下記の記事は,GAMEVU(→リンク)に掲載された記事を,許可を得て翻訳したものです。可能な限りオリジナルのまま翻訳することに注力していますが,一部日本の読者の理解を深めるために,注釈の追記や,本文や画面写真の追加・変更をしている箇所もあります。(→元記事)
ネクソンは,9月17日から21日まで日本の千葉県・幕張メッセで開催される「東京ゲームショウ(TGS)2026」に「マビノギモバイル」と「ファレイドリア」※の2本を出展し,日本市場の攻略を加速させる。
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※「ファレイドリア」:開発コードネーム「プロジェクトRX」として知られていた,ネクソンゲームズの新作サブカルチャー系タイトル。2026年8月に正式タイトルが発表された。
新作美少女ゲーム「プロジェクトRX」の正式タイトルが「ファレイドリア」に決定。TGS 2026会場で試遊も可能
ネクソンは2026年8月24日,IO DIVISIONが手掛ける新作美少女ゲーム「プロジェクトRX」の正式タイトルが「ファレイドリア」に決定したことを発表した。また,作品の概要が明らかにされるとともに,東京ゲームショウ2026への試遊出展も決定した。
今年ネクソンが用意したラインナップは,韓国国内でヒットしたゲームを海外に紹介するという水準にとどまらない。
日本で20年以上サービスされてきた原作IPをベースに現地サービスを控える「マビノギモバイル」と,日本のサブカルチャー市場でヒットを実証した「ブルーアーカイブ」の開発陣による新作「ファレイドリア」を並べ,それぞれ異なる方法で日本のユーザー層を攻略するという戦略だ。
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「東京ゲームショウ2026」ネクソンブースの最新情報を公開。「マビノギモバイル」「ファレイドリア」を試遊展示
ネクソンは本日,幕張メッセで2026年9月17日から21日にかけて開催される「東京ゲームショウ2026」に出展するブースの最新情報を公開した。会場では,オンラインRPG「マビノギモバイル」と新作美少女ゲーム「ファレイドリア」の試遊や最新映像を楽しめるほか,限定ノベルティも配布される。
とくにネクソンは,今年下半期から2027年にかけてさまざまな新作の投入を予告しているにもかかわらず,今回のTGSには2本だけを選んで出品する。このラインナップは,日本市場で実際に成果を生み出せる可能性が高いタイトルへ,選択と集中を行った結果と受け止められている。
「競争」より「生活」に寄せた「マビノギモバイル」が,日本市場と噛み合う
今回のTGSでまず目を引くのが「マビノギモバイル」だ。本作は,原作「マビノギ」の世界観と情感をモバイル環境に合わせて再解釈したMMORPGである。原作は2004年に韓国でサービスを開始し,日本でも2005年からサービスが始まって20年以上続く長寿IPとして定着した。
とくに戦闘と競争だけに焦点を絞ったMMORPGとは異なり,釣り,料理,採集,製作といった非戦闘の生活コンテンツや,キャンプファイヤーでの合奏や会話といった日常的なプレイを,中核となるアイデンティティとして掲げてきた。
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[インタビュー]マビノギモバイルは,自分が特別なものだと感じられるオンラインRPG――開発8年・費用100億円超の“厄介者”を韓国ゲーム大賞3冠に導いたキム・ドンゴン氏に聞く
日本でのローンチが待たれるタイトルはいくつかあるが,そのリストの筆頭に「マビノギモバイル」が入っているであろうことは,想像に難くない。8年待たされて姿を現したその作品は,大統領賞を始め,瞬く間に韓国ゲーム業界を席巻したのだ。
この特徴は,日本市場における「マビノギモバイル」の可能性を見極めるうえで重要な要素となる。日本では「あつまれ どうぶつの森」のようなゲームを通じて,自分の空間を飾り,ほかのユーザーと日常を共有するプレイ文化が幅広く定着している。「マビノギモバイル」もキャンプファイヤー,合奏,衣装の染色,ステラドームなど戦闘以外の楽しみを用意し,ユーザーがゲームのなかで自分だけの生活を作っていく体験を強調している。
同時に,レイドや戦闘力の競争といった成長・挑戦の要素も備えており,どちらか一方に偏っていない点も強みだ。競争中心のMMORPGに疲れを感じたユーザーには休息と交流の場を,キャラクター育成と戦闘を好むユーザーには明確な目標を提示できるからである。
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「マビノギモバイル」のインプレッションをお届け。懐かしの「マビノギ」が新解釈され,手軽に遊べる“新しい焚火”に
「マビノギモバイル」のメディア向け体験会が行われたので,インプレッションをお届けしよう。日本では21年続く長寿オンラインRPG「マビノギ」をモバイル向けに再構築した完全新作だ。
ただし,日本市場のユーザーの目が肥えてることについては越えるべき課題となる。日本はすでに多様なサブカルチャー系ゲームや生活型ゲームが競合している市場であり,単に生活コンテンツを用意するだけでは差別化を確保しにくい。
結局のところ,原作「マビノギ」が日本で築いてきたブランドとファンダムを,どれだけ自然にモバイル版へつなげられるかが重要になる。
ローカライズも重要な変数だ。日本のユーザーに馴染みのある原作の情感を保ちながら,モバイルMMORPGとして新しい体験を提供しなければならないからである。今回のTGSで原作の代表的な村「ティルコネイル」を実際の空間として再現したのも,長く「マビノギ」に親しんできた日本のユーザーのノスタルジーを刺激し,「マビノギモバイル」への関心を引き上げるための戦略と解釈される。
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何より,日本でのサービス開始が近づいた時点にあるという点で,今回のTGSは大きな意味を持つ。日本での事前登録者10万人突破に続いてTGS出品へとつながっており,ネクソンが現地リリースを前に大規模なオフラインイベントを活用し,ユーザーとの接点を広げようとしている姿がうかがえる。
「ブルーアーカイブ」のヒットの方程式を継ぐ「ファレイドリア」は,新たな成功例を作れるか
「ファレイドリア」は,ネクソンが日本のサブカルチャー市場で再び存在感を広げるために切ったカードであり,ネクソンゲームズのIO本部傘下RXスタジオが開発中のサブカルチャー系モバイルゲームだ。
「ブルーアーカイブ」の韓国およびグローバルサービスを統括したチャ・ミンソPDが開発を率いており,開発名「プロジェクトRX」として知られていた作品が,正式名称とブランドアイデンティティの公開によって本格的に姿を現した。
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「ブルーアーカイブ」は何が成功して,何が課題だったのか。チャ・ミンソPDが語る開発ポストモーテム[NDC26]
NEXON Koreaのカンファレンスイベント「Nexon Developers Conference 26」では,多数の開発者によるセッションが行われた。「ブルーアーカイブ」のグローバルサービスを統括したチャ・ミンソ氏が登壇した講演を紹介する。
今回のTGSは,「ファレイドリア」が事実上,一般に向けてゲームを本格的に披露する最初の舞台という点でも意味がある。舞台となるのは,地球によく似ているがどこか異なる異世界「アニマ市」。
プレイヤーは復興センターのセンター長として赴任し,事務所「黄昏館」を管理しながら,ミニエ,オハナ,シャミ,エレベーターガールといった特別な能力を持つ「メイツ」たちとともに,都市のさまざまな問題を解決していくことになる。
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Unreal Engine 5ベースの高品質な3Dグラフィックスと生活コンテンツ,キャラクター中心のストーリーテリングを前面に押し出し,「プレイヤーとキャラクターがともに生きていく世界」を実現することが核となっている。
「ファレイドリア」が注目される理由は,単にサブカルチャージャンルの新作だという点にあるわけではない。日本ですでに成功を収めた「ブルーアーカイブ」の開発経験とノウハウをもとに,新しいIPを世に出すという点が核心だ。
「ブルーアーカイブ」は2021年に日本で先行してサービスを開始し,現地市場に定着し,長期サービスの過程で強固なファンダムを築いた。日本のApp Storeで売上1位を記録するなど商業的な成果を上げ,コミックマーケットでも大規模な二次創作ファンダムが形成されるほど,現地のサブカルチャー市場で高い認知度を確保している。
「ファレイドリア」は,そうした経験を単純に繰り返すのではなく,一段広げることに焦点を絞っている。チャ・ミンソPDが強調してきた「プレイヤーとキャラクターが互いに目を見つめ合い,心を通わせる体験」も,キャラクターと物語を中心にゲームを消費する日本のサブカルチャー層と噛み合うものだ。
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[インタビュー]ブルアカとは“成分”が違う美少女ゲーム「プロジェクトRX」とは何者なのか。開発を統べるキム・ヨンハ氏&チャ・ミンソ氏ロングインタビュー
情報が極端に少ない,「ブルーアーカイブ」開発元の新作「プロジェクトRX」だが,キム・ヨンハ氏とチャ・ミンソ氏が“生活感”というコアを,未公開ティザーを観ながらたっぷり語ってくれた。東京ゲームショウへの出展も決まった本作の情報を,ぜひ。
しかし,「ブルーアーカイブ」の存在は強みであると同時に,重荷にもなりうる。すでに大型ヒット作を生み出した開発陣の次作という点で初期の関心を引き上げるには有利だが,逆に前作との比較は避けられないからだ。とくに日本のサブカルチャー市場は,数多くの美少女ゲームが競合する飽和状態にある。
結局,「ファレイドリア」がTGSで示さなければならないのは「第2のブルーアーカイブ」ではなく,「ブルーアーカイブとは違う理由」だ。「黄昏館」というユニークな空間とキャラクターたちの関係,そして生活コンテンツを通じて,新しい世界観とプレイ体験をどれだけ鮮明に伝えられるかが,今後の日本市場における競争力を左右する見通しだ。
7月に米国「Anime Expo 2026」で音声認識を用いたじゃんけんの体験イベントを実施し,初のオフライン体験スペースを披露したのも同じ文脈にある。当時は「ブルーアーカイブ」と「ファレイドリア」の体験スペースを並べて配置し,既存のファンダムの関心を新作へ自然に広げようとする戦略を見せていた。
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「ブルアカ」開発元の新作「プロジェクトRX」は,そろそろ見せられる段階に。Anime Expo 2026出張Vlogを公開
「ブルーアーカイブ」「プロジェクトRX」を手がけるIO本部は2026年7月13日,北米最大級の日本ポップカルチャーイベント「Anime Expo 2026」の出張Vlogを公開した。
ネクソンの数ある新作のなかで,なぜ「マビノギモバイル」と「ファレイドリア」なのか
ネクソンは今年下半期から2027年にかけて,「DUNGEON & FIGHTER: IDLE RPG」「TEMPPAL: OVERGEARED」「Vindictus: Defying Fate」「NAKWON: LAST PARADISE」など,さまざまな新作を投入する予定だ。
それにもかかわらず,TGS 2026には2本だけを出展する。これは単に出展できるゲームの数を減らしたのではなく,日本市場という特定の地域を基準にタイトルを選別した結果と見ることができる。
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事前登録者10万人突破とTGS出展が重なったのも,日本でのリリースを前に認知度を引き上げようとする戦略と解釈できる。
「ファレイドリア」も,日本市場を狙うのに適したタイトルだ。「ブルーアーカイブ」を通じて日本のサブカルチャー市場ですでに成果を経験した開発組織が手掛けているという点で,現地市場に対する理解度とファンダム拡張の可能性を同時に期待できる。
ジャンルの面でも,2本は異なる方法で日本のユーザー層を攻略する。「マビノギモバイル」は生活と交流を強調するMMORPGとして,原作が日本で蓄積してきたブランドとファンダムを活用し,「ファレイドリア」はキャラクターとストーリー,生活コンテンツを結び付けた新しいサブカルチャー体験で市場に挑む。
結局,ネクソンのTGS 2026ラインナップは「日本でのリリースを控えた実績のあるIP」と「日本でヒットを経験した開発陣の新作」という2つの軸で構成されている。「マビノギモバイル」が原作「マビノギ」の長期にわたる日本でのサービス経験とブランド認知度を活用するのなら,「ファレイドリア」は「ブルーアーカイブ」で確保した開発力とファンダムを,新しいIPへ広げる役割を担う。
これは,韓国国内のヒット作を日本市場に持ち込むという従来の方式から一歩進んで,現地で通用する可能性の高いIPとジャンル,開発経験を組み合わせ,市場攻略の効率を高めようとする戦略と受け止められる。
TGS 2026で2本がどのような反応を得るかは,今後のネクソンの現地事業の方向性にも少なからぬ影響を及ぼすと見られる。日本でのサービスが目前に迫った「マビノギモバイル」が原作の長寿IPをモバイル市場へ広げられるか,そして「ファレイドリア」が「ブルーアーカイブ」に続く新たなサブカルチャーのヒット作として定着できるかが注目される。
(著者:チャン・ヨングォン)




































