MediaTek製SoC搭載スマートフォンはゲームをどれくらい快適にプレイできるのか?
Xiaomi Xiaomi 17T
スマートフォンでゲームといえば,「Snapdragonなら無難」というイメージを持つ読者も多いだろう。では,QualcommのSnapdragon以外のSoC(System on a Chip)を搭載するスマートフォンは,ゲーマーが選択する価値はないのだろうか?
今回はSnapdragonではなく,MediaTek製のSoC「Dimensity 8500-Ultra」を搭載する「Xiaomi 17T」を評価してみた。
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ゲーム用途だけでなく,「イベントではスマートフォンで写真も撮りたいが,そこまで求めると予算が厳しい」という人も多い昨今。
直販価格で8万9980円からのXiaomi 17Tは,3眼カメラ構成で,イベントで出番の多い望遠カメラも備えるスマートフォンだ。
ではゲームにおける実力はどうなのか。さっそく見ていこう。
Xiaomi 17Tの仕様を確認
Xiaomi 17Tは,6.59インチの有機ELディスプレイを備えている。
公称本体サイズは75.2(W)×8.17(D)×157.6(H)mmで,公称本体重量は約200g。6.5インチクラスとしては標準的ともいえるサイズと重量だ。
形状については今どきのフォーマットどおりであり,特筆すべき点はない。
![]() 本体前面。画面上側にパンチホールがある。 |
![]() 本体背面。カメラモジュールが4基あるように見えるが,うちひとつは色温度センサーなどのセンサー類だ。LEDライトもある |
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ディスプレイは,6.59インチサイズで解像度2756×1268ドット,最大リフレッシュレート120Hz対応の有機ELディスプレイである。
表示可能な色域については,「100% DCI-P3」と公式スペックにあるが,この数値がカバー率なのか,ほかの何かなのかは書かれていない。
さらに公式スペックには,タッチサンプリングレート480Hz,瞬間タッチサンプリングレート3200Hzとある。この瞬間タッチサンプリングレートは,後述するゲーム向けサポートアプリ「ゲームターボ」から利用できるようなのだが,どこで設定するかが分からず,有効化できているかを確認できなかった。
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すでに述べたように,Xiaomi 17TはSoCに,MediaTekのDimensity 8500-Ultraを採用している。
Dimensity 8500-Ultraは,Arm製「Cortex-A725」ですべてのCPUを構成した「All Big Core」方式で,パフォーマンスを重視した設計のSoCだ。
一方,競合するSnapdragon 8シリーズは,Primeコア(ビッグコア)とPerformanceコア(スモールコア)など,役割の異なるCPUコアを組み合わせる構成が一般的なので,構成が異なる。
Xiaomiは,前世代の「Dimensity 8400-Ultra」と比べて,ピーク性能が25%向上したとしている。ただ,CPUの構成自体は,Dimensity 8400-Ultraと変わらない。
メモリ速度やストレージの見直しにより,CPUマルチコア性能の向上を狙っている。
内蔵GPUは,Arm製の「Mali-G720 MC8」。演算コア数は8基で,Dimensity 8400-Ultraの「Mali-G720 MC7」から強化された。
GPUコアの増加も,性能向上の一因と考えられる。
なお,AI処理ユニットの「NPU」も内蔵しているが,端末上で動作するAIがゲームのプレイフィールに影響するような要素はまだない。
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なお,Xiaomi 17Tの設定アプリで詳細情報を確認すると,「RAM」(※メインメモリの意味)の欄に「12.0+6.0GB」とある。中国系のAndroidスマートフォン・タブレットメーカーは,よくこういう表記を使うが,「+6GB」は,ストレージの一部を使用して6GB分の仮想メモリを確保しているという意味だ。
仮想メモリはメインメモリが足りない場合の退避場所であり,メインメモリが多いわけではない(※そのためか,製品情報ページにこの記述はない)。
ゲーム内で仮想メモリを使う可能性は極めて低いため,+6GBを気にする必要はないだろう。
ストレージはUFS 4.1対応で,ストレージアクセス性能はハイエンド端末並みだ。
なお,Xiaomi 17Tのストレージバリエーションは,256GBと512GBの2種類がある。4Gamer読者であれば痛感しているだろうが,データサイズが大きなゲームタイトルが増えているため,予算が許すのであれば512GBを推奨する。
アウトカメラは,広角(標準),超広角,望遠の定番3種類を備えた「ライカトリプルカメラシステム」を採用。価格帯としては十分なスペックといえよう。
カメラ機能の優れたハイエンドスマートフォンのように,解像感やトーンに余裕があるわけではないが,極端に明るい部分と暗い部分が多いゲーム系イベントには耐えてくれる。
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「ゲーム系イベントに行ってきた」記録の写真として破綻するほどではないので,安心して使えるいいだろう。
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ちなみに,カメラ切り替え時にライブビューが連続的に切り替わらず,一度ガクつく。明るい屋外でも再現したため,暗所条件に限った現象ではない。
Xiaomi独自のゲーム機能「ゲームターボ」
ゲーム向けのサポートアプリである「ゲームターボ」(Game Turbo)を見ていく。
ゲームターボは,CPUやGPUを制御して性能をカスタマイズできる「ブースト」機能のほか,タッチ応答性の調整,ビジュアルの強化,ネットワークの最適化,メモリ解放,ボイスチェンジを備えている。
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ゲームターボの「ブースト」機能には「メモリの自動消去」「ストレージ容量を解放」「パフォーマンスを監視」の項目があり,基本的には自動的に実行される。
「ストレージ容量を解放」は,不要データの整理を行う機能とみられる。
「パフォーマンスを監視」はCPU使用率とフレームレートカウンターを示す。ただし,オーバーレイでチェックできるわけではなく,都度開く必要があるため,なんとなく把握するための機能だ。フレームレートのログを保存できるとなおよいのだが。
ゲームターボの「ブースト」機能には,「バランス」と「パフォーマンス」があり,デフォルトはバランスだ。
パフォーマンスに切り替えると,SoC温度とバッテリー駆動時間を犠牲にして,フレームレートが向上する。後述するが,効果を得られるシーンは限定的であり,積極的にパフォーマンスを選ぶ理由はない。
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ブーストの項目と名前が同じで戸惑うが,「パフォーマンス設定」には,「強化されたビジュアル」「強化されたタッチコントロール」「ネットワークスピードブースト」という3つの設定項目がある。
「強化されたビジュアル」は,「ゲームHDR」や彩度,明度の調整ができるというもの。映像の見た目を好みに調整するほか,暗い部分も見やすくできるので,シューター向けともいえる。
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「強化されたタッチコントロール」は,とてもいい機能だ。あらゆるゲームでオンに設定すべきで,タッチレスポンスやトラッキング精度の向上が期待できる。
また,細かな指の動きの認識もカスタマイズできるほか,画面端のタッチ判定を無効化する範囲も3段階から選べる。
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XiaomiやRedmiのルーターでは,特別なスピードブーストモードである「Mi WiFiスピードブースト」が利用できるとあるため,Xiaomiエコシステム向けの機能と割り切ってもいいかもしれない。
そのほかにも,「ボイスチェンジ」といったちょっとした便利な機能もあるのだが,もしスマートフォン販売店の店頭で試すのなら,「強化されたタッチコントロール」を試してほしい。
リズムゲームであればよく体感できるし,シューターをよくプレイするのであれば,微妙なエイムをできるかどうかのチェックをお勧めする。
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処理性能は2026年最新のGalaxyハイエンドモデルの半分程度
それでは,Xiaomi 17Tのグラフィックス性能を検証してみよう。
実施したベンチマークテストは,定番の3Dグラフィックスベンチマーク「3DMark」(v2.6.5056),「Geekbench 6」の2種類。
それに加えて,ゲームでのフレームレートおよびプレイフィールの確認として,以下のゲームでテストしている。
- ウマ娘 プリティーダービー(以下,ウマ娘)
- Call of Duty: Mobile(以下,CoD Mobile)
- hololive Dreams
- ゼンレスゾーンゼロ
なお「GPU設定」はすべて「デフォルト」のままだ。グラフ内では,ゲームターボのバランス設定での計測を「Xiaomi 17T バランス」,パフォーマンスを「Xiaomi 17T パフォーマンス」と表記している。
まずは3DMarkだが,直近でスマートフォンレビュー記事を掲載した「Galaxy Z Fold8」(以下,Fold8)でのテストを参考に,「Wild Life Extreme」「Steel Nomad Light」「Solar Bay」「Solar Bay Extreme」を実行した(グラフ1)。
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Fold8は,SoCに「Snapdragon 8 Elite Gen 5 for Galaxy」を採用する本稿執筆時点で最強クラスのAndroidスマートフォンである。そのFold8に比べると,Xiaomi 17Tのスコアは5〜6割程度と低い。
ただ,価格帯相応ではあるし,後述のとおりゲームでは必要なフレームレートを確保できている。
「バランス」と「パフォーマンス」のスコア差だが,Wild Life Extremeでは有意にパフォーマンスが高い。しかしSteel Nomad Light,Solar Bay,Solar Bay Extremeは,むしろパフォーマンスのスコアが低くなってしまった。
原因は特定できないものの,少なくともパフォーマンスモードに変更すれば常に性能が上がるというわけではないようだ。
次のGeekbench 6の結果だ。CPU性能計測結果がグラフ2,GPU性能計測結果がグラフ3となる。
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CPU,GPUともに,3DMarkと同じくFold8の5割前後のスコアに留まり,目立つ点はない。ベンチマーク性能は,2026年のハイエンドスマートフォンと比べて半分程度と理解しておけばいいだろう。
ちなみに,CPUスコアは「バランス」のほうが高い。GPUテストにおけるパフォーマンスのスコア向上は評価すべきだが,スマートフォンの温度が高くなりすぎるため,どう考えても用途は限定的だ。
ゲームでのフレームレート計測は,ゲームターボ内蔵機能ではなく,「GameBench FPS Monitor」(以下,GameBench)を採用している。
理由は最大フレームレートが30fpsであるウマ娘のライブシーンにおいて,ゲームターボでは35fpsと表示されたためだ。よって,ゲームターボはいちおうの参考値になるが,計測用としては不十分と判断した。
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最大60fpsで動作するCoD Mobileでは,ゲームターボとGameBenchで大きな乖離は見られなかった。誤差の発生条件は不明だが,少なくとも30fps付近では正確な値を示さない場合があるようだ。
なお,ゲームターボのバランスとパフォーマンスについては,hololive Dreams以外は明確な差はなかったため,バランスの結果のみ掲載している。
まずはウマ娘から見ていく。メイン画面からライブの終わりまでを計測したのが次のスクリーンショットだ。
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問題のない結果なのだが,実際に育成をしてみると,画面の切り替わりで描画がもたついた。ゲームターボをパフォーマンスに変更しても,もたつきは解消されない。
もたつきの発生頻度は高くテンポが崩れがちなので,プレイフィールがいいとはいえないだろう。
CoD Mobileは「グラフィック品質」は「最大」,「フレームレート」も「最大」のまま,バトルロイヤルをプレイし,その間を計測した。
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グラフのとおり,CoD Mobileでは60fpsにほぼ貼り付いており,グラフィックス性能は問題なしだ。
「強化されたタッチコントロール」での調整効果もあり,プレイだけであれば十分な環境といえる。しかし発熱が……。ソフトウェアスティックのある部分の温度上昇が激しく,指先が不快なほどだった。
hololive Dreamsは,「バランス」「パフォーマンス」どちらの設定でも,ライブではカットインがないと120fpsに貼り付くが,カットインがあると100〜110fpsに下がりがちという結果だった。
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個体差の可能性もあるが,「強化されたタッチコントロール」内の「ジェスチャートラッキング」「安定化アルゴリズム」は「高」がおすすめである。
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「品質:最高」でプレイしてみると,「バランス」は平均56fpsと極端なフレームレートの落ち込みもなく,プレイフィールに問題はなし。ところが「パフォーマンス」でプレイすると,徐々にフレームレートが低下し,同時にGameBenchが示す温度も上昇していく結果になった。
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温度で見ると,「バランス」も41℃付近までは同様であるが,43℃近くから露骨なフレームレートの低下がはじまった。推測するに,42℃を上回るとサーマルスロットリングが働く可能性がある。
3DMarkとGeekbench 6のスコア差の原因も,サーマルスロットリングにあると考えられる。
最後のゼンレスゾーンゼロは,画質プリセット「高」で実行した。
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ロード画面でフレームレートが低下することがあり,操作できる場面でも,ときおり60fpsから2fpsほど下がることがある程度という安定した動作だ。
画質プリセットを「カスタム」にして,各項目を最高の設定にしてもほとんどのシーンで60fpsであった。なかなか優秀だ。
MediaTek Dimensity 8500-Ultraを搭載するXiaomi 17Tの性能を見てきたが,実勢価格帯からすると,,システムの安定動作に必要な放熱機構の効果によるものだが,ディスプレイ面も相応に熱を持つ点が,ゲームにおいてはネガティブな点だ。
ある程度,グラフィックス設定を下げるか,必要に応じて外付けのスマートフォンクーラーを利用するといいだろう。
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周知のとおり,メモリチップやNANDフラッシュメモリの価格は高騰しており,当面値下がりする気配はない。その影響を受けて,ハイエンドスマートフォンの価格帯はなかなか手が届きにくいものとなってしまった。
10万円前後でゲームを楽しめるスマートフォンを考えているのであれば,Xiaomi 17Tも候補に入れてみよう。























































