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ノーラと刻の工房 霧の森の魔女公式サイトへ
  • アトラス
  • 発売日:2011/07/21
  • 価格:6279円(税込)
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「アトリエ」と「世界樹」のクリエイターが創造した“新生マイスターRPG”。最高の3年間を求めて何度もプレイしたくなる「ノーラと刻の工房 霧の森の魔女」レビュー
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印刷2011/07/30 00:00

レビュー

「アトリエ」と「世界樹」のクリエイターが創造した“新生マイスターRPG”

ノーラと刻の工房 霧の森の魔女

Text by 御簾納直彦


画像集#001のサムネイル/「アトリエ」と「世界樹」のクリエイターが創造した“新生マイスターRPG”。最高の3年間を求めて何度もプレイしたくなる「ノーラと刻の工房 霧の森の魔女」レビュー
 アトラスから2011年7月21日に発売されたニンテンドーDS用ソフト「ノーラと刻の工房 霧の森の魔女」(以下,ノーラと刻の工房)は,一人前の“導刻術師”を目指す少女ノーラが,導刻術を用いてさまざまな依頼をこなし,人々の信頼を得て成長していく姿を描いた“新生マイスターRPG”だ。
 プロデューサーに「世界樹の迷宮II 諸王の聖杯」「世界樹の迷宮III 星海の来訪者」の小森成雄氏,企画/シナリオ原案に初代アトリエシリーズを手がけた吉池真一氏を迎え,キャラクターデザインを世界樹の迷宮シリーズの日向悠二氏,サウンドをワイルドアームズシリーズのなるけみちこ氏が担当するという本作。制作陣の豪華な顔ぶれはもちろん,初代アトリエシリーズをプランニングした吉池真一氏が,世界樹の小森成雄氏とタッグを組んでどのような作品を生み出すのかという点にも,ゲームファンからの注目が集まっていた。
 はたして,ノーラと刻の工房とはどのような作品なのか。本稿では,同作を実際にプレイした感想を交えつつ,ゲームの概要や見どころについて紹介していこう。

「ノーラと刻の工房 霧の森の魔女」公式サイト



「導刻術師」を目指す一人の少女の物語


画像集#002のサムネイル/「アトリエ」と「世界樹」のクリエイターが創造した“新生マイスターRPG”。最高の3年間を求めて何度もプレイしたくなる「ノーラと刻の工房 霧の森の魔女」レビュー
画像集#003のサムネイル/「アトリエ」と「世界樹」のクリエイターが創造した“新生マイスターRPG”。最高の3年間を求めて何度もプレイしたくなる「ノーラと刻の工房 霧の森の魔女」レビュー
 冒頭でも少し触れたが,本作の主人公 ノーラは一人前の導刻術師になることを夢見ている。“導刻術”とは,アイテムの時間を操り状態を変化させる不思議な術のことで,例えば「花」であれば,時間を戻して「種」に,時間を進めて「実」や「枯れ花」に変えることができる。ドラえもんの「タイムふろしき」をイメージしてもらうと分かりやすいかもしれない。なお導刻術は,時間によって状態が変化するすべてのアイテムに対して有効だ。逆に,時間の経過で状態が変化しないアイテムに対しては,導刻術の効果は及ばない。

 本作の世界で導刻術師になるためには,異国の地で3年間,人に知られることなく修行をまっとうする必要がある。ノーラもその掟に従い,「霧の森」へと修行の旅に出ることになった。ところが,霧の森の近くにある“テンペリナ”という町には,霧の森の魔女ヴェーラの伝説が残っており,不思議な術を使う魔女は人々に忌み嫌われてるのだ。
 町の人々にヴェーラと間違えられてしまったノーラは,誤解を解くためにさまざまな依頼をこなしながら,住人達と交流を深めていくことになる。
 ……というのが本作の導入ストーリーだ。ゲームはアウェー感満点な空気の中でスタートするのだが,ノーラの懸命な姿を目にした人々は,徐々に疑いを薄め,心を開いていく。その設定や心暖まるストーリー展開はどこか「魔女の宅急便」を彷彿させ,プレイしていて実に心地よかった。遊んでいて,プレイヤーが「嫌な気分」になることがほとんどない,安心して楽しめる物語である。


採取,バトルを繰り返しながら

依頼されたアイテムを収集せよ


画像集#011のサムネイル/「アトリエ」と「世界樹」のクリエイターが創造した“新生マイスターRPG”。最高の3年間を求めて何度もプレイしたくなる「ノーラと刻の工房 霧の森の魔女」レビュー
 本作は,ノーラの成長を描いた3年間の物語である。そしてゲーム中には時間の概念が存在し,ノーラが特定のアクションを起こすたびに時間が経過していく。時間は,依頼の受注期限や四季の移り変わりなど,さまざまな要素に影響を与える。とくに,前者の依頼の受注期限に関しては,あまりのんびりしていると依頼を受けられなくなってしまうので要注意だ。
 ゲームのストーリーは,日数の経過やストーリー展開に関わる依頼をクリアすることで進行していき,それに伴ってノーラの行動範囲も広がっていく。ストーリーを進めるごとに,新たなショップが開放されたり,旅の仲間が増えたりもするので,なかなか止めどきの難しいゲームである。

 さて,本作には3年間というタイムリミットが存在するため,いかに依頼を効率良くクリアしていくかがゲーム攻略の鍵と言える。依頼の内容は,「あるアイテムをいくつ持ってきてくれ」というものが多いので,必然的にアイテムを多く入手できる採取場所を見つけ,足を運ぶことになる。採取場にはアイテムがぎっしりと配置されているので,欲しいアイテムにカーソルを合わせて(あるいはタッチして)入手しよう。ちなみに採取場所へは,素材メニューから簡単にジャンプできるという親切設計だ。

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ワールドマップでも敵は出現する。どんな時でも油断は禁物だ
画像集#006のサムネイル/「アトリエ」と「世界樹」のクリエイターが創造した“新生マイスターRPG”。最高の3年間を求めて何度もプレイしたくなる「ノーラと刻の工房 霧の森の魔女」レビュー
 アイテムを採取した際には1日が経過するのだが,そのときに一定確率でエンカウントバトルが発生する。バトルはコマンド選択式のオーソドックスなものなので,ゲームに不慣れな人でもじっくりと戦えるのではないだろうか。一般的なRPGでいうところの特技やスキルに相当する「秘技」は,SPを消費する特殊技だが,SPはバトル終了後に全回復するので惜しみなく使っていける。この点も,初心者に優しい要素と言えるだろう。

 そのほか,バトル中にHPが0になってしまったキャラがいても,全滅さえしなければバトル終了後に(HP1の状態で)キャラが復活し,それまでに得た経験値はしっかり入手できる。本作のバトルは決して難しい部類には入らないものの,ゴリ押しだけで勝てるバランスでもなく,難度は(採取や生産がメインのゲームということもあり)ちょうど良い印象だ。

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「導刻術」「加工」「分解」を使って未知のアイテムを手に入れろ


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 本作の一番のウリは,何と言っても導刻術。先述したように,これはアイテムの刻を操り新たなアイテムを作り出す術だ。依頼を解決するために必要なアイテムが,採取場やモンスターからのドロップで入手できない場合,あるいは入手しにくい場合には,導刻術を使ってアイテムを作ることになる。
 導刻術を使用するには「クロノ水溶液」というアイテムが必要となる。クロノ水溶液は赤,青,闇,光,銀などいくつかの種類が存在し,作り出すアイテムによって必要なクロノ水溶液が異なる。アイテムを分解したりすることでクロノ水溶液が入手できるので,いざというときのために,なるべくこまめに補充しておこう。

 導刻術は,ノーラの部屋に置いてある「刻分儀」を用いて行う。作りたいアイテムの種類や量によって,必要な日数やクロノ水溶液が変わってくるのが特徴だ。刻分儀を使用する画面は若干特殊なインタフェースだが,操作自体は簡単なので心配は不要である。
 なお,アイテムを変化させる手段は導刻術以外にも用意されている。それが“加工”と“分解”だ。加工は原料を元にして別のアイテムを作り出す技術,一方の分解は一つのアイテムを分解し,さまざまな素材や原料に変えるというもの。ちなみに加工には「調理道具」「大工道具」,分解には「鎌」といった,それぞれに対応したアイテムが必要になる。プレイしたてのころは,加工と分解を色々と試しながら,アイテムの改良について覚えていくといいだろう。

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システムの好みは分かれるものの,

ハマる人はハマるやり込み要素の強いシステム


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 バトルシステムはオーソドックスながら,導刻術,加工,分解といった要素でアイテムを変化させる,噛めば噛むほど味の出るシステムが魅力の本作。アイテムの改良に関しては覚えることが多いため,若干好みが分かれるところかもしれないが,採取/生産が好きな人ならとことんハマれるはずだ。
 本作では,アイテムを生産する際に1日単位で時間が進んでいくため,3年間という枠の中でいかに効率よくモノを作っていくかという部分が腕の見せどころといえる。素材がある限りいくらでも生産できるタイプのゲームと比べ,メリハリの効いた,より戦略性の高いプレイが楽しめるのは間違いない。
 そんなこんなで,ノーラが奮闘する姿を眺めつつ導刻術の修行をしていれば,3年間というゲーム内時間はあっという間に過ぎてしまうだろう。こちらでもお伝えしたように,本作にはコレクション要素や周回プレイ要素も盛り込まれているので,納得のいく「最高の3年間」を求め,末永く楽しみたいところだ。

アイテムの中には,自室や庭に配置して楽しめるものがあり,アイテム製作にも力が入る
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 また,ゲーム性とは別の話になるが,丁寧に描かれた暖かみのあるドットグラフィックスや,なるけみちこ氏の哀愁漂うサウンドなど,世界観を彩る絵と音も秀逸だ。キャラクターデザインはかなり可愛らしい仕上がりだが,ゲームをプレイしていて過剰な“萌え”を押しつけられることもなく,そもそものキャラデザインが苦手でない人なら,ゲーム世界にすんなりと没入できる。

 ゲームデザイン面だけではなく,作品全体のカラーにも強いこだわりをもって制作されたであろう「ノーラと刻の工房」。個人的には,戦闘の手応えが若干物足りないかな……とも思ったのだが,本作のメインはあくまで導刻術とその周辺にある。戦闘の難度がちょっと低めになっているからこそ,結果的により多くの人が楽しめるゲームバランスが実現され,心地良いプレイフィールが味わえるのだろう。
 ともあれ本作は,この夏,ニンテンドーDSでまったりと楽しめる良作を探しているという人に,強くオススメしたい一本である。

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