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●目次
- 実は2025年には製品化されていたQD-OLED Penta Tandem
- QD-OLED Penta Tandem採用製品が続々と登場
- リフレッシュレート1000Hzディスプレイが登場
- 価格もこなれてきたアスペクト比21:9の5Kウルトラワイド液晶ディスプレイ
- 32インチサイズの4K/240Hz有機ELディスプレイが続々登場
- ASRockの4K/240Hzディスプレイは27インチサイズをメインに
- アスペクト比16:9の5K液晶ディスプレイが27インチサイズで登場
- プロeスポーツプレイヤー向けディスプレイがついに脱TN液晶化?
- ASUSから超横長小型ディスプレイが登場
- 4Kを3枚分で12K,83インチで48:9の超横長ディスプレイ登場
- MediaTekでG-SYNC Pulsarチップ「MT9810」とCNN型AIベースの超解像SoC「MT9820」を発見
実は2025年には製品化されていたQD-OLED Penta Tandem
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2026年の有機ELディスプレイを理解するうえで,「Tandem」(タンデム)は重要なキーワードになりそうだ。まずは,この技術の」概要を説明しておこう。
前提となるQD-OLED(量子ドット有機EL)は,量子ドット(Quantum Dot)技術と有機EL(OLED)を組み合わせたパネル技術である。
光の三原色である「RGB」(赤緑青)のうち,青色は青色有機ELの光をそのまま使い,緑と赤は,緑色量子ドットと赤色量子ドットを塗布したサブピクセルで変換する。これが,QD-OLEDの基本的な仕組み……という触れ込みだ。
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実際,試作品はこの構成だった。しかしSamsung Displayは,2022年に第1世代QD-OLEDパネルを量産する前に,有機EL発光層を青色3層,緑色1層の計4層構成へと変更した。
これは,有機ELパネルの寿命を延ばしつつ,輝度を高めるためだったとされる。
当時のQD-OLED開発チームは,量子ドットで波長の短い青色光を波長の長い赤色光へ変換すると,発熱量が大きくなり,その熱が有機ELパネルの寿命に悪影響を及ぼすと判断した。そのため,輝度と寿命のバランスがよくないという結論に至ったようだ。
その後,Samsung Displayは,LG Displayの「White OLED」(以下,WOLED)パネルとの激しい性能競争に突入した。
Samsung DisplayのQD-OLEDパネルと比べて,発色性能が弱いと指摘されていたLG DisplayのWOLEDパネルだが,純色の赤と緑の発光層を追加した「プライマリーRGBタンデムテクノロジー」を2025年に実用化に成功。この呼び名を短くした「タンデムOLED」を,ブランド名としてアピールし始めた。
タンデムというキーワードは,Appleが2024年に発表した「iPad Pro」(M4モデル)でも使われていたので,記憶にある人もいるだろう。
有機ELパネルは,もともと複数の発光層を持つため,広い意味では最初からタンデム構造だと言える。キャッチーなキーワードで技術や製品を実態以上に分かりやすく見せるのは,珍しいことではない。
ちなみに,このときのタンデムOLEDはLG Display製だったが,一部にSamsung Display製もあったと伝えられている。
そうした流れを受けて,2025年には,LG Displayが仕掛けたタンデムOLEDパネルに注目が集まるようになった。
それに対して,Samsung DisplayのPenta Tandemは,タンデムブームに乗り遅れまいとして,急遽立ち上げた技術ブランドと見ることもできる。なぜ急遽といえるのか。
実は同社は2025年の時点で,Penta Tandemという名称を使わずに同技術を実用化していたからだ。
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Samsung Displayは,第4世代QD-OLEDパネルの製造途中から,このPenta Tandem技術を導入している。それが2026年になってブランドを突然立ち上げたのは,同じタイミングで実用化が始まった第5世代QD-OLEDパネルのアピールと連動させるためのマーケティング戦略だろう。
以降で紹介する各社のQD-OLEDパネル採用ディスプレイに,第4世代QD-OLEDパネルでありながら,Penta Tandem技術の採用をアピールしているものがあるのは,そういう理由だ。
Penta Tandemの「Penta」は,「5」を意味する。QD-OLEDは,最初から4層(Quad)タンデム構造だったので,「Quad Tandem」パネルともいえよう。
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一方,LG Displayの「プライマリーRGBタンデムテクノロジー」ことタンデムOLEDパネルは,赤と緑の発光層を追加したことで,ちょうど4層のタンデム構造になっている。
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Samsung DisplayのPenta Tandemは,LG DisplayのQuadに対して,ひとつ上を行くPentaをアピールしたいという意図が強く感じられる名称といったところか。
QD-OLED Penta Tandem採用製品が続々と登場
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ゲーミングディスプレイメーカーの中でも,とくにSamsung DisplayのPenta Tandemパネル採用に力を入れているのがMSIだ。
MSIが,解像度3840×2160ドット(以下,4K)のアスペクト比16:9タイプとして投入するのが,「MAG OLED 321UPX18」(以下,321UPX18)である。
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パネル世代は第4世代QD-OLEDだが,Penta Tandem構造を採用したものだ。サブピクセル構造は,後述するRGBストライプ構造ではなく,三角配列とされる。HDR映像表示品質は,VESAのHDR関連規格「DisplayHDR True Black 400」認証を取得しているという。
垂直最大リフレッシュレートは180Hzで,デュアルモードには対応しない。
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発売時期は2026年内の予定で,登場が待ち遠しい。
「MPG 341CQR QD-OLED X36」も,Penta TandemタイプのQD-OLEDパネルを採用する製品だ。こちらは34インチサイズで,アスペクト比21:9,解像度3440×1440ドットの湾曲型ウルトラワイドディスプレイである。曲率は1800R(=半径1800mmの円を描くカーブ)で,曲がり具合は比較的緩やかだ。
国内ではすでに販売中で,税込の実勢価格は25万円前後である。
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MPG 341CQRは第5世代QD-OLEDパネルなので,同じPenta Tandemでも,世代が新しいQD-OLEDパネルだ。そのため,サブピクセル配列にはRGBストライプ構造(後述)を採用している。
垂直最大リフレッシュレートは360Hzで,デュアルモードには対応しない。
HDR映像表示品質は,DisplayHDR True Black 500認証を取得しているという。動画表示品質については,VESAによるパネルの映像ブレを示す指標「VESA ClearMR」の「ClearMR 18000」認証を取得している。
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MPG 341CQRに近いスペックの製品は,ASUSからも発表されている。それが「ROG Strix OLED XG34WCDMS」だ。
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有機ELパネルの世代はMPG 341CQRと同じで,画面サイズや解像度,曲率,HDR品質,動画表示品質も変わらない。
最大の違いは垂直最大リフレッシュレートで,280Hzまでとなる。
発売時期は今夏を予定。価格は未定となっているが,スペック差があるので,MSI製品よりは安価になるかもしれない。
リフレッシュレート1000Hzディスプレイが登場
競技会に出場するようなeスポーツプレイヤーに人気なのは,解像度とフレームレートを高い水準で両立しやすい,2560×1440ドット表示のディスプレイだ。
新製品でも比較的手が届きやすい価格帯にあり,映像の美しさを楽しむゲームでも,高精細な映像を楽しめる。27インチ前後であれば,手狭なデスクにも設置しやすい。
Acerの「Nitro XV273U F5」は,そうしたユーザーに向けた製品で,デュアルモードによる1280×720ドット表示時に,最大リフレッシュレート1000Hzを実現するゲーミングディスプレイだ。
なお,解像度2560×1440ドットの表示モードでも,垂直最大リフレッシュレートは500Hzに達する。
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現在の基準では,720pはかなり低い解像度に思える。ただ,eスポーツプレイヤーの中には,「低解像度のほうがエイムしやすい」という人もいるため,これで十分という場合もあるようだ。
AMD独自のディスプレイ同期技術「FreeSync Premium」にも対応し,NVIDIA独自の「G-SYNC Compatible Monitors」認証も取得しているそうだ。
Penta Tandemパネルを推すMSIだが,第4世代QD-OLEDパネルを採用する「MAG OLED 271QPX32」も発表していた。27インチサイズで2560×1440ドット解像度の有機ELディスプレイだ。
担当者によると,価格面では攻めるとのことで,北米想定価格は550ドル(約8万9000円)前後だという。発売時期は2026年内の予定だ。
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第4世代QD-OLEDパネルということもあってか,サブピクセル構造はRGBストライプではなく,三角配列である。
垂直最大リフレッシュレートは320Hzで,HDR映像品質は,VESAのDisplayHDR True Black 500準拠。動画品質については,ClearMR 15000認証を取得している。
同じ27インチサイズで2560×1440ドット解像度の有機ELモデルでも,GIGA-BYTE TECHNOLOGY(以下,GIGABYTE)の「AORUS ELITE FO27Q8G」は,LG式の第4世代タンデムOLEDパネルを採用するゲーミングディスプレイだ。
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垂直最大リフレッシュレートは280Hzで,HDR映像品質は,DisplayHDR True Black 500準拠。最大輝度は1500nitである。
価格もこなれてきたアスペクト比21:9の5Kウルトラワイド液晶ディスプレイ
PCゲームに限った話ではあるが,一般的なアスペクト比16:9よりも横に広い,ウルトラワイドディスプレイでのゲームプレイに注目が集まっている。
レーシングゲームやフライトゲームだけでなく,最近では「バイオハザード」シリーズのような,一人プレイ主体の映画的な没入感重視のゲームでも,ウルトラワイド対応が増えている。
筆者の体感では,最近のタイトルなら80%以上が対応している印象だ。
とくに,シネマスコープに近い画角となるアスペクト比21:9のウルトラワイドディスプレイは,価格もこなれてきた。
ただ,その多くは解像度3440×1440ドットの製品だ。映画的な没入感を重視するゲームを楽しむユーザーからは,より高い解像度を備えたアスペクト比21:9ディスプレイを求める声も高まっていた。
そうした要望に応える形で,最近になって数を増やしているのが,アスペクト比21:9で解像度5120×2160ドットの5Kディスプレイだ。4K解像度を,横方向へ広げたようなディスプレイと考えると分かりやすい。
ただ,ここ数年で登場した製品は,いずれも40インチ超の大画面製品が中心で,価格も1500ドル(約24万2000円)超と高価だった。
そうした中,2026年からは,人気の高い30インチ台で,アスペクト比21:9の5Kディスプレイが,各社から登場し始めている。
COMPUTEX 2026で,Acerが発表した「Nitro XV345CKR P」は,34インチサイズの5K液晶ディスプレイだ。
垂直最大リフレッシュレートは180Hzだが,解像度2560×1080ドットモードに切り替えると,360Hzまで引き上げられるデュアルモード仕様のディスプレイである。
発売時期は2026年内の予定で,北米におけるメーカー想定売価は900ドル(約14万5000円)だそうだ。
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ウルトラワイドディスプレイで気になる曲率は,1500R(=半径1500mmの円を描くカーブ)とのこと。34インチクラスのウルトラワイドモデルで1500Rなら,印象としては緩やかに曲がっている程度だ。
ちなみに,曲面を強く意識するのは1000R前後やそれより高い曲率の製品からだ。逆に言えば,これまで平面ディスプレイしか使ってこなかった人には,1500Rの本機のほうが,慣れやすいかもしれない。
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LED総数は非公開だが,価格帯を考えると1344個,つまり1ゾーン=ミニLED 1基の可能性が高い。
また,量子ドット技術も採用していないようなので,白色ミニLEDとカラーフィルタを組み合わせた液晶パネルと見てよさそうだ。価格対スペック比重視のアスペクト比21:9,5Kモデルとして注目したい。
32インチサイズの4K/240Hz有機ELディスプレイが続々登場
4K解像度のディスプレイを使うと,高解像度ゆえに描画負荷が高いため,よほど負荷の軽いゲームでない限り,常時120fpsの維持は難しいとされてきた。ただ昨今は,超解像系技術から派生したフレーム生成技術によって,一定以上のGPU環境であれば,4K/120Hzも実用的になりつつある。
そうなるとユーザーからは,「4K解像度でも,より高いリフレッシュレートに対応するディスプレイほしい」という要望が高まってくる。そうした流れを受けて,各社が投入し始めているのが,4K解像度で垂直最大リフレッシュレート240Hzに対応するディスプレイだ。
画素応答速度が0.03ms程度の有機ELパネルであれば,技術的には以前から実現可能だった。ただ,最近になってニーズが高まり,各メーカーから対応製品が相次いで登場してきたわけだ。
GIGABYTEの「AORUS ELITE FO32U24G」は,そうした製品のひとつだ。
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発売時期は2026年8月以降とのことで,価格は未定である。現行モデルの「AORUS FO32U2/P」が20万円前後で販売されていることを考えると,本機もおおむね同程度の価格になるのではないだろうか。
FO32U24Gは,4Kのドットバイドット表示でも見やすい32インチサイズのディスプレイで,映像パネルには,LG式のWOLEDパネルを採用している。冒頭で解説した,赤と緑の発光層を追加したタンデムOLEDパネルである。
ただし,サブピクセル構造はRGBストライプではなく,コントラストを重視したRGB+W配列だ。
HDR映像表示品質は,DisplayHDR True Black 500認証を取得しており,ピーク輝度は,大型有機ELテレビに匹敵する1500nitに達する。
また,表示面には特徴的な,「RealBlack Glossy」を採用している点を,強くアピールしていた。これは,周囲の映り込みを抑えつつ,フォーカス感とコントラスト感を両立する新しい表示面加工技術だ。
周囲の映り込みを嫌って,ノングレア加工を好むゲーマーは多い。ただ,ノングレア加工は,表示面を実質的にエンボス加工するため,周囲の映り込みを散らして低減できる一方で,外光に起因する迷光が増える。さらに,有機ELパネル内部からの出力光も拡散してしまうため,表示のフォーカス感とコントラスト感が下がりやすい。
このバランスを調整するのが,RealBlack Glossyである。ハーフグレア加工の一種だが,新世代の表示面加工技術だけあって,見た目の印象はかなり良い。
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ASUSの「ROG SWIFT OLED PG32UCWM」(以下,PG32UCWM)も,32インチサイズで4K/240Hz,フルHD解像度時には480Hzまで垂直最大リフレッシュレートを上げられるデュアルモードに対応した有機ELディスプレイだ。
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発売時期は2026年夏頃の予定。価格は未定だが,現行モデルの「ROG Swift OLED PG32UCDM Gen 3」が北米におけるASUS直販ストアで1299ドルなので,これと近い価格対になるだろう。
スペックは,GIGABYTEのAORUS ELITE FO32U24Gとよく似ている。しかし細かく見ていくと,かなり素性は異なる。PG32UCWMは,同じLG式のWOLEDパネルでも,サブピクセル構造に最新世代のRGBストライプ方式を採用しているのだ。
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製造手法の関係で,有機ELパネルは長らく,RGBストライプ構造を採用できなかった。しかしディスプレイ用の有機ELパネルについては,今季からSamsung DisplayとLG Displayの双方が,ほぼ同じタイミングでRGBストライプ構造のパネルを市場に投入している。
とくにLG式有機ELパネルの場合,コントラストと輝度を優先するなら,従来のRGB+Wサブピクセル方式が有利となる。一方,ドットバイドット表示の図版や文字表示,色再現性を重視するなら,RGBストライプ方式のほうが優位だ。
ただし,最終製品でRGBストライプ構造のパネルを採用するかどうかは,メーカーごとの判断による。
本機のパネルも,表示面に「True Black Glossy」というASUS独自名のハーフグレア加工を施している点をアピールしていた。おそらく,名前が異なるだけで,技術的には同じ,あるいは近いものが適用されていると思われる。
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大まかにいえば,Xbox向けモーションセンサー「Kinect」の解像度を一桁×一桁ピクセル程度まで下げたものといえる。このセンサーを使って,ディスプレイ前にユーザーがいるかどうかを判定しているという。
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MSIが発表した「MPG 322UR QD-OLED X24」(以下,MPG 322UR)は,同じジャンルの競合製品といえる製品だ。
すでに国内でも販売中で,税込の実勢価格は24万円前後である。
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なお,本機は4K/240Hz対応だが,先述したFO32U24Gとは異なり,デュアルモードには対応していない点には注意してほしい。
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MSI担当者によると,最近の同社製有機ELディスプレイが搭載している人感センサー「AI Care Sensor」は,人の顔や形状を学習済みで,ディスプレイ前に人がいるかどうかを,ディスプレイ単体でAI推論できるスマートセンサーになっているという。
具体的には,NPUベースのカスタムICと常時稼働CMOSセンサーを組み合わせたシステムだそうで,約0.2秒で,人が目前にいるかどうかを高精度に判定するという。
担当者は,「猫や犬などのペットが近づいたり,椅子が動いたりしても,ユーザーが来たとは誤認しない。しかもキャリブレーションは不要だ」と自信を見せていた。購入した人は試してみるとよさそうだ。
先述するGIGABYTE製品もそうだが,有機ELディスプレイ向けの人感センサーは,かなり高度なものになってきている。
4K/240Hzディスプレイ全般についての注意点を挙げておこう。
これらのディスプレイを購入する前に確認する必要があるのは,自分のGPUが備えるDisplayPort出力やHDMI出力の仕様だ。
HDR10相当の映像信号を扱う場合,4K/240Hz表示では,伝送帯域幅は約60Gbpsに達する。そのためPC側のHDMI出力が,HDMI 2.1規格の「48Gbps+DSC圧縮モード」に対応していなくてはならない。
DisplayPort出力も,DSC圧縮モードを使わない場合は,DisplayPort 2.1規格の80Gbpsモードに対応している必要がある。
これらに対応していないPCやグラフィックスカードでは,4K/240Hz表示は行えないので注意してほしい。
ASRockの4K/240Hzディスプレイは27インチサイズをメインに
マザーボードやグラフィックスカードで日本での人気も高いASRock。しかし,ディスプレイメーカーとしては,まだ広く知られてはいない。
そんなASRockも,今後は日本でディスプレイ販売を拡充したいとのことで,現在,どの製品を日本市場に投入するべきかを慎重に検討しているという。
展示されていた製品の中から,ASRockらしさを感じた「ASRock TCO27USA」と「ASRock TCO27USB」の2製品を紹介したい。
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この2製品は型番が似ているが,実際のスペックもよく似ている。どちらも,27インチサイズで4K解像度の有機ELディスプレイで,4K表示時の垂直最大リフレッシュレートも240Hzだ。
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異なるのは,採用する有機ELパネルの種類だ。
TCO27USAは,Samsung DisplayのPenta Tandem対応QD-OLEDパネルを採用し,サブピクセル構造は従来の三角配置である。一方のTCO27USBは,LG DisplayのTandem OLEDパネルを採用し,サブピクセル構造はRGBストライプ構造だ。
また,フルHD解像度/480Hzのデュアルモードを搭載するのは,TCO27USBだけである。
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HDR表示性能はどちらも同じ仕様で,DisplayHDR True Black 400準拠で,ピーク輝度は1000nitだ。PC切換器(KVM)機能の搭載も共通している。
発売時期はTCO27USAのほうが早く,2026年夏頃の予定。北米価格は800ドル前後を想定している。性能を考えれば,コストパフォーマンスは良好という印象だ。
TCO27USBは2026年内の発売予定で,価格は未定である。デュアルモード対応という違いがあるため,TCO27USAよりも高くなりそうだ。日本での発売は未定だが,このあたりの製品は数量限定でもよいので,手の届きやすい価格で日本市場に投入してほしいところだ。
発色性能を重視するならTCO27USA,コントラスト比やドットバイドット表示を重視するならTCO27USB,という選び方になるだろう。
アスペクト比16:9の5K液晶ディスプレイが27インチサイズで登場
アスペクト比21:9の5Kウルトラワイドディスプレイは上で紹介したが,GIGABYTEから,アスペクト比16:9で5K解像度の新型ディスプレイ「AORUS ELITE FM275K16P」(以下,FM275K16P)が発表された。
発売時期は2026年内の予定で,価格は1000ドル前後を目指すとのこと。
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こちらはIPS型液晶ディスプレイだが,かなりのハイエンドモデルだ。バックライトシステムには青色ミニLEDを採用し,量子ドットを組み合わせてフルカラー発色を行うタイプの製品となる。
ローカルディミング(エリア駆動)の分割数は2304ゾーンに対応する。27インチサイズの上級機では,約4.7mm間隔でミニLEDを並べた製品も存在する。そう考えると,本製品のミニLED総数は9216個前後と見るのが妥当かもしれない。
HDR表示性能はDisplayHDR 1000規格に準拠。瞬間最大輝度は1200nit以上という。
見どころは垂直最大リフレッシュレートで,デュアルモードならぬトリプルモードに対応していること。5K時は165Hzだが,4K時に220Hz,フルHD時には330Hzで表示できる。
ゲーミング液晶ディスプレイとしては,かなりのハイエンド市場向け製品といえそうだ。
プロeスポーツプレイヤー向けディスプレイがついに脱TN液晶化?
これまで,プロ級のeスポーツプレイヤーに向けのディスプレイといえば,TN型液晶パネル採用機が多かった。
これは,TN型液晶パネルがプロ向きということではない。有機ELパネルにしたくても,25インチ以下のディスプレイで使える高速表示対応有機ELパネルが存在しなかったためだ。
勝利を最優先するプロ級eスポーツプレイヤーは,画面全体の見渡しやすさを重視するため,25インチ未満の画面サイズを好む傾向がある。これまで,このニーズには,TN型液晶パネルを採用するBenQ ZOWIEやASUSのディスプレイが応えていた。
そんな市場にLG Displayが,24.5インチサイズでフルHD解像度の有機ELパネルを投入した。このパネルを採用した24.5インチサイズのeスポーツ向けディスプレイ「ROG Strix OLED XG259QWPG Ace」が,ASUSから登場した。
発売時期は未定。価格は1000ドル前後になりそうだ。
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パネル世代はタンデムOLEDだが,サブピクセル構造はRGBストライプ構造ではなく,RGB+W方式となっている。
TN型液晶パネルを採用したeスポーツ向けディスプレイ「ROG Strix XG248QSG Ace」では,画質面の妥協が必要だった。しかし,最新の有機ELパネルを採用したことにより,その点は大きく改善している。
たとえばHDR映像品質は,新たに制定された「DisplayHDR 600 True Black」に準拠する。
ASUSから超横長小型ディスプレイが登場
ライブ配信中のチャット欄表示や,SNS,メッセージアプリのチェック用途など,メインのディスプレイとは別に,小さなディスプレイを常時表示しておきたいというニーズが高まっている。
これを受けて,各社から超横長の小型ディスプレイが登場している。
COMPUTEX 2026でASUSは,ROGブランドから横長ディスプレイ「ROG Strix XG129C」を発表した。
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映像パネルには,12.3インチサイズでアスペクト比24:9,解像度1920×720ドットのIPS型液晶パネルを採用する。垂直最大リフレッシュレートは75Hzで,対応色域はDCI-P3色空間カバー率90%。10点マルチタッチにも対応する。
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映像入力は,フルサイズのHDMI入力×1とUSB Type-C入力×2だ。USB Type-C入力は,DisplayPort Alternate(以下,DP Alt) Modeに対応する。PCのUSB Type-Cポートが,DP Alt ModeとPower Delivery(PD) 20Wに対応していれば,映像伝送とタッチパネル操作,ディスプレイへの給電を,USB Type-Cケーブル1本でまかなえるとのことだ。
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筆者もノーブランド品を1台所有しているが,この手の製品はボディの堅牢性や入力端子周りの剛性が今ひとつなものが多い。それに対して本製品は,ROGブランドの製品だけあってしっかりとした作りで,完成度は高いと感じた。。
ただ,解像度はもう少しほしいところだ。
4Kを3枚分で12K,83インチで48:9の超横長ディスプレイ登場
2025年のCOMPUTEXでHKCは,「世界最高リフレッシュレート750Hzを達成」というデモをひっそりと展示していたことがある(関連記事)
HKCは,日本での認知度こそ高くないが,ODM製品の開発や,自社開発製品を大手メーカーブランドで販売するOEM事業を得意とする中国のディスプレイメーカーだ。最近では,日本のAmazon.co.jpで,「KOORUI」という格安ディスプレイブランドを目にすることがあるが,これはHKCの自社ブランドである。
COMPUTEX 2026でもHKCは,またもやひっそりと,世界初をうたうアスペクト比48:9,83.4インチサイズの12Kウルトラワイドゲーミングディスプレイ「C83U60」を展示していた。
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解像度は11520×2160ドットで,計算上は,ちょうど32インチサイズの4Kディスプレイを3枚並べた解像度とサイズだ。総ドット数は2488万3200ドットもある。8K(7680×4320ドット)が約3300万ドットなので,8Kよりは描画負荷が軽い。
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それでいて曲率は1000R(=半径1000mmの円を描くカーブ)という急カーブなのだから恐れ入る。画面中央に頭を置けば,左右の画面端が真横に来るほどの曲がり具合だ。
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映像パネルには,中間調(Gray to Gray)応答速度4msのVA型液晶パネルを採用する。色域は,DCI-P3色空間カバー率が95%とのこと。
最大輝度は400nitで,どうやらミニLEDを高密度に敷き詰めたタイプではなく,バックライトはエッジ型のようだ。HDR10表示も,簡易的なものだろう。
本機の垂直最大リフレッシュレートは60Hzだ。ただ,HDMI 2.1のDSC圧縮を使わなければ,60Hzでも12K/HDR10の映像伝送はできない。計算してみると,伝送帯域幅がわずかに足りないためだ。DSC圧縮を使えば,165Hz程度までは対応できそうである。
映像入力は,DisplayPort 2.1入力が1系統,DP Alt Modeに対応したUSB Type-C入力が1系統,HDMI 2.1入力は2系統を備える
まだ試作機段階で,量産や発売は未定だという。製品の市場投入は,大型ウルトラワイドディスプレイを多数手がけてきたSamsung Electronicsが先となるか,それともHKCが先か。今後の動向に注目したい。
MediaTekでG-SYNC Pulsarチップ「MT9810」とCNN型AIベースの超解像SoC「MT9820」を発見
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COMPUTEX 2026のMediaTekブースには,そのMT9810チップが展示されていた。
展示デモのそばには,「MT9810はG-SYNC Pulsarを実現するチップである」という趣旨の解説パネルが添えられていた。
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さらに隣には,「MT9820」というSoCのデモコーナーもあった。こちらは,「畳み込みニューラルネットワークベースの超解像スケーラーで,遅延ゼロで高品位な超解像処理を行う」ものだという。
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デモの内容としては,DLSS的な処理をディスプレイ側で行うというものだ。上の写真で左が4K描画,右がフルHDの描画で,ディスプレイ側の超解像処理により見た目はほとんど変わらない。一方で,右のほうがフレームレートは大きく向上する,というアピールが行われていた。
担当者によると,MT9820はまだ試作チップで,量産時にはMT9810の機能も統合する可能性があるという。実装した製品の登場に期待したい。

































































