているため,聞こえる音は周りの環境音だ。1分後,FFXIV蒼天のイシュガルド ベンチを実行すると,そこから50秒後,つまりファイル冒頭から110秒後にファンが回転し始めるものの,その動作音はかなり静か。回転数が十分に上昇したベンチ開始3分後(=再生開始から4分後)でも,その動作音は大きくなっておらず,静音性はかなり高いと言ってよさそうだ。


 OC MODEだとどうなのかが気になる人もいると思うが,消費電力の時点で,GAMING MODEとOC MODEにおける消費電力は最大でも8Wほどしかないこともあって,ファン設定をAUTOにしている限り,GAMING MODEとOC MODEで,その動作音に大差はなかった。


静かに運用できるゲーマー向けカードとして価値あり。購入時はリビジョン違いに要注意


製品ボックス
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 GV-N1060G1 GAMING-6GD REV.2.0は,クロックアップモデルとしてリファレンスから性能が向上しているものの,それを体感できるケースはかなり限定的というのが,性能面に関する正統な評価ということになるだろう。DOOMでは確かにOC MODEの効果を感じられる一方,それ以外ではいちいちGAMING MODEから変更するメリットがほとんど感じられない結果,とも言い換えられそうだ。

 これはGIGABYTE製グラフィックスカードの悪しき伝統と言い切ってしまうが,今回,REV.2.0でメモリ周りの冷却能力を改善したにもかかわらず,動作モードでメモリクロックを弄ってこなかったことが,こういう結果を生んでいるのではないだろうか。Gauntlet Sortingをメモリチップでも行う……ことができるのかはさておき,せっかくREV.2.0でメモリの冷却効果を高めたのであれば,OC MODEくらいはメモリクロックは設定値を引き上げても良かったのではないかと指摘しておきたい。

G1 Gaming,Xtreme Gaming
 ただ,搭載するGPUクーラーは優秀なので,3Dゲームをプレイしながら静かに運用できるカードとして,GV-N1060G1 GAMING-6GD REV.2.0には十分な価値がある
 あとは,これもGIGABYTEの悪しき伝統だが,いつの間にかリビジョンが新しくなっているため,ショップ側も,REV.2.0かREV.1.0か把握していなかったりするのがハードルとなるだろう。4Gamerの独自取材(というか秋葉原の店頭調査)によると,一部ショップではまだREV.1.0が残っていたので,基板とクーラーデザインの最適化が入った新リビジョンを入手したい場合は,店頭で確認するなり,問い合わせるなりしたほうがいいと思われる。

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GIGABYTEのGV-N1060G1 GAMING-6GD REV.2.0製品情報ページ(英語)

  • 関連タイトル:

    G1 Gaming,Xtreme Gaming

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    GeForce GTX 10

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