Razerは,米国時間1月7日から10日まで行われた「CES 2025」に出展し,同社製ゲーマー向け周辺機器の新製品を披露した。Razerは,2024年のCESまで展示ホール内にブースを構え,来場者の注目を集めていたが(
関連記事),今年は会場内のミーティングルームでの展示に切り替わっていた。
展示の目玉は,ゲーマー向けチェアのコンセプトモデルである「
Project Arielle」や,GPUに「
GeForce RTX 50」シリーズを採用したゲーマー向けノートPCの「
Razer Blade 16」だ。
Project Arielle
Project Arielleは,座面と背もたれにメッシュ素材を採用したゲーマー向けチェアで,Razerが「世界初」を謳う温度調節機能の採用が見どころとなっている。
Project Arielle。既存製品をベースに,背もたれ部分のフレームに空気を送る仕組みで,冷感と温感機能を実現する
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Project Arielleは,既存製品の「
Razer Fujin Pro」をベースとしており,椅子の下部に大型ファンを設置して,そこから吸気して背面フレーム内に風を送り,首もとや体に風が当たる仕組みだ。ファン部分にはヒーターも内蔵しており,冷却だけでなく加熱機能も備えている。
肩から首筋あたりのフレーム部分に風が吹き出すスリットが配置されている
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背もたれのフレーム全体にスリットを設けており,体を包み込むように風を送る
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背面の腰よりちょっと下の部分に配置されたファン。送風による冷却のほか,加熱機能によって温風を背もたれのフレームへと送り出す
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実際に座ってみると,冷風も温風もそよぐようにほんのり当たるという感じである。Razerによると,冷却の場合は体感で2〜5℃程度の低下を見込めるという。また,温風は約30℃の送風を行うそうだ。座面には操作用スイッチがあり,冷風と温風の切り替えやファンの回転速度などを調節できる。
座面右側にあるコントローラ。ファンの回転速度や冷風と温風の切り替えを行う
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また,座面と背面のフレームに搭載するLEDイルミネーション機能によって,冷風の場合は青,温風の場合にはオレンジで点灯して,視覚的にも分かりやすく表示そうだ。今回はコンセプトモデルの参考展示ということで,製品化に関しては決まっていないとのこと。
Razer Blade 16
16インチ級のゲーマー向けノートPCであるRazer Blade 16は,最上位構成で搭載GPUに「GeForce RTX 5090 Laptop GPU」を採用した製品だ。CPUには,AMD製ノートPC「Ryzen AI 9 HX 370」を搭載できるという。本CPUには,最大50 TOPSのAI性能を備えたAI処理ユニット(Neural network Processing Unit:NPU)を統合しており,Microsoftが提唱するAI処理対応PC「Copilot+ PC」の条件を満たしている。
Razer Blade 16
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また,Razer Blade 16は,既存製品から筐体設計を変更しているのもポイントだ。最薄部で約1.5mmの薄型ボディを実現しながら,大型のベイパーチャンバーや2基の空冷ファンによる冷却機構を備える。
左側面のインターフェース
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右側面のインターフェース
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グローバル市場では2025年第1四半期の発売を予定しており,価格は明らかになっていない。
Razer Handheld Dock Chroma
ブースには,携帯型ゲームPC向けドッキングステーション「
Razer Handheld Dock Chroma」も展示されていた。本製品は,スタンド形状で携帯型ゲームPCを立てかけて設置できるドッキングステーションで,PCを立てかける部分は,角度の調整も可能だ。
Razer Handheld Dock Chroma
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搭載インタフェースとして,USB Type-CポートとUSB Type-Aポート×3(いずれもバージョン未公開),HDMI 2.0出力×1,有線LANポートを備える。
背面のインターフェース
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Legion Goを使ったRazer Handheld Dock Chromaの使用例
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Razer PC Remote Play
ソフトウェア製品では,現在β版サービスを提供している「
Razer PC Remote Play」のデモも行われていた。本サービスは,PCとスマートフォンやタブレットを接続して,ストリーミングでプレイできるというもの。Razerによると,接続する製品向けに最適化しており,その製品の最大画面解像度とリフレッシュレートでプレイできるとのことだ。
Androidスマートフォンでプレイした様子
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iPadでのプレイ
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