これに先駆けメディア向けの試写会が開催されたので,同作序盤のあらすじとインプレッション,見どころなどをお伝えしよう。
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「SEKIRO: NO DEFEAT」の舞台となるのは,原作と同じ戦国時代の架空の国「葦名の国」だ。かつて戦場で拾われ,忍びの技を仕込まれた主人公の狼は,「竜胤」(りゅういん)と呼ばれる特殊な力を宿す一族の末裔である九郎に仕えていた。
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葦名の国は,“剣聖”葦名一心が病に伏したため,存亡の危機にあった。一心の孫である弦一郎は,国の窮状を憂い,人を不死に変える竜胤の血を求める。かくて九郎は囚われの身となったが,狼の奮闘により無事救出される。
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しかし,そのさなかに九郎は,不死の見返りとして竜胤が人々に致死の病「竜咳」(りゅうがい)をもたらしていること,そして自らの命を代償にすれば病を根絶できることを知る。
苦悩の末に「竜胤断ち」を決意した九郎の覚悟を知った狼は,主の運命を変えるべく苦難に満ちた戦いに身を投じるのだった。
……といった感じで,序盤のストーリー展開は原作ほぼそのままだ。107分という映画の尺に合わせて原作から大胆に省略したり,話の流れを分かりやすくするために再構成したりといった部分は,当然ながら全編を通して存在する。そのうえで本作でフォーカスしているのは,原作でフィーチャーされていた要素の1つである狼と九郎の関係性だ。
とくに九郎は,キャラクターデザインや独特の映像美と相まって,原作よりもヒロイン力がかなりマシマシになっている印象を受けた。原作で人気の狼とのほっこりエピソードもしっかり盛り込まれており,九郎の所作は間違いなく本作の見どころと言える。
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そのようにストーリーやキャラクターの描写に注力している半面,剣戟シーンは限定的である。
ただ,強敵との戦いはかなり数が絞り込まれているものの,狼が追いつめると,形態変化によって強くなるといった部分が分かりやすく再現されており,こちらも見どころとなる。
とくに刀で打ち合いになったときに響く「キン!」という高めの金属音が,原作のプレイで要となる弾きを思い起こさせて,印象的だった。
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一方,尺が短いだけに説明不足なのではないかと感じる部分もいくつかあった。
いちおう本作では,独特の用語が登場したときにスクリーンが暗転し,白抜きのテキストとともに簡単な解説が入る──たとえば「回生」であれば「竜胤の力で蘇る」といった旨の説明がなされる。
しかし原作未体験の人は,竜胤による回生と,「変若水」(おちみず)による不死の差異や,なぜ後者が蔑まれているのかを理解できるだろうかと思ってしまった。
もっとも,そのあたりを掘り下げると映画としては冗長になるし,原作に触れないまま本作を観ようという人はそう多くないだろうと予想できるので,大きなお世話ではあるかもしれない。
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ともあれ,狼と九郎を筆頭とするキャラクターに着目すれば,本作を楽しめるはずだ。
原作同様,死なずの半兵衛はいいヤツだし,仏師は肝心なところをしっかり決める渋い役どころだし,エマは美人で強くてカッコいいし,一心は病床でも老獪だし,弦一郎はずっと噛ませ犬だ。
原作は高難度の剣戟アクションという側面が強く打ち出されていたため,攻略に追われてストーリーやキャラクターの解釈はどうしても後回しになってしまいがちだったが,本作では最初から人間ドラマに向き合える。
原作をプレイしたときには気づかなかったキャラクターの一面に触れることもできるのではないだろうか。
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