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同社の新作アクションで,ディレクターは宮崎英高氏で,PvPvEとされていて,対応ハードはSwitch2のみ。気になる点ばかりなのに「どんなゲームなのかイマイチ分からない」という謎に包まれた本作を,ついに直接触って確かめられる機会がやってくるわけだ。
ネットワークテストに先駆けて,メディア向けの体験会も実施された。ネットワークテストと同じバージョンを用いて,どういったルールで戦っていくゲームなのかをじっくり確かめてきたので,さっそくお伝えしていこう。
……体験会はかなり長丁場で,会場のスタッフも「先に終えたい方はおっしゃってください」と気を遣ってくれていたのだが,全参加者が席を立つことなく最後まで遊び続けるという,本当にじっくりすぎる空間だった。
なお,この体験会では,宮崎氏への合同インタビューも行っている。そちらも見ると,より本作への理解が深まるので,本稿で一通りのルールを確認してから読んでみてほしい。
[インタビュー]「The Duskbloods」は対人を避けても楽しめるPvPvE。宮崎英高氏が語る「変なゲーム」の正体とは
フロム・ソフトウェアのNintendo Switch 2用新作アクション「The Duskbloods」のネットワークテストに先駆け,メディア向けの体験会が行われた。体験後には,本作のディレクターを務める宮崎英高氏にインタビューの場が設けられた。
8人が最後の1人を目指して生き残るアクション
まずは,一番気になっている人が多いであろう,ゲームの流れから紹介したい。
もともと,本作は最大8人のプレイヤーで競うPvPvEタイトルであることが発表されていた。この情報を素直に解釈すると,「Escape from Tarkov」などに代表される脱出シューター(エクストラクションシューター)的なものを思い浮かべる人も多いと思うのだが,先に言ってしまおう。全然違う。
本作は,NPCと戦っている間にほかのプレイヤーに襲われるかも……的な作りにはなっていない。PvPのシーンとPvEのシーンが割とはっきり分かれていて,1マッチのうちにどちらも体験することになるのだ。
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プレイヤーは,キャラクターを1人選んでゲームに参加する。ネットワークテスト版では,能力が固定された6人のキャラクターから選べるようになっていたが,製品版ではより多くのキャラクターが登場し,カスタマイズ要素もあるようだ。
キャラクターについての詳細は後述するとして,ひとまずここでは,これらのキャラクターが「血族」というヴァンパイアっぽいニュアンスで呼ばれていることを覚えておけばいい。
各キャラクターは,近接と遠隔,両方の攻撃手段を持っているほか,スキル的な「血族技」やパッシブで発動する特殊能力も所持している。
血族技は最初1つしか使えないが,マップ内で経験値を稼いでレベルアップするともう1つ使えるようになる。
こうしたキャラクターを操作して,最後の1人として生き残ることを目指し,戦いに身を投じるわけだ。
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操作は,「ELDEN RING」などのフロム・ソフトウェアのほかのアクションと大きく変わりはない。手持ちの装備を使った基本的な攻撃や防御は[L/ZL/R/ZR]で行いつつ,[A]が回避,[B]がジャンプの配置だ。
ただ,各キャラクターの機動性は非常に高く,大ジャンプや空中ジャンプ,空中ダッシュが行える。その結果,マップ内をかなりダイナミックに探索できるようになった。
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本作において,1マッチは「黄昏の戦い」と呼ばれている。黄昏の戦いは4フェイズに分かれており,フェイズ1,フェイズ2には8人参加できるが,フェイズ3では6人,最後のフェイズ4では3人と,どんどん参加できる人数が減っていく。つまり,フェイズごとの脱落者にならないように立ち回り,最後は3人で争って1位を決めるということだ。
では,この脱落者はどうやって決まるのか。それが本作最大の特徴「美徳」である。
美徳は,マッチ中のさまざまな行動に応じて得られるポイントだ。分かりやすいところでいえば,マップ内に配置されている強敵や,「侵略者」と呼ばれるボス格の敵を倒すと美徳が手に入る。雑魚敵を倒していると,アイテムとして美徳をドロップすることもある。
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ほかにも,マップ内に配置された死体に最初にたどり着き,火を灯すと得られる「灯の美徳」,雑魚を含む敵を倒した数や,アイテムを拾った数が上位だと得られる「称賛の美徳」といった,ただ「強いヤツを倒す」だけでない入手手段も存在する。
この説明で「ほかのプレイヤーは倒さないの?」と思った人は鋭い。プレイヤーを倒して得られる美徳もあるのだが,条件付きなのだ。
具体的には,フェイズ2とフェイズ3では,一定時間経つと特定のエリアが「儀式場」に指定される。この外にいるとダメージを受けるので,全プレイヤーはこの儀式場を目指すのだが,ここでのみ,ほかのプレイヤーを倒したときに「剣の美徳」が得られる。
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さらに,儀式場には「誓約の美徳」を得るための祈りの場がいくつか現れる。これは,端的に言えば「フェイズ終了まで守りきれば美徳が得られるオブジェクト」だ。祈りにはそれなりの時間がかかるが,完了すれば自分の場となるので,ほかのプレイヤーに書き換えられないよう防衛する。
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また,儀式場の出現と同時に,付近に「赤石」と「黄金石」が配置される。赤石を持っていると剣の美徳,黄金石を持っていると誓約の美徳にボーナスがかかるので,儀式場では「ほかのプレイヤーを倒しまくる」か「誓約を死守する」を選ぶのが,大量の美徳を得るコツだ。
もちろん,あえてどちらも選ばず,儀式場内で雑魚敵狩りやアイテム拾いに走るといったことも可能である。
最後のフェイズ4は,3人での直接対決だ。敵NPCの配置されていない決闘場での戦闘となるが,タイマンではないので,誰を攻撃するかの駆け引きが生まれる。
このフェイズでは,それまでに集めた美徳の高さによってHPにボーナスがかかる。美徳の高い,タイマンしたくないやつを2人で殴る,なんて状況も生まれるだろう。
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プレイヤー同士で戦うこともあれば,共闘することもある
ざっくりとゲームの流れを説明しただけで,かなり長くなってしまった。
本作で面白いのが,探索中にほかのプレイヤーを倒している暇なんてないということだ。なにせ,儀式場以外で倒したところで,1美徳にもならない。経験値はもらえるので,戦闘後に瀕死のプレイヤーを見たら魔が差す,なんてことはあるかもしれないが,普通に戦おうとしても各キャラクターの機動性が高いせいで逃げられてしまう。
追いかけまわして貴重な時間を浪費するぐらいなら,そのへんの雑魚敵を倒して経験値を稼いだほうがマシというものだろう。
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逆に,儀式場が発生するまでは,ほかのプレイヤーと協力する機会がある。その最たるものが侵略者との戦闘だ。
侵略者は非常に強く,タイマンで挑むのは体力的にも,時間的にも無謀と言える。ただ,誰かが侵略者と戦い始めると,周囲のプレイヤーは「加勢に行きますか」的な通知を受け取れて,OKすれば侵略者のもとにワープできる。要は,侵略者との戦闘は共闘スタイルになるわけだ。
そのため,いろいろひっくるめてPvPvEということにはなるのだが,冒頭で書いたとおり,その言葉のイメージとは違うゲームなのである。
共闘という面では,マッチ中にほかのプレイヤーと「同盟」を結ぶこともできる。同盟中の相手は攻撃できなくなるので,一緒に動いてほかのプレイヤーとの戦闘を有利にしたり,あるいは強敵をサクサク倒したりといった動きが可能となる。
もちろん,フェイズ4では同盟は解消されるので,最終的には殴り合いになるが。
NPCとの共闘も可能で,マップ内で「眷属」を召喚できる魔法陣が見つかることがある。眷属は自分と行動してくれるバディキャラクターで,1体だけ連れまわせる。フェイズ4までずっと共闘してくれるので,必ず召喚しておきたい。
魔法陣は「輪」「刃」「瞳」の3種があり,それぞれで召喚できる眷属は異なるが,気に入らない場合はほかの場所で召喚し直すことも可能だ。ただ,眷属にもレベルがあり,召喚し直すとレベル1からになってしまうので,誰を連れていくかは悩ましい。
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雑魚敵も仲間にできる。各キャラクターは「叫び」のアクション([L]と[ZR]同時押しという,ちょっと驚く操作を要求される)をタイミングよく使うと,敵の一部の攻撃をキャンセルして崩れゲージを蓄積させる。ゲージを溜めて相手が体勢を崩すと「吸血」が可能だ。感覚としては,特定の状況でのみ使える「パリィ」と「致命の一撃」のようなものだ。
吸血は体力を回復できるだけでなく,その相手が雑魚敵なら支配下におけるという,まさにヴァンパイアなアクションである。
もっとも,雑魚敵は仲間になっても,プレイヤーと違って機動性が低く,高い壁なども越えられないので,探索に付いてこられない。その場限りの仲間という感じだ。
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また,本作にはマッチ中のロールプレイを推奨する「烙印」という要素がある。これは,マッチ中に特定の条件を満たすと美徳が得られるというもので,どの烙印をつけるかはカスタマイズが可能だ(ネットワークテストではキャラクターごとに固定)。
例えば,異端審問官の烙印をセットすると,マッチ中にプレイヤーの何名かが異端者となり,それを殺すという別の目的が発生する。殺害に成功すれば,美徳を入手可能だ。
ほかにも,特定の相手と同盟を結んだり,恋のお相手として設定されたプレイヤーに花を渡したりと,さまざまな条件が用意されている。これらの条件の場合は,成立すればお互いが美徳を得られるが,断られた場合は,もちろん何も得られない。
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場をひっかきまわす要素としては,イベントも発生する。どのイベントが選ばれるかはフェイズ開始前に示されるが,突然ほかの場所にワープさせられてしまったり,飛行船が現れて爆撃してきたりと,プレイヤー全員に影響を与える派手な効果になっているようだった。
ゴシック調なヴァンパイアもの……だけではない個性的なキャラクター
本作のプレイアブルキャラクターは選択制で,製品版では血族技や烙印などのカスタマイズも可能だという。ただ,ネットワークテスト版ではカスタマイズ要素は入っておらず,能力は固定となっていた。今回確認できた6人のキャラクターをざっくり紹介しよう。
まずは,本作のヴァンパイアものな世界観に合った,分かりやすい見た目や能力を持つ「アルバート」。片手剣と機関銃,そして血の刃を飛ばす血族技などで戦う。操作感も素直で,チュートリアルもこのキャラクターだった。
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続いて「『血の手』ヤン」は,斧と炎で戦うキャラクターだ。武器的に隙の大きなキャラクターに見えて,高速回避を連発できる血族技が使えるので,トリッキーな戦い方ができそうだ。
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「タン・ラン」は遠近両用の「月輪の刃」を用いて戦う。チャクラムのように投擲が可能で,少し離れた距離での戦闘が得意そう。血族技に姿を隠すステルス系のものがセットされていたり,吸血をすると周りにいる雑魚敵をまとめて手下にできたりと,直接戦闘以外の手段で戦う能力が強調されていた。
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「狙撃手レイラ」は,両手に装備したカタールでの近接攻撃,そして狙撃銃での長射程攻撃が可能。狙撃手というだけあってロックオン距離が長く,安全圏から次々に雑魚敵を攻撃できるので,対NPCが得意そうな印象を受けた。
「元老サミール=パトレス」は,レイピアと霊鳥を放つ指輪,敵の足元から攻撃する血の沼など,派手めな攻撃が可能なキャラクターだ。恐竜に変身して暴れる血族技も持っていて,かなり攻撃的な構成になっていた。
最後に,一番インパクトがあるのが「ゾーク」だ。潜水服に身を包み,海底ケーブルを振り回して戦う。遠距離攻撃は,銛を発射するスピアガンだ。血族技でミサイルも撃てる。
見た目通り動きが鈍重なのだが,人間ロケットとなって突撃する血族技も持っていて,いきなり突っ込んでくると驚く。
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体験会の間に,全キャラクターを一通り触ってみたが,やはり誰を選ぶかでフェイズ中の戦略が大きく変わってくるように感じた。アルバートやヤン,サミール=パトレスなら,攻撃的な構成なのでPvPをメインにしたくなるし,レイラであれば対NPC性能を生かして立ち回りたくなる。
タン・ランなら,大量に手下を作って侵略者にぶつけ,1人でもかなり戦える……なんてことができたものの,対人が苦手な構成だったため,フェイズ4まで残っても勝てる気がしないという事態になった。このあたり,どのように調整されていくのかは気になるところだ。
ゾークは動きに緩急があって楽しかったが,フェイズ4で人間ロケットを使って相手を場外に吹き飛ばして気持ちよくなっていたところ,うざかったのか2人から集中攻撃を受けて敗退した。最後は3人で争わなければならないので,悪目立ちしないということも大事かもしれない。
とにかく要素が盛りだくさん
どこかボドゲっぽいかも?
以上のように,本作はとにかく要素が盛りだくさんのゲームだ。単純に「ほかのプレイヤーを殴っていれば勝てる」ゲームにはなっておらず,いかにして美徳を稼ぐかが重要というのは,お分かりいただけただろう。
この仕組みを冷静に考えると,フェイズ3まではボードゲーム的な遊びのように思える。盤面の状況から,一番効率よく勝利点(美徳)を稼ぐプランを組み立て,実行していく。PvPで稼げそうなら積極的に戦い,ほかがおいしそうならあえて直接対決は避け,予想外の事態には臨機応変に対応……といった具合だ。
もちろん,PvPをできるだけ回避したところで,フェイズ4では決闘が待っているので,最終的には戦うしかない。ただ,本作はそれまでの準備,フェイズ1から3までをどう過ごすかが,とくに面白いゲームと言えるだろう。
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なお,会場では最初から最後まで1人と同盟を組んでチームで戦うモード(つまり4チームで争う)も体験できた。生き残りに必要な美徳は,チームメイトとの合算だ。
一緒に動くべきなのか,バラバラに動いてそれぞれが育つほうがいいのか,何も分からずにプレイしたのでそのあたりはなんとも言えないが,「フレンドと争うのではなく共闘したい」といった遊び方にも応えてくれそうだ。
率直な感想として,かなり特徴的な進行のゲームでありつつ,とても面白い。「ELDEN RING NIGHTREIGN」とはまた違った楽しさというか,美徳のシステムのおかげでいろいろなプレイイングが考えられるので,「次はどうしよう」と再戦したくなる。
製品版では,戦績に応じて報酬を獲得でき,これがカスタマイズ要素につながっていくようだ。仮に8位であっても,なんらかの意味がある(何ももらえないわけではない)ゲーム性を目指しているそうで,気軽に参加できる対戦ゲームとして楽しめるのではないだろうか。
なお,本作がどのようなタイトルになるのか,製品版でどういった要素が入るのかは,宮崎氏のインタビューである程度語られている。ここまで本稿を読んでくれた人なら必見の内容だ。



















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