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「ZenFone Zoom」テストレポート。光学ズームがウリのASUS製スマートフォンはゲームも意外にいける?
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印刷2016/01/27 00:00

テストレポート

「ZenFone Zoom」テストレポート。光学ズームがウリのASUS製スマートフォンはゲームも意外にいける?

背面のカメラユニットが目立つZenFone Zoom
画像集 No.001のサムネイル画像 / 「ZenFone Zoom」テストレポート。光学ズームがウリのASUS製スマートフォンはゲームも意外にいける?
 既報のとおり,ASUSTeK Computer(以下,ASUS)は,光学3倍ズームを搭載するAndroidスマートフォン「ZenFone Zoom」を発表した。
 カメラ機能に重点を置いたスマートフォンであるのは明らかだが,SoC(System-on-a-Chip)にIntel製の「Atom Z3580」,もしくは「Atom Z3590」を搭載し,さらにメインメモリ容量が4GBであるなど,スペック面で注目すべき点も多い。ゲーム関連イベントでときどきある,「デジカメ禁止,でもスマートフォンはOK」といったレギュレーションに対応できる製品でもあるので,定番のベンチマークテストによる性能検証に加えて,今回はカメラ機能の検証も行ってみた。


5.5インチ級の中でもやや大きめのボディ

バックパネルは革製が持ちやすい


 通常は外観のチェックから始めるところだが,今回はまず,製品ラインナップを説明しておきたい。ラインナップは,SoCと内蔵ストレージ容量が異なる3種類が用意されている。

  • Atom Z3580搭載のストレージ容量32GBモデル4万9800円(税別)
  • Atom Z3580搭載のストレージ容量64GBモデル5万5800円(税別)
  • Atom Z3590搭載のストレージ容量128GBモデル6万8800円(税別)

 ハードウェアの違いだけでなく,ホワイトまたはブラックのカラーバリエーションや,背面パネルが革製かプラスチック製かといった外観の違いもある。ともあれ,容量に応じてSoCも決まる点は覚えておいてほしい。

 では外観をチェックしていく。本体サイズは78.84(W)×158.9(D)×8.9(H)mmと,かなり大きめで,重量も約185gと,5.5インチクラスとしては重めだ。重量があるのはズーム機能付きカメラユニットの存在が大きいと思われる。
 本体正面からのビジュアルは,同じ5.5インチクラスである「ZenFone 2」をやや大型化したような印象だ。しかし背面は,カメラユニット周辺が盛り上がった独特のデザインをしており,普通のスマートフォンとの違いを強く認識できるだろう。とても独特な背面とはいえ,レンズが突出することもなく,光学ズーム機能を実現しているのは大きなポイントだ。

本体前面。ZenFone 2とよく似たデザインで,下側ベゼルには,ASUS製品お約束のスピン加工が施されている
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本体背面。写真はブラックの革ジャケットモデルだ。目につくのはカメラユニットだが,LEDライトとオートフォーカス用のレーザーセンサー,スピーカーもある
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本体上側面:ヘッドフォン端子とサブマイク
本体下側面:マイクとUSB Micro-B端子,ストラップホールがある。ストラップホールのあるグローバルモデルは珍しいのだが,説明員曰く,「コンパクトデジタルカメラのように,手首からぶら下げて使ってほしい」ということで実装されたそうだ
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本体右側面。左から音量調節ボタン,[電源/スリープ]ボタン,録画ボタン,シャッターボタンと多くのボタンが並ぶ。なお,本体左側面にはなにもなし
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 バックパネルはプラスチック製と革製で,形状も微妙に異なる。プラスチック製はほぼ無加工に近く,マット処理で滑り止めが施されているが,サイズからするとグリップにやや不安を感じた。一方,革製は,滑落しにくい仕上がりになっており,コンパクトデジタルカメラにあるような,指を引っかける出っ張りもあるといった具合で,細かく違っている。雰囲気もスマートフォンというよりは,コンパクトカメラ的だ。

パックパネルの違いを比べてみた(左)。上がプラスチック製で,下が革製だ。革製バックパネルには,グリップ用の出っ張りがある。パックパネルは取り外し可能で(右),カメラユニットだけがキレイに残る
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ストラップホールも部材はアルミニウム合金のようだ
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 発表会で公表された情報によると,ZenFone Zoomのフレーム部分は,「航空機レベルのアルミニウム合金」が採用されているとのこと。iPhoneやGalaxyシリーズが,同様に航空機レベルのアルミニウム合金を採用すると謳っているので,これらはいずれも7000番台のアルミニウム合金を使っていると思われる。発表会場には,板状のアルミニウム合金から,フレームを削り出しで成形していく流れを見せた展示があり,19の行程を経ていることを確認できた。

アルミニウム合金の塊から,削り出しでフレームを成型していく過程が展示されていた。掲載したのはその一部で,完成までは19ステップもの工程がある
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 背面に大きなカメラユニットがあるからか,ZenFone Zoomの重心位置は,スマートフォンの標準とは異なり,センターよりも気持ち上にあった。そのため,縦画面時には重さを感じやすく,持ち方で工夫する必要がある。現地で試した限りでは,本体のやや上側を持って,親指でホームキーなどを操作することでバランスを取るくらいしか思いつかなかったが。


売りのカメラ機能はなかなか実用的


HOYAが2013年に発表したレンズユニット
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 それでは,ZenFone Zoomの売りであるアウトカメラを見ていこう。光学3倍ズーム機能を備えたこのカメラユニットは,HOYAが製造したもので,HOYA製のレンズと,1/3型のパナソニック製CMOSセンサーを組み合わせたものだ。ハイエンドスマートフォンで採用事例の多い,ソニー製センサーではないのが意外である。光学手ぶれ補正も搭載しており,少し前のコンパクトデジタルカメラ並みのスペックという印象だ。
 光学ズームとはいえ,レンズが背面から突出するようなことはない。下に掲載した写真を見ると分かるが,プリズムを利用して,縦ではなく横方向に光学ズーム機能を詰め込んでいるため,突起部は最小限になっているというわけだ。それでも,ユニット全体のサイズは大きく,分解モデルを見てもかなりのスペースを専有していた。

ズームレンズ搭載だが,コンパクトデジタルカメラのように,筒が飛び出るわけではない(左)。右写真はレンズユニットの構造を示した図。プリズムで光を屈折させ,横方向にレンズを並べた仕組みがよく分かる
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 ズームについては,ワイド端が35mm換算で約30mm,テレ端が90mm相当になる。F値は2.7〜4.5であるとの説明だったが,撮影写真のEXIF情報を見ると,ワイド端,テレ端のどちらも「f2.7」と記録されていたので,2.7通しなのか,それとも通常のズームと同じく可変なのかは不明だ。
 光学手ぶれ補正機能の効果は,3倍ズーム時に強く体感できる。HOYAの説明によると,手ぶれ補正は4段とのことで,デジタル一眼レフカメラやコンパクトデジタルカメラに採用されているものと遜色ない。

 横置き状態では上側となる本体右側面には,シャッターボタンと録画ボタンが用意されているほか,ズーム操作も音量調節ボタンで行えるので,横に構えたときの操作感は,コンパクトデジタルカメラ感覚で行える。ただ,側面にハードウェアでシャッターボタンを装備するのは,Xperiaシリーズが先行して採用していたので,カメラ機能を重視するスマートフォンではお約束の仕様といってもいいだろう。

左がワイド端(30mm相当),右がテレ端(90mm相当)での撮影サンプル(※クリックするとオリジナルの写真データを表示します)
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 描写については,ワイド端,テレ端はやや甘めだが,40mm付近ではけっこうシャープに写る。カメラユニットが大型なのもあってか,スマートフォン的というよりも,やはりコンパクトデジタルカメラに近い写真が撮れるので,なかなか満足度は高めだ。接写距離は,ワイド端で約5cm,テレ端で約30cmとなっているため,被写体に寄った撮影もしやすくなっている。
 オートフォーカス機能だが,被写体との距離が50cm以内では,レーザーで距離を測って高速なフォーカスが可能となっている。ただ,51cm以上となると,レーザーによる測距が効かずにコントラストAFのみとなるようで,フォーカス速度はもっさりしていた。
 なお,ISO感度は最大3200で,スマートフォンとしては珍しく高速シャッター仕様となっている。ただ,実際に撮影した写真でノイズを確認してみたところ,実用的なISO感度は800〜1200までと見ておいたほうがいい。ともあれ,光学ズームのおかげで,普通のスマートフォンでは厳しい遠くの被写体も狙いやすいのは,ZenFone Zoomの強みと感じる人もいるのではないだろうか。

自然光など明るい場所での写りはとてもいいが,逆に薄暗いところではISO感度が高くなるため,かなり絵が荒くなる(※クリックするとオリジナルの写真データを表示します)
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 気になった部分は,ホワイトバランスとフォーカスの仕様だ。自動では最適なホワイトバランスにならないことが多く,自然光以外では,マニュアルモードにして,ホワイトバランスの値を決めたほうが楽である可能性が高い。マニュアルモード時には,ホワイトバランスを100K刻みで変更でき,リアルタイムプレビューもあるため,意外に調節は楽だった。

マニュアルモードはあれこれと設定項目があるのだが,少しアクセスが面倒な部分もあった。慣れれば支障なく使える範囲だとは思う。ちなみに,電子水準器の反応がすこぶるよく,筆者愛用の「α7」よりもキビキビしていた
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 次に,フォーカスの問題を見てみよう。たとえば,カメラアプリで画面に表示された被写体をタップしてそこにフォーカスを合わせて,少しフレーミングをするといった操作をすることは,スマートフォンではよくあるだろう。ところがZenFone Zoomでは,タップの動きだけでセンサーが働いて,画面の中央でフォーカスを合わせる挙動になってしまうのだ。
 画面を長押しタップすると,オートフォーカスがロックされるらしいのだが,他のスマートフォンでは,まずタップした場所にフォーカスを固定する仕様が一般的なので,ZenFone Zoomの仕様はセオリーと違ってしまっている。また,強制的にフォーカスするまでの判定がシビアすぎるのも気になるところ。ソフトウェア的に対応可能なことなので,修正してほしいところだ。
 なお,好みの範囲ではあるが,露出はデフォルトで明るめに設定されるようになっていた。これはZenFone Zoomに限ったことではなく,iPhone 6sシリーズやXperia Z5シリーズ,シャープのAQUOSシリーズでも同様の傾向がある。気になるようであれば,EV値を「−0.3EV」に設定するといいだろう。


Atom Z3580/Z3590は確かに速かった!

デレステも快適に動作


カスタマイズ設定にある,「ボタンを押し続け,スクリーンショットを保存する」がとても便利。長押ししてから,ワンテンポ遅れてスクリーンショットがキャプチャされるのだが,[電源/スリープ]ボタン+音量調節ボタンの同時押しよりもラグが短い。そのため,ラグのテンポを把握すると,スクリーンショットのタイミングを取りやすい
画像集 No.024のサムネイル画像 / 「ZenFone Zoom」テストレポート。光学ズームがウリのASUS製スマートフォンはゲームも意外にいける?
 ソフトウェア面も簡単に見てみよう。ホームアプリには,ASUS製スマートフォンでは定番の「Zenホーム」を採用している。アイコンが円形になったことで,見た目の印象は変わったものの,仕様や機能は今までと変わっていないようだ。
 マルチタスクボタンを長押ししたときの機能を変更できる点は,意外にも便利であった。「ボタンを押し続け,スクリーンショットを保存する」「ボタンを押し続け,メニューを表示する」の2つから選べるだけだが,スクリーンショット撮影用としてかなり重宝する。ゲームの画面をキャプチャしたいとき,地味にありがたい機能だ。

アイコンは円形のデザインを採用(左)。Playストアアイコンがどこにあるか,しばらく認識できずに探してしまった。電源管理設定は,今までのZenFoneと変わっていない(右)。ゲームプレイ時は「パフォーマンス」に設定することをお勧めする
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 スペックをチェックしていこう。ZenFone Zoomは,5.5インチサイズで,解像度1080×1920ドットのIPS液晶パネルを採用しており,SoCは前述したとおり,Intel製のAtom Z3580かAtom Z3590を採用する。メインメモリ容量は4GBだ。

 AndroidスマートフォンではメジャーなARM系SoCではなく,Intel製SoCであること,そして4GBのメインメモリ容量は大きなポイントだろう。Androidで4GBのメインメモリをフルに使用する状況はそれほど多くないとは思うが,メモリに余裕があるのはいいことだ。
 SoCに統合されたGPUコアは,英Imagination Technologies製の「PowerVR G6430」である。発表会でASUSは,ARM製のCPUコア「Cortex-A53」を8基搭載するSoCに対して,Atom Z3590はSoC全体の性能で約3倍,グラフィックス性能では2.3〜2.7倍であると,比較対象の製品名を挙げずにアピールしていた。
 ベンチマークテストの結果からすると,ASUSが想定した比較対象は,CPUコアとしてCortex-A53を8基搭載するQualcomm製「Snapdragon 615」ではないだろうか。

 冒頭の繰り返しになるが,内蔵ストレージ容量は32GB,64GB,128GBの3種類となっている。また,バックパネルを外せば,背面にあるmicroSDカードスロットにアクセスできるので,容量128GBまでのmicroSDXCカードを利用することも可能だ。
 ちなみに,バックパネルを開くときに,下側面にあるヘコみからツメを外していく流れは,ZenFone 2と変わらない。あまり外しやすいものではないのだが,ASUSの説明員によると「そう頻繁に開閉するものではないから」この仕様にしているとのこと。

 それでは,ベンチマークテストを行ってZenFone Zoomの実力を検証しよう。テストしたのは,筆者によるテストレポートでは定番である「3DMark」と「CPU-Z」,「A1 SD Bench」,「ぺしぺしIkina」,そして「アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ」(iOS / Android,以下 デレステ)のプレイテストである。
 今回は,Atom Z3580搭載モデルとAtom Z3590搭載モデルの2機種をテストできたので,どちらを選ぶのが適当か参考になるだろう。

 まずは,3DMarkの「Ice Storm Unlimited」プリセットの結果を見ていく。Atom Z3580の総合スコアは「19946」,Atom Z3590は「21461」と上々の結果を記録した。個々のテストを見てみると,Graphics test 1のスコアは極端に高いわけでもないのだが,フレームレートは100fpsを超えているほか,CPU性能がものを言うPhysics testも,ARM系SoCよりも高い結果となっている。

Atom Z3580モデルにおける3DMark Ice Storm Unlimitedの総合スコア(左)と細目(中央),および「Monitoring data」グラフ(右)
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同じく,Atom Z3590モデルにおける3DMark Ice Storm Unlimitedの結果
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CPU-Zを見ると,Atom Z3580(左)は500MHz〜2.33GHz,Atom Z3590(右)は500MHz〜2.50GHzで駆動しており,眺めていた限りだと500MHz,800MHz,1333MHz,1866MHz,最大クロックの5段階で動作していた。GPUであるPowerVR G6430の動作クロックは,両SoCとも同じようだったので,3DMarkのスコアは,CPUのクロック差で変わったのだろうか
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 ストレージやメインメモリ性能を計測するA1 SD Benchでは,ラインナップによる差が見られた。メインメモリ性能を測る「RAM」はAtom Z3590のほうが高速なのだが,内蔵ストレージの読み込み性能を測る「Internal memory」の「Read」は,Atom Z3580のほうが速いのだ。体感速度に違いはなかったのだが,使用しているフラッシュメモリチップによる性能差がベンチマークテストで見えたのではないだろうか。

A1 SD Benchの計測結果。左がAtom Z3580で,右がAtom Z3590のものだ
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 ZenFone 2が優秀だったので期待していたぺしぺしIkinaによる連打応答性は,予想通り優れたものとなった。Atom Z3580モデルは「88」で,Atom Z3590は「87」。飽和タイミングはいずれも同じで,52タップめに気持ち長い飽和があったくらいで,そこまではストレートに伸びた。60〜70タップ付近では取得漏れが散見されたものの,52タップめまでストレートに取得できるのであれば,連打を要求されるゲームでも問題はないだろう。

ぺしぺしIkinaのスコア。左がAtom Z3580で,右がAtom Z3590。どちらも初回の飽和は52タップめと,とてもいい結果だ
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 さて,デレステのプレイテストだが,テスト時間の都合もあり,今回はAtom Z3590でのみ計測した。ただ,3DMarkのスコアからすると,体感差はそれほど大きくないと期待できそうだ。

チュートリアル時の判定は「3D軽量」。ベンチマークテストとしてデレステを採用してから,初めてみた判定結果だ
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 意外だったのはチュートリアル時の判定が「3D軽量」であったこと。では,性能もイマイチなのかというと,そんなことはない。実際のプレイでは,描画負荷の高い「3D標準」でも,コマ落ちは極々わずかであり,プレイに支障はなかった。
 「2D標準」でもプレイしてみたが,各種エフェクトやカットインでの表示に遅れも見られない。Atom Z3590の統合GPUは,2D性能,3D性能のどちらも十分に優秀なものといえそうだ。過去にテストしたスマートフォンの印象と比べると,「熱ダレが起きていない状態のSnapdragon 810に近いかな」といったレベルで,想像以上に快適だった。MVを録画した動画を以下に掲載しておこう。


ZenFone Zoomのカットモデルを見てみると,SoC周辺には銅製のヒートシンクが貼り付けられていた
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 デレステでMVを3連続で実行したあとの発熱状態を,iPhone用赤外線カメラ「FLIR ONE」で撮影したのが以下の写真だ。本体前面から見ると,SoC部分だけでなく,液晶パネルの下側も温度が高めになっているのが分かるだろう。高温になっている部分があるとはいえ,極端に熱いわけではない。アルミニウム合金製のフレームは放熱効果も高いのか,高負荷状態から冷めるまでの時間も短いようだ。

デレステを3回連続プレイした直後の温度状況
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 ベンチマークテストの結果とプレイの印象からすると,ZenFone Zoomは2D表示,3D表示を問わず,ゲームでも安定して優秀な性能を発揮するスマートフォンといえそうだ。3DMarkの結果から見る限り,Atom Z3580とAtom Z3590では大きな性能差がないようなので,ZenFone Zoomの購入を検討している人は,価格的にリーズナブルなAtom Z3580搭載モデルを選ぶのが正解ではないだろうか。

ZenFone Zoom 製品情報ページ


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