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[COMPUTEX 2008#19]NVIDIA,新世代ノートPC向けGPU「GeForce 9M」の詳細を公開
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印刷2008/06/09 11:59

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[COMPUTEX 2008#19]NVIDIA,新世代ノートPC向けGPU「GeForce 9M」の詳細を公開

 2008年6月4日の記事でお伝えしたとおり,NVIDIAは新世代のノートPC向けGPUシリーズ「GeForce 9M」を発表。同シリーズの説明会を,COMPUTEX TAIPEI 2008へ参加した報道関係者向けに台湾で開催した。


DirectX 10対応で,Hybrid SLIサポート

Montevinaとの組み合わせでもHybridPowerを利用可能


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 GeForce 9Mシリーズは,一言でまとめるなら「GeForce 8Mをベースに,ノートPC向けの『Hybrid SLI』技術をサポートし,同時にパフォーマンスを引き上げた製品群」である。GeForce 8Mと同じDirectX 10世代のアーキテクチャを採用しつつ,機能と性能を拡張した製品と言い換えてもいいだろう。デスクトップPC向けGeForce 9だと,Hybrid SLIを利用できるGPUとチップセットが限られるが,GeForce 9Mでは,

  1. 発表時点の全GPUがHybrid SLIをサポートすること
  2. Intelが2008年第3四半期に投入予定の「Centrino 2」(開発コードネーム「Montevina」)プラットフォーム上でも,チップセットに統合されたグラフィックス機能と単体GPUのどちらを利用するか負荷に応じて切り替えられる「HybridPower」機能をサポートすること

が,大きな違いとなっている。

「3DMark06」の「Perlin Noise」テストにおける,Hybrid SLIのパフォーマンス比較。GeForce 9100M G mGPU動作では11.650fps,それに対してGeForce Boostが有効になった環境では23.332fpsと,倍のパフォーマンスを叩き出している
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Hybrid SLIの動作モードは,タスクトレイから簡単に切り替えられる
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GeForce 9Mは競合製品よりも高いクラス性能を発揮すると謳われる

競合となるIntelやAMDのグラフィックス機能統合型チップセット,ATI Radeonと比べて,パフォーマンスが高いだけでなく,ゲームとの互換性も高い(※表中「Game Compatibility」参照)とNVIDIAはアピールする
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GeForce Boostを利用すると,グラフィックス機能統合型チップセットのみで動作しているときより40〜80%の性能向上を果たすという
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 今回発表されたのは,単体GPUが6製品と,AMDプラットフォーム向けのグラフィックス機能統合型チップセット(=mGPU)が1製品。その仕様はにまとめたとおりだ。なお,NVIDIAはAMDプラットフォーム向けのmGPU「GeForce 9100M G」と,エントリー向け(=ローエンド)単体GPUとなる「GeForce 9300M GS」の組み合わせによるHybrid SLI環境を,“百の位の3+1”で特別に「GeForce 9400M」と呼んでいる点には,注意が必要だろう。GeForce 9400Mという単体GPUは(少なくとも発表時点では)存在していない。

※メインメモリ
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Rene Haas氏(General Manager, NVIDIA Notebook Products, NVIDIA)
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 NVIDIAでノートPC向けGPU製品を統括するRene Haas氏は,「GeForce 9Mシリーズは,従来の同セグメントのGeForce 8Mシリーズに比べて最大40%のパフォーマンスアップを果たしている」として,順当な性能向上をアピール。さらに「Beyond Gaming」(ゲームを超えて)と題し,「高性能なGPUを採用することにより,ゲーム以外のアプリケーションにおいても,快適なユーザー体験が実現できるようになる」と,ノートPC選びにおけるGPUの重要性を説く。

ビデオや画像の処理といった,一般的なアプリケーションにおいてもGPUが有効に機能する,Byond Gaming時代に入ったと,NVIDIAは2008年を位置づける
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 Haas氏はBeyond Gamingの例として,ビデオファイルのトランスコード(※特定のビデオフォーマットから,別のフォーマットへ変換する作業)や,画像処理におけるフィルタ適用,Blu-rayコンテンツにおけるPinP(ピクチャ・イン・ピクチャ)時のスムースな再生を実現する「Dual Stream Decode Acceleration」といった新機能を紹介。下の2例について,実際のデモを交えながら,GPUの有効性を強調した。

●ビデオファイルのトランスコード

 MPEG-2 HDフォーマットのビデオを,H.264フォーマットに変換するデモ。「iTunes」を用いて,CPUによるトランスコードを行ったときと,Elemental Technologyが開発を進めている,DirectX 10世代のNVIDIA製GPUでハードウェアアクセラレーションを実現するトランスコードソフト「RapiHD」の二つで,処理にかかる時間を比較している。
 動画のトランスコードでは,シェーダコア(ストリーミングプロセッサ)の多いGPUを選んだほうが,パフォーマンスを向上させやすいというわけだ。

NVIDIAは,Elemental Technologiesと共同で,GPUを使った「RapiHD」のトランスコード高速化を実現。2.40GHz動作のCore 2 Quad+Intel製グラフィックス機能統合型チップセットとの組み合わせに対して,最大で10倍もの高速化を実現するという
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●画像処理におけるフィルタ適用

 画像処理ソフト「Adobe Photoshop」を用いて,不鮮明な画像データから,ディテールを極力抽出する「Deblurring」という補正フィルタ処理を行い。GPUコアを使うことで,より高速な処理を行えるようになるとアピールする。Deblurringはプラグインフィルタ(※Adobe Photoshop標準ではなく,後から追加するフィルタ)だそうだが,詳細は明らかになっていない。

フォトレタッチもGPUコアで高速化ができる,というのがNVIDIAのメッセージ。未発表のGPUと,2.20GHz動作のCore 2 Duoで処理との比較では,約5倍も処理速度に違いが生じるとのこと
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IntelやAMDのグラフィックス機能統合型チップセット,ATI Radeonと比べた,GeForceのメリットをまとめたというスライド
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GeForce搭載のノートPCで

PhysX対応ゲームを楽しめる時代に


 さて,Beyond Gamingなどと言われてしまうと,ゲーマー的には少々不安にならざるを得ないが,だからといってNVIDIAが,ゲームパフォーマンスやゲームタイトルの進化をないがしろにしているわけではないようだ。
 NVIDIAは説明会で,「PhysX」技術を同社のGPU向け開発環境「CUDA」と統合することで,GeForce 8/9シリーズおよびGeForce 8M/9MシリーズのGPUからPhysX対応アプリケーションのアクセラレーションを可能にするとし,布の動きをシミュレートする「OptiTex」のデモを披露した。



 今夏には,PhysXのCUDA対応ドライバが投入される見込み。さらに,2008年夏以降には,PhysX対応ゲームタイトルが続々と登場予定としたHaas氏は,「GPUは,ダイナミックなリアリズムを実現した新しいゲーム環境を構築するためにも重要な役割を果たす」と述べ,GeForceファミリーを選択することがゲーマーにとっての最適解であるとアピールする。

COMPUTEX TAIPEI 2008の会場には,GeForce 9M搭載ノートPCが多数展示された。写真はMSI製「GX630」。「Turion X2 Ultra」+GeForce 9600M GTという構成だ
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 現在,デスクトップPCとノートPCでは,GPUパフォーマンス差が拡大する傾向にある。熱設計面での制約が多いノートPCなので,デスクトップPC用GPUと同じパフォーマンスを実現するのは厳しく,この点が「ゲーム用ノートPC」の足かせとなっている。しかも,世界規模で大きなシェアを持っているIntelのノートPCプラットフォームでは,GeForce Boostを利用できない。
 Haas氏は「ノートPC用GPUの省電力化と高性能化については,現在も精力的に取り組んでいる。どうか期待していてほしい」と,今後もノートPC環境への最適化を継続して進める姿勢を示す。NVIDIAが今後,どのようなアプローチでノートPCにおけるGPU性能を上げていくのか,実に興味深いところだ。
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