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「Dune: Awakening」については過去にも何度か取材しているが,フランク・ハーバートによるSF古典小説「砂の惑星」をベースにした映画「デューン 砂の惑星」の,テレビや映画のIP開発権を持つLegendary Entertainmentとの正式提携により,「Conan Exiles」で知られるFuncomによって開発が進められてきたサバイバルMMOだ。
水分量が少なく過酷な惑星“アラキス”において,人体覚醒から宇宙間航行のエネルギー源までに利用できる“スパイス”として知られる資源“メランジ”を求めて異なる勢力がせめぎ合う世界が描かれ,プレイヤーはそんな過酷な環境に放り込まれてサバイバルしていくことになる。
Legendary Entertainmentによる映画シリーズが大ヒットしていることもあり,2024年8月に開催されたgamescom 2024に合わせて初公開された「Dune: Awakening」の最新トレイラーは,3日間で300万PVに達するなど大きな話題になった。
[プレイレポ]“砂の惑星”の世界でサバイバルするMMORPG「Dune: Awakening」を最速体験[gamescom]
Funcomは,gamescom 2024に“砂の惑星”のサバイバルMMORPG「Dune: Awakening」のデモを,一般向けに初出展した。1時間に及ぶ試遊では,惑星アラキスのどこかに不時着したプレイヤーが,日陰と水を求めて岩山を彷徨いながらサバイバルしていく様子を確認できた。
そんな話題性が,具体的にどれだけのゲーマーの興味につながるのかは現時点では不明であるものの,Steamではすでに100万件のウィッシュリストを獲得。ここのところはMMORPGというジャンルにブレイクスルーがあまり見られないため,久々にクラシカルなMMORPGにハマり込んでみたいというベテラン勢も,MMORPGはやったことないけれどサバイバルに興味があるという新しいプレイヤーたちにとっても気になる作品となっている。
「Dune: Awakening」は,映画と同じく異なる惑星に住む複数の大領家がスパイスを求め,惑星アラキスに進出し始めた紀元102世紀を舞台にしている。神秘集団ベネ・ゲセリットの一員となったレディ・ジェシカがポール・アトレイデスではなく女児を生むことを選び,何かの理由で砂漠の民であるフレメンたちが姿を消しているという,「砂の惑星」におけるIFの世界を描く。
アトレイデス家やハルコンネン家など複数の大領家は,小説や映画で語られているようにスパイスの掌握を求めて激しく戦い合っている。プレイヤーはフレメンの民が消えた理由を探るために送り込まれた元囚人となり,フレメンの軌跡をたどりながら,いずれかの勢力の諜報員に上り詰め,アラキスの未来に少なくはない影響を与えていくことになるという。
ポール・アトレイデスが存在しない影響については現時点で公表されていないものの,ストーリーを進めてプレイヤーキャラクターの存在意義も明らかになっていくなかで重要な意味を持つと思われる。
ともかく,プレイヤーは“レヴナント・マザー”と呼ばれる女性に,自分の力を覚醒させるイニシエーションを受け,ほかの諜報員と共にアラキスに護送されているときに謎の襲撃にあって墜落しながらも,生き残ったシーンから始まる。
こうした序盤の展開については,先のgamescom 2024でも体験できたものだが,今回のイベントではオープニングムービーがほぼ完成しており,どういう経緯でプレイヤーがサバイバルをスタートさせるのかがはっきりとなっていた。
まだシネマティックスは完成していない状態とのことだったが,この半年ほどでかなり完成に近づいているという印象を受けた。
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序盤を6時間プレイ:序盤はとにかくゲームを学びながらのサバイバル
Funcomは,「Dune: Awakening」については「Conan Exiles」と同様に“サバイバルMMO”と定義しており,そのためにプレイヤーのヘルスコストに関わるサバイバル要素がある。それが太陽の光と,水分の補給である。
原作や映画どおり,太陽光はアラキス上の生物にとって非常に有害であり,序盤にプレイヤーがしばらく砂漠の上を歩いていると,赤外線による光で体力が減少していくことを画面のメッセージで教えてくれる。
これは日陰に入ると収まるので,徒歩で砂漠を移動するなら,岩山の陰になっている部分などの見当をつけながら歩いて行くしかない。
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また,序盤で重要になるのが水分補給であり,時間が経過すると左下の水分メーターが徐々に下がっていく。
筆者は,途中でインタビューがあったためにしばらく席を立ったが,そのたびに後述する自分のベース近くで落命していた。つまり,長めのAFK(Away from Keyboard/ゲームにアクセスしたままで席を外すこと)は避けて,一旦ログアウトしたほうが良さそうだということだ。
しかも,序盤は3段階に分けられたメーターの3分の1しか最大限の補給ができない。これはプレイヤーキャラクターが砂漠で生きていくには,まだ未熟であることを示している。
幸いにも序盤の地域においては,岩山の木陰に水分を溜めた低木が生えているので,それらを採取すればしばらくは生き永らえる。さらに,ゲームのかなり序盤で,倒した敵から血液を搾取し,それを持ち帰って生成する器具を手に入れることも可能だ。
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もう1つ,砂漠における脅威が“サンドワーム”だ。
映画でも地下を高速で動き回りながら地上の小さな音を敏感に感知し,大きな口を開けて飲み込んでしまう巨大ミミズのようなモンスターが圧巻だったが,「Dune: Awakening」においては幼体(と言っても人間よりもはるかに大きい)から,もはや口だけしか見えないような巨大なものまでが登場し,プレイヤーだけでなくビークルも飲み込んでしまうという危険な存在だ。
ゲーム中でも,かなり離れたところでときおり砂の中から飛び出し,何かを捕食している。チキンなプレイを続けた筆者は,なるべく岩盤の強い岩山の近くを通ることにしていたので被害に遭わなかったが,気にせずに砂の上を走り回って実際に食べられてしまった参加者もいたようだ。
砂の上では,画面中央下でどれだけ音を出しているかを表示するメーターが出現し,表示が赤くなるとサンドワームがかなり近くに来ていることを示している。少なくても音を立てずに走る“フレミン・ウォーク“を中盤以降で学ぶまでは,慎重に行動しないとビークルも破壊されることになるようだ。
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作り込まれたガンアクションや,サバイバルに必要なツールの数々
プレイヤーキャラクターが搭乗していた輸送船が墜落したのは,謎の男が発砲したロケットランチャーで撃墜されたからだ。この謎の男はザンタラ(Zantara)という名前であり,何人かの生存者は,DNAに記録された身体能力から生き延びることを許されるらしい。
比較的軽傷だったプレイヤーキャラクターも,アラキスで生き延びるためにザンタラの言いなりとなり,しばらくはチュートリアル的なミッションをこなしながら,基本的なゲームプレイを学んでいくという,初心者に優しいシステムだ。
今回は,30人ほどのメディア関係者が2つのサーバーに分かれてプレイしていたと思われるが,この時点では発砲しても相手にダメージを与えられない,いわゆるセーフゾーンでプレイを進めていくことになる。
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「Duke: Awakening」の基本は銃を使ったガンシューティングや,ナイフなどのメレーファイトとなる。最初に手にするのは,墜落した輸送機から散らばった廃材を使ってクラフティングするスクラップナイフ(Scrap Knife)で,しばらくはデフォルトの武器として活用する。さらに序盤にマップの一帯に蔓延っている盗賊と戦っているうちに,ピストル(Maula Pistol)を入手できる。
SF小説の金字塔とも言われる「砂の惑星」をテーマにしているだけあり,武器は非常にユニークな構造をしていて,このピストルも弾丸ではなく軽量ダーツ(Light Darts)を発砲する仕組みだ。残念なほどに飛距離は短いが,軽量なために発砲スピードが高く,使い勝手はそれほど悪くない。
今回は,より性能の高いライフル(JABAL Spitdart Rifle)も特別パッケージとして同封されていたが,こちらは重量ダーツ(Heavy Darts)を使って,より高いダメージパワーを持っていた。
戦闘に際して興味深かったのが,キーボードの左「Alt」キーを押すことによって任意の方向に短時間のダッシュができるということだ。
これによって,敵が発砲系武器の援護射撃を受けながら,メレー系の武器を持って突進してきたときも,うまくタイミングを見計らって攻撃をかわし,相手にナイフ攻撃を食らわせられる。
対人プレイではPING値によって影響が受けそうな気もするが,単純なバトルシステムにはしないという開発者のこだわりも感じられた。
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数々のノンコンバットアイテムと,原作特有のシールドシステム
ともかく,プレイヤーには1〜8までのロードアウトの割り当てがあり,いくつかの武器を持ち換えながら進めていく。
武器以外にも,カッターレイ(Cutter Ray)は非常に重要な工具であり,砂漠の地表に点在する銅,鉄,スチールなどが含まれた鉱物や廃材に対して,左クリックで鉱脈をスキャニングし,表示される鉱脈の線にそって右クリックでレーザーカットするという代物。
利用頻度が非常に高く,ロードアウトには必ずセットしておきたいところで,アーマーを装着した敵に利用することもできるようだ。
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また,ザンタラの指示に従い,チュートリアルで作り出すのが,双眼鏡,包帯(ヒールキット),コンストラクションツールという道具,そしてリスポーン・ビーコン(Respawn Beacon)と呼ばれるアイテムなどで,これらはすべて序盤のうちはロードアウトに割り当てておこう。
リスポーン・ビーコンはその名のとおり,自分のプレイヤーキャラクターがキルされた場合にリスポーンできる地点を,それぞれのプレイヤーが設定できるものだ。
自分の基地やNPCたちが集う場所など,複数の場所に設置すれば,キルされて落としっぱなしのアイテムを回収する際に,長旅をする必要もなくなるだろう。
もう1つ,「Dune: Awakening」のアーマー(本作ではガーメント/Garment)は,上半身,下半身(ワンピースの場合もあり),グローブ,ブーツ,そしてヘルメットの5種類が基本になる。
序盤はザンタラの指示に従って,廃材や植物から作ったありあわせの「Makeshift」のセットを着込むが,6時間のプレイで1度,新しいセットを自ら作り出す必要があったので,良いテンポで装備をアップグレードしていけるのではないかと思われる。
今回プレイした限りでは実際に確認できなかったものの,開発者に説明を受けたなかで,印象深かったのがシールドのシステムだ。
映画でも描かれていたが,「Duke: Awakening」のシールドは,頭のてっぺんからつま先までが青白いホログラムのような光のフィールドに包まれて敵の攻撃を吸収できるという,原作小説に記述されているタイプのものが登場する。
正式名称を「ホルツマン・フィールド・ジェネレーター」(Holtzman Field Generator)と呼ばれる,腰につけた機器が発する電磁波のようなものだ。
「Duke: Awakening」においては,シールドは常に100%の能力を発揮するが,メレーによる物理ダメージを受けると弱体化するため,ナイフやソードなどの武器が大きな意味を持つ。
そこが一般的なシューティングゲームのシールドと異なるコンセプトであると,ゲームディレクターのジョエル・バイロス(Joel Bylos)氏は解説していた。
また,屋外で使用するとサンドワームに振動が伝わるなどの弱点もある。いずれにせよ,銃器とメレー武器を使い分けて戦うというのは,プレイヤー同士の駆け引きで面白い展開が待っているのは想像が付くだろう。
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簡単操作ながらも,かなり複雑な建物も作れそうなベースビルディング要素
今回のイベントで公開された「Dune: Awakening」の新しい要素が“ベースビルディング”だ。
かなり序盤において,チュートリアルの一貫としてプレイヤーはベースビルディングの楽しさを味わえる。床,壁,屋根,ドアといったパーツを組み立てていくという比較的簡単な作業を行っていくが,その資源に必要なのはカッターレイで掘削した鉱物で,収集するのもそれほど難しくはない。
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上記したように,こうした構造物を作る際には,コンストラクションツールという銃器のような形をしたデバイスを手にし,例えば「屋根」>「斜めの屋根」というようにキーボードでスクロールしながらタイプを変更して,自分の好みのものをデザインしていく。
最初は床が2x2の小さな建物だが,床面積を広げたり,上階を作ったり,景色の良い方向に窓を設置したりして,居心地の良いベースに仕上げていける。気に入ったのであれば,ブループリントを作っておくと,いざ別の場所に移動させたいときも便利だ。
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序盤のベースは,さまざまな機器ですぐにいっぱいになる。
「Duke: Awakening」では,クラフティングのことを“ファブリケーション”と総称しているが,スクラップナイフのような簡単な道具ならまだしも,鉱物を精製したり,ガーメントを作成したりするためには,それぞれの機械が必要となる。
プレイヤーは,収集した資源を自分のベースに持ち帰り,そこからスキルレベルに合わせてアンロックされたさまざまなアイテムや製品を,まさに小さな工場のように作り出していくことになる。
その機械の中でも,頻繁に使うことになりそうなのが「血液蒸留装置」だ。「デューン 砂の惑星」の世界観においては,水分量が少ないアラキスに生きる動物の血液が非常に重要であり,本作でも倒した敵に注射器のようなデバイスを当て,採血して持ち帰る必要がある。
その血液を蒸留して真水に変え,水筒に入れて砂漠の世界で持ち歩くことで,わざわざ植物を貪らなくてもよくなるというわけだ。
今回プレイした6時間で,実際にアイテムを作っていたのは少しの時間でしかないが,それでも作業は煩雑になっていくのを感じた。
周囲で集めた鉱物から金属を精製し,それを一旦装置から取り出して別の機械に運び,ガーメントや武器を製造するという作業を続ける。NPCから採血した血も,集めたものを持ち帰って蒸留装置に入れ,一旦はタンクに溜まった分を小分けして自分の携帯品にするといった具合だ。
一般的なRPGをプレイする人ならば,「ガーメントなんて買えばいいのに」と思ってしまうかもしれない。
こうしたファブリケーション要素は,「Dune: Awakening」のゲームプレイのサバイバル部分を演出するものであり,おそらくプレイヤーがレベルアップするにつれてお気に入りのガーメントや武器を別のものに乗り換える必要もなくなるだろう。さらには水の携帯量も増えることで,水分補給がそれほどの脅威ではなくなっていくと思われる。
やがては,バギーやオーニソプター(シリーズで描かれるトンボのような飛行機)を製造したりメンテナンスしたりする装置や,スパイスを扱う機材も開発し,仲間と大きな基地空間を共有することで大規模な工業化も楽しめるようになるのだろう。
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開発者インタビュー:1週間ごとにマップが変貌するエンドゲームは危険がいっぱい
今回,インタビューに応じてくれたのは,「Dune: Awakening」でチーフ・プロダクト・オフィサーを担うスコット・ジュニア(Scott Junior)氏だ。
Funcomが,初めて開発したMMORPG「Anarchy Online」の運営のため,北米にスタジオを設置したのに合わせて2001年に入社して以降,同社作品の多くに関わり,2020年にはオスロに移って,「Dune: Awakening」の企画から開発に参加してきたという。
今回のテストプレイでは,ゲーム開始直後からの6時間を触った程度だったが,「Dune: Awakening」というライブサービスにおいては,そのエンドゲームの内容も気になるところで,その企画やテクノロジーまでをしっかりと聞いてきたのでご紹介しよう。
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4Gamer:
「Duke: Awakening」の企画はどのように始まったのでしょう?
Scott Junior (以下,ジュニア氏):
2018年にローンチした「Conan Exiles」は我々にとっても大きな成功になりましたが,その次の作品は何かを模索していました。
「Conan Exiles」の開発をとおして我々は多くのこと学びましたが,その開発資産を使ってすぐに続編を作っても,ファンを裏切ってしまうことになります。では,次回作としてコナンよりも大きなIPを模索したときに,「デューン 砂の惑星」に白羽の矢が立ったのです。
まだ,2021年に劇場公開されることになる映画版の製作がLegendary Entertainmentによってアナウンスされる以前のことで,ドゥニ・ヴィルヌーヴが監督と脚本を手掛けるという発表もされていなかったころでした。
4Gamer:
では,映画版との齟齬がないようLegendary Entertainmentと話し合ったり,企画を変更したりしたのでしょうか。
ジュニア氏:
もちろんです。映画は秘密事項が多いので,1作目が劇場公開されるまでは秘密の部分が多かったのですが,我々もまだテクニカルな部分を調整していた段階だったこともあり,非常に幸運な成り行きになったと思います。
映画が公開されて大成功を収めて以降,Legendary Entertainmentのご厚意でセットやプロップを見せていただいたりして,「デューン 砂の惑星」という世界観を同調させることができたと思います。
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4Gamer:
「Duke: Awakening」は,「Conan Exiles」と同じく“サバイバルMMO”と銘打たれていますが,サバイバル要素にこだわった理由を教えてください。
ジュニア氏:
私たちにとってのサバイバルは,未知の環境で現地のライフスタイルやリソースをうまく利用しながら生き延びていくということです。それは,ポール(アトレイデス)の旅路と非常に似ており,「デューン 砂の惑星」の小説や映画で描かれているものそのものがサバイバルなのです。
面白いのは,この未知の環境は原始的なのではなく,独自の文明やテクノロジーが非常に進化した世界であるということです。クラフティングではなく,“ファブリケーション”と呼ぶのも,そうした我々の地球文明ではないけれど,高度な生産力を最初から携えていることが理由です。
4Gamer:
やがては水分摂取も完全自動化できるようになるのでしょうか。
ジュニア氏:
はい。水分補給は「Dune: Awakening」で生きていく上での絶対条件ですが,プレイヤーがゲームを進めていく上でプレッシャーはレベルアップしていくにつれて薄れていきます。
序盤では,生命を維持するために植物を食んで水分を得るというような,根本的なサバイバルを強いられますが,倒した敵の血液を蒸留したり,そのドロップアイテムから水筒を見つけたりしながら,水分補給そのものも大きな問題ではなくなっていくでしょう。
やがては巨大な装置を作り出して,大気から水を得るというシステムも開発できるようになります。
そのころには個人のサバイバルよりも,より政治的な闘争の中でのサバイバルにシフトしていくわけです。
4Gamer:
「Dune: Awakening」のエンドゲームやサーバーシステムについて教えてください。PvPエリアは,「ディープデザート」(Deep Desert)と呼ばれる地域に限定されているのでしょうか。
ジュニア氏:
プレイヤーがクエストをこなしたり,ベースを建設したりする場所は「ハッガベイソン」(Hagga Basin)と呼ばれ,「Conan Exiles」の10倍にあたる500平方キロにわたる広大なオープンワールドになります。
ここでは,現時点で40人強のプレイヤーが滞在して日々のサバイバルを行いますが,ときおりランダムに発生する輸送船の墜落などは,そのエリアがインスタンス化してPvPもアンロックされます。
しかし,基本は「ディープデザート」がPvPエリアとなり,ギルドのメンバーがスパイスの獲得を争うことになります。イメージとしては,花の真ん中の部分がディープデザートであり,その周囲を取り囲む一枚一枚がハッガベイソンで,それぞれのハッガベイソンを渡り歩き,定住拠点を変えることも可能です。
ディープデザートでは各ハッガベイソンから乗り込んでくるプレイヤーによる数百人規模のギルド戦も楽しめ,イメージとしては「PlanetSide」のような,白兵戦に加えてオーニソプターやバギー,サンドバイクを使った激しいプレイを可能にしています。
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4Gamer:
ディープデザートでは何ができるのでしょうか。
ジュニア氏:
PvPエリアのディープデザートは,ほかのゲームとはかなり違うコンセプトになります。
まず,ディープデザートでは原作で「コリオリス・ストーム」(Coriolis Storm)という砂嵐が毎週1回発生し,そのたびに地形をまったく変化させてしまいます。そのたびに,プレイヤーは“カートグラファー”と呼ばれる専用アビリティを持った仲間を送り込み,進出すべき地域のマッピングをしてほかの仲間と共有します。この地図は,ギルド仲間と共有したり,ほかのプレイヤーに販売したりすることが可能です。
砂嵐が発生すると,その地形だけでなく資源の位置も変化しますが,目視できる指標としては“スパイス・ブロウ”(Spice Blow)があります。
4Gamer:
鮮やかな紫色の煙柱ですね! デモでも一度,遠くに見ることができました。
ジュニア氏:
はい,それです。そうした地域にはスパイスがありますから,プレイヤーは“ハーベスター”と呼ばれる巨大な収穫専用のビークルを送り込み,希少なスパイスを獲得できます。また,価値の高い資源や銃器などを獲得できるイベントも発生します。
4Gamer:
スパイスの奪い合いが,PvPのモチベーションになっているということですか。
ジュニア氏:
そうですね。もちろん,ギルド間で協定を結んでスパイスの採取を分け合うこともできるでしょうが,スパイスのある地域やハーベスターの周囲は対人戦が発生しやすい場所になりますし,フレンドリーファイアもアンロックされるので,銃撃戦には気をつけたほうがいいです。ギルドの結束力や外交力も必要になるでしょう。
さらに,余りにも音を出し過ぎていると“リングマウス”と呼ばれる口だけしか見えない巨大なサンドワームがすべてを飲み込んでしまうこともあるでしょうし,小規模な砂嵐も発生します。また,太陽光も激しいですので,水分不足になるリスクは高いです。
4Gamer:
ハッガベイソンで作るような,基地を作ることもできますか。
ジュニア氏:
もちろん,ブループリントを使ってスパイスの産出地に近い場所にベースを作り,そこを拠点にして地域での優位に立つことも可能ですが,1週間後のコリオリス・ストームで無くなってしまいますから,ギルドがどれだけの生産力を持っているか,どれくらいの規模の基地を想定しているかで変わってくるとは思います。
4Gamer:
開発者の皆さんは,よく「EVE Online」と比較しているようですが,巨大な宇宙船の周りを小さな戦闘機が動き回っているように,ハーベスターの周りで戦闘が起っているような戦闘面でのインスピレーションなのでしょうか。それとも経済活動という部分なのでしょうか。
ジュニア氏:
両方ですね。さらに言うと,ギルド間での交渉などプレイヤー同士がゲーム世界を成熟させてくれるようなゲームに成長していくことを願っています。我々は「EVE Online」がどうして長きにわたって成功する作品になったのかを研究していますし,実際にプレイヤーとして多くを学んでインスピレーションを受けました。
ただ,経済面で言うと,少なくともスパイスなどの資源量はコントロールし,インフレやデフレが起きたりしないよう調整していかなければならないのではないかと考えています。
そのためにコリオリス・ストームというサーバーワイプの仕組みがあり,そのフレームの中で調整しやすくしているのです。
4Gamer:
なるほど。現時点で行われているクローズドβテストでは,7対1でハルコンネン家よりアトレイデス家に忠誠を誓うプレイヤーが多いそうですね。
ジュニア氏:
自分たちの大領家を作るという名目が本作のギルドですから,PvPで影響を受けることはないですが,ストーリーにおいて小さな大領家のほうが報酬は多くなるというような,インセンティブを加えることによって拡散できるとは思います。すでにいくつものギルトの大領家ができていて,彼らの成長も楽しみにしています。
もちろん,ソロで活動を続けたいというプレイヤーもサポートしており,ギルド戦には参加できないものの,一匹狼でディープデザートに分け入ってスパイスを獲得することもできますし,それぞれの大領家を行ったり来たりして諜報員としてのストーリーを楽しんでもいいでしょう。
4Gamer:
さきほど別の形態のサンドワームの話をされていましたが,複数のサンドワームがいるのでしょうか。
ジュニア氏:
ゲームの冒頭で,墜落した輸送船を飲み込んだサンドワームがいましたよね。あれでも小さいほうなんです。3つの唇に分かれているので“トライマウス”と呼んでいますが,それぞれの地域に2体ずつ,ディープデザートにいるものも合わせて30種類ほどゲーム世界に存在しています。
それぞれが大きさや見た目も違いますが,ゲーム中では実際のAIにコントロールされて常に活動していますので,たまたま近くにいたので砂上にサンドバイクで乗り出した途端に飲み込まれてしまう,なんてこともあります。
キルすることも乗りこなすこともできませんが,とにかくどんな大きさのものでも逃げてください(笑)。
4Gamer:
エンドゲームのコンテンツも楽しそうですね。ありがとうございました。
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今回のイベントでは,「Dune: Awakening」の序盤のサバイバルだけでなく,エンドゲームの内容についても深く説明され,ゲームが着実に完成に近づいていることが印象付けられた。
残念なのは,メディアイベントを開いても具体的なローンチ時期については言及されることがなく,「2025年前半のフルローンチ」に留まっていることだ。
また,ジョエル・バイロス氏が話していたことだが,「Free-to-Playではなく,トラディショナルな月額制で押し通すことを,Level Infiniteがよく許してくれたと思う」と語っていたように,これまでのFuncom作品同様の月額制販売モデルになると思われる。
インタフェースと字幕は日本語化される予定にもなっており,「指輪物語と並ぶファンタジー小説の双璧」と称されることも多い「デューン 砂の惑星」の原作ファンも,映画を観てその世界観に惚れたという人も,そのローンチが楽しみなのではないだろうか。
とりあえずは,Steamストアページでウィッシュリストに登録し,その続報に期待しておきたいところだ。
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Funcom本社にも初潜入:北欧で30年を超える温かそうな家族
今回のメディアイベントは,ノルウェーのオスロ中心部にあるイベントスペースで開催されたが,参加者はほど近い場所にあるFuncomオフィスにも招待されたので紹介したい。
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Funcomが創業したのは1993年のことで,もともとはセガのメガドライブや任天堂のスーパーファミコン向けの開発元だ。
その名が現地以外でも知られるようになったのは,1999年にPC向けにリリースしたポイント&クリック型アドベンチャーの「The Longest Journey」であり,当時としてはかなりのヒット作になる50万本を記録している。
2001年になると,「Ultima Online」や「EverQuest」などのMMORPG第一次世代に続く,「Anarchy Online」をローンチし,この世代では初めてとなるSFテーマが根強いファン層を獲得。当時,50〜70人しかいなかったという開発チームでスケールの大きなMMORPGを作り上げるのは至難の業とも言えたが,今年で24年目となるサーバーが現役で運営を続けている。
同社のIPである「The Longest Journey」については,2006年には続編の「Dreamfall: The Longest Journey」をリリース。さらに,2012年にはMMORPG「The Secret World」をローンチしたが,現代の都市伝説などを絡めたシェアワールドのコンセプトはユニークだったものの,商業的には失敗作となった。
一方,古典冒険小説をライセンスしたMMORPG「Age of Conan: Unchained」を2008年にリリースしており,その第2弾となったのが「Conan Exiles」(2018年)である。その直後から,コアメンバーが新作となる「Dune: Awakening」を企画し始めたというのは,上記のスコット・ジュニア氏のインタビューでも示唆されている。
Funcomのオフィスは,オスロの商業地区にほど近いビルの8階と9階部分にあり,現在では30か国から130人ほどのメンバーで構成されているという。アメリカのノースカロライナ州に加えて,ポルトガルのリスボンやルーマニアのブカレストにもオフィスを持ち,全体では400人を超える規模の企業になっている。一方,2020年2月には中国のTencentに完全買収されており,実質的にもLevel Infinite傘下のゲーム企業となっていることで,経営面では安定していると思われる。
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そんな伝統や経緯もあってか,Funcomの社内は家族的な雰囲気が強く,アメリカ人であるスコット・ジュニア氏やジョエル・バイロス氏のように20年も在籍しているようなメンバーは少なくない様子だ。
オフィスは,中が吹き抜けの「ロ」の字のような建物になっていることもあり,社内会議をする専用部屋のような場所は見られなかった。そのため,40人ほどの人が立ち話をするのが精一杯といったラウンジスペースのほかは,部署ごとに小刻みにセクションが分けられていた。
Funcomが現在開発中であることが知られているのは,実に「Dune: Awakening」一作のみで,それだけ同社は開発リソースを本作に全力投球していると言えるだろう。
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