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IntelでPC製品部門を統括するMooly Eden氏,Sandy Bridgeの性能を強調。Atomベースのタブレットやスマートフォンも公開
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印刷2010/06/08 17:36

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IntelでPC製品部門を統括するMooly Eden氏,Sandy Bridgeの性能を強調。Atomベースのタブレットやスマートフォンも公開

Mooly Eden氏(Vice President, General Manager, PC Client Group, Intel)
画像集#002のサムネイル/IntelでPC製品部門を統括するMooly Eden氏,Sandy Bridgeの性能を強調。Atomベースのタブレットやスマートフォンも公開
 2010年6月8日,Intelの日本法人であるインテルは,定期的に開催している報道関係者向け説明会「IAプレス・ミーティング」を開催。2010年3月以来となる今回は,IntelでPC製品部門のゼネラルマネージャーを務めるSamuel(Mooly) Eden(ムーリー・エデン)氏が来日し,今後の戦略や,次世代CPUマイクロアーキテクチャ「Sandy Bridge」(サンディブリッジ,開発コードネーム)に関するプレゼンテーションを行った。


「PC市場は拡大し続ける」


景気の悪化に伴って2009年は大きく落ち込むと予想されたPC市場。「だが,結果は予想を覆し,堅調に成長を続けた」と,Eden氏は,コンシューマPC市場の強さを強調する
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 Eden氏が行ったセッションの題は「コンピューティングの進化と革新」。Eden氏を“ノートPC部門の顔”と記憶している読者も多いと思うが,現在の氏は,デスクトップPCを含むPCクライアント製品部門「PC Client Group」を率いており,氏のカバー範囲は,ノートPCビジネスだけに留まらない。
 そんな氏は,「デスクトップ,ノートブック,タブレット……。これら複数のプラットフォームについて我々がどう考えているかをお話ししたい」と話を切り出した。

 Eden氏は,「2009年,金融機関の破産や破綻が相次ぎ,経済はメルトダウンを起こしたとさえ言われた」と昨年の景気後退に触れ,そうした厳しい状況下にあっても,PC市場は予想以上の成長を記録したと,PC市場の強さを強調する。「一般消費者はPCを買い続けた。それはなぜだろう?」

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北米市場では,2008〜2009年と連続して,ノートPCが「クリスマスに欲しいもの」1位の座を獲得したという
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PCは生活になくてはならないものだとEden氏
 その理由として氏が挙げたのは,「PCのプライベート化」だ。
 会場に集まった報道関係者に既婚者が少なくないことを確認したうえで,Eden氏は「妻が携帯電話を壊してしまったとして,あなたは自分の携帯電話を妻に貸しますか?」と質問し,自分の携帯電話を貸す人は少ないと述べる。
 「妻とうまくいっていないとか(笑),そういうことではない。これは,携帯電話がプライベートなものだからだ」(Eden氏)。そしてPCも,個人個人がインターネットに接続することから,同じようにプライベートなものになっている。1人1台が当たり前になってきているというのが氏の主張だ。

 Eden氏は「COMPUTEX TAIPEI 2010で,タブレット型の情報端末が注目されていたが」と前置きしつつ,今後も,中心であり続けるのはPCだと予測する。「1人当たり1台のノートPCやNetbookを使うようになる。したがって,PC市場はこれからも伸び続けるだろう。PCは生活に欠かせないものになっていく」。


「Sandy Bridgeは,目を見張るような

パフォーマンスになるだろう」


Sandy Bridgeの概要。CPUにグラフィックス機能を統合し,11億6000万トランジスタが集積される
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 1人1台のPCを使う時代になれば,ノートPCの重要性はより増していくとしたEden氏は,現行世代の「Calpella」(カルペラ)プラットフォームを採用したノートPCのパフォーマンスが,「すばらしいものになった」と自画自賛。そのうえで,2011年の登場が予告されているCPUマイクロアーキテクチャたるSandy Bridgeについて,「さらに速くなるだろう」と予告する。

 Calpellaプラットフォームで採用されるArrandale(アランデール)コアのプロセッサでは,CPUコアとメモリコントローラ&GPUがワンパッケージに収まり,TDP(Thermal Design Power,熱設計消費電力)の枠内で,必要に応じてそれぞれの動作クロックが引き上げられる「Intel HD Graphics with dynamic frequency」が大きな特徴だ。「言うなれば“スーパーブースト”(Super Boost)。ここに集まっている皆さんが,目を見張るようなものになる」(Eden氏)。

 また氏は,「統合されるGPUも素晴らしいパフォーマンスを実現する。ハイエンドのゲームをプレイするなら,単体のグラフィックスカードが必要になるかもしれないが,そうでなければ,プロセッサに統合されたグラフィックス機能で十分になる」と説明。人間の表情をリアルタイムでキャプチャし,ゲーム内のアバターキャラクターに反映させるというムービーを披露した。


こちらは,バーチャルな鏡を使って自分に合うドレスを選ぶというシチュエーションのデモ。鏡に映った自分のドレスの形や色をリアルタイムに切り替えられる。上のデモと同様,「Sandy Bridge世代のCPUで実現できること」として紹介された
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 正直,今回紹介されたデモがどこまでSandy Bridge世代で現実のものとなるかは分からない。ただ,スムーズに動くアバターの表情からは,グラフィックス機能統合型CPUやチップセットの利用が前提という,カジュアルなオンラインゲームの常識が変わる可能性も,確かに感じられる。

 Eden氏はセッション中,Sandy Bridgeの性能について,「すごい」「驚き」と何度も繰り返していた。それだけ自身があるということなのだろう。

身振り手振りを交えながら語るEden氏。いつもながら,氏のセッションは聞いていて面白い
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 なお,下に示したのは,Sandy Bridge世代のCPUと,CalpellaプラットフォームのCPUとで,マルチスレッド処理対応のCPUベンチマークソフト「CINEBENCH 10」の実行速度を比較したもの。右がSandy Bridgeだが,4コア8スレッド処理により,Eden氏が「すばらしい」とするCalpellaプラットフォームと比べても明らかに速いのが見て分かるだろう。
 「Sandy Brigeについては,北米で開催する次のIDF(※Intel Developer Forum 2010 San Francisco)で,詳細を語れるようになる」(Eden氏)とのことだったので,期待して待ちたい。



「コンピュート・コンティニュアムで,

サーバーからスマートフォンまでIAを」


 Eden氏はこのほか,すべてのプラットフォームをIA(Intel Architecture)でカバーするというIntelの大方針を「コンピュート・コンティニュアム」(Compute Continuum)という言葉で表現していたので,紹介しておきたい。
 これは,「コンピューティングの連続性」とか,そんな意味の熟語だが,要するに,サーバー製品からスマートフォンまで,広くIAベースのコンピュータを普及させようという意味になる。

サーバーからデスクトップ&ノートPC,タブレット,スマートフォン,組み込み機器まで,すべてをIAでカバーしようというコンピュート・コンティニュアム
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Eden氏は,Oak Trailベースと思われる超薄型Netbookを紹介
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 Eden氏はそのなかでも,COMPUTEX TAIPEI 2010でも注目されていたタブレット端末について時間を割いて説明。「Intelは,タブレット用のチップを開発している。高いパフォーマンスをもたらし,マルチタスキングが可能で,OSを選べるタブレットを市場に投入する」と宣言していた。タブレット端末に関しては,オープンな戦略で,先行するAppleと戦っていくということなのだろう。
 また,Netbookに関しても性能の底上げを予告し,「デュアルコアのAtomをNetbook用に投入することで,薄く,軽く,そして高いパフォーマンスを持つNetbookが実現されるだろう」と,次世代プラットフォーム「Oak Trail」(オークトレイル,開発コードネーム)における飛躍を予告していた。

画像集#013のサムネイル/IntelでPC製品部門を統括するMooly Eden氏,Sandy Bridgeの性能を強調。Atomベースのタブレットやスマートフォンも公開 画像集#014のサムネイル/IntelでPC製品部門を統括するMooly Eden氏,Sandy Bridgeの性能を強調。Atomベースのタブレットやスマートフォンも公開
Oak Trailの概要(左)と,IAベースのタブレット試作機(右)。タブレットはWindows 7がインストールされているが,よりタッチ操作に向いたUI(ラッパー)に切り替えられる。写真に見える多数の丸い窓部分が,アイコン的に利用可能だ
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Oak Trailプラットフォームを採用すると思われる展示機×2

 このほか,会場にはモバイル関連で興味深いデモがいくつか並んでいたので,それらは以下,写真やムービー中心でお届けしたい。次世代Atomベースのスマートフォンで,OpenGLベースの3Dアプリケーションがグリグリ動いているさまなどは必見だ。

米OpenPeakが開発中の,「Moorestown」(ムーアズタウン,開発コードネーム)ベースとなるタブレット「OpenTablet 7」。7インチ液晶を採用したモデルだ。Intelが開発に協力しているLinuxベースのOS「MeeGo」が動作していた
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  • 関連タイトル:

    Core i7・i5・i3-2000番台(Sandy Bridge)

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