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NHK「ゲームゲノム」第6回「ロマンシング サガ2」視聴レポート。閃きを重ねて紡ぐ歴史と,そこにある自分の決断
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印刷2022/11/10 08:00

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NHK「ゲームゲノム」第6回「ロマンシング サガ2」視聴レポート。閃きを重ねて紡ぐ歴史と,そこにある自分の決断

 ゲームを作品として深彫りするNHKの教養番組「ゲームゲノム」の第6回が,2022年11月9日に放送された。今回のタイトルはスクウェア・エニックスのRPG「ロマンシング サガ2」

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 歌手/ダンサーの三浦大知さんがMCを務め,ゲストに同作でディレクターを務めた“シリーズの父”ともいえる河津秋敏氏と,熱烈なファンであるドラマー/俳優の金子ノブアキさんを迎え,「閃き」という同作らしいキーワードからその魅力を読み解いていった。

「ロマンシング サガ2」ディレクターの河津秋敏氏
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ドラマー/俳優の金子ノブアキさん
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番組の2代目MC,歌手/ダンサーの三浦大知さん
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ロマンシング サガ2


 RPGの黄金期とも言える1993年。さまざまな作品がしのぎを削るなかで異彩を放っていたのが「ロマンシング サガ2」(以下,ロマサガ2)だ。モンスターが現れて人々を苦しめるなか,かつて世界を救った「七英雄」たちが再臨するも,彼らはなぜか人類に敵対する。バレンヌ帝国の皇帝は七英雄を倒し世界を平定すべく,領土の回復を始めるのだった。

 本作の特徴は,前作「ロマンシング サガ」から受け継いだ自由度の高さに加え,新基軸として世代を越えた継承の物語が展開するところにあった。どこから平定するか,どのような決断を下すかのほか,誰を皇帝とするかすらプレイヤーの自由なのだ。戦闘中に取った行動に応じて新たな技を思いつく「閃きシステム」と相まって,プレイヤーごとに異なる物語が紡がれていく。

 当時,多くのRPGが主人公個人の戦いにフォーカスしていたのに対し,本作は時の流れを俯瞰する歴史ロマンのようなテイストを持っていた。エンディングでは自分が紡いできた歴史が流れるが,プレイヤーは勝利の喜びと同時に,自ら紡いだ時の流れに思いを馳せ,哀愁を感じるのだ。

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閃きで歴史を作る


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 ロマサガ2のファンである金子さんは,本作を「攻めの姿勢を持つ,カッコイイ大人が作る,カッコイイRPG」と絶賛する。粋で,ちょっとアウトロー的な作品に見える時もあるが,「ドラゴンクエスト」や「ファイナルファンタジー」とは違った王道の作品であり,本作からさまざまな思いを受け取ったそうだ。

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 そんなロマサガ2の最初のキーワードは「閃きで歴史を作る」。本作におけるプレイヤーの目的は世界各地にいる七英雄を打倒することだが,どの順番で倒すか,どこの領土を平定していくかは,プレイヤーが自由に決めることができる。一方でこのとき,どのような選択肢を選んだかで,歴史も大きく変化していく。

 例えばカンバーランドでは,3人の兄妹が国王の後継者と目されているのだが,プレイヤーの選択によってその後の展開はさまざまに分岐していく。後継者争いが起こることもあれば,プレイヤーが知らぬ間に兄妹が事態を収集してしまうという結末を迎えることも。また,内乱が起きてカンバーランド自体が滅亡してしまうことすらある。

 また,世界の敵である七英雄はいつ誰を倒しても構わないのだが,物語の進行度や特殊な条件を満たすことでパワーアップしてしまう七英雄が存在する。こうした仕掛けによって,プレイヤーごとに千変万化するゲーム体験が生み出されていくわけだ。もちろん,選択によって何が起こるかを,あらかじめ知ることはできない。金子さんは本作を子どもの頃に遊んだ際,ずっと「これでよかったのかな?」という思いを抱えててゲームを進めていったそうで(ちなみにカンバーランドは滅亡),プレイした人なら共感できる感情だろう。

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 こうした作りにした理由を,河津氏は次のように語る。

RPGには物語性があり,1本のストーリーの中で変化を付けるのが普通。しかし,(一本道の展開を)“やらされている”状態のゲームを遊ぶことがあまり好きではなかった。そのため,自分が好きにプレイをして,それで起こった責任は皇帝たる自分が取るという形式にしている。(特異性を指摘されることもあるが)選択すると変化が起こるのは自然なので,当たり前に作り上げていった。
プレイヤーのスキルやものの考え方,価値観がゲームに反映され,同じゲームをやっているのに違うプレイ体験があるのが望ましい。


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 ロマサガ2の発売以前から,RPGにおけるストーリー性と自由度のバランスはいろいろな形で調整されてきたように思える。その頃は,主人公個人の戦いとしてのRPGという,従来の枠組みの中で物語を分岐させるようなアイデアが多く出されていた。しかし河津氏は,“プレイヤーの行動に応えるのがゲームである”という考えを基本に,世代を越えた皇帝たちが七英雄討伐のために戦う歴史物的な視点を加え,「自由と試行錯誤」のRPGを作り上げたわけだ。


閃きで道を作る


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 第2のキーワードとなるのが「閃きで道を作る」。ロマサガ2では,戦闘中にキャラクターが新たな技や,敵の技・術を無効化する「見切り」を閃くことがある。強敵とのギリギリのせめぎ合いの中で閃いた技や見切りが,戦いの決定打になることもあるのだ。閃いた際にはキャラクターの頭上に電球が表示されるため,つい電球の出現を期待してしまう。
 また,皇帝が玉座についた際に,電球こそ輝かないものの,新たなアイデアを思いつくことも。最初は侵入できない敵の地上戦艦だが,玉座で大学の設立を閃くことで,学生のなかに軍師が登場。彼の力で地上戦艦を攻略できるようになる。

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 閃きのある戦闘について金子さんは,「苦しい戦いで無理かな……と考えていると,技を2個3個と閃いていい勝負になってくる。すると,絶対負けたくない! と,さっきとはまったく違った考えに変化していく。戦っている限り希望は常にあり,『気を抜くな!』と言われているような感覚」と語る。

 たしかに,本作をプレイした人なら共感できるはずの,そんな閃きシステムについて河津氏は説明する。

これまでのRPGは,勝つことで経験値を得るシステムだったので,成長がバトルの後に集約されていた。しかし,RPGは成長することが楽しいゲームなので,成長するタイミングは色々なところに散らばっていたほうが常に面白くなるのではないか。

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 成長のタイミングが一定ではないことが特徴なわけだが,三浦さんは「人間とはそういうもの」であるとし,生活の中や何かに対峙した時に閃きはいきなり訪れると述べて本作で描かれる成長のリアリティを評価した。

 本作の成長システムがほかタイトルと大きく異なるのは“戦闘中に成長する”ことだろう。新たな技を覚えて火力が一気に上がり,敵の厄介な技を見切って受けるダメージが減っていく。自分が取った行動の結果が戦闘の真っ最中に返ってくるため,強くなったことを生々しいほどに体感できる。たとえ苦戦していても,成長を遂げて形勢逆転できることもあるのだ。戦闘中に敵の技を攻略し,新たな技を生みだす様は,まるで少年マンガの主人公のようだ。


閃きを継承する


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 ロマサガ2では,ゲーム開始時の皇帝「レオン」で七英雄全員を倒すことはできない。何代にもわたって帝国の領土を広げ,力を蓄えていくことでやっと悲願を達成できる。3つ目となるキーワードは「閃きを継承する」。そう,閃きは一代で終わらずに継承されていくのだ。例えば,七英雄の一人「ロックブーケ」は,男性キャラクターを誘惑してパーティで同士討ちをさせる「テンプテーション」という技を操る。非常に厄介な技で,後の時代に戦う最終ボス「七英雄」も同じ技を使ってくるのだが,あらかじめロックブーケから見切りを習得しておけば,その戦闘を有利に進められる。1人ひとりの閃きが継承されていき,最後の皇帝の時代に結実するというわけだ。

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 このように長い年月を扱うRPGにした理由について,河津氏は語る。

時間が縦につながり,主人公が次々入れ替わるようなRPGをやろうという構想は最初からあった。全滅してもゲームは続けられるので,容赦なく強い敵を出せる。映画などストーリーが終わった時点で終わってしまう物語は多い。しかし,ゲームの世界に住む人にとっては,その後も世界は続いていく。こうした部分は絶対に必要なものだと思った。前の世界の人たちが作ってきたものがあるからこそ,それを引き継いで先へ進めることを体感して欲しい。

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 ゲームの中でリアリティを追求する手法はさまざまだ。個人的には,ロマサガ2の世界はゲームがクリアされた後も続いていく,1つの独立した世界であるように感じられる。
 とくに感慨深いのが,ゲームクリア時に出てくる年表だ。歴代皇帝たちの活躍が綴られており,自由度の高い本作ではプレイヤーごとに自分だけの年表を見ることになる。金子さんも子どもの頃に初クリアした際は大いに感動し,TVの前でしばらく余韻に浸っていたそうだ。この年表には,河津氏のゲームに対する考え方が込められている。

小説や映画の世界は作られた時点で完成している。しかしゲームはプレイしてもらい,最後まで遊んでもらわないと完成しない。プレイヤーが最後まで遊んだからこそ,そのゲームは生まれて完結する。最後のピースをはめるのはプレイヤー。やってくれたことの過程をお返しするのが年表であり,やったからこその何かがあるということを伝えられたらと思った。

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 さまざまな選択により生まれるプレイヤーごとのストーリーは,小説や映画といった一方向のメディアでは実現できない。ロマサガ2は最後の最後までゲームとはインタラクティブ性を持つものであるという考え方を貫いており,だからこそ現代まで人々の心に残り続けているのだ,とあらためて認識させられた。

 金子さんは「同じことをずっとやってきて,もう何もないよ! というときに閃くようなこともある。そういった意味では,人生訓ではないが,大人になるにつれて感じることは本当に多い。こんなに思うところがある作品はないのかなとあらためて感じさせてもらったし,すごい体験をさせてもらっていたんだな」と,本作を激賞した。

自分もある時代に生きてきて,新しいものはないかと常に考えながらやってきている。新しいものにこだわりすぎて踏み外すときもあるが,常に新しい道に行きたいと考えている。前の道があるから,次に何かを用意しきゃ,という気持ちになる。

 番組の最後に河津氏が語った言葉だが,まさにこれこそが河津作品に込められた思いと言えるだろう。河津氏が紡ぎ出す“新たな閃き”に期待したい。

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[ゲームゲノム 放送日程]
 2022年10月5日 放送開始(全10回)
 毎週水曜日 23:00〜23:29/NHK 総合(予定)
※「NHK プラス」で同時配信・1週間見逃し配信あり
※ NHK オンデマンド配信あり


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