［TGS2022］重量398gの小型ゲームPC「AYANEO AIR」を体験。Switch Lite風の筐体デザインやSteam Deckとの差別化に注目せよ

AYANEO AIR推しのAYANEOブース

　東京ゲームショウ2022のAYANEO/MINISFORUMブースには，小型ながら高性能なゲームPC「AYANEO AIR」が出展されている。Nintendo Switch Lite（以下，Switch Lite）を彷彿とさせる筐体デザインに引かれて，多くの来場客が足を止めていた。いったいどんな製品なのか，体験してきたのでレポートしたい。

AYANEO AIR

　4Gamerのニュース記事でも紹介しているように，AYANEO AIRは，2022年9月16日に国内販売が開始された小型ゲームPCの最新機種だ。
　CPUにAMDの「Ryzen 5 5560U」を採用したり，ディスプレイには有機ELパネルを搭載したりするなど，既存のAYANEOシリーズから全体的にスペック強化が計られている。それと同時に，公称本体重量が約398gという，Nintendo Switchに匹敵する軽さを実現しているのが大きな特徴だ。


　プリインストールOSが，ごく普通のWindows 11というのもAYANEO AIRにおけるポイントで，「Steam」はもちろん，Windows 11対応アプリなら，基本的にすべて動作する。外部映像出力も解像度1920×1080ドットのフルHDまでサポートしているので，外付けディスプレイやマウス，キーボードを接続すれば，普通にWindows PCとして使えてしまうのだ。

見てのとおり，AYANEO AIR上で，ごく普通にSteamが動作している

上のディスプレイが見切れてしまっているが，AYANEO AIRのUSB Type-Cポートに，USBキーボードやディスプレイをつないで使用している様子だ

Windows PCでありながら，Switchと同じ約398gは軽い

　そして，小型ながらパワフルなPCの筐体デザインが，Switch Lite風というのが実に面白い。さすがに重量は，Switch Liteの約275gにこそ及ばないが，標準モデルのSwitchとは同じなので，携帯ゲーム機として十分に許容範囲だ。筆者も，ブースでAYANEO AIRを初めて手に取った瞬間，Windows PCという先入観があったのか，思わず「軽っ！」とつぶやいてしまった。

AYANEO AIRを写真で見ていこう。まずは前面。5.5インチ，解像度1920×1080ドットの有機ELパネルを中心として，Xboxレイアウトのゲームパッド部分を，左右に分けて配置している。今どきの小型ゲームPCとしては，オーソドックスな構成だ

上側面と背面。ショルダーおよびトリガーボタンが，左右で色違いなのはしゃれている。上側面中央付近にある横長の孔は，USB 3.2 Gen 2 Type-Cポートだ。背面に見えるメッシュ部分の一部には，通風孔らしい孔が見えた

下側面にもUSB 3.2 Gen 2 Type-Cポートがある。USBケーブルの左には，カバーに覆われたmicroSDカードスロットがあり，ストレージ増設に利用できる

　東京ゲームショウ2022では，Valve謹製の小型ゲームPCである「Steam Deck」が大きなブースを構えており，来場客の注目を集めている。だが，Steam Deckのスペックをじっくり眺めると，いろいろと気になる点も見えてくる。たとえば，約669gの重量は，両手で持って長時間プレイするには重いのではないか，といった具合だ。
　それに対して，AYANEO AIRは，多くの人が望む小型ゲームPCを，体現しているように思えた。この両機種は，今後もさまざまな形で比較されそうである。

AYANEO AIRシリーズの主なスペック。なお，最上位モデルであるAYANEO AIR Proには，CPUにより高性能な「Ryzen 7 5825U」を搭載するAdvanced Versionも存在する

　これまで筆者は，従来の小型ゲームPCに対して，「デジタルガジェット」という認識だけで見ていた。それがAYANEO AIRに触れたことで，この分野が実用的な「ゲーム機」に，グッと近づいた印象を受けたのだ。AYANEO AIRの東京ゲームショウ出展は，ガジェットファンだけにとどまらず，多くのゲーム機ファンにもアピールしたことだろう。

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