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年末年始,これだけは遊んでおこう! オススメのシミュレーション/ストラテジーゲーム,ベスト10
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印刷2016/12/28 00:15

企画記事

年末年始,これだけは遊んでおこう! オススメのシミュレーション/ストラテジーゲーム,ベスト10

 残りわずかとなった2016年は,1月の「三國志13」に始まり,「Hearts of Iron IV」「Total War: WARHAMMER」「Master of Orion」「シドマイヤーズ シヴィライゼーション VI」など,シミュレーション,ストラテジーゲームファンなら注目せざるを得ないような大作が数多くリリースされた豊作の年だった。筆者にとっては,「これらのゲームを,限られた時間の中でどうやって消化するか」というテーマで戦略級ゲームが作れるくらい取捨選択を真剣に考えた,嬉しくも悩ましい1年でもあったのだ。しかも,最近のゲームはどんどんボリュームが大きくなってきて,1本やるのも大変になってるし。

Hearts of Iron IV
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Total War: WARHAMMER
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Master of Orion
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 そこで,この苦悩をぜひ読者の皆さんにもおすそわけしたく,ここで,ここ数年のうちにリリースされた数多くのシミュレーション,ストラテジーゲームの中から,とくに筆者の印象に残った作品を10本,紹介したいと思う。年に一度の年末年始,せっかくゲームをがっつり遊ぶ機会が到来したのだから,やってみようというわけだ。お正月だけど,やることないなあという(筆者のような)人は,ぜひチェックしてほしい。
 記事を盛り上げるため,ベスト10形式にして各タイトルに順位を付けているが,これはあくまでも濃いめのシミュレーション/ストラテジーゲーマーを自負する筆者の主観に基づいたものであり,したがって「この順位は許されない」とか,「我が社の作品が入っていない」という意見はあるかと思うが,ぜひご理解いただきたい。

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 紹介するのは,2016年に発売された欧米産の戦略級タイトルが中心となる。ジャンルの性格上,どうしてもPCゲームがメインになってしまうが,コンシューマ版がリリースされている作品もあるので,そのへんは,公式サイトをチェックしていただけると幸いだ。また,2015年に発売された作品もこっそり含まれることを,あらかじめお断りしておきたい。
 さらに,公式またはファンメイドMODによる日本語版の有無についても記しておいたので,購入時の参考にしてほしい。言うまでもないと思いつつお約束だから言うが,MODの使用はあくまでも自己責任でお願いします。というわけで,いってみよう。まずは,第10位からだ。


第10位

スチームパンクとクトゥルフ,そして探検モノの不思議な融合
■Sunless Sea

開発元:Failbetter Games
販売元:Failbetter Games
公式URLhttps://www.failbettergames.com/sunless/
備考:英語のみ

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立ち寄った街では,いろいろなイベントが発生する
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 「Sunless Sea」は2015年に発売された,探索系ゲームだ。
 プレイヤーは蒸気船の船長となって,地下世界に堕ちたロンドンとその周辺の海域をめぐっていく。Steamのプロダクトページでは本作のジャンルがアドベンチャーとなっているが,後述のように実際はシミュレーションゲームに近い。

 さて,このゲームの魅力はその世界観にある。ヴィクトリア朝のイギリススチームパンク,そしてクトゥルフ的な雰囲気が融合して,不思議な魅力を醸し出しているのだ。ゲーム世界には,奇妙な街や,なぜ存在しているのか解明できない物体で満ちており,プレイヤーが引き受ける依頼も謎めいたものばかりだ。
 こうした世界観を心から楽しむためには,かなりの量の英文を読まなければならないので,誰にでもオススメというわけにはいかないのだが,スチームパンクやクトゥルフなどが好きな人にとってはたまらないものがあるはずだ。

探索の中で,プレイヤーはさまざまな不思議な土地にたどり着くが,いくつかの謎は不明のまま。このあたりは,クトゥルフ神話の影響が強そう
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 システム的には,懐かしの「大航海時代」「The Atlas」に近く,世界を探検して収入を得ると共に,プレイヤーキャラクターの能力を高めていくのが大まかな流れになる。物資補給や航路の選択を中心に戦略性が高いので,上記の作品のファンもぜひ試してほしい。

食糧と燃料,そして灯りさえない海域を航行するとき,「恐怖度」は急上昇する。上昇する恐怖度の管理はかなりシビアだが,その分やりごたえがある
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 お世辞にも快速とは言えない蒸気船に乗り,物資にも限りがある中,深い闇に覆われた海を航行せざるを得ないというシチュエーションは,プレイヤーのSAN値へ深刻なダメージを与えるが,そのぶん,母港ロンドンに帰ってきたときの安堵感はひとしおだ。ちなみに,ゲームパラメータとして「恐怖度」が存在しており,周囲に明かりのない海域を航海しているだけで自然と恐怖度が増加していく。ある意味,夜が最も長くなるこの時期にふさわしいゲームだ。
 なお,本作の世界観を,雰囲気はそのままに,宇宙空間へと移した「Sunless Skies」が現在開発中とのこと。ファンとしては,こちらも期待したい。

暗闇の海を長時間航海し,母港に帰ってきたときの安堵感は,言葉では言い尽くせないものがある
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第9位

こだわりの艦艇設計で理想の艦隊を作り上げ,大海戦に挑む
■Rule the Waves

開発元:Naval Warfare Simulations
販売元:Naval Warfare Simulations
公式URLhttp://www.navalwarfare.org/
備考:英語のみ

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 19世紀から20世紀にかけての「海戦」をテーマにしたコアな作品を数多く制作しているゲームメーカー,Naval Warfare Simulationsが2015年にリリースしたのが「Rule the Waves」だ。
 1900年から1925年にかけての時代を背景に,プレイヤーは20世紀初頭の列強各国の「海軍大臣」になって海軍力を強化し,いざ戦闘になった場合は「艦隊司令長官」として敵国と戦っていく。

海軍という視点から,20世紀初頭の国際関係をシミュレートできる
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 パッと見,プレイ画面は「いつの時代のゲーム?」という雰囲気だが,ストラテジーとして見ると,軍事面だけでなく内政,外交までを押さえた本格派なものになっている。
 とくに艦艇設計へのこだわりは本作の核になる部分で,細部まで自分の好きなように設定できる。例えば装甲厚については,甲板や司令塔,舷側といった各部分が5mm単位で調整できるし,艦砲についても,単装砲から四連装砲まで好きに決められ,設置場所も自由自在という徹底ぶりだ。
 ただし「これは面倒くさい」と思ったら,AIに設計を任せることもできるので,安心してほしい。

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 史実においてこの時期は,19世紀的な姿を残した防護巡洋艦から近代的な弩級戦艦へ,軍艦が大きく進化した時代にあたる。本作でもこうした状況を再現すべく,建造可能な艦艇は武装商船から巡洋戦艦,超弩級戦艦,さらには潜水艦までと多岐にわたっている。もっとも,この時代はいわゆる「大艦巨砲こそ正義」だっため,残念ながら空母は登場しない。

 近年では「艦隊これくしょん -艦これ-」World of Warships」など,軍艦を扱ったゲームも増えてきているので,船の武装や艤装(ぎそう)に興味を持つ人も多いかと思うが,以上のようなわけで,そういう人にこそ,ぜひオススメしたい作品である。

艦船設計は,排水量や装甲厚,艤装の配置などまで設定可能だ。艦船ファンにとっては嬉しいことに,諸元に基づいて船の姿まで生成してくれる
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 こうして建造した自分だけのオリジナルの艦隊を率いて挑む海戦は,本作のもう一つの柱だ。
 2016年は,第一次世界大戦における海戦のハイライト「ユトランド沖海戦」からちょうど100年めにあたる。ユトランド沖海戦や,あるいは日露戦争の日本海海戦のように,巨砲を積んだ軍艦同士の激しい砲撃戦にロマンを感じる人なら,手に汗握る激闘を楽しめるだろう……と言いたいところなのだが,本作の海戦は,各戦隊を指揮するのが煩雑なことや,こなれていないユーザーインタフェースの問題などもあって非常に難しい。心してほしい。
 史実で東郷提督やジェリコー提督が決めたような,敵前一斉回頭などは筆者にはまったく不可能だったので,本作に挑んでみようという人は,ぜひ挑戦していただきたい(丸投げ)。

本作の海戦は,砲弾の命中率が低かったり戦艦が異様に硬かったりとリアルな分,難しい。それだけに,大勝利できれば,戦争そのものの勝利に大きく近づく
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 グラフィックスは見てのとおりだし,システム的にもかなり癖のあるゲームなので,慣れるまでには時間を要するかもしれない。しかし,プレイを続けることで,軍艦やこの時代の政治,軍事に関する知識はきっと深まるはずだ。


第8位

都市建設シミュレーションのトップランナー
■Cities: Skylines

開発元:Colossal Order
販売元:Paradox Interactive
公式URLhttp://www.citiesskylines.com/
備考:日本語対応MODあり

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 Colossal Orderが開発した「Cities: Skylines」は2015年に発売された都市建設シムだが,筆者は現在も引き続きプレイし続けている。きっと,2017年も遊び続けることだろう。

 プレイヤーの思い通りに引ける道路を軸とした都市開発,建築できる建物の種類の多さなど,都市開発シムに人々が求める願望を高いレベルで満たした作品として,今のところ,このジャンルを代表するゲームだと評価されている。
 グラフィックスにも力が入っており,カメラをズームインすると,自分が設計した街の中を実際に歩いているかのような感覚を味わえるのも高ポイントだ。

1年以上をかけた各種DLCのリリースにより,グラフィックスやゲームシステムには深みが増した
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 リリース直後は,複雑さや難度といった面では比較的シンプルな作品だったが,その後,夜間のビジュアルや区画システムを強化したDLC「After Dark」が発売され,続いてデベロッパが拠点を置くフィンランドという土地柄を反映し,“冬の都市運営”という新たな視点を追加した「Snowfall」が,さらに災害関連のイベントや,それに対応した施設が登場する「Natural Disasters」が発売。これら3つの大型DLCがリリースされたことで,ゲームのボリュームは大幅に向上した。

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 とくに,「Snowfall」で寒冷期に対応したインフラの重要性が高まったことは,冬場,雪かき道具や長靴を自家用車に積み込むことが必須であった雪国出身の筆者にとっては懐かしい。また「Natural Disasters」では,都市建設シムの伝統的なバッドイベントである地震,津波,落盤,さらには隕石などが追加され,収支にさえ気をつけていれば比較的平和であった都市運営に適度な緊張感が加わる。
 さらに,災害に対処する施設もこのDLCで多数追加されたため,これらのイベントは単なる不運な出来事ではなく,市長であるプレイヤーの防災能力や災害対処能力が問われるという,今年大ヒットしたあんな映画やこんな映画を思い出させる。

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 こうしたDLCの追加にも関わらず,本作の最大の魅力である「都市開発における自由度の高さ」は揺らいでいない。新たなDLCによってゲームの展開が若干シビアになったとはいえ,資金的なバランスは相変わらず比較的ゆるいため,潤沢な資金を元に,自分の思いどおりの街が造れるのだ。現状では都市開発シムとして頭一つ分抜きんでている作品なので,「新しい年でもあるし,都市でも作ってみようか」と思った人はぜひこの作品に挑戦してほしい。

最新DLCで追加された隕石や地震だが,その被害は割と限定的だ。隕石落下によってい新しい湖ができた,ぐらいはあっても良かったか
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第7位

陸海空の連携が重要な,ターン制の第二次世界大戦シミュレーション
■Order of Battle: World War II

開発元:The Artistocrats
販売元:Slitherine Strategies
公式URLhttp://www.the-artistocrats.com/order-battle-blitzkrieg/
備考:キャンペーンの一部が日本語に対応

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 最近のストラテジーゲームは,グラフィックスに力を入れたり,リアルタイム制を導入してアクション性を高めたりしている作品が多い。それはそれでいいのだが,筆者などは,スリル満点で集中しすぎて疲れたりする。年齢的な問題なのかもしれないが,そんなとき,昔ながらのターン制やへクス制のゲームを見ると,心がほっこりする。いや,ホントに。

作戦では主目標の達成を目指す。さらに,熟練プレイヤー向けに,クリアするとゲーム展開が有利になる副目標も用意されている
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 ストラテジーゲーム専門のデベロッパ,The Artistocratsが制作した「Order of Battle: orld War II」は,そんな雰囲気を持った作品であり,どのキャンペーンでも最初の戦闘は無料でプレイできるので,さらに心がほっこりする。
 タイトルが示すように,この作品は第二次世界大戦をテーマとしており,ユニットを操作して局地戦を戦い抜いていく戦術級ストラテジーだ。2015年4月の発売当初,プレイできたのは日米の太平洋と中国方面のキャンペーンだけだったが,2016年秋に,フィンランドを主役にした「冬戦争」と,ドイツによる「電撃戦」のDLCが追加された。これらのキャンペーンではソ連や連合国ではプレイできないが,ゲームのボリュームは拡大している。

 クラシカルなヘックスベースで,しかもターン制という本作,キャンペーン攻略の鍵になるのは,陸海空軍の連携だ。各戦闘で主役となるのは歩兵や戦車,あるいは航空機などのユニットだが,ときには珊瑚海海戦やミッドウェー海戦のように,艦隊戦も発生する。
 例えば航空機は,一定のターンで燃料切れを起こすので定期的に基地に帰投しなければならないが,戦闘序盤では味方の航空基地がないことがしばしばある。そんなとき,空母から離着艦できる艦載機は,航空戦力の主力として大活躍するのだ。また,戦艦や巡洋艦,駆逐艦による敵拠点やユニットに対しての艦砲射撃も,陸上からの攻撃と連動させることで,きわめて高い効果をあげる。

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 こうした,「陸海空,各ユニットの連携」がなんらかの形で表現されているストラテジーゲーム自体はそれなりにある。ただ,本作のようにその効果を実際に感じられるものは少ないだろう。航空機については,陸上機や艦載機の違いに加えて,敵の士気を下げる「戦略爆撃」と,敵ユニットのHPを削る「戦術爆撃」,あるいは爆弾ないしは魚雷による攻撃といった具合に細かく分かれている。さらに,蒼龍型空母飛龍型空母が別のユニットとして定義されているといった具合に,ユニットの種類やそれを使った攻撃パターンは非常に豊富であり,その筋の人々を唸らせることは間違いないだろう。

一部のファンに根強い人気を誇る伊勢型航空戦艦も,使用可能だ
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日本軍で利用可能な技術ツリー
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 また,本作は基本的に戦術級ゲームだが,成長させたユニットを次の戦闘に引き継ぐことができたり,作戦成功時に獲得できるポイントを消費して技術ツリーをアンロックしていくという,RPG的な要素も用意されている。こうした技術ツリーには「鼠輸送」(Tokyo Express)のように実際に起こった出来事と,ティーガー戦車の輸入やオイ車の実用化のように,どちらかといえば架空の歴史に属する内容の双方があるが,いずれにしてもツリーのアンロックでゲームを有利に進められることには変わりはないため,プレイヤーの好みに応じて自由に選べばよさそうだ。最近のストラテジーは疲れるという人には合うのではないだろうか。


第6位

ちょっと使いにくい住民達を使って,過酷な惑星をサバイバル
■RimWorld

開発元:Ludeon Studios
販売元:Ludeon Studios
公式URLhttps://rimworldgame.com/
備考:日本語対応

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 2016年,Steamでは興味深いアーリーアクセス版タイトルが数え切れないほどリリースされた。その中で筆者が最も熱中した作品が,Ludeon Studiosの「RimWorld」だ。

律儀かつ定期的に外敵が襲ってくる。バリケードやトラップを設置し,しっかり武装しておこう
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 プレイヤーの目的は,諸事情により辺境の惑星での生活を始めることになった住民の集団を操り,過酷な環境を耐えしのぎながら,惑星間航行技術を発見してこの星を脱出することだ。いわば,三人称視点の「Minecraft」,あるいは,より過酷な状況に置かれた「Banished」といった感じだ。
 プレイヤーが直面することになるのは,食糧不足など普通の問題だけではない。住民を襲う蛮族や宇宙海賊,暴走動物や謎の古代機械などの外敵も相手にしなければならないのだ。加えて,日食や熱波,そして謎のサイコウェーブなど,プレイヤーが直接対処しようのない環境の変化にも耐えれるだけの生活環境を整える必要もある。

苦しい生活にも関わらず,意外に注文が多いキャラクター。個室がもらえないと,それだけでストレスを溜め込んでしまう
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 各住民に指示を出して居住地を整えていくという点では「Banished」に似ているが,RimWolrdの住民達のパラメータは非常に細かく設定されており,年齢や性別といった基本的なものから,各種のスキルや性格,さらには健康状態(体の各部ごとだ)まで多岐にわたる。
 住民全員がステータスの高い優秀なキャラクターばかりなら文句はないのだが,そうでもないのが困りものだ。トリガーハッピーだったり,定期的な医療処置が必要だったり,中には,重い持病を持つうえに性格に問題があり,さらに麻薬中毒という,もうどうしようもないキャラクターが出てきたりする。
 また,キャラクターが持つスキルも曲者で,レベルが低かったり,必要な仕事の適性がまったくなかったりと,実にやっかいだ。ただでさえ生存のための環境が厳しいのに,にこうした人物管理までしなければいけないのが大変だが,その分,やりごたえはある。

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 しかし,そんな非常にダメダメなキャラクター達が,それでもかいがいしく家を建てたり料理を作ったりする様子を見ていると,困ったヤツだなあと思いつつ,愛着がわいてくるから不思議だ。
 シナリオ展開や難度,マップの設定を変えることで繰り返し遊べる高いリプレイアビリティを備えてもいる点も,本作の大きな魅力だ。また,上記のように本作はまだアーリーアクセスの段階なので,プレイヤーの意見が反映される余地が大きい。今からプレイを開始して,ゲームを一緒に作り上げていく気分を味わおう。

キャラクターマネジメントも,仕事内容から就寝時間まで,細かく設定可能だ
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第5位

日本のサブカルチャーをリスペクトした大人のゲーム
■VA-11 Hall-A: Cyberpunk Bartender Action

開発元:Sukeban Games
販売元:Ysbryd Games
公式URLhttp://waifubartending.com/
備考:日本語版発売予定あり

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 ベネズエラのデベロッパ,Sukeban Gamesが制作した「VA-11 Hall-A: Cyberpunk Bartender Action」は,“スケバン”という社名もさることながら,ゲームの内容も「バーテンダーとしてカクテルを作る」という異色のシミュレーションになっている。
 資金繰りをどうするか,といったマネジメント的な要素はあるものの,収入源となるカクテル作りは簡単で,客の注文に応じて5種類の原料を混ぜるだけ。ミックスの方法も,メニュー画面を開いていつでも参照できるので,今まで一度もカクテルを作ったり飲んだりしたことがないというプレイヤーでも安心だ。
 中には「今の気分にあったものがほしい」というような抽象的な注文を出す客もいるため,カクテル作りに失敗してしまうということもあるだろうが,たとえうまくいかなくても,ゲームオーバーになる危険性はほとんどない。

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ピクセルの大きなグラフィックスで描かれたキャラクター達は,1980年〜1990年代のゲームを思わせる
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 むしろ本作でプレイヤーが問われるのは,バーにやってくる人々を飲み物だけでなく,会話などでもてなす,バーテンダーとしての力量そのものだ。主人公の「ジル」と個性豊かな客との間で交わされる会話は,“店と客”という一線を踏み外さないクールなものである一方,俗っぽく,人間味あふれるものでもあり,プレイのあとには,きっと同じような経験を求めて(あなたが未成年でなければ)バーに足を運びたくなってしまうだろう。

 こうした会話は,サイバーパンクという世界観を持った本作にとって重要な役割を果たしている。プレイヤーは登場人物達のやり取りを通じて彼らの人生の一端に触れるとともに,知らず知らずのうちに彼らが暮らす近未来的な都市そのものに引き込まれていくのだ。登場人物達の会話がゲーム内容に大きな影響を与えるという意味において,本作はシミュレーションゲームの体裁を取ったノベルゲームと言ったほうが適切かもしれない。
 なお現在,日本語化作業が進められているとのことだが,スラングに満ちた会話の雰囲気をどのように日本語に移し替えるのかも気になるところだ。

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 グラフィックスからも推測できるように,本作は1980年〜1990年代の日本のサブカルチャーに大きな影響を受けており,ジルが自室で愛用するコタツや,ニコニコ動画を思わせる弾幕など,日本人にはなじみ深いものが多い。そういった,日本的な要素がゲーム内にどれくらい登場するのかに注目しながらゲームを遊べるのは,日本人だからこその特権だ。
 ゲームの背景になっているのは,ちょうどクリスマス前後の時期なので,年末年始にプレイするとその雰囲気にひたれるだろう。


第4位

パラドゲー,ついに宇宙に飛び出す
■Stellaris

開発元:Paradox Development Studio
販売元:Paradox Interactive
公式URLhttp://www.stellarisgame.com/
備考:日本語化MODあり

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 「Hearts of Iron」「Europa Universalis」「Victoria」「Crusader Kings」などの“硬派な”歴史ストラテジーで知られるスウェーデンのParadox Interactive。そんなParadoxが久々に開発した新規IPが「Stellaris」であり,彼らが選んだテーマは,なんとSFだった。
 Steamでは,2016年のParadoxの大本命と見なされていた「Hearts of Iron IV」を上回る世界同時プレイヤー数を記録する,大ヒット作となった。

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 ゲーム内の設定を一から作らなければいけないSFストラテジーは,世界観,ゲームシステム,そしてビジュアルや音楽といった要素を,すべて満足のいく形で揃えることが難しく,普通の歴史モノと比べて開発は困難だったはず。設定が魅力的であっても,それを表現するためのシステムやキャラクター,ユニットの構築,あるいは人物造形が“惜しい”作品は少なくないし,反対に,ゲームシステムが魅力的でも,SFならではの壮大さにいまいち欠けるため,なんとなくのめり込めないという作品も頭に浮かぶ。

 その点,本作は,すべての要素が充実した作品になっているのが驚きだ。ストラテジーゲームとしてのシステム面は,十分に実績のある開発チームが手掛けているので折り紙つきだし,異星人のポートレートや艦艇のグラフィックス,あるいは艦隊戦のビジュアル表現,そして,宇宙の深淵さを感じさせる音楽も秀逸だ。世界観については,独自のものを構築しているわけではないものの,既存のSFのモチーフを巧みに取り入れることでSFファンにも納得のいく雰囲気を作り出している。
 さらに本作では,従来の歴史ストラテジーでは史実に基づくがゆえに表現できなかった内容,例えば異星人の奴隷化や追放といった要素にまで踏み込んでいる点にも注目したい。

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 発売から半年間プレイしてきた筆者が感じたことなのだが,宇宙を背景にしたSFものとしての世界観については,しばしばプレイヤーを襲う不条理な状況が与える影響も大きいと思う。本作では,調査船が消失したり,いきなり彗星が惑星衝突コースに突入してきたリ,あるいは異空間から未知の勢力が侵入してきたリなど,ゲームに大きな影響を与えるイベントがかなりランダムに起きる。そもそも,ゲームの開始場所すらランダムで決まるため,強力な「没落した帝国」の近くに配置されてしまうといったケースさえ起こりうる。
 事前計画に基づいて行動することが勝利の鍵となるストラテジーゲームにおいては,通常,こうしたランダム性は一定範囲内に収められるものだが,「Stellaris」はその例に入らない。しかし,こうした高いランダム性は,ゲームの舞台が無限の可能性を秘めた宇宙であることを考えると,むしろ正しいとさえ思える。いや,強がりとかじゃなくて。

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 これまでのところ,無料パッチという形での更新が続いているが,開発者ダイアリーによると,今後,派閥やセクターといった国内統治分野の改良に力を入れたDLCが計画されているようだ。詳しい内容は発表されていないが,新たなDLCにも注目していたい。


第3位

人気シリーズの最新作は,第二次世界大戦ビギナーにもオススメ
■Hearts of Iron IV

開発元:Paradox Development Studio
販売元:Paradox Interactive
公式URLhttp://www.heartsofirongame.com/
備考:日本語化MODあり

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 数あるParadox Interactiveのストラテジーゲームの中でも,日本で人気が高いのが「Hearts of Iron」シリーズだ。第二次世界大戦を扱ったシリーズだが,その最新作にあたる「Hearts of Iron IV」は,技術ツリーや内政面でユーザーインタフェースの改善や簡略化などが行われ,ビギナーを意識しているように思える一方,師団編成や補給/輸送に細かく気を配らないと勝てないなど,やっぱりいつもどおりのパラドゲー,という感じも受ける。

 「Hearts of Iron IV」の特徴については,発売直後の6月8日に掲載したインプレッション記事で紹介したとおりだが,1点だけ強調するとすれば,「史実とIF歴史の双方を,従来作以上にフォローしている点」が挙げられる。
 国家ごとに程度の差異はあるものの,本作でとれる内政,外交,軍事上の自由度はかなり高く,自分の思いどおりの戦略を選べる。そのため,実際とは異なるIF展開に進んでいくことが少なくない。もっとも,IF展開には「AIが史実ルートを選択することを想定して,その裏をかく」という,プレイヤーの知識に基づく,ちょっとずるい行為が原因になっている場合もあるので,歴史からの逸脱をどこまで許すかは,プレイヤーのさじ加減次第でもある。もちろん,各国ごとに用意された「国家方針」を利用することで,史実に沿った第二次世界大戦を追体験することも可能だ。

師団に指示を出し,敵国を攻略する伝統と格式を誇るおなじみのシステム。戦線を細かく設定することも可能だ
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師団編成もかなり自由度が高い
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 しかし,プレイヤーが歴史の流れを守っていても,ゲームバランスやAIが原因で我々の知る歴史と大きく異なる展開が発生するケースもある。こうした超展開は,ファンの間でしばしば「世界不思議大戦」と呼ばれているが,この言葉には皮肉だけでなく,シリーズに対するファンの愛情が込められているように筆者は思う。
 なぜなら,完全に架空の展開になることが分かっているゲームを,「世界不思議大戦」とは呼ばないからだ。この表現が使われているのは,ある局面までは多かれ少なかれ史実をなぞる形でゲームが進むことを意味しており,歴史を離れた場合でも,プレイヤーが納得できるリアルさを保証していることに,多くのファンが信頼を寄せていることを(逆説的ではあるが)表しているのではないだろうか。

陸戦がメインという印象だが,師団輸送や交易路の維持のために海戦や空戦も重要なファクターになる
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 12月15日には初の大型DLCである「Together for Victory」がリリースされたが,このDLCも史実とIF歴史にフォーカスしており,オーストラリアやインドなど,イギリス連邦を構成する諸国のコンテンツや外交システムが改良されたことで,これらの国々でのプレイが従来以上に楽しめそうだ。日本関連では「満州国」がついに実装されたほか,東南アジアでプレイ可能な国家が多数追加された。

「The Great War」(上)「Kaiserreich」(下)。本編の1936年スタートとは大きく異なるセッティングが魅力的だ
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 シリーズ従来作と同様,有志のMODがSteam Workshopで多数公開されている。筆者が個人的に注目しているのは,第一次世界大戦を扱った「Great War MOD」と,同大戦でドイツが勝利した架空の歴史を扱った「Kaiserreich MOD」だ。どちらも世界中の国家データや技術ツリーを大幅に改変しているという,かなり気合の入った作品になっている。通常のセッティングに飽きたという人は試してみるのもいいかもしれないが,どちらも現段階ではαないしβテスト中なので,導入に当たってはその点に気をつける必要がある。


第2位

バニラでも十分すぎるボリューム
■シドマイヤーズ シヴィライゼーション VI

開発元:Firaxis Games
販売元:2K
公式URLhttps://www.civilization.com/
備考:日本語対応

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 「Civilization」は,「Hearts of Iron」シリーズと同様,筆者にとっては思い入れのあるシリーズだ。最初にプレイしたのはスーパーファミコン版の初代「Civilization」だったが,時代を超越したさまざまな文明の指導者が一堂に会し,地球の覇権をかけて戦うという設定に胸を躍らせ,技術や都市の開発に熱中し,不満をため込んでしょっちゅう暴動を起こす市民どもを全滅させたくなった。
 それだけに,2016年5月に制作が発表され,遅れることなく10月にリリースされた最新作「シドマイヤーズ シヴィライゼーション VI」(以下,「シヴィライゼーション VI」)の登場は,非常に嬉しい出来事の1つだった。発売当初にはゲームバランス上の問題点も散見されたが,その後のパッチで,ある程度改善されたようだ。

 世界の探索,自国の開発と拡張,そして敵勢力の排除をテーマにした,ストラテジーゲームの古典ともいえる「Civilization」シリーズだが,新作が出るたびに,総合点においておおむね前作を超えるものを作り続けているのはすごいことだと思う。
 もちろん,シリーズものとはいえ,各作品ごとに細かいゲームデザインが異なるため,過去の作品に対する評価が最新作のそれを上回ることもある。昔遊んだ作品に思い出補正がかかることもあるだろう。そうした要素を加味しても,筆者としては,シリーズファンはもちろん,初めてという人にも「シヴィライゼーション VI」をオススメしたい。

ゲームの展開によって,都市の様相は大きく変わる。こうした「目で見て楽しむ」部分も本作は進化した
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 ゲームシステムの変化は,「Civilization IV」から「Civilization V」への変化ほどドラスティックなものではないが,前作の各システムをブラッシュアップすると同時に,ゲームプレイの核となる都市開発システムに大きくメスを入れ,より直感的に楽しめるようにすることで,シリーズとしての伝統的な部分と革新的な部分とのバランスをうまくとっている。
 これほどのメジャーシリーズになると,熱烈なファンからのプレッシャーも大きかったはずだが,「Civilization VI」は総じて,コアなプレイヤーの期待を裏切らないものになった。筆者が感じたシステムの変化による不満点をあえて挙げるなら,「区域」の導入によって世界遺産の重みが薄れてしまったことだろうか。「世界七不思議」がゲームのモチーフの1つなのだから,数を減らしたうえで効果をものすごく強烈なものにするなど,遺産の地位についてはぜひ改善してほしいと思う。

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ゲームシステムのほうにも,伝統を踏まえつつ新しい挑戦が盛り込まれており,プレイしていて飽きない
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 歴史を題材にしたストラテジーゲームは非常に多い。また,1990年代末から2000年代にかけてのPCの性能の向上もあって,ボリュームのある大作や名作タイトルも数多く生まれている。だが,そうした本格派の作品の場合,プレイに時間がかかる場合が多い。頭も使うし,しんどいと感じるときもある。しかし,最新作を始めとした「Civilization」シリーズは,それほど肩肘張って構える必要がなく,しかし,プレイにはつい熱中してしまうという恐るべきコンテンツとして続いている。
 現状のDLCなしバージョン,いわゆる無印版の段階でも,かなり充実した作品であるだけに,今後のDLCがどういったテーマで展開されるのか,長年のファンである筆者にも予測がつかない。
 2017年以降出てくるであろう新情報を楽しみにしたい。


第1位

やりごたえ満点の遊園地経営シム
■Planet Coaster

開発元:Frontier Developments
販売元:Frontier Developments
公式URLhttps://www.planetcoaster.com/
備考:日本語化MODあり

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 個人的すぎる話で恐縮だが,子供時代を地方で過ごした筆者にとって,遊園地という存在は遠く,行けたとしても芝政ワールドくらいだった。そのため,遊園地モノのシミュレーションはちょっと敬遠気味だったのだが,2016年も終わりに近づいた11月半ば,Frontier Developmentsがリリースした遊園地経営シム「Planet Coaster」をプレイして,目からウロコが落ちた。遊園地,いいじゃないか!
 というわけで,「年末年始にはこれを遊べ!」の栄光ある1位は,「Planet Coaster」に決定した。そこのあなた,「えー!」とかビックリしないように。

「Steam Workshop」で公開されているものも含めれば,配置できる施設やオブジェクトは膨大な数になる。自分好みのテーマパークが,きっとできることだろう
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 言うまでもないが遊園地とは人を楽しませる施設であり,遊園地経営シムである本作の目標は,より多くの人が楽しめる遊園地を作ることだ。筆者がこれまで親しんできたシミュレーションゲームやストラテジーゲームでは,これほどまでに「人を楽しませる」ことに主眼を置いた作品はなかった。
 いや,都市開発シムだって「市民が暮らしやすい街づくり」がテーマだし,第二次世界大戦や宇宙戦争で他国を滅ぼすダンドリを考えているときでさえ,煎じ詰めれば「自国民の幸福のため」なのだが,プレイ中に考えていることといえば,「市民どもめ,文句ばかりいいやがって。こっちはこっちで努力しているのに,なんで思うように人口が増えないんだ」とか,「ここで敵の20個師団を包囲殲滅すれば,敵国の首都を数か月後には陥落できるな,うふふ」といったことであったのは間違いない。

 その点,まず第一に人に喜んでもらうことを念頭に置いてプレイを進めていく本作では,資金繰りをどうするかという経営シムにつきものの悩みはあるものの,ネガティブな気分になる瞬間はまったくと言っていいほどない。

 重要なのは,入場者が楽しんでいることをプレイヤーがさまざまな形で実感できる作りになっていることだ。例えば,ゲームの序盤,ライドといえばティーカップメリーゴーランドくらいしかないボクの貧相な遊園地でも,お客が来て,喜んでくれる様子が見られると,なんとも言えない気分になる。

ライドにただ乗っているだけでも楽しめる
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 「Cities:Skylines」と同様,さまざまなカメラモードに対応していることも大きなポイントだ。ライドを楽しんでいるお客さんをズームアップして眺めることも,あるいは自分が実際に入場客の一人となってアトラクションを楽しむことも可能になっている。前者のモードは資金繰りやデザインに苦労しながら施設を設置したプレイヤーの達成感を高めてくれるし,後者のカメラモードは臨場感あふれるもので,高所恐怖症気味の筆者にとっては,ちょっと心臓に悪いほどだった。

 加えて,「Roller Coaster Tychoon」シリーズの開発陣が手掛けたゲームシステムの完成度の高さも強調したい。例えば,チュートリアルを兼ねたシナリオモードや,資金を気にせずに自由にテーマ―パークを作れるサンドボックスモード,そして資金や開発状況に制限がある中でのスタートとなるチャレンジモードなど,ゲームモードは多彩なので,自分のプレイスタイルに合わせた遊び方が可能だ。チャレンジモードにおける経営システムは,コアなファンを唸らせるものになっているし,アトラクションを研究することで新たなコースターや施設を開発できるといったやりこみ要素も豊富だ。
 発売からまだあまり日が経っていないが,人を楽しませると自分も楽しいことを改めて気づかせてくれた本作。だまされたと思って,ぜひプレイしてほしい。

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経営パートでは,特殊な技能を持った従業員を雇ったり,各種の研究を行ったりなどをする。予想以上にコアな内容だ
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 というわけで,いかがだったろうか? 最初にも書いたように,順位についてはあくまで「個人の感想です」であり,10万人にアンケートをとったなどの根拠はないので,異論はあってしかるべきだが,「年末年始はヒマである」という人はぜひ,何かの参考にしてほしい。
 では,2017年もたくさんの面白いシミュレーションゲームやストラテジーゲームに出会えますように。
  • 関連タイトル:

    Planet Coaster

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    シドマイヤーズ シヴィライゼーション VI

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    Hearts of Iron IV

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