オープンワールド型ADV「Sable」の無料体験デモが公開。アートフルな世界の中で時間の移り変わりと少女セイブルの成長を辿っていこう

　Raw Fury GamesとShedworksは，2021年9月23日のリリースがアナウンスされたばかりの新作オープンワールド型アドベンチャー「Sable」（PC / Mac / Xbox One）の無料体験デモを公開している。

Steamの「Sable」ストアページ

　「Sable」は，仮面を被って生きる砂漠の民Ibex族の少女“セイブル”が，大人になるための通過儀礼として，自分の個性を最も表現できる仮面を探し求めていくというストーリーが展開する。古代遺跡が点在する広大な大地を，ホバー式のモーターバイクに乗って移動し，地域の歴史や民族の風習を見聞しながら，物語を進めていくことになる。


　本作の冒頭と思われるパートでは，神殿で瞑想を終えたセイブルが，村の長老のジェディから儀式の旅に出る心持ちを聞かれ，旅立ちに際して“セレモニー”を行うために幾つかの準備をしていくことになる。

　ヒラルというキャラクターからグライディングストーンを渡されて神殿に赴き，体を包み込むオーブ状の魔力で高い地点から降りていく“グライディング”という術を学んだり，ドリスというキャラクターから中古のホバーバイクを借りて，砂漠を行き交いする術を学んだり，さらには余所者のシボーから，3つのパーツを集めてホバーバイクを自作したりするといったタスクが用意されている。


　今回のデモはまだ小さなエリアしか用意されていないが，目的の地点にはドリスの中古バイクで向かい，イベントエリアでは自分の足で走り回ることになる。壁や崖などをよじ登れるクライミングや，グライディングを駆使して移動したり，スイッチを作動させたりといった簡単なパズルをこなしながら目的を達成させていく。クライミングにはスタミナの要素があって，あまり高い場所だとスタミナが切れて登り切ることができない。とはいえ，チュートリアルの時点ではそれほど難しくは感じないだろう。


　「Sable」のデモで注目しておきたいのは，ジャン・ジローの「メビウス」などフランスを中心にした漫画スタイルである“バンド・デシネ”に影響を受けたアートワークで，影を描かずに同じ色調の異なるトーンで陰影を抽象化させた，テクスチャーや煙などの効果が異彩を放っているところだろう。神殿内部などの本来ならほぼ真っ暗に描かれるようなシーンが，同じトーンになってフラットに感じられるような印象で，時間の変化によって使用されている色彩が徐々に変わっていくところが美しい。


　「Sable」の無料体験デモ版は，現時点では英語のみとなっているのが残念なところだが，初めてアナウンスされてから3年ほどの間，ずっとこのゲームに注目してきたというゲーマーならばプレイしておくといいだろう。

「Sable」公式サイト