紹介記事
2025年,PS5でめちゃインディーゲームをプレイした。そして考えた――“プレイステーションでインディーゲームを遊ぶ”ということを
「DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH」や「Ghost of Yotei」など,話題作/大作が次々とリリースされた2025年のPlayStation 5。我が家でもメインのゲームハードのひとつとして大活躍だった。
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デススト2とヨウテイをはじめ,「龍が如く8外伝 Pirates in Hawaii」「SILENT HILL f」「METAL GEAR SOLID Δ: SNAKE EATER」「Clair Obscur: Expedition 33」などでフル稼働。PlayStation Plusのゲームカタログでお気に入りのゲームを遊び直したり,タイミングを逃していた作品にようやく触れられたりと,本当によく頑張ってくれた。おつかれさまです,我が家のPS5ちゃんたち。
そんな2025年だが,自分のゲーム体験には,ひとつ大きな変化があった。それはPS5で,めちゃくちゃインディーゲームを遊んだということ。
しかもそれがごくごく最近――11月に入ってから,急にドカンと増えたのだ。
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なぜそんなことになったのかはこのあとすぐ伝えるとして,この年末は「プレイステーションでインディーゲームを遊ぶ」ということを,なんとなく考えている時間が多かった。
2025年はPS5の5周年。国内向けの価格改定モデルも登場して,「久しぶりにPSでゲームする」「そもそもゲーム自体かなり久々」という感じでPS5を手に取った人も,けっこういるんじゃないかと思う。
そんな人たちに向けて,「いまPS5でインディーを遊ぶって,こんな感じで楽しいなあ」と感じたことを,今年PS5で遊んで特に印象に残ったインディーゲームの話を交えながら,ゆるく共有していきたい。
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11月,PS5でインディーを遊ぶ時間が一気に増えた理由
ではさっそく……なぜ11月に入ってから,急にPS5でインディーゲームを遊ぶ時間が増えたのか?
その大きな理由が,PlayStation 5用リモートプレイ専用機「PlayStation Portal リモートプレーヤー」(以下,PS Portal)のアップデートだ。クラウドゲーミングに正式対応し,PS5本体を起動しなくても,(ほぼ)単体でゲームが遊べるようになった。
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「PS Portal」でついに(ほぼ)単独でゲームが遊べる! クラウドストリーミング機能で何がどうやってプレイできるのか,実際に確かめてみた
「PlayStation Portal リモートプレーヤー」に待望のクラウドストリーミング機能が正式実装され,(ほぼ)単体でゲームが遊べるようになった! PS Portalで劇的にゲームプレイ環境が変化した人間にとって,これはチェックしないわけにはいかない。実際どんなふうに遊べるのか? 対応タイトルは? そしてプレイ感は?
もともと自分は,机に向かって姿勢よくゲームをするタイプではない。あまり机を前にぴしっと座っていられない性分もあって,ソファにべちゃっと座ったり,クッションをかませてゴロゴロしたり,かなりフリースタイルだ。小学生の子どもとキャッキャしながら遊ぶことも多い。
そこにこのクラウド対応がきた。正直「そんな変わらないでしょ」と思っていたけれど,これが想像以上に大きかった。PS5やテレビを使わず,遊びたいと思ったら手元でさっと起動できる。
その結果,ゲームとの距離がさらに縮まって,気づけばインディーを起動する回数がぐっと増えていた。
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我が家(3人家族)のゲーム環境は,メインがPS5とNintendo Switch / Switch2。個人(および仕事)用としてゲーム向けデスクトップPCとMacBookもあるが,子どもが生まれてからは「自室でPCに向き合って」という遊び方はかなり減っている。
この5〜6年くらいの基本スタイルは,大きい画面に向き合って遊びたいAAAクラスの大作はPS5,家族で楽しむゲームやインディーゲームはいろいろなプレイスタイルでゲームが遊べるSwitch / Switch2,自分の時間を作れるときにPCで最新のインディーゲームやアーリーアクセスを遊び,デモやフリーゲームを試す……という感じだった。
そこに去年,PS Portalが登場して,まず「PS5へのアクセスの気軽さ」がぐっと上がった。さらに今年,クラウドゲーミング対応が加わって,インディーゲームをPS5で遊ぶという感覚がもう一段進んだのである。
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とはいえ,「SwitchからPS5に完全に移行した」みたいな話ではまったくない。Switch2が我が家にきた6月以降もインディーゲームのメインプラットフォームは変わらずだし,むしろSwitch2でコアなゲームをがっつり遊ぶことも増えている。
つまり何が言いたいかというと,気分屋な自分(と,わりかし家族みんな)にとって,「今日はどのハードで何を遊ぶか」が,そのときの気分でぱっと選べる選択肢がすごく増えたということだ。
この感覚,コアゲーマーじゃない人や,ほかにもいろんな趣味がある人なら,たぶん分かってもらえると思う。
「よし,ゲームやろう」と思ったのに,電源をつけて,入力を切り替えて……と考えた瞬間,なんとなく気が進まなくなって,気づいたらスマートTVでサブスクの動画をポチっとしている,みたいな。
そういう“ちょっとした壁”が,かなり低くなった。
だからこそまずPS5でゲームを選ぶことが増え,その流れでインディーゲームがさらに生活にすっと入り込むようになった……という感じがしている。
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といっても,PS Portalでのクラウドゲーミング機能は,PlayStationのサブスクサービス「PlayStation Plus」のプレミアム会員でないと使えない。そもそもPS Portalを持っていないできない。そこまでゲームにコストをかけない人には,あまり関係ない話かもしれない。
それはそれとして……久しぶりにPSでゲームを遊ぶ人にこそインディーゲームを知ってほしいし,PSで遊ぶっていう選択肢はいいよね,と思った。ということをこのあとすぐお伝えます。
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なぜPSでインディーを遊んでほしいって思ったのか,考えたことをまとめてみる
たぶん,ひさびさにゲームに戻ってきた人は,まずPS5のパワーをフルに体験できるPlayStation Studiosの大作や,最新のグラフィックスや技術を詰め込んだ有名シリーズの新作に手が伸びると思う。
それらのゲームはもちろんそれで最高なのだけれど,ボリュームも体験もかなりしっかりしているぶん,がっつり集中すると疲れてしまうというか「今日はちょっと一休みしたいな」と感じる瞬間も出てくるはず。
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シンプルな操作で短時間でも1プレイが終わったり,いいところで区切りをつけられたりするインディーゲームは,“ゲームで一息つく”という感覚で遊べてすごくちょうどいい。
では遊びやすいからといって,ライトな体験かというとそうでもない。メジャーな大作とはまた違う方向で独創的なアイデアを持っていて,短い時間でも「お,いい体験したな」と思えるゲームがたくさんだ。ゲームという遊びや表現の幅の広さ,新たな可能性なんかがガツンとくる瞬間もある。
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インディーゲームの幅はとても広く,メジャーに負けないリッチなビジュアルと体験を作り込み,しっかりしたボリュームを持つ作品ももちろん多い。今年,海外のゲームアワードで多くの賞を獲得した「Clair Obscur: Expedition 33」なんかはまさにその代表例だろう。がっつり遊びたい人の新たなゲームの出会いもある。
かつての名作へのオマージュや,昔ながらの仕組みをうまく取り入れたゲームもたくさんあって,ちょっとゲームから離れていた人ほど,「あ,これ昔やってたあれを思い出すなあ」という感じで,“懐かしくも新しい体験”として刺さるんじゃないかと思う。
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それからもうひとつ。インディーゲームは,「その日1日を終えるときの“安らぎの時間”にもすごく向いている」というのを推したい。
少人数や個人で作られているインディーゲームには,ジャンルを問わず,作り手の考えていることや,身の回りで感じたこと,そういうものが自然とにじみ出ている作品が多い。
そういう作家性のあるゲームは,アート作品や小説,映画に触れるような感覚に近く,部屋の明かりを少し落として,寝る前の短い時間,その作品の世界にひたってリラックスする……みたいな遊び方がすごく似合う。
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人間は,世界は,分からないから面白いし思考したくなる――壊すことで世界が作られる不思議なシューター「Dreams of Another」が描くもの
銃を撃ち,壊すことで“創る”。Q-Gamesのアクションゲーム「Dreams of Another」は,ポイントクラウド(点群データ)を用いて表現された夢の(ような)世界でなにを描き,なにを届けようとしているのか。プレイした感想とディレクターのBaiyon氏のインタビューを交えてそれに迫る。
ドラマやアニメのようにエピソード形式で進んでいくゲームもあって,「今日は1話分だけ遊んでおしまい」みたいな感覚で区切れるのもいい。……と思っていたら「続きが気になって一気見しちゃった! 眠いよう」という翌朝を迎えるみたいなことも。それはそれで“らしい”なあと思う。
つまり,日常生活の中にゲームをとても自然に溶け込ませられるのも,インディーゲームの大きな魅力なのだ。
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[レビュー]1つのアパートの,かつての住人の物語を描く。小さな人生を通して世界を照らす“これぞインディー”な一作「The Berlin Apartment」
遠くの国の,遠い時代のお話だけど,なにかが自分に響いてくる――Blue Backpack制作による「The Berlin Apartment」は,ドイツ・ベルリンの古いアパートの一室を舞台としたアドベンチャーゲーム。PARCO GAMESのパブリッシング第1弾で,その物語性で静かに注目を集めている本作の魅力を紹介しよう。
PS5でプレイできるインディーゲームのおすすめタイトル 2025
では,PS5でどんなインディーゲームが遊べるのか。ここからは,実際に自分がPSで(でも)遊んだ作品を中心に,オススメのインディーゲームをいくつか紹介しよう。
PlayStation Plusでは,毎月のフリープレイの中にインディー作品が含まれることも多く,プレミアムに加入していると「ゲームカタログ」に追加されるタイトルも遊べる。
中にはリリース当日からゲームカタログ対応の作品もあるので,気になったものがあれば,まずはそこから触ってみるのもおすすめだ。
■2025年にPS Storeでリリースされて遊んだゲーム
Baby Steps
The Berlin Apartment
Dreams of Another
to a T
Citizen Sleeper 2: Starward Vector
Clair Obscur: Expedition 33
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■発売日合わせでゲームカタログ入りしていて遊んだゲーム
Blue Prince
Sword of the Sea
Skate Story
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[プレイレポ]地獄をめぐり,月を割り,そして寝落ちする。「Skate Story」がもたらす,最高に“チルい”スケートゲーム体験
Devolver Digitalが発売中の「Skate Story」は.ニューヨークで活動する個人ゲーム開発者・Sam Eng氏が手がけたタイトルだ。タイトル通りスケートボードのゲームなのだが,本作はどうやら“地獄めぐり”を体験するゲームだったようだ。
■2025年にゲームカタログ入りしたことで遊んだ(あらためてPS5で再プレイした)ゲーム
Sayonara Wild Hearts
アノー:ミューテーショネム
Arcade Paradise
Bang-On Balls: Chronicles
Viewfinder
Jusant
Neon White
Thank Goodness You're Here!
Lost Records: Bloom & Rage
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■そのほかゲームカタログで遊べる定番&名作インディーゲームのおすすめタイトル(※まだまだあるよ)
Hotline Miami
Hotline Miami 2: Wrong Number
Hollow Knight (ホロウナイト)
Celeste
Dead Cells
Rain World
UNDERTALE
Citizen Sleeper
コーヒートーク
ファー: チェンジング タイド
The Gardens Between
Pacific Drive
Untitled Goose Game 〜いたずらガチョウがやって来た!〜
Cult of the Lamb
DREDGE
Kingdom: New Lands
Frostpunk
This War of Mine: Final Cut
※ラインナップは2025年12月26日時点のもの
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最後に……PlayStationとインディー,その精神とカルチャーの話
PS5でインディーゲームを遊ぶようになって,あらためて思ったことがある。
PlayStationには,インディーゲームの発展を支えてきた歴史と精神性があるということだ。
インディーゲームにつながる“作家性のあるゲーム”が育つ土壌は,PSの誕生からこれまで,いろいろな場面にずっとあった。
SCEJ時代のクリエイター育成プログラム「PlayStation CAMP!」や「ゲームやろうぜ!」から生まれた「無限回廊」や「TOKYO JUNGLE」は,いまのインディーにも通じる独創性をはっきりと持っていた。
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存在しない46番目の部屋を求めて。「Blue Prince」は,謎解きとストーリー表現を見事に融合させた唯一無二の作品だ
ハードコアなミステリー系作品の界隈で最近話題になっている新作「Blue Prince」をプレイ。“ストラテジーパズルアドベンチャー”を謳う本作は,本格的なミステリーゲームでありながら,システムの根本にパズルや資源管理要素が取り入れられているという。その魅力とは,一体どこにあるのだろうか。
ゲームの枠を超えて大きな話題になった「都市伝説解体センター」を送り出した集英社ゲームズでは,「PlayStation CAMP!」や「ゲームやろうぜ!」に関わっていた山本正美氏がインディーゲームと開発者に向き合っている(関連記事)。SIE時代にインディーズイニシアチブ代表として開発者支援に力を注いだ吉田修平氏が,独立後もインディーシーンの最前線で精力的に活動を続けていることは説明不要かもしれない。
こうして振り返ると,いまのインディーゲームというカルチャーの歴史や精神の中に,PlayStationの取り組みが確かにひとつの流れとしてあることをあらためて感じる。
いまのPlayStation自体も,PlayStation Studiosとして大作を作っているスタジオの多くはもともとは小さなチームで,クリエイターの感性を軸に作品を作ってきたところが多い。またPlayStation公式サイトの「PlayStationインディーズ」ページやPS Blog,公式SNSなどでは,インディーゲームを支える情報発信が活発だ。
企業としての近年の動きに目を向けると正直いろいろ思うところはあり,ものごとをフラットに見る姿勢は大事だと思っている。それはそれとして現場の人たちの取り組みを見ていると,かつてPlayStationが育んだインディーへの思いや愛情のようなものは,いまも確かに続いていると感じるし応援したい。
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ここからは少し個人的な,PlayStation 2の時代の話。自分にとってPS2はゲーム機であると同時にDVDプレイヤーであり,映画やドラマ,アニメ,音楽ライブなど,いろいろなカルチャーに触れるためのメディアとなっていた。そうやって育ててもらったエンタメやカルチャーの感覚が,いまの自分の土台になっている。
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だからこそ,個人の作家性やカルチャーがそのまま作品につながっているインディーゲームとの付き合い方は,今でもとても好きだし,ここであらためてPlayStationでそれに触れるのは,やっぱり面白いなと思った。
この文章を読んで,「自分もそうだったわ」「そういわれるとなんだか気になる」と思って興味を持ってくれたらすごくうれしい。
……いろいろ言ったけど,伝えたいことはこれがすべてです。
インディーゲーム楽しいよ! PS5を買ったならぜひ遊んでみて!
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