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市場よりも熱意を信じる。世界3000万人のファンが待っていたスマホ向け3Dアクション「ゲットアンプド モバイル」の開発陣インタビュー
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印刷2017/02/24 12:00

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市場よりも熱意を信じる。世界3000万人のファンが待っていたスマホ向け3Dアクション「ゲットアンプド モバイル」の開発陣インタビュー

画像集 No.001のサムネイル画像 / 市場よりも熱意を信じる。世界3000万人のファンが待っていたスマホ向け3Dアクション「ゲットアンプド モバイル」の開発陣インタビュー
 サイバーステップが2017年内に全世界で順次配信する,スマホ向け3Dオンラインアクションゲーム「ゲットアンプド モバイル」(以下,GAM)(iOS / Android)は,2000年代前半からシリーズを重ね(※),サービスが続けられてきたPCオンラインゲーム「ゲットアンプド」シリーズの最新作だ。古強者の凱旋に,トキメキを抑えきれないGAファンは多いことだろう。

※現在は「ゲットアンプドX」「ゲットアンプド2」のPC向けサービスが行われている。

 GAシリーズの魅力は,3Dフィールド上で自身のキャラクターを動かし,1対1から複数人戦まで,さまざまなプレイヤーとのリアルタイム対戦を楽しめるバトルにある。また,多種多様なアクセサリやアイテムの存在や,本格的な立ち回りを可能とするシステム面の充実など,その奥深さは見た目だけでは測り切れない。

GAMの開発陣。左から高橋亮太氏,有馬もと氏
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 本シリーズのプレイヤー数は本稿のタイトルの通り,韓国で1000万,中国・台湾・香港でそれぞれ500万,そのほかアジア・欧米地域でもサービスされた結果,“累計プレイヤー数が3000万人超”という実績を誇っている。とくに韓国では約1億円もの予算を投入した世界大会が開かれるなど,熱狂的な盛り上がりをみせていた。(関連記事

 もちろん,スマホゲームとなったGAMでもその勢いは確かなもののようで,昨年2016年12月に中国で実施されたクローズドβテストは,想定以上のプレイヤーが押し寄せる大反響に。開発陣の嬉しい悲鳴があふれたようだ。そんなわけで今回は,GAMにまつわるアレやコレやをサイバーステップの開発陣に尋ねてきたので,その模様を紹介していこう。初めてGAを知るという人も,引き続き目を通してみてほしい。

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「ゲットアンプド モバイル」公式サイト



「ゲットアンプド」に仕様書はいらない


4Gamer:
 本日はお時間をいただき,ありがとうございます。今回はファンには待望のスマホ版「ゲットアンプド モバイル」についてお伺いしたいと思いますが,まずはお二人の自己紹介からよろしいでしょうか。

有馬もと氏(以下,有馬氏):
 有馬もとです。私はGAMではプログラマーリーダー,デザイン対応,そのほかディレクションなど,プロジェクト全体を支える管理者として動いてまして,“どれ”という肩書きがないんですよね。しいて言うなら,何でも屋さんでしょうか。

高橋亮太氏(以下,高橋氏):
 GAMの運営,ならびに弊社タイトルの海外運営を担当しております,高橋亮太です。私は弊社のタイトルを海外でリリースするためのライセンス交渉や,サービスの運営面などをサポートしています。

 私は入社当時にGAシリーズの海外運営を担当していまして,ゲーム内でGM(ゲームマスター)としてお客様とコミュニケーションをとったり,イベント現場で直接ご意見を吸い上げ,それを開発現場に届けるということをしていました。GAMでも海外展開に向けて,現地のパブリッシャさんと意見交換をしたりと,ゲームを盛り上げていくための折衝を行っています。

4Gamer:
 御社の海外支社というと,公式サイトで確認できるだけで計9つの子会社がありますよね。GAシリーズにしても,アジア圏内でのサービスが非常に好調であったことから,高橋さんのポジションというのはかなりの重職なのでは。

高橋氏:
 そうですね。GAシリーズは韓国でものすごい大ヒットを記録したことから,GAMの展開については,弊社の代表取締役である佐藤(佐藤 類氏)にしても,海外に大きなウェイトを期待しています。

4Gamer:
 そのGAMですが,企画の立ち上げというのはいつ頃の話になるのでしょう。

高橋氏:
 発端は3年ほど前,スマホゲーム市場への展開の先駆けとして,PC版のリソースを使い,GAのちょっとしたスマホ向けミニゲームを制作しようという試みからでした。その制作途中,GAの面白さはミニゲームで遊ぶことではなく,リアルに対戦するところであると社内の意見が揃い,2年ほど前に“スマホで遊べるGA”へと舵を切ったんです。

 しかし,当時はモバイル回線が3Gから4Gへと切り替わる時期でして,ラグをはじめとする通信環境に問題がありました。開発を進めていくには抵抗が強い時期でしたね。ですが,昨今はスマホを取り巻く環境がどんどんと向上してきたので,ここだという考えの元,本格的にプロジェクトをスタートさせたというわけです。

4Gamer:
 GAの本当の面白さの探求から始まり,スマホの通信環境が洗練されたことで動き出したわけですか。いってしまえば時代が追いついたと。

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有馬氏:
 私がGAMと関わったきっかけは,佐藤からSNS越しで「飲みに行かない?」と誘いを受けたことでした。

 私は元々サイバーステップに在籍していましたが,その頃は違う企業へと移っていました。ただ,佐藤が“そういうことをめったに言わない人”であると知っていたので,これは何かあるんじゃないかと思い,誘いを受けたんです。

4Gamer:
 気になりますね。続けていただけますか。

有馬氏:
 「明日すぐに飲みに行きましょう」と返し,飲みの場に行ったら,モバイルゲームアプリを開発できる人が足りないから戻ってこないかと訊かれました。そこでつい「GAのスマホ版を作ったら,今なら売れますよ!」と言ってしまったんです。そしたらすでに当のプロジェクトが用意されていて,その後はご覧の通りです(笑)。

4Gamer:
 GAMの開発チームには,元からGAシリーズに携わっていた方もいるのでしょうか。

有馬氏:
 私が合流した当初は,私と荒井(事業開発グループマネージャー・荒井好氏)の2人だけでした。荒井は10年以上,GAシリーズのマネージャーを務めている人物です。

4Gamer:
 2人から始まったのですか。まさしく少数精鋭ですね。

有馬氏:
 GAMの開発では有名どころのゲームエンジンを使っておらず,一部UIの設計に「Cocos2d-x」のツールを用いているほかは,自社開発のライブラリで賄っています。そのため,著名なゲームエンジンを使って仕事をしていた人ほど,作業にうまくなじめないことが予想されましたので,最初は少人数でじわじわと開発しようと考えました。

4Gamer:
 ゲームの素材は基本的に,PC版のものを使用しているのですか。

有馬氏:
 はい,PC版のものをコンバートしています。ただし,素材にはそのまま使えるものと使えないものとがあります。ポリゴンがみっちりと詰まっているオブジェクトはスマホ向けに一手間加えなければなりませんし,その逆もしかりです。

高橋氏:
 このプロジェクトは“PC版のGAという良質な素材をうまく活かすこと”もミッションの1つです。シリーズに長く携わっているスタッフがいるので,開発の軸がぶれず,常に進むべき方向にフォーカスが取れている。おそらく,想像されている以上に効率的な体制ですよ。

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4Gamer:
 チームの規模は2人から始まり,現状ではどれくらいの人数になっているのでしょう。

有馬氏:
 その後,デザイナーのomochiを加え,私と荒井とomochiの3人が中核となって制作してきました。ほかにもデザイナーをもう1人,プログラマが3人と,主に計7人体制で制作しています。

4Gamer:
 ゲーム開発の現場を知らない人間からすると,7人でゲームを作るというのはとても大変そうに聞こえるのですが。よくいう,デスマーチ的な。

有馬氏:
 んー,まったくないですよね。

高橋氏:
 ええ,そうですね。

有馬氏:
 まず私たちのプロジェクトは,いつに何ができているかの目標を決めていますが,それに関する細かい仕様書やガントチャートはほとんどありません。ですが,私を含む中核の3人はマネージャー職を経験してきているので,何か起きたら,各自でタスク表を作って持ち合い,現場ですぐさま対応できます。

 そもそも,基本的に自己管理を徹底していますし,GAMの面白さをきちんと理解し合えていますし,なにより“そういう人たちがヤンチャをするプロジェクト”でもありますので,必要なものはとことん作り,問題があればすぐに解決案を探る,そういうスタンスで仕事できるんです。

4Gamer:
 ……ガントチャートがない現場というだけで,人によっては卒倒してしまいそうですね。

有馬氏:
 それを成しえる人材ってところでいえば,少数精鋭といえるのかもしれません。

高橋氏:
 大本のGAにしても,当初は大和田(取締役・大和田豊氏)と浅原(浅原慎之輔氏)が2人で作っていたものですしね。

4Gamer:
 現代でいうところの,インディーズゲームのシーンに近かったのかもしれませんね。

有馬氏:
 あと,これは今ゲーム開発の現場にいる方々に伝えたいのですが,自分が作っているゲームを自分で遊べていない人は,ぜひともサイバーステップに来てみてください。こういう体制で,自分がおもしろいと思えるゲームが作れます。

4Gamer:
 突然の勧誘でしたが,はい,皆さんサイバーステップはいかがでしょう(笑)。では話を戻しまして,GAシリーズは韓国をはじめ,アジア圏で人気を博していましたが,当時は何か戦略的な狙いというものがあったのでしょうか。

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高橋氏:
 私の入社以前のことで,佐藤から聞いた話になりますが……戦略というものは何もなかったと。当時は会社も創業したてで,自転車操業のように働きつつ,なんとしてもゲームをうまくいかせたい一心で動いてたと聞いています。

 そんな中,韓国のゲーム会社であるJUNEiNTER(当時はWindysoft)が,「このゲーム(GA)は今までなかったものだ」と強く興味を持ったことが,GAシリーズの転機になったようです。

4Gamer:
 2000年代前半というと,オンラインゲームも総数を数えられる時期でしたね。それも,いわゆるクリックゲーが多数派であったことから,GAの切り口はそれはもう鮮烈に見えたのでしょうか。

高橋氏:
 韓国の人々が“競争”を好ましく捉えていたことも一因だったと思います。しかし,結果的に大ヒットを記録したわけですが,佐藤いわく,当時のライセンス契約のときは祈るような気持ちでいたとか。

有馬氏:
 まあ,運だよね(一同笑)。

4Gamer:
 それでは,今回のGAMの発表時の反響はいかがでしたか。

高橋氏:
 現在GAシリーズを遊ばれているファンからはSNSを通じて,「まだか! まだか!」という声が多数寄せられています。意外なところでは,昔GAをプレイしていて,今は海外のゲーム会社に勤めている方から,「こんなの出るの? 出たらプレイするよ!」という声をいただいていることですね。

4Gamer:
 昨年末に中国で実施したCBTにしても,大反響があったとか。

有馬氏:
 CBTは当初,私どものパートナーである中国のWindoMediaと相談のうえ,500人規模のごくごく小規模なテストを予定していました。が,ふたを開けたら最終的に3000人ものプレイヤーが集まってくれたんです。

 日本とは違い,中国には多数のプラットフォームが存在し,テストを実施したプラットフォームにしても,それほどユーザー数を抱えているところではありませんでしたので,本当に予想外でした。同時に,非常にありがたい話です。

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4Gamer:
 予想外の大成功ということで,開発現場では嬉しい悲鳴が響いていそうですね。

高橋氏:
 悲鳴でした。皆で「ギャー!」って叫んでました。

有馬氏:
 ただ,今回のテストは携帯端末による問題などを調べるための小規模なテストでして,中国での正式なリリース時には,より多くのお客様とも接点を持つために,10社,20社と多くのプラットフォーマーさんで提供していきます。

4Gamer:
 中国のプラットフォームの数は日本とは比になりませんものね。ついでにもう1つ,アプリの要求スペックはいかほどでしょう。どれくらいのOSバージョンを想定されていますか。

有馬氏:
 中国市場に合わせるため,先方から要求されているのはAndroidなら4.2以上。iOSなら8か9です。iPhoneは機種でいえば5s以上となります。

4Gamer:
 現行端末のミドルスペックあたりでしょうか。

有馬氏:
 スペックの必要性は描画関係にもありますが,なによりメモリが足りません。今もいかにメモリを削れるかに注力している最中です。

高橋氏:
 ロースペックのスマホでも遊べないほどの挙動ではありませんが,対人戦を考慮すると,推奨レベルの端末をオススメしたいです。

4Gamer:
 アプリ自体の開発段階はいかがでしょう。CBTも終えて,そろそろ詰めの段階に入っていたりは。

有馬氏:
 ゲーム内容は,いつでもリリースできるレベルにまで達しています。このまま出しても遜色はないだろうなと。ですが,CBTをはじめ,お客様から受けた意見を加味し,それらをダイレクトに反映させることに努めたいので,現状は先のCBTのフィードバックを取り込んでいるところです。

4Gamer:
 つまり,リリース時は最低限を提供するスタートではなく,万全で送り出すスタートを予定していると。

有馬氏:
 そうなります。

4Gamer:
 リリース時の反応も期待できますね。開発陣としても楽しみなのでは。

有馬氏:
 はい,さまざまなご意見も含めて今から楽しみです。


GAを今風に,分かりやすくする


4Gamer:
 GAMの開発コンセプトを教えていただけますか。

有馬氏:
 私どもは10年続いたGAシリーズというタイトルを“今風にしたい”と考えました。

4Gamer:
 今風ですか。具体的にはどのようなことでしょう。

有馬氏:
 世間一般の“スマホゲームの共通認識”をしっかりと落とし込むということです。ログインボーナスにしても,今は毎日1つだけアイテム配るのではなく,期間やテーマに沿った多様性を持たせた形式が存在します。また,アイテムの合成機能にしても,GAに取り込むのであればどのような形式が最良か,それらを1つ1つ模索し,消化しています。

4Gamer:
 ベースを昨今のスマホゲームにしたうえで,GAシリーズならではの良さを上積みしていく,そういうことでしょうか。

高橋氏:
 そうですね。

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4Gamer:
 個人的にですが,GAシリーズは何も知らない人がゲームを始めても,“対戦画面を見るだけで,どういうゲームなのかが直感的に分かる”ことが,とても優れているなと。操作方法を除けばですが,チュートリアルをせずとも,大抵のプレイヤーはゲームのルールをすぐさま理解できるはずです。シリーズ初体験の人でも,迷わず遊べますよね。

高橋氏:
 そこは弊社の創業メンバーである佐藤らの思いが最も詰まっている部分ですね。彼らは任天堂のファミコンやスーパーファミコンで遊んだ「くにおくん」シリーズなどに,大きな影響を受けてきた人たちなので。時には,学校の授業をサボってゲームをやっていたとか……(笑)。

 つまり,“言葉がなくともすんなりと遊べるゲームであること”を重視しているんです。

4Gamer:
 なるほど,よくわかる気がします。ちなみにGAMがPC版と異なる点はなんでしょう。例えば,カスタマイズ要素とかで。

有馬氏:
 コンテンツの搭載や削除を除けば,大きく異なる点は少ないですね。前提として“PC版のプレイヤーが違和感なくGAMを遊べること”を大事にしているので,カウンターといったバトルの挙動から,スキンエディットやアクセサリなども,同じ感覚で遊んでもらえるはずです。

高橋氏:
 ただし,PC版で“こうしたほうが良かったかも”と感じた部分には手を入れています。1つはアクセサリのスキル合成ですが,GAMでは1戦毎に効果を付与する「バフ」になりました。合成結果も固定的なレシピ制のほかに,ランダム性を取り入れたものを用意しています。とはいえ,プレイヤーが期待する効果から大きく逸脱しないようなバランス取りもしていますが。

4Gamer:
 GAMは最大4人対戦まで対応とのことですが,これ以上の人数になることはありませんか。

有馬氏:
 一応,技術的には8人対戦まで対応済みで,違和感なく動くのが確認できています。

4Gamer:
 それでも,現状は8人対戦は実装されないと。

有馬氏:
 理由の1つは,マッチング時間にあります。8人にするとマッチングするまでの時間が長すぎるんです。お客様にストレスを感じさせてしまうくらいなら,一律で4人対戦にしましょうと。

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高橋氏:
 あとは,画面サイズですね。

4Gamer:
 ああ,確かに。スマホで8人対戦となると――。

高橋氏:
 そうです。8キャラクターが画面上で“ワチャっ”となってしまうんです。

4Gamer:
 攻撃範囲に優れたアクセサリをひたすら振り合うだけの対戦画面が容易に想像できてしまいます。

高橋氏:
 広めのステージを外せば,4人でも十分に楽しめるステージが豊富にありますから。それらを取捨選択をしつつ,4人対戦でも面白くなるよう工夫を凝らしています。

4Gamer:
 1人対1人以外にも,2人対2人のチーム戦などは搭載されますか。

有馬氏:
 あります。ほかにも,友人同士で強大な敵に立ち向かうレイド戦も予定しています。

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4Gamer:
 日本人的には協力プレイは必須ですよね。あと,オンライマルチプレイでの挙動に関してですが,4人対戦のマッチング成立後,通信の不具合などで落ちてしまったプレイヤーの復帰措置などは考えられていますか。

有馬氏:
 対戦は全3マッチで戦ってもらいますが,途中で落ちてしまったり,やむを得ない事情で端末の電源を落としたりした場合は,自動的にNPC操作に切り替わるようにしました。しかし,対戦中に再度接続できれば,その瞬間からプレイヤー操作に切り替わるようにしています。

4Gamer:
 では,対戦以外のメインコンテンツの実装はいかがでしょう。

有馬氏:
 今回はストーリー付きのクエストを用意しました。マップ上のステージを選び,ステージ毎の敵と戦っていくモードです。物語の原作者は高橋です。

高橋氏:
 ここではGAシリーズのオリジナルキャラクターたちが登場し,さらに従来のシリーズ作品よりも過去のお話,いわば“ゲットアンプド ゼロ”的な物語を描いていきます。デンジャラス・ボブとは何者なのか,殺人大佐はどうやって大佐になったのか,道場でおなじみの大住生老師も,若かりし黒髪の姿で現れます。

4Gamer:
 ストーリーを追っていた人にはたまりませんね。ちなみにシエスは出ますか?

※シエスは「サイバーステップ」という会社をモチーフにした擬人化キャラクター。よく爆発する。

高橋氏:
 ……こうご期待というところで(笑)。

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4Gamer:
 このクエストは完全に1人用でしょうか。メガフォースで遊ぶミッションのように,協力プレイができたりとかは。

有馬氏:
 検討はしていますが,今のところは考えていません。協力に当たる部分はレイド戦で楽しんでいただけたらと思うので。

4Gamer:
 クエストで予定されているボリュームはどれくらいの規模になるのでしょう。

高橋氏:
 現時点で1〜3章までのクエストができていて,1章に約20〜100ステージほど盛り込みます。アプリのリリース後は随時拡張を予定しています。ボス戦のクリア報酬にアクセサリを用意するなど,楽しんで遊んでもらえる工夫もしていますし,本作はスタミナ制ではないので,早い人ならすぐにクリアしてしまうかもしれません。

4Gamer:
 GAMでスタミナ制を採用しなかった理由を教えてもらえますか。

有馬氏:
 配信地域によって事情が変わるかと思いますが,弊社では“遊ぶことに制限をかけるビジネスモデル”を選ばないようにしています。これはサイバーステップの理念にも通じるものです。

4Gamer:
 スタミナを採用するか,しないかで,スマホゲームの表情はガラッと変わりますものね。では,そのほかのギルドやランキング,チャットなどのコミュニティ要素はいかがでしょう。

有馬氏:
 ギルドは用意している最中で,対戦におけるランキングも予定しています。ランキングはPC版よりも分かりやすく,リアルタイムで変動するようにしました。

4Gamer:
 リアルタイムというと,1戦プレイするごとに計上されるという意味合いですか。

有馬氏:
 そうです。1戦やるごとにスコアが変動するので,対戦結果をよりダイレクトに感じていただけるはずです。

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パッド派は,パッドを使え


4Gamer:
 GAの対戦といえばアクセサリ(※1)とスタイル(※2)の選別にあると思います。GAMではリリース時,どれくらいの数のアクセサリが用意されるのでしょうか。

※1:アクセサリは,固有の攻撃モーションを持つ剣や銃などの装備品。有料・無料の多種多様なアクセサリが存在する。
※2:GAシリーズでは,「格闘家」「軍人」「スパイ」といったキャラクターの戦闘スタイルを素体として選び,選択したスタイルのアクセサリやファッションをカスタマイズしていく。


高橋氏:
 アクセサリは現在移植できているだけでも,約200種類を用意しています。新旧関係なくピックアップしていますので,定番のものから,最近のものまで揃えている形です。

4Gamer:
 GAシリーズのアクセサリってカッコいいんですよね。ビジュアルにしても,モーションにしても,言葉を選んで言うと,ものすごいスタイリッシュだな,と。

高橋氏:
 言葉を選ばないで言うと,ものすごい中二病なものが多い,ってことですよね。

4Gamer:
 せっかく言葉を選ばせていただきましたが……はい(笑)。アクセサリは見た目からしてカッコいいものがズラズラ―っとあって,攻撃モーションも「居合太刀『夢見草』」とか,居合で切り付けると桜の花が飛び散るんですから,堪らないです。

高橋氏:
 GAMではゲーム内通貨だけで「刀峰戦神」(※)を購入することもできますので,既存のファンの方々も楽しみにしていてください。

※シリーズ定番のアクセサリの一つ。攻撃力と攻撃範囲に優れ,めくり攻撃の有用性も高かったことから,数百種類とあるアクセサリの中でも人気が高く,当時の世界大会では多くの愛用者が見られた。

4Gamer:
 それはまた,太っ腹ですね。

高橋氏:
 せっかく遊んでくださるお客様も,何も分からず強いアクセサリで一方的に攻撃されるのでは楽しくないと思うので。長く続けて遊んでもらいたいですしね。

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4Gamer:
 それでは,もう一方のスタイルに関しても聞かせていただけますか。

高橋氏:
 PC版では各スタイルごとに男性・女性,あるいはステータスや基本攻撃のモーションが異なる別個のスタイルが2種存在していました。(例:格闘家であれば,格闘家Aと格闘家Bがある)

 しかし,GAMではこれを廃止し,格闘家は「格闘家」の1種のみ,軍人は「軍人」の1種のみと,いずれも単一のスタイルに統合しています。総数もまずは8種からスタートします。また,これまではスタイル毎にアクセサリの装備可・不可を設定していましたが,すべて取り払い,全スタイルが全アクセサリを自由に付け替えられるようにしました。あっ,スタイル専用アクセサリは存在しますけれど。

4Gamer:
 PC版のスタイルは男性・女性で攻撃モーションがまるで違ったり,やっと手に入れたアクセサリが装備不可であったりと,バトル面においては良き複雑性でしたが,悪い意味でも複雑だったので,個人的には朗報です。

高橋氏:
 なので,GAMではより単純な特徴づけとして,手軽に選んでもらえると考えています。

有馬氏:
 “(PC版と比べて)より分かりやすく”も命題ですからね。

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4Gamer:
 なるほど。では続けてスキンエディットについてです。GAシリーズのスキンエディットというと,“ほとんど自作できてしまう”程の代物でしたが,GAMではいかがでしょう。

高橋氏:
 従来のGAシリーズと同様,GAMもスキンエディットを搭載しています。この機能では,使用するキャラクターのスキンテクスチャを自由に描くことができます。また,頭部に関してはポリゴンの頂点を弄ることができ,髪形などを思い思いにデザインできるようになっています。

4Gamer:
 スキンエディットを使い,オリジナルを追求する人はたくさんいますよね。中には“どこかで見たことあるキャラだな”とか。ユーザー間のスキンの共有も盛んでした。

高橋氏:
 GAMではPC版で使われているスキンを,一部制限があるとは思いますが,そのまま利用できるように対応中です。また,公式スキンも提供していく予定です。

4Gamer:
 新しい頭部がリリースされると,ポリゴンの頂点の数がすぐにユーザー間で共有され,それを元にさまざまなクリエイティブに走っていた人が大勢いました。

高橋氏:
 基本的に個々人に楽しんでもらうためのユーザー自作ツールとして提供しているので,そうやって遊んでもらえるのはありがたいことです。

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4Gamer:
 さて,それらアクセサリをはじめとするカスタマイズ要素も1つですが,GAシリーズの奥深さを支える部分はなにより,キャラクター操作の追求を挙げる人が多いと考えています。

有馬氏:
 そうだと思います。

4Gamer:
 GAMではスマホ画面上のバーチャルパッドを使ってキャラクターを操作していきますが,これを納得いくまで設計するのは大変ではありませんでしたか。

有馬氏:
 8軸のバーチャルパッドによるキャラクターの移動操作もそうですが,攻撃やジャンプボタンをどのように配置するか,どんな形状にするか,どれくらいの大きさにするか,それらを散々試しましたね。

 案は大きく2つありました。初めて遊ぶお客様でも分かりやすいよう,大きなボタンを押しているだけで戦える配置にするか。もしくは,すべてのバトルシステムにアクセスできるフルスペックの配置にするか。この2つで揺れていました。

 結果として選んだのは,いくつかのキーパターンやデザインをあらかじめ収録し,ボタンも個別に動かせるようにして,個々人で設定してもらう形です。もちろん,誰でも違和感なく遊べるようにと,デフォルトのパターン自体は追求しています。

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4Gamer:
 確かに,さきほど遊ばせてもらった際はシリーズ経験者はもとより,未経験者でも直感的に遊べる設計になっていました。ですが,初心者はまず,360度の3D空間のバトルに慣れないと攻撃が明後日の方向に飛んでしまいそうですね。GA的にはそれらも駆け引きの一つなのですが。

有馬氏:
 当初はAIM(照準)を無しにしていたんですよ。ですが実際にテストしたところ,荒井ぐらいしか攻撃を当てられないんです。そのため,今はある程度は“自動AIM”が効く仕様にしています。ちなみにこの自動AIMはオプションでOFFにすることも可能です。

4Gamer:
 上級者ほどすぐさま外しそうです。人によってはジャンプめくりや,起き気味の射撃など,細かく調整する職人技を好みそうですので。

有馬氏:
 設定周りに関しては,誰でも遊べるレベルの水準を提供しつつ,以降は各々のカスタマイズの追求に委ねたいと思います。

4Gamer:
 ただ,個人的にはバーチャルパッドにも限界があるのではと感じられました。キャラクター操作のあくなき追及がどうしても付いて回ってくるゲームなので,スマホである限り,操作性の壁が見えてしまいます。ファンにとって分かりやすいのはキーボード操作とパッド操作の対比でしょうか。慣れればいけるのかもしれませんが――。

有馬氏:
 そうかもしれないと思い,今回はこういうのを用意してみました。

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4Gamer:
 おお! パッドですね!

有馬氏:
 やはり! パッドですよね!

4Gamer:
 GAMの発表時,このようなガジェットを装着できるか,有線でコントローラーをつなげられるかを思索したプレイヤーは多いはずです。昨今のムーブメント的には,“Nintendo Switchの形式でスマホゲームを遊ぶ”とでもいいますか。

有馬氏:
 最近は腰を据えてプレイできるスマホゲームもトレンドですので,他社製品ではありますが,急遽パッド対応を試してみたんです。どれほどのお客様にリーチできるガジェットなのかは社内で相談中ですが,弊社はコアゲーマーの方々に支えられてきた会社ということもあり,ファンの方々にはリーチしやすい形態なのではないかと。社内でもこの形態の評判はいいです。

4Gamer:
 タッチペンといった小道具とは違い,大型のガジェットはスマホの手軽さを犠牲にしますしね。それでも,コア層にとってはやはり必要かと。だって,“後ろにジャンプしてすぐに後ろを向く”のが基本行動なゲームでしたので,バーチャルパッドだけではそれらを再現できず,あと一歩の操作性を求めるプレイヤーが出てきてしまうはずですので。

高橋氏:
 とくに対人戦は,皆さん本気ですからね。

4Gamer:
 スマホゲームのジャンルも裾野が広がってきたとはいえ,対戦格闘をはじめとするキーとボタンの複合操作が求められるゲームは,いまだ本格的な参入の糸口に悩んでいる印象です。そんな中で公式が“この形態”をサポートしてくれる考えがあると,コアゲーマー的には心強いかもしれません。

有馬氏:
 市場がないなら私たちで作ればいい。弊社的にも,そう考えています。今後どのような形でサポートしていけるのかはまだまだ未定ですが,お客様にゲームを遊んでもらう機会を提供するのと同時に,こういったプレイスタイルについても考えていきたいです。


市場よりも“お客様の熱意”を信じる


4Gamer:
 御社では新作のテストプレイをはじめ,プレイヤーを招いてのオフラインイベントをよく行われていますが,海外でもそういった催しは行われてきたのでしょうか。

高橋氏:
 GAシリーズの海外展開はこれまでパブリッシャー任せで,やっていた地域ではやっていたという感じです。一例を挙げると,タイではオフイベが人気であったと聞いています。あとは世界大会ですね。あれ自体が巨大なオフイベみたいなものなので。

4Gamer:
 御社で提供されてきたタイトルはいずれも,e-Sportsという概念が,e-Sportsという言葉で広まる前から,その遊び方を提示していたという印象を持っています。今回のGAMでは,昨今のe-Sportsシーンに向けたアプローチを何か考えていますか。

高橋氏:
 私たちが求めることは“お客様がお客様同士で盛り上がってくれること”です。あくまで,お客様たちが醸成した環境に対して提案する,補助する側でいることが大切だと考えています。

4Gamer:
 GAはどういうゲームなのかを知らずとも,対戦画面を見ていればどういうゲームなのかが分かるという点で,見ている側が楽しみやすいゲームですよね。

有馬氏:
 先ほど言った“分かりやすくする”には,その点も含んでいます。対戦を見ているだけでも楽しいという人が増えれば,それだけでGAMの輪が広まっていきます。また,継続的に大会が行われれば,そこには必ずヒーローのような出場者が生まれてきます。

4Gamer:
 日本の大会常連者でいうところの,repi選手のような?

有馬氏:
 そうですね。repi選手こそヒーローだと思います。そういったお客様方の機会を取り持ち,大会という場でサポートすることも,ゲーム全体の盛り上がりに必要なことです。お客様が楽しみ,盛り上がったところを運営がしっかりと汲んでいく。その流れをうまく循環させていくのは,この仕事の楽しいところでもあります。

4Gamer:
 なんでも,GAMでは個人で大会を主催する機能を搭載しているとか。

高橋氏:
 「自分で大会を開けると,自分で実況をできるから,そんな機能が欲しい」という要望を受けたため,個人でも大会を開ける機能を搭載しました。スタイル限定の大会や,主催者の所持アクセサリを報酬にする大会など,お客様同士で盛り上がりを作っていただくこともできます。

4Gamer:
 大会報酬を設定することができるのですか。初心者大会などがあると,未経験者でも遊びやすいと思います。

高橋氏:
 いろいろなルールの大会を作ることや,それらを見つけて遊んでいただくのも,楽しみの1つだと考えています。

画像集 No.031のサムネイル画像 / 市場よりも熱意を信じる。世界3000万人のファンが待っていたスマホ向け3Dアクション「ゲットアンプド モバイル」の開発陣インタビュー 画像集 No.032のサムネイル画像 / 市場よりも熱意を信じる。世界3000万人のファンが待っていたスマホ向け3Dアクション「ゲットアンプド モバイル」の開発陣インタビュー

4Gamer:
 話は変わりますが,日本のスマホゲームは年々勢いが上がっています。GAシリーズが最も盛り上がった韓国市場も,昨年のG-Star 2016(関連リンク)を見るところ,スマホゲーム一色といえるほどの割合になってきました。この情勢下でGAMをリリースする不安というのはありませんか?

有馬氏:
 どうです,高橋さん?

高橋氏:
 うーん,うちの会社って,あのゲームに対抗してこれを作ろうとか,そういうのがないんですよね。

有馬氏:
 まったくないですよね。

高橋氏:
 弊社はマイペースに,自分たちの作りたいものを作ろうというスタンスでやってきているので,他社のすごいタイトルを見ても,まったく気にしませんね。実際,私たちのゲームは他社ではあまり見られない特徴を押し出せていますし,仮に真似されたとしても,それは真似でしかありません。もちろん,他所のタイトルも研究のためにチェックはしていますが。

 独自の文化を築いていれば,それに気付いたお客様たちが,サイバーステップというブランドのもとに足を運んでくれるだろうと考えています。私たちの独自性を信じて進んでいけば,私たちにしかできない市場に食い込めるのだと。おそらく,このスタンスでこれからも突き進んでいくはずです。

有馬氏:
 GAMはこれまで,いろいろなパートナーさんとお話をしていく中で,「これは売れない」とハッキリ言われたことが何度もありました。当然ガッカリしますが,実際にCBTを行うと,熱狂的なお客様たちが待ってましたとばかりに遊んでくれるんです。それこそ,昨年の中国でのCBTの件もそうです。

 私たちは今の市場動向は二の次で,まずは“お客さんの熱意”を信じています。……中々熱いことを言ってしまいました(笑)。

画像集 No.010のサムネイル画像 / 市場よりも熱意を信じる。世界3000万人のファンが待っていたスマホ向け3Dアクション「ゲットアンプド モバイル」の開発陣インタビュー

4Gamer:
 インタビュアーの冥利に尽きます(笑)。そういえば,御社ではGAMのほかにも新作クイズRPG「Q&Q アンサーズ」関連記事),サンリオと提携した新作ゲームアプリ関連記事),クレーンゲームアプリ「トレバ 2D」関連記事)と,2017年の年明け早々からスマホ市場への本格的な参入を匂わせていますよね。

高橋氏:
 社内の方針としてスマホ市場に挑もうと決めたのは,約3年前のことでしたが。

4Gamer:
 それが形になってきたのが,今年であると?

高橋氏:
 これまで四苦八苦しながらさまざまなアプリを開発し,その最たる「コズミックブレイク ソラの戦団」iOS / Android)で,スマホゲームに関する経験値を稼いできました。それぞれのアプリでお客様からの反応を見て,そこで分かったことを吸収し,運営ノウハウを貯めてきたので……今年はいい年になるんじゃないかなと期待しています。

4Gamer:
 それでは核心的なところで,GAMの日本配信はいつ頃を予定されているのでしょうか。

高橋氏:
 まだ正式な日取りは決まっておらず,2017年中としています。日本での配信は“満を持してのタイミング”ですね。

4Gamer:
 GAMはリリース後,どのようなサポートが予定されているのでしょう。アクセサリの追加であったり,イベントの実施であったりと。

高橋氏:
 当面はアクセサリの追加配信をメインにします。現行のPC版に搭載しているアクセサリ数を目指すイメージですね。あとはストーリーのアップデートや,戦闘時のバフを課金要素として提供していきます。

4Gamer:
 こう言ってしまうとなんですが,GAシリーズはアクセサリにしてもスタイルにしても,自分のお気に入りがいくつか用意できてしまうと,人によっては有料アイテムを購入する機会が減ってしまいます。スキンにしても自由に作れてしまい,かつユーザー間で共有できてしまうので,正直ここまで機能多彩に提供してしまうと,スマホゲームとしての集金能力はかなり弱まるのではないでしょうか。

有馬氏:
 そうかもしれません。ですが遊びに制限なく,お客様主体で楽しんでもらうこと,これを大事にしていきたいので,私どもはこれでいいと考えています。好きなだけ対戦し,好きなだけスキンを作ってみてください。

高橋氏:
 当時のGAシリーズを牽引していた運営陣がほかの部署に散らばっているため,運営の形態はこれまでと若干変化するかもしれませんが,やり方をなるべく受け継いでいけるよう心掛けています。

4Gamer:
 本日は長時間のインタビューとなってしまい,恐縮です。最後にGAファン,ならびにこれからGAMを遊ぶという人たちに向けて,一言頂戴できますか。

高橋氏:
 私は今までのGAシリーズを楽しんできた人に“これぞゲットアンプドだ”と思ってもらえるものを作り込みつつ,新規のお客様にも適切なアプローチを心がけていきたいです。とにかくお客様を第一に考えて,ゲームを提供していきたいと思います。

有馬氏:
 今までのスマホゲームとは違う体験や感動を,GAMで味わってほしいなと思います。既存のファンの方々に満足してもらえる内容にしますので,どうぞよろしくお願いいたします。

4Gamer:
 ありがとうございました。引き続き,開発の動向を楽しみにしています。

「ゲットアンプド モバイル」公式サイト

  • 関連タイトル:

    ゲットアンプドモバイル

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