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[プレイレポ]「Dead as Disco」は,早期アクセス版ながら待ち続けてよかったと思える出来栄え。音楽とアクションが一体になった没入感が魅力だ
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印刷2026/05/28 18:40

プレイレポート

[プレイレポ]「Dead as Disco」は,早期アクセス版ながら待ち続けてよかったと思える出来栄え。音楽とアクションが一体になった没入感が魅力だ

 アメリカのスタジオであるBrain Jar Gamesは2026年5月6日,アクションゲーム「Dead as Disco」の早期アクセスをスタートした。本稿ではそのプレイフィールをお伝えしよう。

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音楽と近接バトルの融合。伝説のバンド「Dead as Disco」


 本作の主人公は,ドラマーのチャーリー・ディスコだ。伝説のバンド「Dead as Disco」の一員である彼は,ある日突然謎の死を遂げてしまう。

 彼が死んでしまったことで,バンドは崩壊し,街には邪悪なエンタメ企業「ハーモニー」が売りたいアーティストの曲だけが流れている。「Dead as Disco」の元メンバーたちもチャーリーの曲を売り,ハーモニーに取り入っている始末である。

 しかし,チャーリーは謎のドクロであるヴァイスと取引し,一夜限りの復活を遂げた。仲間たちの裏切りの真相,そして自分を殺したのが誰なのかを探るため,チャーリーの反撃が始まった。

主人公のチャーリー・ディスコは,伝説のバンド「Dead as Disco」のドラマーであり,メンバーたちの精神的な支柱だった
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「Dead as Disco」の元メンバーたちは,ハーモニーによって偽りのアイドルとして祭り上げられ,いいように使われている
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 本作は「Music meets Melee」というキャッチコピーの通り,音楽のリズムに合わせて,パンチやキックを繰り出し敵を倒していく。

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 最大の特徴は,アニメや映画で,キャラクターの動きや効果音が楽曲と合わさる「音ハメ」が自然と起こる点である。音ハメはゲームでもおなじみだが,タイミングをピッタリ合わせる必要があるため,あらかじめ作り手が用意したムービーやカットシーンに限られるのが普通だ。

 しかし,本作では普通にプレイするだけでSEが音ハメ演出になる。テンポの速い / 遅いに関係なく,計ったかのような音ハメとなるため,プレイは常にクライマックスのように感じられる。操作性も良好で,チャーリーは思った通りに動いてくれるため,プレイしていて非常に心地よい。

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 チャーリーが操る武術「ビートクンドー」は,ジークンドーをベースにしていて動きがかっこいい。黄色い服を着た細身のイケメンが,ビートと同時にワンインチパンチ(寸勁)を決め,食らった悪漢が何メートルもぶっ飛ぶ――格闘技やアクション映画など,さまざまなものが渾然一体となったロマンが詰まっているようで,心を震わせてくれる。

 拳法の動きには独特の美しさと,何が起こっても不思議ではないと感じさせる,ある種の神秘が存在しており,チャーリーの超人的な活躍にも説得力が生まれているのだ。

敵がぶっ飛ぶワンインチパンチや裏拳など,チャーリーの「ビートクンドー」は拳法っぽい動きがフィーチャーされている
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 敵はチャーリーの周囲から襲い掛かってきて,正面の敵を攻撃していたら,背後の敵が殴ってくることは日常茶飯事である。

 そんな時は「カウンター」の出番だ。カウンターは,たとえ死角からの攻撃であってもボタン1つで受け止めて反撃してくれる。敵には,銃器や体当たりといったカウンターできない攻撃を使う者もいる。その場合は,ドッジで攻撃をかわそう。そして,敵がよろめいたら,「止めの一撃」を叩き込んで倒してやろう。

「カウンター」や「止めの一撃」は,決まると一連の攻撃を自動で繰り出す演出が入る。演出であらかじめ用意されている動きなので,音ハメはピッタリ。リズムに合わせて攻撃する心地よさを教えてくれる
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 敵がこちらを取り囲む,1ボタンで方向を問わずにカウンターが発動する,といった要素は「バットマン:アーカム」シリーズを思わせる。
 確かに本作の戦闘システムは「バットマン:アーカム」シリーズの影響を感じるが,リズムを意識した入力をしなくても音ハメの楽しさを味わえるような工夫に本作のオリジナリティがある。

 クリアするだけならリズム通りにボタンを押すことを意識しなくていい,というのも嬉しい点だ。最初は敵を倒すことに集中し,慣れてきたらリズムに合わせて敵の攻撃を華麗に捌きつつ,群がる悪漢を次々打ち倒していこう。

 戦闘システムに慣れる過程で,音ハメの気持ち良さを知ることができる作りとなっており,自然と音ハメを意識するはずだ。ゲームと音楽の融合はさまざまな形で試みられてきたが,本作は1つの答えを提示している。

2体のボス戦など,カウンターとドッジ,複数のインジケーターが入り乱れることも。受け付けは意図的に甘くされており,ジャストタイミングである必要はない
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 もちろん,入力をリズムに合わせればご褒美がある。カウンターやドッジをタイミング良く決めるとより高いスコアを得られる。また,通常攻撃をリズムに合わせて繰り出すと強化版となりスコアの倍率も上がるほか,スキルのリソース「フィーバーメーター」が溜まる。

 溜まったフィーバーメーターを使って,高速のドラムスティック連打「フィーバーラッシュ」,ベースでぶん殴る「ベース・インベーダー」,あらゆる攻撃を受け止める「ショーストッパー」といったスキルを状況に応じて使い分け,敵を倒していこう。

通常,盾の殴打は「ドッジ」で避けるしかないが,スキルの「ショーストッパー」なら受け止められる。ビートに合わせたタイミングなら,受け止めた後に強力な反撃を出せる
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「ベース・インベーダー」を強化すると溜め攻撃ができ,ベースを叩きつけて相手を浮かせる
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 押さえておきたいのは,攻撃を空振りしても倍率やフィーバーメーターが溜まっていくという点だ。通常のゲームならグリッチとして真っ先に潰されそうな現象だが,本作はチャーリーの活躍を楽しむゲームであるがゆえ,意図して残されているのだろうか。

 こうしたバトルのクライマックスとなるのがボス戦だ。ボスは「Dead as Disco」の元メンバーだ。
 ともにハーモニーと戦い,互いを裏切らないと誓ったはずの戦友同士だ。身体を機械化したロック系ギタリストのデックス,ハーモニーが作った美少女AIでK-POPを歌うアローラ,パンク系ベーシストのヘムロック,ラッパーのプロフェットといったメンバーたちは,ジャンルもスタイルもバラバラで個性的である。

 皆をつなぎとめていたのはチャーリーだが,なぜか彼らはそのチャーリーが裏切ったと誤解し,襲い掛かってくる。
 幻覚のような世界にチャーリーを引きずり込み,空を飛んで飛び道具を連射してきたり,雑魚をけしかけてきたりするなど,さまざまな攻撃パターンを持っているため手強い。

 倒すと,前述したスキルを手に入れられ,チャーリーがよりパワーアップしていく。また,スコアに応じて得られた「ファン」を使うことで,体力の上限を上げたり,新たな技を習得したりといった恒久強化も充実しているため,繰り返しプレイすることでいつかはクリアできるはずだ。

ボス戦では背景がさまざまに変化する。ギタリストのデックスは,チャーリーが作った曲をハーモニーに売り渡したうえ,機械化した身体を電源につながれて24時間演奏を続けている。そこまでして演奏に執着する真相とは……?
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ハーモニー製AIのアローラは,仮想空間でさまざまな攻撃を繰り出してくる。巨大化したアローラが暴れる様はまさに悪夢だ
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ラッパーのプロフェットは,文字通りマシンガンのように打ち出される言葉を武器とする(左)。直接戦闘でもさまざまなコンビネーションを使う強敵だ(右)
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 一通りのボスを倒したら,やり込みのスタートだ。メンバーたちのエピソードを先に進めるには,隠しアイテム探しや2体のボス戦では,困難なミッションをクリアしなければならず,なかなかにやりがいがある。

 そして,「インフィニット・ディスコ」というただバトルに没入できるモードも存在する。1プレイが数分で終わるのに加え,楽曲のジャンルもハードロックやヘヴィメタルにラップやボカロ曲,「Maniac」「The Final Countdown」「Holding Out For A Hero」といった懐かしの名曲まで多彩である。
 MP3をインポートしたり,敵の出現パターンをエディットしたりすることもできるため,モードの名前の通り延々と遊び続けられる。インポートした曲で遊んでもファンが増えるため,チャーリーの強化にもつながるのだ。

「インフィニット・ディスコ」モードでは,さまざまな特殊条件下で戦うミッションも。なかにはボスが2体出現するミッションもある
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敵の出現パターンを自分で制作することもできる。海外ゲームらしいユーザーフレンドリーな環境だ
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ボスのアローラを5体同時に出すことも可能。クリアの保証はない
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 本作はストーリーも魅力的だ。ボス(メンバー)を倒すと,チャーリーが根城にするバーに戻ってきてくれる。プレイを進めると,彼らの過去に何があったのかが少しずつ解き明かされていき,メンバーへの感情移入も深まっていく。
 “伝説のバンド,一夜限りの再結成”というのは心躍るフレーズだ。しかし,バンドが解散するからにはきれいごとばかりでは済まされない事情がある。辛い過去を乗り越えて互いを許し合い,再び仲間となっていく様にはグッとくるものがあるはずだ。

ボスとなったメンバーを倒し,ステージに隠された思い出の品を探し出すと誤解が解け,「Dead as Disco」再結成に動き出す
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デックスが生身を捨てて義体化し,ハーモニーの奴隷となって演奏する境遇を受け入れたのは,チャーリーへのリスペクトと友情ゆえだった
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プロフェットは自らの意思でハーモニー入りした。バンドの再結成はできないと語るが,その真意は……?
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チャーリーが使うスキルは,メンバーたちから受け継いだものである。かつての友と許し合い,その力を使って戦うのだ
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アローラはAIであり,ハーモニーの所有物だ。ハーモニーの支配から解き放たれたことによって,能力の大半を失ってしまう。自分の存在意義に疑問を抱くアローラに,チャーリーはどんな言葉をかけるのか
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 本作は1年前にデモ版が公開されてから何度もアップデートを繰り返し,早期アクセスにこぎつけたという経緯がある。

 筆者はデモ版のインフィニット・ディスコモードを遊び続け,アップデートが入るたび,さまざまな部分の変化に一喜一憂していたのだが,早期アクセス版の出来栄えは,ずっと待ち続けてよかったと感じられるものとなっていた。

 発売から間もないにもかかわらず,すでに何度かのアップデートが行われ,追加機能の予定も発表されており,期待が持てる作品だと感じられた。

 個性的なゲームプレイのコア部分そのものが魅力的であり,自発的にプレイしたいと感じられるのもポイントで,ここに前述したステージエディットも加わっている。良い意味で海外ゲームらしく,プレイヤーの創造性を尊重した作品ともいえるだろう。

 百聞は一見にしかずなので,興味のある人はSteamで配信されているデモ版をプレイしてみてほしい。本作は早期アクセス期間中であるため未完成の状態で,実装されていないボスもいるし,ストーリーも完結していない。一夜限りの復活がどのような結末を迎えるのか,完成を楽しみに待ちたい。

2025年のデモ版。早期アクセス版とは体力ゲージの形が異なり,ややトゥーン寄りの画風だった
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こちらが早期アクセス版で,雰囲気が結構違う
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