「この大地が2つの太陽に耐えられぬように,アジアの二王もまた同じである」
(The earth cannot bear two suns, nor Asia two kings)
ギリシャからインド北西までを征服して“アジア王”の称号を得た,古代ギリシャのアレキサンダー大王(CV:大塚明夫さんっぽいアレクサンドロス3世)は,ダレイオス3世(英語表記だとDarius IIIなので来年っぽい人)に,こう述べたそうです。もっとも,これは後年の創作だそうで,英訳も複数のパターンが存在します。軽く調べたところでは,18世紀の末ごろにイギリスで刊行された名言集には記事冒頭の英文で記されていたり,近年のインターネット上では「heaven cannot brook two suns nor earth two masters」という形で語られたりしています。大意はともかく,表現は随分違うような……なお他の例としては「There cannot be two suns in heaven and there will be no two kings in Asia」なども。
昨年の流行語大賞には「おい,そこのお前。達人王をやるのだ!」のセリフがノミネートされたって話も幻聴で聞きましたし,「たぶんライダーの次あたりに『シン・達人王おじさん』が来るな……」と睨んでいた今日このごろ,Limited Run Gamesから東亜プラン製ソフトの復刻版セットが届きました。というわけで今回は東亜プランでやっていきましょう。
アメリカのゲーム周辺機器メーカー・Retro-Bitが,東亜プランの開発した4本のGenesis(北米版メガドライブ)用ソフトを互換カートリッジで復刻すると告知したのは2020年9月10日のこと。販売はCastlemania GamesやStrictly Limited Gamesなどで行われ,Limited Run Gamesではアナログ盤のサウンドトラックも発売されました。初期に発表された取扱店では軒並み完売御礼となっていますが,本記事の掲載時点だとスウェーデンのSpel & Såntでは,辛うじて「Hellfire」と「Fire Shark」が購入できるっぽい雰囲気です。まあ筆者はスウェーデン語には明るくないので,ちゃんとは分からないのですが……。
筆者がスウェーデンについて知っていることと言えば,家具はイケアで,音楽はキャラメルダンセン(ウッーウッーウマウマ)とアーチ・エネミーなどのデスメタルで,景観はシモン・ストーレンハーグ氏の「Tales From the Loop」で,有事には地下基地からサーブのグリペンやドラケンが出撃して,宗教は2010年に発足した“情報を複製したりファイルを共有することは神聖な行いである”とする「コピミズム伝道教会」とか映画「ミッドサマー」のアレとかがある,そんな夢の国ってことくらいで……。あとユービーアイソフトの「ディビジョン」シリーズを開発しているMassive Entertainmentもありますね。
みんな大好き「All Your Base Are Belong To Us」(以下,AYBABTU)が2021年に復活だああああああああああ!!
シリアスな情景とカッコいいBGMに対し,あまりにスットコな珍訳・AYBABTU。インターネットミームとしての拡散は1998年ごろに始まったそうですが,インディーズ音楽グループ・The Laziest Men on Marsによるリミックス曲「Invasion of the Gabber Robots」を用いたFlashムービーが2001年に公開されたことによって,世界中に知れ渡りました。
ミームとしての普及がどれほどかと言うと,「Fallout Tactics: Brotherhood of Steel」「Max Payne」「Quake III」「Tom Clancy's Ghost Recon: Jungle Storm」など,数多くのゲームでネタにされているくらい。ゲーム関連の各種コンテンツでも使用例は多く,例えばアニメ版「シュタインズ・ゲート」の英語字幕で,日本語における「ぬるぽ」「ガッ」のやり取りが「All your base are...」「...belong to us」と意訳されたのも有名です。また,ディズニーの劇場用アニメ「シュガー・ラッシュ」でも壁のラクガキとして,「AERITH LIVES」(エアリスは生きている)の文字と一緒に登場しました。そう,「ファイナルファンタジーVII」ネタと並んでディズニー映画に登場するほどのネタというわけです。
……筆者の平常時(「チーズ蒸しパンになりたい」とか言ってる状態)における英語読解力は,「Remember - no Russian」を訳して「みそスープ」といったレベルですが,CATSの言ってることがおかしいのはビンビン伝わってきます。「シューティングゲームサイド Vol.4」に掲載された弓削雅稔氏のインタビュー記事によると「当時,貿易担当の営業の人がいたので,その人かもしれませんね。(略)その人の英語はかなりやばかった(笑)」とのことですが,例えば「CATSの電波発言を英訳する羽目になったせいで英語がおかしくなってしまった」みたいな可能性がワンチャンあるかも(ないかも)しれません。