Ryzen Desktop Processor with Radeon Vega Graphics
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2018年2月12日23:00,AMDは,「Raven Ridge」(レイヴンリッジ)という開発コードネームで呼ばれていた新世代APUのデスクトップPC向けモデル「
Ryzen Desktop Processor with Radeon Vega Graphics」を正式に発表した。
4Gamerではすでに,第1弾製品となる「
Ryzen 5 2400G」「
Ryzen 3 2200G」の
レビューを掲載済み。「PCゲームでどれくらいの性能を期待できるか」を
米田 聡氏が探っているので,待望のAPUが持つポテンシャルを知りたい場合は,そちらをぜひチェックしてほしい。
本稿では,筆者が実際にRyzen 5 2400GとRyzen 3 2200Gでゲームをプレイしてみたインプレッションを,プレイムービーともどもお届けしてみたいと思う。
視認性などを考えて自分に合ったグラフィックス設定を探そう
今回用意したゲームタイトルは,「
Overwatch」と「
World of Warships」(以下,WoWs),「
PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS」(以下,PUBG)の3本。低コストでゲームPCを入手したいと考えている人が,入手後,真っ先にプレイすることになるであろうゲームから,時間の都合もあって3タイトル選んだ次第だ。
ここで,筆者なりの「PCゲームに求めるグラフィックス設定」をまずお伝えしておこう。
筆者はMOD版「
DayZ」をプレイするまで,1920
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1080ドットのいわゆるフルHDにはこだわっていなかった。「プレイしていて“重かった”ら,解像度を下げればいい」と思っていたわけだ。
MOD版DayZより。ちなみに「MOD版」と断っているのは,もともとDayZがミリタリーFPS「ARMA2」のMODとして立ち上がった経緯があるためだ
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しかし,プレイヤーの行動によって服装が替わるシステムを搭載していたMOD版DayZで,「低い解像度だと,遠くにあるオブジェクトが敵なのか否か」の判断がつきにくく,対応が後手に回って倒され悲しい思いを幾度となくしてきた。そこで,多少の性能を犠牲にしてでもフルHD解像度を選択したところ,「遠くのオブジェクトが敵であり,かつどちらの方向を向いているか」をしっかり視認できるようになり,かなりの恩恵を受けることができたのだ。
それ以降,筆者としては,
対戦系3Dゲームを「プレイできる」のではなく「戦える」解像度は1920×1080ドットであると理解している。
今回取り上げるRyzen 5 2400GやRyzen 3 2200Gの場合も,まず解像度は1920
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1080ドットで固定。そのうえで,平均60fpsを目指して,描画設定を落としていくことになる。
テスト中の筆者
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ちなみに筆者の場合,組み合わせるディスプレイがG-SYNC(もしくはFreeSync)対応でない場合は,1秒あたりの描画枚数をまず増やすべく,垂直リフレッシュレートを無効化する。そのうえで,グラフィックス設定プリセットを1段階ずつ下げていって,それでもまだ平均60fpsに届かない場合は,さらにテクスチャ解像度やライティング,アンチエイリアシング,描画距離など,フレームレートに大きな影響が出やすいものを極力低めに下げていくというやり方を採用している。
もちろん,ゲームタイトルによってはこれらの設定を逆に高めにすることで視認性が増してアドバンテージになるケースもあるので,絶対ではないが,それでも,「大事な場面でカクつく」恐れを極力排除するため,
できるだけグラフィックス設定を下げるというのは,筆者にとっての正義なのだ。
ところで,今回用いている3タイトルのうち,OverwatchとPUBGにはレンダースケールに関する設定項目がある。
レンダースケールというのは描画解像度のことで,たとえばゲーム画面の解像度設定が1920
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1080ドットのとき,レンダースケールを仮に50%で設定すると,ゲーム側で描画解像度を縦横半分の960
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540ドットまで下げてレンダリング(=描画)して負荷を下げつつ,それを画面解像度である1920
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1080ドットまで引き伸ばして描画してくれる,といった機能になる。
ただ言うまでもないことだが,これは事実上,ゲーム画面の解像度設定を下げているのに等しい。なので,筆者が個人的にプレイする場合,ここを100から動かすことはない。
テストシステム
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以上を踏まえてハードウェアのセットアップに入ろう。
今回はマスタードシードの協力を得て,ASRock製の「B350」チップセット搭載マザーボード「
Fatal1ty AB350 Gaming K4」と,Cyonic製で定格出力550Wの電源ユニット「
AU-550X」の貸し出しを受けることができたので,これを,4Gamerで独自に入手したRyzen 5 2400GおよびRyzen 3 2200Gと組み合わせることになる。
なお,当該APUは単体で,クーラーが付属していなかったため,手元にあった適当なSocket AM4対応空冷モデルを組み合わせてある。この点はあらかじめお断りしておきたい。
 Fatal1ty AB350 Gaming K4B350搭載のゲーマー向けATXマザーボード。メイン電源部は9フェーズ仕様 メーカー: ASRock問い合わせ先:マスタードシード(販売代理店) 問い合わせフォーム実勢価格:1万2100〜1万3500円程度(※2018年2月13日現在) |
 AU-550X奥行き140mmでフルモジュラー式の定格550W出力対応電源ユニット メーカー: Cyonic問い合わせ先:マスタードシード(販売代理店) 問い合わせフォーム実勢価格:8800〜9200円程度(※2018年2月13日現在) |
そのほかテスト環境は
表のとおり。グラフィックスドライバは,
レビュー記事と同じく,AMDから全世界のレビュワーに配布されたものを使っている。
OverwatchとWoWs,PUBGはRaven Ridgeでどれくらい動くのか
3タイトルのテスト結果を,順に見ていこう。
Overwatch
上から順に,Ryzen 5 2400G搭載時とRyzen 3 2200G搭載時のグラフィックス設定
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Ryzen 5 2400G,Ryzen 3 2200Gのいずれにおいても,グラフィック品質プリセット「NORMAL」だと,戦闘中に看過できないレベルの処理落ちを確認できた。そこで,プリセットはそのままに,まず「レンダースケール」を100%へ引き上げつつ,
- Ryzen 5 2400G:「詳細設定」以下の「モデル表現」「ライティング品質」はプリセットのまま保持し,残る設定項目は最も低くする
- Ryzen 3 2200G:「詳細設定」以下の設定項目をすべて最も低くする
という対応を行った。
この設定を行うことで,プレイ時にマウス(=視点移動)がもたつくような描画遅延を回避することができている。
実際のプレイ結果は下に示したムービーを参照してほしいが,もともとOverwatch自体の描画負荷が低いこともあり,グラフィックス品質に高望みしなければ,Ryzen Desktop Processor with Radeon Vega Graphicsで普通に「戦う」ことができる印象だ。
World of Warships
上から順に,Ryzen 5 2400G搭載時とRyzen 3 2200G搭載時のグラフィックス設定
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Ryzen 5 2400Gでは「グラフィック品質」プリセットを「中」にして一段高い画質に,Ryzen 3 2200Gでは一段低い「低」を選択した。Ryzen 5 2400G+中プリセットだと,艦艇のモデルだけでなく,海面や,砲撃時のエフェクトなどが少しゴージャスになり,それでいてフレームレートはおおむね60〜75fpsを確保できていた。巡洋艦による連続砲撃が続くと,描画は若干スローダウンするので,それが気になるなら,「グラフィック」以下の詳細項目を下げるといいだろう。
一方,Ryzen 3 2200Gのほうでは限りなく描画設定を落としてあるため,艦船の表示は薄っぺらくなってしまうものの,フレームレートは55〜75fps程度を維持でき,快適に「戦う」ことが可能になる。
PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS
結論から先に述べると,Ryzen Desktop Processor with Radeon Vega Graphicsで
PUBGをプレイするのは可能だが,PUBGを戦い抜くのは無理だ。素直にグラフィックスカードを購入すべきだろう。
具体的に述べると,Ryzen 5 2400Gを差した状態で,「高度な設定」以下の「全体クオリティ」プリセットを最低の「非常に低い」に設定し,筆者としては禁断のレンダースケール設定である「画面スケール」を最小の70に下げるという,(解像度1920
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1080ドットを維持する前提で)およそ考えられるすべてのグラフィックス設定を下げきったが,それでもオブジェクトが多い場所や遠距離まで見通せる場所,人の多い場所では処理落ちする。
今回はRyzen 5 2400Gのプレイムービーのみを示す――Ryzen 3 2200Gのプレイムービーは掲載する理由が見当たらない――が,普通に移動したりアイテムを取得したりするだけでつらく,1対1ではほぼ確実に打ち負けるあたりに注目してもらえれば幸いだ。
ゲーム次第では十分に「戦える」レベルの3D性能を示すRaven Ridge
以上,日本でも人気の3Dオンラインタイトル3本でRyzen 5 2400GとRyzen 3 2200Gを実際にプレイしてみたが,
OverwatchとWoWsであれば,グラフィックス設定次第で普通に「戦える」レベルの3D性能を持つと断言していい。PUBGを前にすると完全にお手上げなので,無理なものは無理といったところだが,2018年におけるローエンド市場向け単体GPU程度には,3D性能にも期待できると言っていいのではなかろうか。1万円台半ばから2万円台前半で購入できる「4コアCPU」の3D性能としては相当に高い,と言ってもいいだろう。
マザーボードに適当なグラフィックスカードを差したところ。x8接続になった
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重要なことは,「とりあえず試してみて,ダメだったらグラフィックスカードを追加すればいい」ということだ(※グラフィックスカード用のPCI Express Gen.3レーン数は16でなく8だが)。CPUとしてのRyzen 5 2400GとRyzen 3 2200Gには相応の期待ができるので(
関連記事),とにかく低コストでゲーム用PCを1台組みたいなら,Ryzen 5 2400GとRyzen 3 2200Gは考慮に値すると思う。